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「真夏の夜の夢」第8話 [高1・・・・の夏休み ちょっとえっちな話]

脱走計画

・・・ミーン・ミーン・ミーン・・・
セミがこの時とばかりに・・・・鳴いています。彼等も子孫を残すことに命をかけているわけです。
僕らには・・まだ・・その自覚は芽生えてませんでしたが・・・・ただ・・やりたい盛りの高校生です。
ゆ・優子・・コホン!優子の両親が眠る小さなお墓の廻りを僕たちは丁寧に雑草を引っこ抜き
小石を拾い・・・・そう・・額からこぼれる汗もぬぐわず・・・作業をしていました。

「しかし・・・・・セミはいいよな。」
「ああ?でもよ・・交尾したら・・・ひと夏で死んじまうんだぞ・・・・」
「でもよ・・・俺ら・・やれる・・のかね。」
「ああ・・・なあ・・・・この強制労働終ったら・・・・ト・トルコでも行かないか?」
「トルコ・・って外国のか?」
「ばかやろう・・・・アレの決まってんじゃん。」
「そうだな・・・・でも俺・・・・その辺のお姉さまが良いんだけど・・・・」
「お・・俺・・は」
「ハイハイ。優子・・でしょ」
「お前等・・さぁ。よく優子さんの両親の墓の前でそんな事・・言えるよな・・特に委員長!」
「だって・・よ。俺・・・・」
「うんうん。解る・・」
「あん?」
「だって・・よ。こいつ。犬みたいじゃん。」
「犬?」
「ああ・・・・エサを前にして・・お預けくらって・・・涎・・たらしてる」
「そういや・・そうだな。」
「でもよ・・・そういや・・・キーのやろう・・俺ら犬以下だって言ったよな」
「ああ・・・じゃ、委員長は・・・・犬以下から犬に昇格か・・・」
「ああ・・・超~こわい」
「ああ・・きれいな」
「お姉さま」
「ああ・・・・おまけもあるけど」
「ああ・・・オネエ様方のおもちゃ」
「そして・・・飼い犬!」
「お前等なぁ・・・・」
「良いってことよ。いくら・・犬に昇格しても」
「ああ・・・俺ら仲間だぜ」
「お・・お前等」

静かに・・・そして暑い・・夏の日・・・こうして僕たちは友情・・じゃなかったクサレ縁を強めました。

「なあ・・・」
「なんだ・・委員長!」
「赤・大岩・佐伯・・・・青」
「なんだよ・・・・」
「お前等・・本当に信州の山の中に・・・・・行く気なのか?」
「あ・・・・ああ」
「何か隠してねぇ~か?俺に何か出来ねぇ~か?」
「い・・いや・・・お前・・巻き添えにすると・・・・」
「ああ・・お前の嫁さんにまで・・迷惑かけるしな」
「ば・馬鹿やろう・・だからお前等」
「単細胞ってか。やだね~こいつ・・すっかり嫁さんに・・・」
「ああ・・・昔から言うじゃん。犬も3日飼うと飼い主に・・・なんだっけ」
「似る・・だろ。この馬鹿!」
「さすが・・俺らの委員長だよな・・・」
「それで・・・・どうする気だ?」
「ああ・・・オヤジ・・が来るの明日の晩じゃん。」
「ああ・・そうだったな。」
「それで・・・・今晩。脱走する。」
「だ・脱走?」
「シー。声でかいよ・・お前」
「ごめん。」
「でさ・・・・3バカと大馬鹿・・じゃなかった委員長は・・・寝たふりしててくれ。」
「でも・・お前等・・・どこ行くんだ?2学期には戻るよな?」
「何とか・・なるさ。でも・・・もしかしたら・・・俺ら・・クビかもな」
「で・・どーすんだ。お前等・・・・」
「ああ・・・チンピラでもなるさ・・・後から・・お前等来いよな!」
「俺らも一緒にいく・・なあY・白○・S」
「ああ・・・けど・・お前は残れ!」
「な・・なんでだよ!お・・俺も行くよ」
(本当は相当・・後ろ髪を引かれたのですが・・・)
「いいから・・残れ!」
「だ・・だってよ・・・俺だって仲間じゃん。」
「ああ・・・だから残ってくれ。」
「だから・・・」
「ああ・・・お前と優子・・さんのこと俺ら知らないと・・思ってたわけ?」
「えっ!」
「知ってたよ・・・・」
「だから・・お前・・応援するためによ・・・」
「そ・そうか」
「だから・・残れ!」
「ああ・・・。振られた頃・・迎えに来てやるからよ」
「ああ・・もし喰われちまったら」
「殺されたら・・・」
「死んでしまってもな?」
「お前・・迎えにきてやるからよ」
「だから・・・残れ!」
「で・・・でも」
「でもじゃねえ。お前・・・仲間はずれにするぞ」
「お・・お前等」

僕は仲間たちに頭を下げました。生まれて・・心から・・仲間のありがたさが解ったような気がしました。

「さて・・と。終ったな。」
「ああ・・・でも・・・ひとつ残っているじゃん」
「そうだ・・・・」
「墓参り!」

僕たち・・オオカミ見習いは少しずつ大人になったのでしょうか?みんなで・・墓参りです。

「優子さんのおとーさん。おかーさん。この馬鹿許してやってください。」大岩が口火を切りました。
「お願いですから・・・このおちょこちょい・・・・お願いします。」Sは今にも・・・・泣きそうです。
「ああ・・・こんな馬鹿ですけど・・ユウコ・じゃなかった娘さんに・・ほれてます。」Yです。
「どうか・・・どうか・・・・この馬鹿・・じゃなかった委員長をお願いします。」Sの馬鹿です。
「もし・・・こいつが・・お嬢さん泣かしたら・・・・」赤沼が続きます。
「僕たちが・・・・お父さん。お母さんに代って・・・・」白○です。
「こいつ・・・・叩きのめします・・・・ですから・・許してやってください」佐伯です。
「ほら・・・・お前もなんか言えよ」とYが突っつきます。
「お父さん・・お母さん・・・・・こいつらの明日がいい日になりますように・・お願いします。」
「ば・バカヤロウ・・・・お前・・普通・・幸せにします・・じゃねえのか?」
「い・いいんだよ・・・・お前等と俺は」
「仲間!だもんな」

そのとき・・・そっと木の陰で・・・・涙をふく1人・・・そう・・優子・・です。
ひときわ甲高い声で彼女は叫びました。

「あなた~用意できました~!」

「なぁ・・聞いたか?」
「ああ・・・あなた・・だもんね」
「委員長・・が、あなたか」
「まったく・・・世の中おかしくねえか?」
「ああ・・・なんでこの馬鹿が・・・なあ」
「ああ・・大悪党・・のこいつ・・・」

僕は仲間に思い切り・・祝福を受けたと思いたいのですが・・・・あれは袋叩き・・・です。

「い・・・痛ぇ~な!」
「おい・・・あんまりこいつ・・・壊すと」
「ああ・・・使い物にならなくなると」
「俺等が・・ユウコに殺される!」
「さぁ・・・最後になるかも知らねぇ~けど」
「そうだな・・・・娑婆の温かい・・・」
「うん。旨いメシ・・・」
「たらふく・・食ってさ」
「ああ・・・花火の残り・・・」
「おう!大花火大会やろうぜ」

僕たちは駆け出した。・・・・「神様・・この馬鹿共・・お救いください!」そう祈らずにはいられなかった。



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空飛ぶ食欲魔人

yann様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-25 13:40) 

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