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「ツアコンとガイドの違い・・・」 第2章 [旅行のイロハ]

ツアコンとガイドの違う点

さて・・・A空港を飛び立った私とそして・・・おまけのお客様。じゃなかった・・・おまけは、この私。

ぐっすり寝込んでいるようn見えるでしょうが、「夢」に魘されているのはしょっちゅうの事。

例えば・・・「業務上過失致傷」とか「業務上過失致死」なんて嫌な言葉が常に一緒に旅しています。

ここで簡単に「業務上ナントカ」に問われる例をご紹介しておきましょう。

皆さんと一緒に乗っているバス。楽しいことばかりじゃありません。

いつ起こるかわからない交通事故。乗っているバスが人を撥ねたり、物を壊すくらいなら・・・まだマシ。

例えば、運転手さんが居眠り運転をしてバスがガードレールを突き破って・・転落・横転なんて言うのも

考えたくないけど起こる場合があるんです。

そうなれば・・・お客様を救出するのが添乗員であるツアコンの使命です。

「例え火の中水の中・・・」と言う言葉どおり、すべてのお客様を安全な場所に避難させる必要があります。

燃え盛るバスの中にまでも飛び込んででも、救出しなければこの「業務上ナントカ」に問われるのです、。

ですから、ツアコン1年生・・いや・・見習いになって研修初日に習う事は、「事故がおきたら死ね!

シャレでも冗談でもなく・・そう習うのです。

泊まっている旅館が火事になってもそうです。自分のお客様が一人でも炎の中に取り残されている場合には、

消防隊の静止を振り切ってでも飛び込まねばなりません。

まあ・・旅行中の皆様の安全をちょっとでも守らなくてはいけないのが、ツアコンの役目です。

旅行中の皆様は私人。つまり労災の適用はありませんけど、ツアコンには適用されます。

あと・・適用されるのは、会社の慰安旅行の幹事様や、しょうがなく修学旅行を引率されている先生などぐらい。

ですから・・・「添乗員気楽な稼業ときたもんだぁ~」と歌わないでくださいね。

もうひとつ・・・ツアコンには大事な役目があります。ツアーコンダクターの意味を分解してみましょう。

ツアー=旅。コンダクター=指揮者。つまり・・旅という限られた時間をいかに効率よく使えるか?

それがツアーコンダクターである人間の裁量ひとつです。

ツアーコンダクターは、「取り扱い主任者」と言われる資格は持っていなくても構いません。

別に、お客様の代わりにキップの手配やら旅館の手配をするわけでもありません。

ツアーコンダクターの必須の資格は、「旅程管理者」と呼ばれるものです。

昔はこんな資格がなかったので・・阿呆でも馬鹿でも、添乗員にはなれたのです。

しかし、オストドがツアコンになったときにこの制度がスタートしていました。

オストドの資格は、「一般旅程管理者」この資格がないと海外での添乗業務は出来ない事になっています。

まあ・・・資格証を首からぶら下げて歩くわけでもないので、持っていない人のほうが多いです。

国内専門の人間は「国内旅程管理者」で充分要件は足ります。

「ツアコンのプロ」 (ツアコンの恥さらしと言うのもいますけど)を自称していたオストドですから、当然有資格者。

その辺のアルバイト感覚の人間とは違います。

おや・・・そろそろ・・着陸のようです。そこでトドのように鼾を掻いて寝ている馬鹿をそろそろ・・起こしてくれませんか?

さあ・・旅の続きをしましょう!

たっぷりと睡眠を貪っていた私。お客様に大事なことを伝えるのを忘れてました。

「勝手にどこかに行かないでくださいねえ~」 機内で怒鳴る羽目に・・・

お客様より先に機外へ飛び出す私。ツアコン7つ道具のうち一つである「旗」をひらめかせ、

勝手にお客様がどこかへ行かれるのを阻止するのも大事な役目。

「ちっ!あのやろう!」 と思われても私の元に集まらざるを得ないお客様。

だって・・・ミステリーツアーですから・・・この先どこへ行くのか解りませんものね?

まず・・・お客様にお尋ねしなければならないことがあります。「おトイレ行かれる方いませんかぁ~」

「じゃあ・・・行きましょうか?」 旗を高々と掲げて歩く私。それに連れられて歩く皆様も恥ずかしいでしょうが、

旗を持って歩くのも恥ずかしいものです。ですから・・海外では旗ではなくバインダーを掲げています。

まあ・・・どっちにしろ「馬鹿」にしか見えませんが・・・・

ターンテーブルから吐き出される荷物の山。勿論、私の仕事があります。

それは・・・預け入れた荷物の個数と出てくる荷物の個数をチェックすることです。

いくらミステリーツアーと言っても荷物がどこかへ行ってしまってはシャレにもなりません。

よく言われる「ロストバゲージ」です。幸い私が優秀なのか?地上係員が優秀なのか?

それとも荷物を積み込んだ航空会社のスタフが当たり前の仕事をしたのか?よく解りませんが、

無事に荷物が出てきました。

ここからは、泣き言を言っても脅かされても、自分の荷物は自分で運んでもらうことになります。

あらら・・・まだ・・・到着口にガイドのアシカ嬢の姿がみえません。

おや?あそこをまるで氷の上を滑る様にやってきたのはガイドのアシカ嬢です。やれやれ・・・ほっ!

お客様の引渡し・・・

ツアコンの案内はここまでです。ここからは、ガイド嬢の出番。

何せ・・こんな・・ど田舎の空港のことなんか、覚えてられません。年間300日も次から次へと旅している私。

乗った飛行機の回数は、年間に肘鉄を喰らう回数と同じ。おサイフの中にはいろんな国の紙幣やコインが

ぐっちゃぐっちゃの状態なんていうこともしばしば起こります。帰ってきたその日に次の旅に出発することも

日常茶飯事。労働基準法なんて言葉に見捨てられています。

さて・・アシカ嬢の後についていくお客様と私。だって・・バスがどこに停まっているか解りません。

アシカ嬢に手渡しておいたバスの座席表がバスの入り口付近に張られ、バスにお客様が乗り込んでいる間に

簡単な打ち合わせをする私。ドライバーは白熊さん。

「じゃあ・・簡単な打ち合わせをしましょう」 と宣言する私。

ミステリーツアーですからお客様に聞こえてはマズイ。白熊とアシカそれにトドの3頭が額をつけるように・・・

「密談」状態で話し合います。そのとき・・・さりげなく「心づけ」をドライバーさんに渡すタイミング。

何せ・・・ツアコンがネコババするわけにはいきません。封筒に領収書を入れてサインしてもらいます。

大体・・・1日1000円x2名分x日数が相場。まあ・・その会社毎に取り決めがあるらしくお任せします。

「ここで・・何分とるでしょ・・そうすると・・・」なんて打ち合わせを終了して・・・

「じゃあ・・・お願いします!」とバスに乗り込む私。

バスが走り出しますと・・・決まって「私のご挨拶」から幕は切って落とされる事になります。


「ツアコンとガイドの違い・・・」 第3章 「ツアコンの行程管理へ」・・・続く・・・

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