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「トラブルコンダクター ものがたり」⑥天誅を下す・・・(2) [暴露ばなし]

~「手出しちゃ負けよ・・・・」~
ガイドとドライバーに諭されているので、「手は出さない」ことにした。
本来なら、「女性の弱み」を利用して「自分の思いのまま」にしようとした「極悪非道人」は、簀巻きにするか、全身に切れ目を負わせ、サメのえさとして三陸の海に投げ込むべきなのだが・・・・。
「何事もなかった様に・・・」ツアーは進んで行く。北○崎の遊覧船に乗り込み、「着々と時間が経つ」のを待ちわびる。
いよいよホテルに乗り込む時間である。
「皆様、大変お疲れ様でございました。まもなくホテル羅○荘到着でございます。」とガイドの案内。代りにマイクを握る。
「皆様お疲れ様でございました。本日のご夕食は午後6時30分。○○へお越しください。ご朝食は午前7時。出発は8時30分を予定しております。それでは只今より本日のお部屋割りを配らせていただきます」ここまでは、通常の業務である。
ホテルの玄関では予め「到着予定時間」を伝えているので、支配人以下の迎えが待っている。
「オストドさん。しばらく振りです。お疲れ様でした」と支配人H。
「お、支配人さん。お世話になりますね」とその後の「攻撃」を悟らせないようにいつもの挨拶を交わす。
フロントでチェックインの手続を行い、部屋割りを提出する。
その後「恒例の打合せ」を行う。
部屋に入り電話で支配人を呼び出す。予め「打合せ」と称して連絡してあるので、Hは何も知らずにやってくる。
「失礼します」と支配人Hが入室してくる。
「どうぞ。」と私。
「大変お疲れ様でした。しかし、オストドさんが来るのは久しぶりですね・・・」とH
「ええ。そうですね。本当は来たくもないホテルなんだけど・・・・」と私。
「・・・・」
「座ってください。」と私。私は窓際のイスに腰掛けている。
「失礼します。」と反対側に座ろうとするH。
「どこに座るんですか?畳の上。畳。」と私。
「はい。」と少し訝しげに胡坐を掻こうとするH。
「普通。正座でしょ。正座。まったく若造の私にこんなこと言わせなくても・・・」
「はぁ。し失礼しました」と正座するH。
「何で私に呼ばれたのか?何で私がこんな胸糞悪いホテルに来たのかご存知ですか?」
「い・いえ知りません。」
「先日は、私の部下であるT子がお世話になったらしいので・・・。うちの担当とも大変仲がいいと聞きましたが?」
「ええ。オストドさんよりは私のほうが永いつきあいですから・・・」
「ふ~ん。なるほど。それで?」
「それでとはなんなんですか?一体人を呼び出しておいて、私忙しいのですから」
「そうですね。私が電話を一本すればすぐ警察も来ますし、その前に辞表を書かなくてはいけませんからね。」
「何で警察なんですか?何で辞表を書かなければならないんですか?」
「胸に手を当てて考えてください。」
「このこと本社の担当さんに言いますよ。そうすれば貴方はツアコンできなくなる」
「そうでしょうか?」
「そうですとも・・・大体貴方は一体・・・・」
「そうしますと、支配人さんは”何も思い当たるフシはない”と言われるのですね」
「ええ。」
「そうですか。そこまで重症いや自己中心的とは・・・」とため息をつく。
「一体なんですか?」と怒り出すH
「なるべく穏便に済ませようとしたのです、止む得ないですね。全国の旅行社に回状を廻させていただいて・・・・」
「一体何の話をなさっているのですか?」
「支配人さんはご家庭もお子さんもおありでしょう?」
「ええ。それが何か?」
「可哀想に・・・明日からこの街いやどこに行っても、犯罪者の家族とレッテルを・・」
「一体、何を言ってるんだ。いい加減にしろ。この若造!」とH
「おやぁ?正体あらわしましたね。私は”大事なお客様ですよお客様”ねえ。雇われ支配人さん!」
「んぐ。・・・」
「今の発言だけでもクビに出来るんですよ。クビ!」
「し・失礼しました。」
「まあ、それは置いといて・・・・本当に思い当たる事ないんですね。」
「ええ。」
「じゃぁお帰りいただいて結構ですよ。但し、明朝には警察のお迎えが来るし、知人のマスコミ各社にも情報流しますから・・・・」と少々はったりをかます。
「T子だけでお分かりにならないんですか?」
「T子・・・T子ねぇ」
「ほんの数日前ですよ。その節は大変お世話になったそうで・・・」
「あっ!」
「どうかしましたか?」
「い・いえ・・何も・・・・」と顔色の少々悪くなる支配人H
「T子がお世話になったときの話を聞かせていただけませんか?」
「あの・・日は・・確か・・・・いきなり泣かれていたので・・・」
「それだけですか。私が確認したところによると・・・・・・・・レイプしようとしたらしいではないですか?」
「そ・そんなことありません。しょ・証拠あるんですか?」
「証拠はありませんね。残念ながら・・・」
「でしょ!」
「でも、親告罪ですので・・・証拠はいりませんよね。それに・・・」
「それになんですか?」
「今回のドライバー・ガイドご存知じゃないですか?」
「し・知りません」
「そうですか、この間のドライバー・ガイドに来てもらっているのですがね。彼等は証言するそうですが・・・・」
「で・・・・でも・・・何も・・・なかったわけだし・・・」
「何もなかった・・ですか?充分事件は存在しますが?」
「私にどうしろ。とおっしゃるのですか?」
「ご自分でお考えになったらいかがですか?」
「ええ。そうですね。その対処方法を拝見させていただいてから、会社としての処遇。
そうですね。警察への告訴まど法的な対応などとらせていただくのですが・・・」
「そうなれば私はお終いです。なんとかなりませんか?それに家族のことも考えてください。」と泣きながら土下座しながら言うH。
「はぁ?お子さんは男の子ですか女の子ですか?」
「お・女の子です。」
「そうですか、もし、お子さんが成長されて同じような目に遭ったらいかがされます?」
「か・考えたくもありません。」
「そうですか・・・・。とりあえず詫び文を書いてください。明日の朝までにその際
私の目の前で印鑑ではなく、貴方の指印を押していただきます。」
「それでよろしいのですか?」
「それともう一つ。彼女から休職願いが出されています。相当ショックだったみたいです。当面の彼女の生活費は、貴方が支払うべきでしょう」・・・・・
翌日、朝6時半に部屋へ来るよう言い渡す。
しかし待っても来ない。7時半にフロントから連絡させる。8時に姿を現す。一応詫び文を持ってきたので、フロントで指印を押させる。Hが「これを・・・」といって封筒を渡してくる。
「なんですか?これ。」
「と・とりあえず10万入っています。」
「10万・・・・10万。これで済ますおつもりですか?」
「いえ。とりあえずで・・・」
「東京に一度いらっしゃってください。そのときに彼女の意向をお伝えしましょう。これは、お預かりしてお渡しいたしましょう。」
「よ・・・宜しくお願いします。」
こうして私はホテルを出発したのだが、「事件」はまだ終らない。
(3)へ続く。


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