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オストド&メストド1号・2号・・それぞれの祈りの旅 ② [2010年GW 伊勢参拝の旅]

旅立ちの前日

「遅ぇなぁ~これじゃ・・また・・とっ捕まっちまう。」

オストドはポツンと呟いた。既に内線電話にもなる。会社支給品の携帯電話はぶち切り、ついでにオストドの専用執務室の同居人の机の上にある内線電話のジャックを引っこ抜いてある。
ついでに、事務所へのドアを厳重にロックしてしまえば、“余計なお仕事”をしないで済む。
後は、辺りをキョロキョロ見回し、既に会社の駐車場から、コインパークに避難させた車へダッシュで逃げ切れれば、オストドの勝ち。そう・思い、娘であるメストド2号から鳴るはずの携帯電話をポケットに押し込み、事務所の玄関をロックするべく・・椅子から立ち上がった途端、職人’sが雪崩混むのを阻止出来なかった。

「お前!休むんだって?」
「当たり前じゃん!それが何か?」
「何かじゃねえよ・・ボケッ!この図面いつのだ?」
「あっ!・・・」
「あじゃねえよ!ココのところ・・こう言う風にしか出来ねえから・・こう直しておけ!」
「了解っ!後は・・・」
「ビールくらい出すんだろうな?お前は休みで・・俺らは・・・」
「はいはい・・出させていただきますとも・・・」
「1ケースじゃ済まさねえぞ!」
「じゃあ・・2ケース+おつまみで・・・」

オストドが差し出した1万円札をふんだくると、職人’sは怒涛のごとく消えていった。

「仕方ない!直しますか・・・全く・・・」

そう呟きながら、CADを立ち上げ、職人’sの汚い手書部分を図面に起こしてゆく。

「おかしいよなぁ~ココは・・・あっ!あのヤローやりやがったな・・・まあ・・後で敵討させてもらうか・・」

ブツブツ言いながら、図面を手直しを行っていると、メストド2号である娘から、お迎えの催促の電話が鳴る。

「父ぃ~あと・・どれくらい?」
「はぁ?アンタからの電話待ってたんだけど・・・近くに行ったら電話するわ!」

何しろ、作成してる図面を打ち出し、職人’sへ渡さねばならない。プロッターを壊しておいたのだが、予備のプロッターがスタンバイ状態になっている。本来なら、現場事務所へ運んでしまえば問題が無かったのだけど、数日間無人のところへ、多少値が張る機器を運びこむわけにはいかない。

「梱包しちゃえば良かったな・・・」

中途半端に梱包はされかけていたのだが、「プロッター壊れたぁ~」とオストドが叫んだのが敗因だったのだろう。梱包作業をしていた職人’sのYが中途半端に止めて行ってしまったのだ。
その中途半端は梱包はものの見事に抜けがらにされ、職人’sによってテキパキと組みたてられたからには、打ち出しておかねばならない。
図面を打ち出し、“宴会中”の職人’sに図面を渡す。まあ、これで連休中に“仕事”を考えなくてすむと思ったのだが、これは儚い夢となることなど、その時は思わなかったのだが・・・

「そんじゃあ~仕事に励めよ!」

余計な一言を言わなければ、良かったのだろう。・・・励め=さっさと進行しておけ!と取った職人’sは、ご丁寧にも急ピッチで予定より前倒しに工事を進めるとは夢にも思っていなかった。
もしかしたら、職人’sの頭のお菓子を取り上げて喰った報いか?お休みに仕事をさせられる羽目になろうとは、この時点では想像がつかなかったのだ。

途中、メストド2号を拾い上げ、自宅へ戻る。1日休みだったはずのメストド1号は、荷造りと洗濯に没頭していて、ひとつ“大事な事を忘れている。オストドのエサの用意を忘れていたのだが・・・・
敢えて、書くまい。彼女は前日ハードな仕事をし、山の様な洗濯物をこなし、旅立ちの荷造りに没頭していたのだ。仮に途中、本人が言うところの、“意識がなくなった”時間が何時間であれ、専業主婦ではないのだから、文句をひとつ言えば、100倍いや1000倍になって返ってくるのは、火を見るより明らかだ。

02、May 旅立ちの朝・・・



オストド&メストド1号の棲家からは、成田空港の方が近い。だが、航空券代を比較した結果、羽田発の方がコストが安い。そうなれば、いくら、奇人変人ともアホと言われているオストドでも、飛行機に乗れるのなら、羽田発を選ぶ。棲家から真っ直ぐ坂道を、ゼエゼエハァハァと息を切らし、20分ほど登ればJR津田沼駅へたどり着く。
まあ、自宅そばかたバスもあるのだが、朝食を仕入れねば、腹ぺらしの2頭のトドは、何をしでかすか解らないほど、凶暴になる危険性がある。
そこで、コンビニを経由して京成で一駅。京成津田沼より、空港リムジンバスを選択した。
途中、渋滞個所があり、バスは躊躇することなく、途中の大井南ICを降り、一般道を進む。
勿論、航空会社の選択はANA。オストドもメストド1号もスーパーフライヤー。ついでに言えば、二人とも、オタク就業sぎた身である故に、正会員である。プレミアムクラスのチェックインカウンターに、引き摺ってきたキャリーを預け、優先レーンへ進み、そのままラウンジへ駆けこむ。
オストドはここでそれなりにニコチン供給をしなければならない。


(羽田・・ANAラウンジ)


(ラウンジからの眺め)


(目の前を離陸してゆく飛行機が見える)

AM9:45 優先搭乗でANA19便 B777-300に乗りこむ。オストドの席はCであったのだが、メストド2号が窓際へ吸われと言う。まあ・・ありがたい事にしておく。



AM10:00丁度、ドアクローズ。AM10:07 トーイングカーに押し出され、60番ゲートを後にする。
その3分後には、出発の準備が全て整い、エンジンが唸りを上げ、にこやかに手を古整備士さんに思わず、こちらも手を振る。

「えへっ!こりゃ幸先いいわ!」
「えっ?」
「だって・・幸運の女神様だよ!女性の整備士さんまで手を振って居るもの・・・」
「ったく・・・あんたは・・・」
「ハイハイ・・・その辺で・・」 さうがは潤滑油のメストド2号にたしなめられる。

トド3頭を乗せたB777-300は、AM10:17.RUNWAY16Rに正対すると停まることなく、そのまま加速を続ける。

「VIだな・・・はい、ローテーション。V2・・ギアーアップ」
「あんたは・・もう!」
「凄いでしょ?身体に沁みついているのかな・・・体感速度」

本人が言うのも何だが、立派なオタクである。まあ、それだけ数千フライトに乗ってきたわけだから、勝手に身に付いてしまったものなのだろう。

「んっ?おかしいな・・・ああ・・そうか・・・空域の問題があったんだっけ・・」

ブツブツ言いながら・・飛行マップを手にルートを推測する。

「そうすると・・やっぱり・・・」


(海ほたるです・・)

「はい・・この辺で右旋回してくれなきゃ・・・」

どうやら、オストドがフライトシュミレーターで散々飛行?した経路を通るらしい。

「ほい!眼下には初島だな・・・そうなると・・豊橋を抜けて、槇原で右旋回、最終着陸態勢・・・」

オストドがブツブツ言っているそばで、メストド1号と2号はぐっすりと眠っているのか、それともタヌキ寝入りでもしているらしい。高度7300mから、徐々に高度を下げてゆく。

AM11:03 RUNWAY32Lに着陸。定刻どおり13番ゲートにスポット・イン。
さっさと荷物を受け取り、なんば・OCAT方面行きのバスに乗るために、チケットを購入。
一人620円。3人分で1860円。

「ねえ!父・・今のうちに補給しなくていいの?」

ありがたい申し出である。パイポは持参してきたが、この先、いつもなら喫煙車両に乗るオストドだが、今回は禁煙車を予約してある。まあ、禁断症状が出たら、喫煙車両に出没すればいいことである。


オストド&メストド1号・2号・・それぞれの祈りの旅 ③へ続く









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コメント 3

inacyan

今日はnice!の押し逃げで失礼しますm(_ _)m
by inacyan (2010-05-06 22:20) 

livly-cu

こんばんは。喰い物の恨み、怖いですね~^m^
お忙しい中での旅行準備から帰宅まで。。
お話を楽しみにしております♪^^
by livly-cu (2010-05-07 02:17) 

かずっちゃ

ANAのラウンジ、ウラヤマシイです!
by かずっちゃ (2010-05-07 15:09) 

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