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「トラブルコンダクター ものがたり」24話「添乗禁止処分!?」 [暴露ばなし]

~「添乗したらいけません」~
別に「悪行三昧」がバレたわけでもなんでもない。
「あいつ、アホだからなぁ~。いつかはこうなるのでは?」と期待?していた方の悪いが、その頃は「ダーティー・オストド」とその悪名?は幅広く伝わっていたためでもない。そんなことで「いちいち添乗禁止!」なんてやった日には、安い給料で「お仕事」する人間はいなくなってしまう。
オストドの場合は、「TKO」つまり、「テクニカル・KO負け」。平たく言えば「酒の飲みすぎで胃潰瘍寸前」になったわけだ。
元々、病弱でひ弱な「お坊ちゃま」育ち。物心がついた時から、晩酌のお付き合いを始めており、中1の頃には「大先輩」の高校生(中高一環教育)に連れられ、スナックでコークハイを飲んでいた。勿論、部屋にはウィスキーのポケット瓶が隠されていた。また、父親も「タバコ」だけはうるさかったが、カゼを引いたオストドに「コレ飲んで早く寝ろ!」とウィスキーのお湯割りに蜂蜜トレモンを入れて運んでくる。
まあ廻りを「ノンベ」に囲まれて育ったオストド。酒は飲むものではなく、浴びるものだったから、始末に悪い。
昔のCMに「どんどん飲め飲め客の酒!」と言うのがあったのを覚えてらっしゃるだろうか?会社も「手配旅行」の場合には、宴会のお酒の売り上げも大事な手数料収入だったので、我々に課せられた「任務」は「死んでもいいから、飲め!」だった。
ほとんど毎日のように日本酒2升以上、ビールなら1ケース・・・・なんて無茶をやる。
勿論、トイレで吐きまくる日々。胃に良いわけがない。
ツアコン時代は「身体が資本」だったので、定期的に診察を受けていたのだが・・・。
ある日のこと。久しぶりの休日。妻が好物のフライを山のように作る。
いつもなら・・・・・「ひょい・ぱく!ひょい・ぱく!」と食べ・・・いや飲み込むのだが、「胃が悲鳴」を上げている。かかりつけのドクターの元へ飛び込む。
「何か拾い喰いしたのかな?」このドクター口が悪いので近所でも「評判」なのだが、
「拾い飲みはしたけど・・・・・」とここ最近の「行状」を告白。
「そりゃ・・胃潰瘍だわ。そうだね。1年くらいは禁酒。もちろん添乗禁止。」
「はぁ。陸に上がった河童になっちゃうんですけど・・・・」
「まあ、自業自得。長生きしたければ禁酒&添乗禁止。子供のためにもね。」
おかげで「お仕事」全部キャンセル。しばらくは蓄えを食いつぶすしかない。

~捨てる神あれば拾う神?あり~
「休養宣言!」をして自宅療養の日々。知り合いのホテル経営者より電話。
「オストドくん。身体壊したんだって?再起不能説が飛び交ってるけど・・・・」
「はぁ。面目ないです。」
「どうやって生活してるの?」
「少しの蓄えありますから・・・・」
・・・・・しばし無言・・・・・
「あのさ、うち手伝わない?」
「私に・・ホテルマン・・ですか?」
「うん。うちの東案の営業やらない?」
「そうですね・・・・・・」考え込む。
「裏方を勉強するのもプラスになるよ。それに再起のときはうち辞めればいいから」
「じゃあ・・・・お世話になります。」
こうして裏方修行がスタートすることになったのである。
最初の1ヶ月は「現地ホテル」での研修。フロント・宴会係・クラブ・・喫茶ありとあらゆる職種を経験する。
幸い・・私には「広い人脈」があるので、与えられた「予算」は軽々クリアーできる。
渋る人間は「過去」を脅し、着実に数字を上げる。
結局、1年ちょっとお世話になった。その後、「お仕事を選ぶ!」と言う添乗スタイルになったのは言うまでもないことである。
この後、「ダーティー・オストド」の影は潜め、「万能ツアコン」として生まれ変わった瞬間でもある。


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