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トラブルコンダクター ものがたり」③宿命 [暴露ばなし]

第2章 宿命



「悪魔」との契約をして数年が経過したときのこと。
かろうじて「入学」した都内の私立高校。クラスメートに「Y」という「変わった奴」がいた。今でも付き合いがあるので、かれこれ20数年。人生の半分以上の付き合い。
奴とは「友人」と言うより、「腐れ縁」と言ったほうが正しいだろうし、このYも「お前なんか友達でも親友でもないよ。腐れ縁・腐れ縁。」と言う。
すっかり荒んだ私だったのだが、この「Y」のおかげで「人間」に生まれ変われたのも事実かもしれない。決して強いわけでもない「ケンカ」に明け暮れ、奴の目には「死に急いでいる奴」としか写らなかったらしい。
毎日、学校への通学の際、同じ駅からの乗車だったせいもあるが、どちらかともなく「相手を待つ」という生活が始まった。
ある日のことこの「Y」が「これ聞いてみないか?」と差し出した一本のカセットテープ。擦り切れるまで聞き続けたテープ。その中には、今では「心のバイブル」となっている曲。「遠くで汽笛を聴きながら」が入っていたのである。
この曲を聴いていると何気なく頬を大粒の雨のごとく、涙が流れていったのである。
3日3晩ほど泣き続けた私。「悪魔に支配された心」にかすかな光が差し込んだ瞬間でもあった。ここで少し歌詞を紹介することをお許しいただきたい。
もしも、今悩んでいる人々や死を考えている人々の救いになれば・・・と思う。

-遠くで汽笛を聴きながら- 
作詞 谷村新司 作曲 堀内孝雄 歌 アリス

なやみ続けた日々が まるで嘘のように 忘れられる時がくるまで
心を閉じたまま 暮らして行こう 遠くで汽笛を聴きながら
何もいいことがなかったこの街で

俺を見捨てた人を 恨んで生きるより 幼い心に秘めたむなしい
涙の捨て場所を 探してみたい 遠くで汽笛を聴きながら
何もいいことがなかったこの街で

せめて一夜の夢と 泣いて泣き明かして 自分の言葉に嘘はつくまい
人を裏切るまい 生きていきたい 遠くで汽笛を聴きながら
何もいいことがなかったこの街で

この曲との出会い。そしてそれを齎してくれた「Y」との出会い。
きっと神様が与えてくれた「宿命」を断ち切り「運命」への扉のカギだったのだろう。
その「カギ」の存在がなければ、このものがたりはここで終っていたに違いない。

-18歳のクリスマスプレゼント-
生まれて初めてサンタクロースに願いを祈る。「本当の家族を与えてください。」
私の願いは夜空に輝く星空を、星たちの煌きによって支えられながらサンタクロースに届いたのだろう。
そのプレゼントが届いたのは、8ヶ月後、「本来の予定より少し早く」私に届けられたのだが・・・・・
こうして私はこの愛すべき娘を手に入れ、「オママゴト」のようなちっぽけだけど、温かい「本当の家族」を手にすることができた。
「この子のためなら・・・・なんでも出来るさ」それはどこの父親でも最初は思うことだろう。悲しいかな「その想い」はどこかに消え去るケースが最近少なくないのだが・・・

-「稼がねば・・・・」で始まるトラブルコンダクター誕生!-
まあ人並みの就職口を探したのだが、折りしも「就職難」。学歴もコネもない。
ましてや、「安い給料」では養う事ができない。
ある知人に「どや~。旅行社の添乗員でもならへんか?」と誘いを受けた。
「まあ、ワシの頼みもあんで・・・・」後が悪かったのだが、目の前に提示された副収入は「生活の為」の・・・所謂ところの「毒喰らわば・・・皿まで」である。
はじめて飛び込んだ「旅行業界」の片隅は、「添乗員の派遣会社」である。
その頃はどこの旅行社も人手と言うより「プロのツアコン」が足らない時代。
そのくせ、「ツアーコン同行」なんてツアーを大量に組む。
まあ、「プロ」ツアコンの仲間入りをしたのである。
1日5000円足らずの日当を貰い今日は○△トラベルで北海道。明日は○×旅行の修学旅行で、京都・奈良なんていう日々が始まったのである。


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