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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ④ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第三章 トランジットタイム

13,AUG,2010 PM05:10 (JPT PM06:10)

真っ先に降りるのはいつものオストドのパターンと言うべきか?癖である。

メストド1号はのんびり屋さんと言うべきか、マイペース型。

この旅がヤロー同士の旅なら、「じゃあ!あとで!ゲート集合ね!」とでも言ってしまえば、

気楽なのだが、オストドは今ではメストド1号の専属ツアコンである。

それに、オストドのパスポートとトランスファーチケット(乗継の搭乗券)は、メストド1号の

リュックの中に仕舞われている。先日のパスポート紛失騒ぎ以来、メストド1号が保管係りなのだ。

だから、自由行動はない。言い換えれば、人質ならぬモノ質を取られている。

早速、インフォメーションボードを確認する。

シンガポール/コロンボ間のボーディングパス(搭乗券)は、成田で既に受け取っている。

しかし、ゲートオープンの時間もゲート番号も入っていない。

ただ、何便で座席はどことしか書いていないのだから、インフォメーションボードで確認をする。

これだって、あまりあてにはならない。時々ゲートがとんでもない所へ移動することもある。

「ええとぉ~あっ!あった。F54。定刻どおりか・・・」

「どこ?」

「あそこ!」

「あった!あった!」

「さてと・・では恒例の・・んっ?」

「何?」

「あそこにさ・・ランコム置いてあるけど・・・あそこにアレ!ないかな?」

「どうかな・日本で売り切れだったし・・・覗くだけ覗いて見る?」

「覗くのはタダ!シンガポールドルならあるし・・・ゲンクソ悪いけど・・・」

タバコに課税されなきゃシンガポールは天国なのだ。いくら、日本でTAXを払っていると言っても、

「そんなの知らん!」とばかりに、ご丁寧にも日本語で書かれた税関手引きを渡される。

3340945

それ以来、「二度と来るか!シンガポール!」と喚く様になってしまった。

せめて、滞在日数x一箱(出来れば、二箱)くらい。持ち込ませて欲しい。そうすれば、

有意義なシンガポールトランジットタイムを満喫できる。

MRTに乗って、チャイナタウンをぶらつき、飲茶とC級グルメを堪能できるのだが・・・・

「まだ根に持っているの?」

「当たり前じゃん!好きな国だったんだけど・・・くたばっちまえ!」

「はいはい・・ニコチン切れね?」

「残念でした。コッソリ“ゼロ”咥えていたもんね!強いて言えば煙切れ・・・」

「解ったわよ!じゃあお店覗いてから、スモーキングルームでいいんでしょ?」

「まあ・・そんなとこ・・・」

メストド2号の出国税は、“物納”である。それも、「どこそこの何で、品番は・・・・」とくる。

「確かアレ・・色黒だったはずなんだけど・・・・」

「昔はね!日焼けはどうのと言い続けたけど・・・真っ黒だったわね。」

「それが何で・・・女心は解らん!男で良かったな!俺・・・・」

成田の免税店では、欠品。つまり、売り切れだった。それが、覗いた化粧品売り場では、

山の様に残っているのを発見した。

「あるじゃん!」

「日本製かしら?メイドインジャパンじゃないとダメって言っていたから・・・・」

手にとって見ると、確かめる必要もなかった。何しろ、裏書きは日本語。それでも、注意して、

よく見ると、日本製と書いてある。

「これで・・出国税は無事揃ったと・・・」

手持ちのシンガポールドルを吐き出すと、気持ちがラクになった。

もう・・当分、いや、禁煙でも気がおかしくなってしない限り、入国することのない国の紙幣を

エイヤーと吐きだせたこと。それに、出国税の延滞金?を徴収されなくても済む。

スモーキングルームに駆けこみ、一服、また一服と着陸後の儀式を行う。

「さてと・・・ラウンジへ行って、昼寝してメシ喰って・・・・」

「駄目!ウォーキングに出かけるわよ!」

「げっ!」

「絶食とウォーキングどっちがいい?」

メストド1号の目は、オストドにまた。究極の選択を強いている目だった。

「う・・・ウォーキング」

「でしょ?」

「でもさ・・・」

「何?」

「俺、左足靱帯損傷なんだけど・・・・」

「知っているわよ!湿布も消炎クリームもサポーターまでそのオンボロカバンに入っていることもね!」

「ら・・ラジャー!」

こうなってはいくら喚こうが、あがいても無駄な話。それでなくても、今はエコブームである。

省エネの世界。オストドも体力を温存しなければならない。イスタンブールのホテルに辿りつくまで、

まだ24時間以上タップリとあるのだ。こんな行程を組んだ自分が恨めしくなった瞬間でもある。

「あ・・あのさ!ゲート確認しとかなきゃ」

「そうよね・・・」

「俺の記憶によれば・・あっちのスカイトレインに乗れば、すぐのはずだけど・・・」

せめても“歩行量”を減らし、体力温存を図ろうとするオストド。我ながら涙ぐましい努力である。


(第3ターミナルから、第2ターミナルのFゲート出発にはこっちが便利)

「ほら!あれ!覚えてる?」

「えっ?」

「この前、泊まったホテル」

「ああ!あの時はドライバーさん酷かったわね。居眠り仕掛けるし、道間違えるし・・・」

「だから、チップやらなかったけどね」


(向かって正面が第2ターミナルです。)


(まあ・・どこかの空港とは偉い違いですね。心なごみますから・・・)

スカイトレインを降りて、F54ゲートを確認する。ラウンジから直行から考えると、おおよではあるけど、

20分の時間をみておけばいい。荷物検査もあるので、所用時間を含めて45分前とする。

「さてと・・・カバンでも見ようかな?」

「修理するんでしょ?」

「するよ・・・でもね。代わり買わないとね・・・」

「何で?」

「修理に時間かかるでしょ・・毎日使うもん!」

オストドにアレほど口うるさく、代わりを買えと言っていたのを逆手にとることにした。

まあ、それに予備はあっても困らないわけだし、きょっとすればひょっとすることもある。

オストドの欲しいのは、シンプル・イズ・ベスト。そんなにブランド・ブランドしていないもの。

まあ、なんでも放りこめる様に厚み10cm以上、面倒なモノは省いてもらい・・・

ショルダー式で、まあ・・レポーターバックみたいでちょっとだけ固め。

お値段も希望がある。お財布がそんなに軽くならないものが望ましいのだ。

「だけど・・注文が多いわよね!」

「どこが?」

「デザインがどうのとか・・・ちゃんと収納すればいいんじゃないの?」

「まあね。でも、元々大雑把で片付けるのヘタだから・・それに、気にしないで使えるものが・・・」

「つまり、その・・・オンボロになったダンヒルのバックがいいわけね?」

「うん。」

希望に近いものがあっても、お値段がどうのとか言い、結局は買わないはず。

オストドのポリシーは“良いものを安く。そして、長年使う”なのだ。

前に乗っていた車だって、新車で納入され、17年乗り続けボロボロになって廃車したのだ。

その理由だって、部品がないのと、引っ越しの荷物運びのため仕方なくだから・・・・・

「ええと・・そろそろですね・・・」

「一服ね?不思議なのはよく飛行機の中で我慢出来ることだわ・・・」

「それはね・・・飛行機大好きだからね!我慢できるの・・・乗っている間は・・・仕方ないでしょ?」

「どなたでしたっけ?JALのシカゴ行きの機内で傍若無人の振る舞いをされた方は?」

「えっ?ああ・・ジャンボのアッパーデッキでね。でも、機長の許可も得たし、売上にも貢献したよ・・・」

「脅したんでしょ?」

「あれは脅してないの!スモーキングエリアを寄越さなかったJALが悪い。」

「それで・・文句を付けたのよね?」

「文句じゃなくて、要望!お客様の大半が喫煙者だったし・・暴動起きちゃうじゃない!それに・・・」

「それに?」

「俺一人だけなら・・ギャレーに闖入して吸えばいいことだもの。スッチー達と一緒に・・・」

「やってたわけ?」

「やってた。顔馴染みが多かったし、ちょっとした有名人だったし・・・いや、要注意添乗員かな」

「呆れた・・・」

「まあ!若かったから・・無茶もやったけどね。飛行機の中にスモーキングルーム作ってくれないかな」

「有料でも?」

「うん。1000円なら払うよ・・空の一服には価値があるもの・・・」

観念したのか?どうかは定かではないが、オストドをスモーキングルームに連行するメストド1号。



「ああ!美味い・・」

「もし、飛行機が墜ちそうになったら?」

「吸うね!きっと・・墜ちると判って助かりそうもなければだけど・・・」

「その時は許す!」

「あんがと・・じゃあ・・行きますか?」

オストドの目論みでは、ターミナル間はスカイトレインを使うつもりだった。まあ、希望的観測と言う奴は、

99.9%叶えられた試しはない。絨毯の上を引っ張っているキャリーは、体力を奪っていく。

「ええと・・スカイトレインはと・・あった!」

「何が?」

「だから、次のターミナルへ移動するでしょ?」

「するけど?」

「スカイトレインに乗るでしょ?」

「乗らない!歩くの!」

「げっ!」

「動く歩道は使ってもいいから・・・」

「うわーい!」

半分、いやそれ以上だったはず。やけになって喜ぶオストド。既に足は悲鳴を上げている。

「ええと・・いいもん見っけ!」

カートが置いてあるのを見つけると、それにキャリーを積み、肩に食い込んでいるレポーターバックを、

積み込んで動く歩道に戻ろうとすると・・・・

「駄目!」

「何で?」

「ラクになったでしょ?動く歩道は禁止!」

こうして延々と第ニターミナルから、第一ターミナルを抜け、第三ターミナルへ戻ることに・・・

第三ターミナルに戻り、スモーキングルームに駆けこむと、時計はPM17:54(JPT18:54)を

表示していたのである。



放っておくと、もう一周でも二周でもさせられそうな勢いだったので、喉の渇きを訴えることにした。

「ねえ!喉渇かない?」

「そうね!ちょっと渇いたわね・・・」

「ラウンジ行こうか?お金勿体ないしね・・・」

「そうよね・・・」

勝手知ったるラウンジへ向かうことになった。やれやれである。


(ラウンジへの入り口)


(ラウンジの中は広い)


(喰えないと言う選択もあるので・・・本日、3食目)

ラウウンジには様々な食事や軽食が用意されている。巻きずしや茶そば、普通のそばまで、

バリエーションは豊富にある。オストドはサンドイッチ8個(一包み2個を4包)と茶そば2杯。サラダ2皿。

缶コーラを2本にミネラルウォーター1本を、今にも空腹のあまり泣き叫びそうな胃袋に流し込む。

メストド1号は、サンドイッチ等をやはりその胃袋に収めている。

ラウンジでまったりして、離陸前の儀式に臨むことにした。

「さてと・・・」

「はいはい・・・何らかの理由付けるわよね?」

「嫌ならいいけど・・・ジンクスみたいなもん?俺はいいけどね。墜ちたって・・・」

「はいはい。大勢の人のためにお吸いになってください。」

「だよねえ~」

スモーキングルームに立て篭もり、2本立て続けに吸う。

一本は空を飛ぶ飛行機たちの安全を祈って・・・もう一本は、そのれらの飛行機に乗る人々の

安全を願っての大切な儀式だ。

「そろそろ行く?」

「いや、もう一本!」

「今度のは?」

「旅の安全を祈ってかな・・・」

合計3本を吸い、階下へ降りる。フットマッサージ器が無料で備え付けられている。

15分ほど揉んでもらうと、心身共リラックスして、次の経由地に向かえるのだ。

第4章 人騒がせな人たち。シンガポール~コロンボそして、ドバイへ・・・に続く。







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コメント 3

inacyan

今更なに言ってんの?って言われそうですけど、海外旅行をご夫婦2人でできるオストドさんは凄いですね(*^_^*)
読みながら「ほ~」「へ~」の連続でした(o^_’)b
しかしこの後、足が心配になってきました・・・
大丈夫でしたか?(^^)

by inacyan (2010-08-28 18:33) 

ゆうのすけ

^^読み応え有ります~ぅ。一緒に逃亡してるみたいで・・・(^^;
コロンボ ドバイですね おともさせてください~!^^にゃはは
by ゆうのすけ (2010-08-28 20:42) 

nyankome

飛行機は禁煙になってしまいましたから長距離のフライトは辛いですね。
by nyankome (2010-08-29 02:04) 

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