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「ツアコンとガイドの違い・・・」 第6章 「ツアコンは気楽な稼業ときたもんだ?」③ [旅行のイロハ]

教科書どおりに終わらないのが・・・・旅なのだ。

そもそも・・・・「ツアコンなんて必要がない。」と思われる方もいらっしゃるだろう。
オストドも「そう!」と感じている一人なのだ。
でも・・・・ツアコンはお守り代わりと考えている人がいる。
まあ・・・トラブル=トラベルと言われるくらい・・・旅に色々な要素は付いて廻ってくる。
ガイドの領分は、ホテル出発からホテル出発までと言われる。例えば・・・翌日にはガイドがチェンジする場合もある。
また・・・バスガイドを山の中・・・熊の棲家に放り出すこともある。この場合は・・・大抵「オバハンガイド」と言われる。
「タダ・・・年齢を重ねただけの軽薄ガイド」だ。こんなガイドが乗るくらいなら・・・乗らないほうがマシ。大体・・・・初日の出発時でわかる。我慢の限界が来るのが、大体2日目の昼ぐらい。彼女らは自分が神様だと考えているらしいが、ここではっきりさせておかねばならない、神様はお客様。そして・・・そのお客様をコントロールしているのは、ツアコンなのだ。大体・・・「オバハンガイド」が来た場合、ドライバーさんは若いのが多い。つまり・・・ツアコンも若ければ・・・オバハンやりたい放題になってしまう。しかし・・・我々もプロのツアコン。わざと・・・山中でガイドにケンカを売る。そして・・・そのまま・・・山中へ「姥捨て状態」に置き去りにする。こんなオバハンガイドが熊に喰われるかそれとも熊を喰らうかは知ったことではない。大体・・・我々・・・「プロコン」にケンカを売って・・・未だ現役のガイドをしていられるお人はいない。
もちろん・・・そういう事件があると、「船車券」と呼ばれるバスのクーポンを渡すことはしない。後日、清算とする。
もちろん「日報」と呼ばれる理由書を付けて担当者に返すわけだから・・・・後で、散々値切られることになる。

さて・・・貴賓室にご宿泊いただいたお客様はいかがだっただろうか?
朝食はバイキングスタイル。さっさと食べて・・・お客様方の到着を待つことに・・・・
ああ・・・いらっしゃった・・・いらっしゃった・・・昨夜の騒ぎのお部屋のお客様。

「お早うございます。昨夜は誠に申し訳けございませんでした。お移りいただきましたお部屋はいかがだったでしょうか?ぐっすりお休みいただけましたでしょうか?それで・・・本日・・・・出発の15分前にバスへお越しいただけませんでしょうか?」
「ええ・・・」
「ホテルの支配人がお詫びを申し上げたいとのことでございまして・・・」

結局・・・ホテルの謝罪と慰謝料をお納めいただき・・・・チョンチョンチョン・・・・と幕を引くことに・・・・・・・
こんなところが落とし所。何も・・・すべて東京に持って帰って・・本社に上げる必要は無い。

社会の自由研究・・・ツアコンの一日体験!?

世間一般では夏休み。我が家にも子供が一人。どうでしょう・・・妻の言うことを聞いているのでしょうか?
そういえば・・・・ここ1ヶ月以上・・・起きている時間に会っていません。
さて・・・夏休みともなれば・・・小さなお子様のお客様もいらっしゃいます。

「ねえねえ・・・添乗員さん」 
「なんですか?〇〇さん」
「あのね・・・添乗員さんて・・・海の向こうのお国とかにも行くの?」
「そうですね・・・・そっちのほうが多いかな?国内は本当に・・・・偶に乗るだけだから・・・・」
「いいなあ~飛行機も一杯乗れるんでしょ?」

確かに・・・ヘタな客室乗務員やパイロットより空を飛んでいる時間は多いかもしれない。少ない年でも年1000時間は軽く飛んでいる。

「僕も・・・大きくなったら添乗員さんみたいになりたいなぁ~」
「へっ?」

そこへ・・・我が子がいなくなったことに気が付いた母親が飛んでくる。

「すいません!お仕事のお邪魔しちゃって・・・・」
「いえ・・・いいんですよ。あのね・・・僕。添乗員になるためには・・・・一生懸命勉強しなくちゃいけないんだよ」
「どんな?」
「まず・・・社会。どこの国はどこら辺にあるか知らないといけないし・・・算数も必要だしね・・・英語も・・・・国語も・・・全部必要だね・・・・国家試験だって受けなくちゃいけないんだから・・・」
はっきり言って・・・そんなに出来が良くてツアコンになんかなる・・・愚か者いや・・・おっちょこちょいはいないけど。

結局・・・・このお子さんは一日。私がお預かりをして・・・・社会の自由研究という名目でお勉強することに・・・・
学校の先生ってつくづく・・偉いと思う。こんなに手が掛かるのを・・一人で何十人と見ているわけで・・・・・
たぶん・・・傍から見れば、ツアコンは「気楽で・・・タダで旅行が出来ていい商売」だと思われても仕方が無いのだけれど・・・・・

「軍艦マーチ!!」

交渉=ツアコンの仕事の総決算。そう言っても過言ではないだろう。
特に・・・・交通機関の欠航ともなれば・・・その後の行程が全て滅茶苦茶になりかねない。
まあ・・・大手の旅行社なら現地のコーディネーターがいるところなんだけど・・・・地方空港に居るときにほどその危険性は高い。それも・・・国内ならまだなんとかなるのだけど・・・海外。しかもガイドが帰った後に発生すると・・・・
「はぁ~やりやがったな!」と臨戦態勢にモードを切り替えるのだ。
まあ・・・・相手がどう思うまいが知ったことではない。反日感情が悪化しても・・・ツアコンのせいではない。
相手が喚きだせば・・・日本語で怒鳴り返す。
引き下がったほうが負け・・・・つまり・・・勝てない喧嘩なら・・・空港の片隅で指を咥えて泣いていればよい。
いずれ・・・日本語の解るスタッフがやってきて・・・ナントカしてくれる。

カルガリー空港で・・・オストドは・・・静かに自分のスーツケースが飛行機に積み込まれてゆくのを見ていた。
(小型のジェット機にはコンテナ搭載ではない。丁度。自分の荷物が一番上に載っていた・・・)
それが・・・積み込まれ・・・・「さあ・・・もうすぐ・・・搭乗アナウンスだな!」とため息をひとつ吐いた。
待てども暮らせども・・・搭乗のアナウンスはない。ふと・・・機体を見ると・・・・一度、その腹に飲み込んだ荷物を、吐き出している機体・・・・「やられた・・・欠航だ!」
突然・・鳴り出す軍艦マーチ!例え・・貧弱な英語力だって・・・なんとかしなきゃならない。
この後・・・バンクーバー観光、翌日の昼には帰国のためにJALに乗る。
「今日の・・後の便は全便・・予約でフル!明日の昼なら席が取れる!」
「ふざけるな!天候じゃない。エンジントラブルだろ・・・すっとぼけてんじゃねえ~さっさと・・・代替の機体持って来い!」
「いや・・・・それは飲めない!」
「ふざけんじゃねえ~ぞぉ!こちっとら・・明日の昼には成田に向かってJALに乗っているんだぁ~お前ら・・JALの離陸止められるのか!馬鹿・・・・・」

悲しいかな・・・オストドの英語の師匠は・・・スラム生まれのスラム育ち・・・所謂スラグ用語なら・・・ポンポン出てくる。

まあ・・・この後の交渉は・・書かないけど・・・・
無事・・・バンクーバー観光もしたし・・・翌日のJALの機体にはお客様全員は乗っておりました。
ただ・・・私の座席が・・・・オーバーブッキングだったんで・・・なかった。
まあ・・・最後に調整シートを頂いて・・・帰ってきたことはきたんですけど・・・・
ニコニコしているだけでは・・・・ツアコンは勤まらないのよ・・・・K.Yさん。


「ツアコンとガイドの違い・・・」 第7章 「ツアコンは気楽な稼業ときたもんだ?」④ギャレーでのヒトコマへ続く・・・





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