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「僕たちの・・・トルコ行進曲」 第20話          [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
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高1の秋編は・・・コチラ・・・からお読みください。

高1の冬編は・・・コチラ・・・からお読みください。


元服ってなんだ? ⑳

僕が床に投げ出され・・・・まあ・・フカフカの絨毯の上に転がされていて・・・赤まむしとユンケルのプレゼントを佐々木クンからもらい・・・ついでに・・・赤沼クンからは「これ・・喰えよ!元気が出るぜ!」と訳のわからないチョコレートをもらい、佐伯クンからはまた例のスッポンの丸薬を口に押し込まれた。僕は水筒に入れてきた「神泉」をゴクゴク飲んでそれらを胃袋にムリヤリ流し込んでいたときだった。

「おう!馬鹿共揃っているな!」 いつもは・・・どっちかと言うと“欲求不満”が顔に出ている・・はずの、担任のキー先生が現れた。
僕は起き上がろうにも・・・僕の上には大岩クンと白○くんが座っているので起き上がれなかった・・・

「なんだ?委員長兼部長どうした寝不足か?それとも・・・具合が悪いのか?」
「はぁ・・・試験勉強してたもので・・・」
「はぁ?お前が・・勉強?信じられない。雪が降るんじゃないか?」
「はぁ・・・・大きなお世話だ馬鹿野郎!
「ん?何か言ったか?」
「いえ・・別に・・・」
「他の奴らは・・・・ん~遊びの予定が狂わされたって顔をしているな・・・」
「先生は・・さっぱりした顔をしてますね・・・・」 (よせ!Y・・・空気読め!」
「ああ・・・委員長兼部長のおかげだな・・・」
「えっ!ま・・まさか・・・先生・・・・ホステス養成学校の先生とやっちゃったんですか?」
「馬鹿!・・・人聞きの悪いことを言うな!実は・・・昨日・・・って何を言わせるんだ。」
「じゃあ・・・先生もいよいよ・・・結婚ですね・・・おめでとうございます。」
「おめでとうございまぁ~す。」 声を揃える一同。
「お式は・・・是非・・・当神社をご利用ください。」 
「まあ・・考えておく!ところでだ・・・何で呼ばれたか知っているな?」
「はあ・・・大体は・・・何で俺らまで・・・・」
「バカヤロウ!ったく・・・盛りのついた犬じゃあるまいし・・・」

みんなこれは・・・並大抵のお説教では済まないと覚悟を一瞬で決めた。
何せ・・・キーはいつも・・・キーキー言うのはクセなのだが、今日はトーンが上がりすぎている。

「セ・・先生。あんまり・・・お怒りになられると・・・血圧が・・・それに・・胃袋に穴が開きますよ・・・」
「そんなもん・・とっくに開いているわ!」

そこへ・・・学年主任こと救世主であるはずの兄さんと美希が揃って入ってきた。
兄さんはキーキー怒鳴る担任を宥めるように・・・

「まあまあ・・先生。こいつらが・・・やらかしたわけじゃないんだし・・・」
「そ・・そうですわ。先生。そもそも、あちらが恐喝なんかしてこなければ、事件は起きなかったわけですし。それに・・この子らは警察から表彰状が届いているんですから・・」
「そ・・そうですよ・・・先生。まあ・・昨日の一件は熊田先生が元を質せば、確認ミスをして心臓の悪い渡辺を無理やり運動させたので、こいつらが怒ったわけだし、それに・・・クラス丸ごとですよ。チームワークのいいクラスじゃないですか」
「ま・・まあ・・・学年主任と佐山先生がそうおっしゃるのなら・・・いいか!お前らお二人によく感謝するんだぞ!じゃあ・・・私は・・・これで・・・」
「ご苦労さまでした。」
「お疲れさまでした。」「先生!ご指導ありがとうございましたぁ~」

僕らは深々と頭を下げた。何しろ・・・あいさつだけはうるさい学校なもので・・・・
担任のキー先生が部室を出てゆくと・・・兄さんが素早く鍵を掛けた。
もちろん・・・ドアの外には“生徒指導中”の札がぶら下げてある。

「ったく・・・お前らは・・・騒ぎを起こさなきゃ気が済まないのか?」
「そんなことありません。それより・・・遠藤と岡崎はどうなります?」
「それを聞いてどうする気だ?」
「話の如何によっては・・・あの学校の生徒を見つけたら・・・ボコボコにされるでしょうね・・・」
「まさか?殴りこみを掛ける気じゃないわよね?」

美希が心配そうに僕の顔を覗き込んだ

「さあどうなるんでしょうかねぇ~まあ・・・あいつら・・・学校の制服を着て表を歩けなくなるでしょう。」
「お前らなら・・やりかねんな・・・いいか、遠藤・岡崎の処分は保留だ・・・」
「保留?どういうことですか?正当防衛じゃないですか・・・・」
「ああ・・・そうなんだが・・・ケガをさせて入院させたのは事実。過剰正当防衛になるかもしれん」
「そうなったらどうなります?」
「そうなれば・・・学校側としても処分しなければいけなくなる」
「そうですか・・・そうなれば・・・昨日の一件もありますし・・・学校側と全面闘争になりますが・・・」
「解っている。だから・・・今・・根回しをしているところだ。」
「根回し?」
「そう・・・キミタチがここ最近集めた感謝状・表彰状を盾にね・・・だから大人しくしていてちょうだい」
「無罪を勝ち取ってくださいよ!」
「解っている。今・・佐々木の親父さんと山口の親父さんが交渉してくださっているから・・・・」
「あっ!それから・・・渡辺・・・・渡辺どうなりました?」
「そうだった・・・渡辺は・・そのう・・・なんだ・・・命に別条はない。ないんだが・・・・・」
「あのね。渡辺クンのお父様とお母様がお見えになって・・・退学届を出されたの・・・」
「はあ?なんで・・・・」
「まあ・・その・・なんだ・・・こんな学校に置いておくわけにはいかないとな・・・」
「そうですか・・・」 僕は兄さんに二人だけの会談を要求する合図を送る。兄さんも解ったと合図を返してよこした。
「そうだ・・・で・・俺らなんで呼び出されたんですか?」
「おっと・・そうだった・・・お前らに渡すものがあったんだ・・・」
「渡すもの?」
「佐山先生。お願い出来ますか?佐々木たちを連れて・・・私は部長と打ち合わせがあるんで・・・」
「解りましたわ・・じゃあ・・部長を除くみんなは会議室に来て頂戴!」

僕を除く・・・社会関係奉仕部全員がゾロゾロとまるで・・・カルガモのように一列に美希に先導されて部室(元生徒生活指導室)を後に出てゆき・・・僕は兄さんこと学年主任と二人だけ残った。

「何の用だ・・弟・・・」
「兄さん。それで・・・鬼クマはどうなるんです。」
「どうもこうもない・・・そのまま居座るつもりらしい・・・」
「じょ・・・冗談じゃない。校内クマ狩りをやりますよ。」
「解っている・・・やるな!と言ってもやるんだろ・・・」
「ええ。あいつに病院送りにされたの何人いると思います?そのうち本当に死人が出ますよ?」
「あのな・・・弟。俺も熊田は好きじゃない。だが・・あいつは・・・校長の遠い親戚筋・・・」
「それがどうしたんですか?校内クマ狩りだけじゃない・・・いっそ・・東京湾に沈めますか?コンクリートに詰めて・・・・それだったら・・・校長も一緒に・・・」
「おいおい・・・」
「普通だったら・・クマ公を追い出して、渡辺が学校に戻ってこれるようにするのが本当でしょ?違いますか兄さん」
「俺も・・そう思う。そう思うんだが・・・大人の事情っていうもんがあってな・・・」
「俺・・・呪術かけますよ・・・それから・・・騒ぎが起きたら・・・」
「また・・お前が一人で被る気か?」
「ええ・・・」
「そんなことを許したら・・・俺は村に帰れなくなる。」
「だったら・・・」
「解った!・・・・校内クマ狩りは・・・見て見ぬフリを根回ししておく・・・それでいいな!」
「ありがとうございます・・・兄さん。」
「で・・・何をするんだ?」
「渡辺と同じように・・・・心臓をパンクさせるだけですよ・・・逆さ吊りとか・・・・」
「お前が弟になってくれて・・良かった気がする。そうでなきゃ・・・今頃・・・俺は・・・」
「棺桶に横たわっていたかもしれませんね。」
「まあ・・・いい。どうせ・・・熊田は体育科でも嫌われ者らしいから・・・やれ!」
「了解です。兄さん・・・」

生活指導室・・まあ、今は僕たち社会関係奉仕部の部室だけど・・・窓を全面開放して換気扇を廻し、兄さんが取りだしたタバコを一服。
しばらくすると・・・「エッホエッホ」との掛け声が廊下からかすかに聞こえてきた。

「おい!火を消せ!・・・」
「はい・・・」

僕がタバコの火をもみ消してまもなく・・・仲間たちがダンボール箱を運びこんできた。
ついでに・・・バツの悪そうにしている遠藤・岡崎2名も美希が校長室から救出してきた。

「おお!遠藤に岡崎・・・お前ら何馬鹿やってんだよ・・・・」
「いやぁ~お坊ちゃん学校に絡まれるとはな・・・まあ・・・叩きつけたところが悪かったんだよ・・・店の看板」
「店の看板って・・・路上に出ているやつ?」
「そう・・・」
「ったく・・・しょうがねえな・・・で・・・先生・・こいつらは・・・」
「だから・・・処分保留。まあ・・・それまでは謹慎の必要もない以上だ・・・」
「それから・・・キミタチには・・・はい・・・これ!」

美希が取りだしたのは・・・模範解答集。ちゃんと・・・マークが・・・あれ?ない・・・・

「あ・・あのぉ~マークが・・・」
「ああ・・しょうがねえだろ・・・後でなんとかするから・・とりあえず・・・頭に詰め込んでおけ!」

僕たちは兄さんが用意しておいてくれた紙袋に模範解答を詰め込み、ついでに・・・学校からの表彰状。
まあ・・・警察からの表彰状がでたので・・・学校からも出たらしい・・・それから・・・記念品として
額縁とノート2ダースとシャーペンとボールペンのセットを詰め込んだ。
でも・・・勉強を碌にしない僕たちにはきっと宝の持ち腐れになるに違いないんだが・・・・

「それからな・・・明日・・・」
「明日ですかぁ~」
「何だ・・部長。何かあるのか・・・・」
「はあ・・・明日だよな青。」
「はい。明日・・・なんでも元服とか・・・」
「俺が言いたいのはそれだ。俺も立ち会うからな・・・勿論、佐山先生もだ・・・」
「あのぉ~元服って何するんですかね?」
「さあな・・・・」
「あの和尚のことだから・・・戒名でもくれるのかな?」
「キミタチ!縁起でもないこと言うんじゃないの・・」
「じゃあ・・・なんだろ?」
「まあ・・・いい。明日の楽しみに取っておけ!それから・・・腹減らしてこいよ!いいな!」
「は~い」
「じゃあ・・・解散。今日はまっすぐ帰れよ。それから・・・言うまでもないが・・・平均点以下は取るな!遠藤と岡崎は全科目・・90点以上取れ!そうすれば・・・なんとかなるだろうから・・・」
「じゃあ・・・みんな・・しっかり覚えて頂戴!いいわね!」「はい!」
「じゃあ・・解散!」

僕たちはゾロゾロと重たくなった紙袋を抱え部室を出る。そこへ・・・兄さんが声を掛けてくる

「いいかぁ~お前ら・・・まっすぐ帰れよ!寄り途は今日はするな・・・いいな!」
「はい!ご指導ありがとうございましたぁ~」

僕たちは通用門を出ると・・・・

「なあ~どうする?マーク教えてもらえなければ・・・・」 大岩クンが僕に問いかけた。
「そうなんだよな・・・」
「それは・・部長の仕事だろ・・・頼んだぞ!部長・・・」
「まあ・・・やれるだけたるけどさ・・・遠藤に岡崎お前らは・・・全部覚えろよ!やばいからな・・・」
「でさ・・・これからどうする?」
「鑑賞会だろ?」
「部長は・・・」 僕は首を横に振った。鑑賞会よりも生のほうがいいし、バイトもある。
「そうか・・・お前は働かないといけないんだよな・・・」
「ああ・・・付き合い悪くてごめん。」
「良いって・・・水臭い・・・じゃあ・・明日な!」
「うん。明日・・・・」

僕は紙袋を抱えダッシュした。何せ・・・バイトの時間が目の前に迫ってきているからだ・・・


「僕たちの・・・トルコ行進曲」 第21話へ・・・続く・・・ 

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