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「トラブルコンダクター ものがたり」⑤天誅を下す・・・(1) [暴露ばなし]

~レイプ未遂犯に天誅を下す。~
「ツアコン」いや「トラコン」になって2~3年が経過しようとしている頃だった。
その頃、私は「普段の業務態度」が著しく認められ、(単に口うるさいので、「口封じ」とも言うべきだろう)「主任」に任ぜられ、部下を持つ身になっていた。
私の「配下?」は、男性5名。女性4名。さらにその都度、「下請ツアコン」も組み込まれる。一応、「関東事業部」部長直轄セクションを束ねていた頃のはなし。
その配下のうちの1名の女性添乗員について「その事件」は起こったのである。
その子の名前は「T子」旅行専門学校を卒業し、「入社」してきた女性である。
この「T子」に私が割振りをした仕事が、「日帰り3本」その後、○北地方へ2泊3日のツアー。「その2泊3日のツアー」で事件は勃発したのである。
初めての宿泊を伴うツアーで、しかも1人ですべてをこなさなければならない。
私にも「記憶」と言うか「苦い思い出」も勿論あるので、「T子」と打合せに同行し、
「バスの座席割りの仕方」とか、「列車移動時の注意事項」「クーポンの取り扱い」など様々なレクチャーを行い、出発当日の朝は上野駅での「センディング」業務を行い出発させたわけだが・・・・・・。
ここで、私は「一つミス」を犯していたのである。それは「団券」の取り扱いである。
キップには「個札」と言われる通常一般に使用される切符と団券と言われる切符が存在していた。この「団券」とは、一枚の紙に乗車日、乗車列車・・・乗車人数・・・・など様々な情報が網羅されており、全行程が「一枚の切符」に書かれている。この切符の取り扱いくらい「知っているだろう・・・」とレクチャーしなかったのである。
「T子」に社旗・クーポン・送客確認書(手数料請求書と言ったほうがいいだろう)・添乗金・腕章・ネームバッチ・その他添乗道具と共に都区内下車用の個札を確認させ出発させてしまったのである。
T子は少々不安を抱えながら、盛岡駅でお客様を改札口まで誘導し、改札係員に「団券」を渡した・・・・ここまでは、レクチャーどおりなのだが、係員もよく団券の取り扱いを知らなかったのである。この団券をT子に返していればこのような事件は勃発しなかったのだが・・・・・・
2日目の夜のこと。自宅の電話が鳴り響く。T子からである。
その日は三陸の○山崎近くにあるホテル○賀荘に宿泊の予定である。
このホテルは私も「よく知っている」ホテル。こともあろうにここのホテルの「支配人」(当時)がこの事件の犯人である。
「もしもし・・」と電話に出る私。
「も・もしもし・・・T・・・です。」(おや、泣いているようだ・・・)
「どうした。何かあったのか?」
「だ・団券無くしてしまった・・みたいで・・・」
「無くした?団券・・・・」と絶句。
「ど・どうすればいいのでしょう?」
「明日。朝出社したら・・・JRに連絡入れるから、大丈夫!」
と慰めていたのだが・・・・・。
その電話の後、「悲劇」はあったのである。
このホテルの支配人は「女癖」の悪い奴である。こいつが「T子」の弱みに付け込み、
「大丈夫。担当さん(旅行社)よく知っているから、起こられない様にしてあげる」とか言いながらT子を押し倒したらしい。驚いたT子は手近くにあった灰皿をぶつけ、廊下に逃げ出したそうだ。幸いバス乗務員も同じホテルに宿泊が幸いし、バスガイドの部屋に逃げ込んだそうだ。
翌日、無事帰京したT子を迎えに上野駅へ行く。「事情聴収」しなければならない。
まあ「あの事件」が起こらなければ、「単純ミス」で処理される「ハズ」だったのだが・・・
T子に報告を聞く。もちろん事件の詳細も確認する。バス会社にも確認とお礼の為にガイドに事情を確認。「だんだん怒り心頭」になる私がそこにいたのである。
2日後、私は急遽予定されていた添乗員を別の仕事にアサインし、現地に乗り込むべくT子と同じルートを辿る。勿論「バス会社」の全面協力でドライバー・ガイドも同じ人間にしてもらう。
前泊さきの十和田湖のホテルより、「宿泊確認」と称した電話をこの事件のあったホテルに掛ける。
「もしもし・・・・K社のオストドですけど・・・・宿泊確認願います。」
「お疲れ様でございます。只今予約にお廻しいたします。」
・・・・・・
「予約の○○です。お疲れ様でございます。」
「お世話になります。K社のオストドです。明日の宿泊なんですが・・・」
「はい。何名様でしょう?」
「45名+1+2でお願いします。ルームはお客様○ルームお願いします。」
「はい。予定通りですね。お部屋番号申し上げます。チャートはお持ちですか?」
「ええ。あります。ルームナンバーお願いします。」
「○階、○○○号室○名・・・・・・オストド様は○階○○○号室、ドライバーさん・・・」
「ありがとうございます。ところで、支配人さんは明日いらっしゃいますか?」
「少々お待ちください。・・・はい。在席しております。」
「そうですか、打合せをしたいので、いらっしゃってくださる様おっしゃってください。」
「はい。それでは、明日のお越しお待ちしております」
さて、これで「攻撃対象の存在」と「攻撃スケジュール」も確認されたわけである。
その夜、ドライバー及びガイドと「綿密な打合せ」を実施し、夜は更けていったのである。 天誅(2)へ続く。


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