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「父親を辞める日・・・・」2章 これからパパになるあなたへ・・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

この子のためなら・・・死ぬことさえ怖くない!

父親失格の私が言うのも「おかしい話」だけど・・・皆さんには失敗して欲しくないから敢えて記すことにする。
私の妻から聞いた言葉だし、私が今素直に・・・「お母さん」と呼べる妻の母親から、妻が聞いたことがあるそうだ。

妻がこの世に誕生したのは、私より数年前に遡る。
つまり妻は姉さん女房・・・確かに街を一緒に歩いていても・・・以前はまるで仲の良い・・姉と弟。今では妻が私より若く見られるほど・・・
そんな妻が産まれ、初めてその手に抱いたお父さんが言った言葉。

「この子のためなら・・何でも出来る!」

それが当時・・・・偽りのない本音だったのでしょう。
私もそんなお父さんに負けるわけにはいきません。まあ・・・幾つになっても親には決して勝てるとは思いませんけど・・

「この子のためなら、死ぬことさえ怖くない」 私は妻にそう宣言したのを鮮明に覚えています。

ただ・・・今思えば・・・ちょっとオーバーな発言だったかもしれません。
よく・・・街中で若いパパとママが一生懸命に我が子と接している姿を見ると、ほほえましくそして・・・思い出されます。

「いいかい・・・今のその想い忘れないで!そして・・・どんな時でもその想いを忘れないで・・・」 私は心からエールを送ります。

そういえば・・・・こんな話もあります。

ある夫婦がいました。お互い天涯孤独・つまり二人とも・・孤児院育ち。その二人の間に生まれた子供は心臓に障害があり・・・「移植しか助かる道はない」 医者に宣告されたそうです。
父親である彼は悩み・・苦しみました。何せ・・・財産も頼る身内もいません。友人たちは募金活動を始めましたが・・・一向に必要な資金が集まりません。子供の様態は悪くなる一方。

「あと・・・3千万・・・3千万あれば・・・・・」

彼は思い出したのです。自分が事故死なら・・・5千万円の保険金が入ることを・・・・
そして、彼は決心したのです。飲めない酒を飲み・・・そして・・・道端をふらふら歩き・・・・車に撥ねられました。
幸い・・・彼は命だけは・・・助かりました。でも・・・両足を失い・・・重い障害が彼には残りました。
そして・・・足りなかった資金は彼の自己犠牲により・・・賄い・・・彼の愛する子供の手術は無事・・・成功を収めた。
多くの人々は彼を責めた・・・「何故?自分だけ・・・逃げ出そうとした!」・・・・
だが、私は彼を責めることが出来ない。彼は・・自己犠牲により自分の愛する子供の命を救ったのだから・・・
彼は・・私の数少ない友人の一人。ただ・・・彼に頼まれたことがある。

「子供にだけは・・・本当のこと(自己犠牲)について話さないで欲しい。そうしないと・・うちの子は一生その十字架を背負わねばなるまい・・・」

彼は彼なりに父親として・・己の判断でしたこと。だからと言って・・これからパパになる人間に対して、一言も同じようにしなさいと言うつもりはない。

ただ・・・

「どんなに惨めな姿になってもいい。ボロボロになったっていいじゃないか・・・」

それが父親になると言うことなんだから・・・私はこれからパパになる方々に贈りたい。

子供のためなら・・・プライドを捨てる。

嘗て・・私はどうしようもないほど・・・手のつけられなかった少年時代を過ごして来た。
もちろん・・・警察のお世話にもなったことがある。

「どうせ・・・俺なんかのために・・・来る人じゃないさ・・・」

私は当時そう思っていた。私の育ての父親は超多忙の人。そして・・・プライドの高い人。人に頭を下げるなんて死んでもしない・・・・そんな人だと勝手に思い込んでいた。
でも・・父にも父親らしさを見たのは・・・傷害事件。詳しくはここでは書かないけど・・・大切な友人の敵討ちだった。
まあ・・・相手が私たちより大勢だったこと。そして・・・暴走族だったのが不幸中の幸い。
私たちはかすり傷程度だったが・・・相手は全員病院送り・・しかも・・・何人かは男としての機能を失うほどの怪我。
次々に仲間の親が出頭してくる中に自分の父親の存在をみた。
警察で米搗きバッタみたいに頭を下げまくる父。家庭裁判所で同じく米搗きバッタみたいに頭を下げる父。

「ああ・・・この人でも・・・頭を下げるんだ・・・・」

私はそのとき初めて・・育ての父であるにもかかわらず・・・父親の愛情を感じた瞬間でもあった。

どんな時でも男のプライドは捨てろとは言わないけど・・・子供のために頭を下げる姿は決して格好のいい姿じゃないけど・・・・それが父親の・・・愛情なのだと言うことを・・・・


父親としての自覚・・・・どんなに貧乏だっていじゃないか!

父親として、失格してしまった今・・・失格男が何を今更・・・と思う方もいるだろう。だが・・・嘗て父親の自覚を持っていた頃の話を少ししたいと思う。

「うちって・・・貧乏だったらしいのよ・・・・」
「へえ・・・そうなんだ・・・」
「うん・・・パパ(妻の父)のお給料が2万円でね・・・あたしのミルク代が・・月1万円くらい掛かったらしいの・・・・」
「だって・・・お父さん・・・結婚前に働いてて・・・お母さんも働いていたんでしょ・・・貯金とか・・」

今ではほとんど聞かないような話なんだが・・・お父さんは独身時代給料の全てを実家に入れていたらしい。
だから・・・・貯金=ゼロ。お母さんは早くに両親を亡くし、下宿生活をしながら働いて・・わずかなお金だけの貯金。
そんな二人が結婚し、妻が産まれ・・・義弟そして・・・義妹が生まれた。

「あたしさぁ~うちが貧乏だったって知らなかったのよね・・あはは・・・・」

お父さんはそれこそ一張羅の背広を着て会社へ・・・十数年同じ背広を着ていたらしい。
お母さんは3人の子供を育て・・・内職をし生計を立てながら・・・・子供たち3名を学校に通わせていたのだから、大したものだ。

「あんたなんか・・・お坊ちゃん育ちだからさ・・・解らないだろうけど・・・」
「うん・・・でも添乗員辞めたあたりで・・収入相当減って・・苦労したじゃない・・・・」
「ええ・・・まさか質屋にまで行くとは・・・思わなかったけど・・・・」
「で・・・でもさ・・・今・・・こうして・・・ファーストクラスに乗っているじゃない・・・」
「まあね・・・あたしなんか・・・きっと1回も飛行機には乗れないと思ってたからね・・・・」

今でこそ・・・笑い話なんだけど一回だけ・・・妻が質屋に行ったことがある。
まあ・・・日銭を稼いでいた人間が月給になったから・・・一時・・蓄えがなくなっただけだったけど・・・

「確か・・あの頃・・自転車操業だったもんな・・・うち・・・・」
「うん・・・海外旅行なんて・・夢でしかなかったし・・・ましてファーストクラスなんて・・・・ねえ・・・本当に座っていていいのかしら・・・・」
「いいんじゃないかな・・・今だから出来る贅沢でしょ・・」

お金なんて・・・関係が無いと言えば嘘に聞こえるかもしれない。だが・・・例え安い食材だって、ひと手間かけて、愛情を注ぎ込めば、どんな3つ星レストランで食べる食事より美味しいと思う。
ただ・・・子供の前だけでは「お金が無い!」なんて事を言わないようにする。自分が欲しいものを我慢shて食べたい物も我慢・・・趣味嗜好品だって・・我慢する。それが・・・父親としての自覚の一歩なのだ。

先日・・いや・・もう数年前の話・・・・

私の勤める会社の1年生で入社してきたある社員との会話。

「僕・・・会社を辞めようと思うんですけど・・・」
「はぁ?何かあったのか?」
「いや・・・向いてないと思うんです。それに・・・・」

彼は社内でいじめられていると言う。しかし・・・そんな人間は私の勤める会社では・・・私くらいしかいない。
私はいじめっ子ではない。小さい頃はいじめられっ子だった。だから・・・いじめられっ子の気持ちは痛いほど解る。
だから・・ある程度の権力を与えられても・・・見所のない人間には何も言わない。彼も見所があるから、将来を嘱望する故の・・・叱咤激励にしか過ぎない。だからこそ・・・上司は部下を叱るわけだ。

「あのなあ・・・いいから・・そこへ座れ!」
「はい・・・」
「甘えるのもそろそろ・・・卒業したらどうだ?どうやって・・・女房・子供養ってゆく気なんだ・・・」
「はあ・・・まあ・・何とかなるかと・・・・」
「馬鹿野郎!お前いつまでそんな浮ついた気持ちでどうする。お前・・男だろ!夫だろ!父親だろ!1回死ぬ気でがんばってみろ・・・それでも駄目だったら・・・また言って来い!そうしたら・・・どこか就職世話してやる・・いいな!」

その彼は今・・生まれ変わったように働いている。もちろんうちの会社でだ。その彼にも3人目の子供が生まれ・・順風満帆と思いきや・・・・先日緊急入院。その一方を聞いて駆けつけた私。

「おお!具合はどうだ?」
「すいません・・・ご心配おかけして・・・」
「馬鹿野郎・・何しけたツラしてんだ・・・お前最近良く頑張っているんじゃないか・・・神様の呉れたご褒美だと思ってゆっくり休め・・・・」
「で・・でも・・仕事が・・・・」
「いいか!まず身体を完全に回復させて医者が出勤しても差し支えない!と言うまで休んで・・100%の体調で戻って来い!」
「で・・でも・・・給料が・・・」
「馬鹿野郎!数日で済む入院なんだから・・・給料の心配しなくても・・・それぐらい会社に払わせてやるから心配すんな!いいな!」
「は・・はい」
「ところで・・嫁さんは?」
「後から・・子供を連れてくると・・・」
「だったら・・・そのシケた顔・・嫁さんや子供に見せるな!それが父親だぞ!無理してでも笑え・・・いいな!」

例え・・・激痛に耐えているときだって・・・父親として弱音は見せてはならないのだから・・・・


まあ・・えらそうな事を言ってはみたけど・・ひとつ気づいた点がある。
確かに親は子供そ育てる。でも・・子供だって親wp育ててくれているのかもしれない。



「父親を辞める日・・・・」3章 これからママになるあなたへ・・・・に続く。
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