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オストドのひとりごと。「P.S I LOVE YOU・・・・・」 [エッセイ]

1/4世紀を超えた・・・

ふと・・・考えさせられることがある。

夫婦って一体なんなんだろう・・・・

「ねえ・・・なんで・・・お父さんとお母さんは結婚したわけ?」

唐突の質問を娘に浴びせられることがある。

「そうねえ~若さと勢いって奴だったかな・・・・」

「はぁ?じゃあ・・・わたしは・・勢いの産物?」 呆れる娘。

「まあ・・・そうとも言うんじゃないの・・・・」 妻もそして・・私も必死にテレ隠しをするしかない。

私は10代で父親になった。妻は姉さん女房だから・・・そのときは20代。

毎日が手探り状態で一歩ずつ・・・共に歩き・・・そして・・・二人の間には娘がいつも手を繋いでいた。

「そういえば・・・・いつから・・・花束を買わなくなったのかな・・・・」

妻への誕生日だったり・・・結婚記念日・・・・クリスマス・・・・私は馬鹿の一つ覚えのように・・・

赤いバラの花束を大事に抱え・・・家路についていた。

その数は・・・一の位と十の位にある数字を足して・・さらに・・・一桁になるまで・・・計算した本数。

「いつか・・・年齢の数だけの花束用意するから・・・・」 そう言ったこともある。

花束を抱え・・駐車場からの道すがら・・・・よくからかわれることがある。

「おじさ~ん!カッコイイ!」 中学生の女の子。

「ありがとう!君も可愛いよ・・・」 軽口を叩きながら・・・家路に着く・・私。

「はい・・・これ・・・」 私はいつもぶっきらぼうにしか・・渡せない。

妻はどちらかと言うと・・「花を殺す名人」と自称している。

あの・・・サボテンでさえ・・殺してしまう。

「ねえ・・・わたしには花が似合わないのかな?」

「そうかもしれないね・・・」

花束には・・・いつも小さなメッセージカードをつける。

それを・・花屋の店先や仕事中にこっそり・・書く。私。

「いつも・・・ありがとう。これからも・・宜しく・・・」と書くのが精一杯。

「愛している」の一言もなかなか・・言えないけど・・・・

カードの隅っこに・・・・「P・S I LOVE YOU・・・・・」と小さくなぐり書きをしていたっけ・・・・・

よくも・・・こんな・・・駄目亭主に黙って付いてきた妻。

最近は・・・・デパートのアクセサリー売り場とかで・・・赤面をしながら・・・・女性店員に・・

「ああでもない・・・こうでもない・・・・」と言いながら・・・・ちょっとしたアクセサリーを買っている。

「しかし・・・父センスないわよねえ~」 娘が嘆く。

「はあ・・・・すいませんねえ~センスがなくてさ・・・・」

「あたしだったら・・・母に似合いそうなもの選べるけど・・・・・」 娘の悪魔の囁き。

もちろん・・彼女の狙いは・・・私とのショッピングではない。

私のサイフの中身を狙っているらしい・・・・

あわよくば・・・・自分も何かおねだりしよう・・・・まあ・・・そんなところだろう。

若い頃の私は「おっちょこちょい」だったのかもしれない。

何故なら・・・愛しているを連発していたのだから・・・

妻への愛は、毎年マリアナ海溝より深く、エベレストよりも高く、そして銀河より拡くなっている。

「私に・・あなたの愛を見せてくれない?」 偶に・・・妻が私に言う。

「この胸を引き裂いて・・・見せられるもののならね・・・」と答えるけど・・・

本音を言えば・・・「見せられるのは愛じゃない。そんなもので見せられるものなら・・・愛など信じたくない」

いつの日にか・・・私もその命を終える日が来る。せめて・・・最後の景色は妻の瞳であって欲しいと思う。

もうすぐ・・・クリスマスが足早にやってきそうだ。今年のプレゼントは何を買おう?

そして・・・今年も・・・・永遠の愛を込めて・・・小さなカードに・・・・P・S I LOVE YOU.と書くのだ・・きっと・・・





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