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新連載!スタート! 「まえがき」 [「父親を辞める日・・・・」]

まえがき・・・

「父親を辞める日・・・・」物騒なタイトル。中には「何かあったの?」と言われる方もいるだろうし、「そんな・・無責任な!」と罵られる方もいるだろう。「呆れた奴だ・・・」ともう訪れることすらなくなる方もいるかもしれない。
だが・・・あえて私はこのカテゴリーを増設することにしたのだ。
人間も大別すれば・・・動物社会に属する。ただ・・他の動物とは違い・・・火を操ることが出来る。唯一の動物。
そして・・・この世で最大の自分勝手な動物・・・それが人間。
話す言葉が違うから・・・・肌の色が違うから・・・お互いの生き方が違うから・・・宗教が違うから・・・・それだけで愚かな戦いをする動物。それが・・・人間。
「だったら・・・人間辞めちゃえば楽になるぜ!」と言う方もいるだろう。
だが・・・私は自ら命を絶つ愚かさを知っている。私は・・・幾度も人々に救われ生きてきた。その方々に恩返しすらしていない。

「愛するが故の別れ」そして・・・「時に優しさは・・・罪を作る」痛いほど感じてきた半生だった。
妻と娘を愛する気持ちは変わらない・・いや・・・日々増してゆくのが解る気がする。
動物の世界では・・・親元を離れたときから・・・ただの「同一の種類の仲間」となる。
そんな生き方も悪くはないような気がする。私の自慢の娘・・・私が愛する娘・・・・
その娘もそろそろ・・・狭い鳥かごから・・・広い大空へ美しい翼を拡げて飛び立つときがそろそろ・・・来る。
いや・・・いつまでも飛び立とうとしている娘を手元に繋いでおくことは出来ない。
今・・私は非情な親になろうとしているのかもしれない。いや・・・親と名乗ることすら・・・許されないだろう。
多分・・・私は娘の結婚式には参列しない。大泣きする自分が想像出来るからだ・・・・
ただ一人・・・どこかの旅の空で・・・娘の幸せを祈り・・・空に向かって・・・グラスを上げているかもしれないし・・・
どこかのバーのとまり木に酔い潰れ寝ているかもしれない。
それとも・・・どこかの海にその身を委ねているかもしれないし・・・・空の散歩をしているかもしれない。
どんな父親だってそうだろう・・・「花嫁の父」なんざ・・・・永久に演じたくない。

私の愛する妻も・・・・「初めからいなかったと思えばいいじゃない・・・ねえ・・パパ」とお母さんがお父さんを説得してくれたらしい・・・だが・・・私は尤も身勝手な男だ。妻からそんな言葉すら聞きたくない。自分はそうしてきたくせに・・・
「因果応報」この言葉からは逃げられないのなら・・・自分から逃げてしまえばいい。
私は「最初から、うちには娘など存在しなかった」と思うことにした。
そうすれば・・・肩に乗る荷物がひとつ軽くなる気がしたからだ。
娘であった彼女はこれから・・・人生の大きな海原を・・・そして・・・大きな空を自由に飛び回ればいい。
先日、メールで娘に父親としての最後の教えを送った。

「決して夢は捨てないこと。夢を持ち続けなさい。それが生きると言うことだから・・・・」

時には嵐にも巻き込まれるだろう・・・晴天の日ばかりじゃない・・・羽ばたき続けるのも困難になるかもしれない。
私は神様にボロボロに疲れ果てた「父親」と言う翼を返すことにしよう。今までどんな嵐にも羽ばたき・・・妻と娘を守り続けた・・翼を・・・そして・・・新しい翼を貰う事にしよう・・・「夫」として生涯妻を守り続ける翼と「人生の先輩」としての翼。
大きく真っ白い翼を貰うことにしよう。
その翼で・・・命ある限り・・・妻をそして・・・時には傷つき疲れ果てた・・・嘗ては「娘」だった・・・・人生の後輩を守るために・・・・・

「愚かな奴」と笑う人々もいるかもしれない。でも・・それはそれで構わない。一度くらいピエロを演じるのも悪くない。
嘗ては父親と呼ばれた・・愚かな男は、嘗て娘と呼んでいた美しく成長した人生の後輩をこれからは対等な人間として・・・・・・・手元から飛び立つ日までの心の葛藤を・・そして・・・自分の心が安らぐために・・・ここに・・・記することにしたのだ。




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空飛ぶ食欲魔人

livly-cu様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-12-05 07:38) 

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