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「トラブルコンダクター ものがたり」⑦天誅を下す・・・(3) [暴露ばなし]

~待てど暮らせど鳴らない電話~
東京に戻った私は「T子」を訪ねることにした。
Hから預かった10万を渡すためだ。
「こんなものいらない。」とT子
「一応、受け取っておきなさい。とりあえずの生活費は取ってあげるし・・・」
「そうですか・・・・」
「うん。まあ、こう言うのもなんだけど・・・・もう少し女である自覚持たないと・・・・」
「はい・・・・」
「こういうケースがこれからもないとは言えないし・・・・」
「はい・・・」
「とにかく、隙をみせないことが一番大事だよ。まあとにかく無事でよかったけど」
「はい。」
「会社の処分が決まったから、・・・・厳重注意。」
「はい。」
「いつごろから仕事できるかな?」
「もう。添乗は・・・・」
「そうか、じゃあ僕の補佐で内勤はどうかな?」
「内勤ですか?」
「うん。僕も席にいることは殆どないから・・・・代わりにアサインや打合せしてくれる?」
「私に出来ますか?」
「多分。大丈夫。僕もチェックするし・・・・」
「はい。」
「じゃあ。この件が片付くまで・・一応自己謹慎で・・・・」
「わかりました」
こうしてT子は自ら「謹慎」を申し出た形となり、「上司判断」でその謹慎を明けさせ、
内勤とすることになったのだが・・・・。
帰京から1週間たち・・・・2週間たち・・・・一ヶ月たっても電話が鳴らない。
ホテルに電話をするが明らかにHは居留守を使っているようだ。
こうなればいいいよ「天誅」を下す日がやってきたようだ。
ホテルの仲居より「反Hの急先鋒」であるマネージャーの名前を聞いていたので、そのマネージャーに連絡を入れ、Hの予定を聞きだす。
なんでも軽井沢プリンスホテルに「研修」で滞在とのこと。
軽井沢プリンスに電話を掛けるのだが、本人が出ない。
完全に頭に来た私は、知り合いの「○-さん」に連絡を入れ、T子・私・そして知り合いの○-さん。とその舎弟3名でホテルへ乗り込むことにしたのである。
それと同時にHの勤務していたホテルに事情を連絡・詫び文をFAXする。
「なるべく穏便な処置を・・・」と口にするのだが、「解雇」は間違いないと考えていた。
その後ホテル経営責任者より電話。
しかし、ツアー担当者にも詫び文をFAXし、状況も伝えてあったのだが・・・・。
ホテルより部屋番号を聞きだしていたので、コテージ棟に宿泊している支配人を連れ出し、ロビーへ行く。勿論プリンスホテルにも事情説明はしてあるので、協力こそ得ないが「黙認」とのこと。
この「H」往生際が悪い。フロントに「警察を呼んでくれ」と言う始末。しかしフロント氏の「他のお客様の安眠妨害になるので、お呼びできません。それに呼ばれてこまるのは、お客様ですよね」との声に自分の「味方」はいないことを悟った様子。
さんざん「あれっぽちのことで、10万呉れてやったのに・・」とか「大騒ぎしやがって・・・」とか喚いていたが、さうが「本職」ドスの聞いた声で「あんたの奥さんや娘が同じことされても・・・・」と言う。(脅したわけではない)
この後、このHは無事開放されたわけだが・・・・・ホテルからは一応「自主退職」として扱われ、その退職金とホテルからの見舞金(これはHの借金で自宅を処分したらしい)また小さな町にその安住の地はないのは当然だが・・・・・
このはなしはまだ続きがあるのだが、これ以上は書くわけにはいかない。
まあ・・・T子が受け取ったとされる「慰謝料」の大半は・・・・・・である。
T子のその後と言うと、暫く私の補佐を勤めていた(私が先に退職)・・・。
その後、何処かの街で幸せな結婚生活を送っていると風の便りに聞いたのだが・・・


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