SSブログ

オストドの「姿は見えない声に導かれて・・・お伊勢詣・・弾丸決行!」 Vol1 [2009お伊勢参りの旅]

まえ書きに代えて

楽しい歯医者通いの日曜日。何故、楽しいかはここでは伏せさせていただく。

キ~ンと響く、まるでドリルの様な音も我慢出来るし、

歯茎に刺される麻酔針の痛みにも我慢出来る。それどころか・・・毎日通っても悔いはない。

人生40数年生きてきたけど、これ以上楽しい通院を含めた闘病や治療生活を送ったのは、

オスの本能で言わせてもらえば、耳鼻咽喉科に通い、ナースをナンパしてた時以来だろう。

いつもは通らない道。歩道なのだが、あまり整備が行き届いていない道を歩いている時だった。

「伊勢に・・お伊勢様に参るのじゃぁ~!」

突然、オストドの頭を頭痛とも言えぬ、痛みと姿の見えない声が頭に響く。

一瞬、空耳かとおもったのだが、その声はさらにその歩道の一部を抜けるまで続いた。

「疲れのせいだよな!多分・・・・」 そう自分にいいきかせたのだが・・・・

「お伊勢様に参るのじゃぁ~さもなくば、お主は一生後悔する!

オストドはぎくりとして立ち止まった。

「だ・・誰?」

あたりを見渡しても誰もいない道。

「気のせいか・・・・そろそろ・・あいつの世話になる時がきたかな・・・・」

あいつとは・・精神科の医師で、傍若無人の煮ても焼いても喰えない奴なのだ。

そいつこそ、傍からみても精神病の患者に見える奴なのだが・・・・

そのとき・・また・・・姿が見えないが声が聴こえてきたのだ。

「伊勢に・・お伊勢様に参拝せねばならぬ。よいな!お主のためゆえに・・・・」

オストドは歩く速度を早めることにした。まるで・・・異次元の世界に入り込んでしまったみたいだ。

歩道を抜け、なるべく人混みの中をわざと歩き、歯医者へゆく。心待ちにしていた週一のお楽しみ。

それなのに、オストドの頭の中は、重くけだるい・・・・「よし!もう一度あの道を通ろう!」

オストドは心に決めた。「後悔先に立たず」つまり、後で後悔をしても仕方がない。

歩いて来てしまった道。もう戻れない道ならば、生かされている限り、前進あるのみだ。

オストドは持って生れたわけではない。自らその能力を完全に封印してしまったある力の封印を解く。

オストドに与えられた力。それはもう30数年前に入水自殺未遂を起こし、助けてくれたある方から

授けられたであろう力。それ以来、オストドには悪い知らせを告げる“予知夢”を得る力と、そして

それが実際に起き、それらから逃れるすべを与えられているのだろう。でも、それを防ぐ力は

オストドには与えられていない。ただ、宿命を切り拓き、神の思し召しのまま生きているだけだ。

いや、神々とその不思議なパワーによって生かされている。そうでなければ、交通事故が2回。

誰もが「あいつ死んだ!」と思われる様な事故や、乗るべきはずだった日航御巣鷹山墜落事故や、

いつ銃撃戦が始まるかも知れない地区に足を踏みいれたり、阪神大震災に被災しても震度7の

激震地に棲んでいようとも、同じ病で亡くなった義理のイトコ(大嫌いだったが・・)と同じ、成人男子

10万人に一人発病するかどうかと言われるセミノーマ。つまり睾丸の癌でも、身の廻りの整理と、

雑務を片付ける必要性から、手術を先延ばしにしたのにも関わらず、奇跡的に転移もなく、

10年以上の月日があっという間に流れて行っている。運がいいだけで、片付けられることではない。

生後と言うより、生まれる前から、オストドは産みの親双方に捨てられ、育ての母でもあり、

本当の叔母でもある人にまで、見捨てられ、一時は悪魔と契約まで結んだ子供時代。

悪戯の範囲を大きく超え、犯罪寸前や本来なら罪に問われるはずのこの身。

そこまで、自分自身を追い込んだこともある。

それでも、天罰は降っていないどころか、オストドは幸せな家庭とそれなりの地位をこの世に受けている。

毎日が後悔と贖罪に苛まれることも偶にではないほどの、劣等生。人類を名乗ることも許される身ではない。

「あるがままに生きなさい!それがあなたに与えられた神様の宿題なのよ」

そう言われた日以来、オストドは時に暴走列車のごとく。時にはジャングルを進む探検家のごとく。

そして、あるがままの自分を受け入れ、神が定めた“運命”と言う名のレールをただ走っている。

気がつくと、オストドは何時の間にか、歯科医院でその対価を支払い、歩いてきたようだ。

そして、不思議な声の聴こえたあの歩道の前に佇んでいた。

「ヨシ!これが神様が与えられた“試練”なら受けて立つ!」

オストドはそう決心をした。例え自分の身がボロボロに朽ち果てようとも、愛すべき人々を、精一杯拡げた

頼りない翼ではあるが、その翼の下で守り、そして更なる飛躍を続けてもらえばよい。

例え、疲れ果てボロボロになっても、精一杯の翼を拡げ、大空を舞う。それが与えられた運命なら、

受け入れ、力尽きたとき、静かに眠るように朽ち果て永遠の眠ればいいだけなのだから・・・・

オストドはその瞬間、永年にわたり、自ら封印してきた力を解き放つことにした。

安全回路さえも全て開放して、その姿なき声に尋ねなければならない。

静かに歩みを進め、その不思議な歩道を進む。その時、先ほどとは違うもっと強烈な頭痛が襲って来る。

でも、ここで怯むわけにはいかない。何せ、オストドは翼を拡げ、大切な人々を守らなければならない。

「伊勢に・・お伊勢様に詣でるのじゃ・・・」

また、同じ声が聴こえる。その姿なき声の主に問わねばならない。

「何故です?どうして・・お伊勢様まで行かねばならないのか?理由を教えてください」

そう心で念じると、嘘のように強烈な頭痛は消え、オストドに別の声が聴こえて来たのだ。

「お伊勢様に来なさい。それが貴方や貴方の大切な人を守ることになるのよ!」

どこかで聴いた声だった。懐かしくもあり、思い出すと悲しくなりそうなそんな声が聴こえて来た。

「どうじゃ・・・解ったの?お主のためじゃ・・・そして愛する人々を守るためじゃ・・よいの・・・・」

「解りました!それなら何時・・いや何時までにお伊勢様に詣でればよろしいのでしょう!」

「これから・・・1年。1年は守護し進んぜよう・・・よいな!1年以内じゃぞ・・・・」

気が付くといつの間にか歩道を過ぎ、信号を渡り、いつの間に買ったかすら覚えていないないパンを抱え、

団地の階段を登り、通路を歩き、我が家の玄関にたどり着いていた。

自宅に帰り、メストド1号にその旨を伝える。何しろまず真っ先に守らなければならない大事な家族。

最初は・・「何言っているの?」と笑っていた妻であるメストド1号も、だんだん真顔になっていた。

そして・・最後に「それはきっと何かのお告げよ!参拝にお伺いしなきゃ!」とオストドの背中を押した。

偶然?それとも必然だったのだろうか?連休は温泉。纏まった休みが取れれば、海外に旅行と言う名の、

逃亡生活をしているのだが、10月の連休は何もスケジュールを組んでいない。

「善は急げよって言うでしょ!10月の連休に行きましょう。そうすれば・・何か解るはずよ!」

こうしてお伊勢様に詣でる日が決まった。

その時オストドは心に誓った。

「決して自分の事は祈願しない。例えそれで自分の身が滅ぼうとも人々のために祈願する」と・・・・

後日・・我が家から巣立って行ったはずの娘が一時ではあるが戻ってきた。

そして彼女の会社の健康診断の結果、彼女の身体に異変が起きつつあることを知らされたのだ・・・

「もし、神様がひとつの命を必要とするなら、俺が身代わりになろう。それが今出来る事のひとつだ」

オストドはそれも併せて祈願することに決心した瞬間だったのだ・・・・・

「姿は見えない声に導かれて・・・お伊勢詣・・弾丸決行!」 Vol2へ・・・続く。








nice!(6)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 6

コメント 5

釣られクマ

よくわからんですが声が聞こえたらいくしかないですね^^;
直感は大事ってところかな
by 釣られクマ (2009-10-16 10:20) 

空飛ぶ食欲魔人

xml xsl様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!

釣られクマ様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
直感は大事ですもんね・・・それだけがオストドの武器かもしれません。

ほりけん様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-16 11:21) 

空飛ぶ食欲魔人

miopapa様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-16 14:57) 

livly-cu

こんばんは。
不思議な話ですね^^でも、これまで幾多の苦難に遭われても
偶然とも必然とも言える出来事で、ここまで来たのですもの。
これは、行かなきゃって思いますよね(^◇^)
娘さんにも関わるなんて。。。お伊勢参りの理由が、とても
深い話でシミジミと読ませて頂きました。^^
by livly-cu (2009-10-17 01:30) 

空飛ぶ食欲魔人

トメサン様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!

Livly-cu様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
素敵なコメントありがとうございます。( ^)o(^ )
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-17 09:03) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0