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「父親を辞める日・・・・」 第8章 意地の張り合い・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

「意地の張り合い・・・」

「父親を辞める」・・・・逃げていると思われても仕方ありません。

現に妻は・・・「あなたは良いわよね~そのくせあたしには母親辞めるな!って言うんだから」

毎日のように責められる私。

大体・・・男って身勝手な生き物かもしれません。

「本当に・・・俺の子供なのかな?」そう思ったことのない男は・・・多分いないはず。

何せ・・・生まれてくるまでは・・・ただの種提供者にしか過ぎません。

男って哀れな生き物です。周りから・・・「あんまり似てないね」と言われると疑うらしいのです。

その点、女性はお腹を痛めて・・産んだわが子には代わりはありません。

まあ・・・妊娠期間の女性の苦しみは男には永遠に味わうことのない苦しみだそうですが。

例えば・・・「認知」騒動もよく・・耳にする言葉です。

認知にも2つの種類があって・・・強制認知と任意認知に分かれます。

強制認知の場合・・・泥沼状態。所謂DNA鑑定だとかなんとか・・・専門家ではないのでよく解りません。

科学的とか状況の判断により・・・裁判所の決定により認知させられるのが、強制認知。

任意認知とは・・・「この子の父親は私に間違いありません」と書類を役所に届けることにより・・・

やっと・・子供の戸籍に父親の名前が明記されます。

あとは・・・通常の出生届けって奴です。

私の場合・・・子供が生まれる時には・・少々荒っぽいいや・・・はっきり言って汚れ役を演じていました。

その一例をあげますと・・・「ねえ~添乗員さん。どっか女性(男性)買えるところ紹介してくれないかな?」

厳密に言えば・・・立派な違法行為。売春(買春)斡旋に当たります。ポン引きみたいなもの。

勿論・・・タダで情報だけ与えるわけではありませんので、チップとかリベートと言われる。

一種の「口止め料」が男性客(中には女性も・・・)や売春組織からも貰うわけです。

そうでなければ・・・1日あたりの日当では家族を養えませんし・・・会社も利潤を上げることが出来ません。

昔・・・イミテーションの買える国だった・・・とある国には堂々とバスを横付けさせ・・・売り上げの10%近くが

旅行会社の懐に入ったことも・・・(今は知りませんが・・・)

「犯罪者の子供にだけはしたくない」 でも「お金」を稼がねば・・・子供を育てることが出来ません。

何しろ・・・家出同然、勘当(決して‥感動ではありません)同然で・・・ただ「夢」だけをカバンに詰め込んで

家を出た私。「とにかく・・・子供や妻に不自由な生活はさせたくない。」 

奇麗事に聞こえるかもしれませんが・・・「お金はお金じゃん。別に色が違うわけじゃないし・・・」

添乗員を辞め・・・一応・・堂々とお天道様の下を歩けるようになって・・やっと入籍。そして・・・任意認知と言う

手法で・・・父親になったのです。

ただ・・・ここで一点申し上げておきますと・・・全部の添乗員がそうではないと言うこと。

1000人いれば・・・汚れ役の添乗員は・・・一人いるかいないかと言う点を申し添えておきます。

今・・・私と嘗て娘と呼んでいた女性は・・ほとんど会話をしていません。

お互いに「和解」のチャンスを窺っているのですが・・・多分・・・和解の機会はないでしょう。

こっちがその気になっても・・・向こうがその気になれない。そんなすれ違いの日々が続いているのです。

先日・・・娘に対して・・・ルール違反で体罰(髪の毛を引っ張って・・・家に連れ戻した)をしました。

門限を破った事に腹を立てていたのも事実。「早く帰って来なさい」と言うつもりで掛けた携帯電話を無言で

切られたことにも腹を立てていたのも事実。そして・・・娘と妻の冷戦(交渉の余地もないほど)に腹を立てて

いたのも事実。隠しようがない事実なのです。

「こうなれば・・・俺が嫌われ者になれば済む。きっと・・・娘の悲鳴を聞いたら・・・妻が飛び出してくる」

多分・・浅はかな考えだったと思います。でも・・・妻と娘を仲直りさせるには・・・荒療治しかない。

勿論・・・私も妻も親から体罰を受け育ったので、「こんな親にはなるまい」と思って育ててきたつもり。

「自分達が通ってきた悔やんでも悔やみきれない道は歩ませたくない」 

どこの親だってそう思わない親はいないと思います。

特に私は・・・身勝手でどうしようもない人間。自分には甘く他人には超厳しいと言われる。

妻に言わせると・・・「どっちが本当の姿なのかしら?」と言われるくらい・・・家ではグウタラ亭主。

そんな人間(一応・・・姿形はそうです。悪魔の申し子とか言うのもいますけど・・)は、子供の目には

「だらしない!最低の親」としか映らないみたいです。ですから・・・「父親失格」の烙印を押されたのでしょう。

私も妻も基本的にh体罰は反対の立場です。でも・・・何度も同じ過ちを繰り返す人間はケダモノと同じ。

親である以上・・・ケダモノ・・・つまり世間で言う「犬畜生以下」に陥りつつある者を、更正させるには

それなりの・・・躾という調教が必要だと思うのです。

「悪いことをしたら・・叱るだけではなく・・・何故それがいけないことなのか?」きちんと説明できれば・・・

私は父親を辞めなくても済んだと思うのですが、如何せん「短気ゆえの損気な性格。」

自分が情けなくなることもしばしば・・・起こります。

「全部・・投げ出して・・死んでしまったら楽になるよな!」そんな風に囁く悪魔の性格を持つ自分もいます。

睡眠薬を服用するようになったのも・・・きっと精神的な疲れのせいなんでしょう。

何百人と言う人間の生活と言う荷物を背負わなければならない立場の私。

そして・・・ひとりの子供の父親としての私。夫として妻を守らなければならない私。

そんな荷物のひとつでも投げ出せれば・・どんなに楽で楽しい人生なのでしょう。

でも・・・これも神様が私に与えた大事な試練です。この試練に見事打ち勝たなければなりません。

そろそろ・・・巣立つ日が近づいてきているようです。

私の最後の役目は傷つき疲れ果てた翼で帰れる場所を用意だけしてやれることだけでしょうか・・・・

妻の両親や私の父親がそうしてくれたように・・・・・


「父親を辞める日・・・・」 第9章へ・・・続く



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