SSブログ

飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑧ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第7章 イスタンブールの街を歩く。極楽コースは天国への近道?

旅に出るとまるで嘘の様に体調が良い。体調が良いのは良いことなのだけど、少々“躁”になる。

まあ、特に今回の旅は“少々いや・・・ほんのちょっぴり、後ろ髪を引かれる思い”で旅立った。

取りあえず、自分の携帯電話は自宅で静かに眠りについている。

持参した方は、会社からの貸与品。ありとあらゆる指示は飛ばしてきたけど、何があるか?

一抹の不安があるので、常に連絡を受けれる様にしなければならない。

「テメェ~一人だけ優雅に旅行かよ?」

「うるせーお前等とは働きが違うんだ!」

まあ、俗に言う。売り言葉に買い言葉。職人’sは夏休み没収で働いている。

その代わり、職人’sが賭けた賭け金で、普段は入らない旅行傷害保険に入っている。

「宝くじより確率高そうだから・・・」

集まったお金は結構な額である。でも彼等は気付いていないのだが、受取人は法定相続人。

つまり、メストド2号の懐に転がりこむ形にしてある。

だから・・・何かあっても彼等には一文の得にもならないのだが・・・











交代でバスタブにゆっくり浸かり、さっさと寝ることにした。

メストド1号は、「ベリーダンス」と喚いていたのだが、席も予約してないし、観たい気もあるのだが、

気力<体力もしくは、気力=体力ならまだしも、年々、体力の衰えは隠せない。

「最終日の夜でいいじゃん!ちゃんとお席ご用意しますから・・・」

「ホント?」

「もちろん!明日はハマム行こう!グルグル歩くし・・早寝したほうが・・・・」

「そうよね!じゃあ!お薬・・・」

「あいよ・・・」

そう言いながら、”寝るためのお薬”を万一のために服用して、旅の疲れとの相乗効果で、

バタン・キューと夢の世界を彷徨うことになるのだが、メストド1号より、早寝するわけにはいかない。

朦朧とする頭でNHKの海外放送を観ていると、寝息が聴こえて来たので、ベッドへ潜り込む。

15,AUG AM7:00

薬の効き目が切れると、自動的に眼が醒めるし、また、「何時に起きる!」と決めれば、ちゃんと起きる。

まあ、一番正確なのは、食欲魔人と自称しているわけだから、腹時計が正確である。

「朝だぁ~起きろぉぉぉぉぉぉ~」

叫ぶのは毎朝の習慣である。騒がないのは、メストド1号がお休みの日だけに限られる。

「寝た子を起こすな!」オストドが学んだ言葉である。どこかへ行く用事がなければ、

延々と毒づかれる。ホテルでゆっくりする旅のコンセプトでは、一人でラウンジへ出かけて朝食を

摂り、ついでにウエイターに早変わりして、眠り姫のために朝食を部屋に運ぶことが多い。

しかし、今回の旅のコンセプトは、メストド1号言うところの“オストドダイエット作戦”

普段、数千歩/日程度しか歩かないオストド。最低、1万歩は歩かせたいらしい。

しぶしぶ、起き出したメストド1号と共に、エグゼクティブラウンジへ行き、朝食を摂る。



「喰えるうちに喰っておけ・・・」

オストドの本能がオストドに命令をする。どっちかと言うと、何でも喰らうはずのメストド2号でさえも、

「もう!トルコ料理はコリゴリだぁ~」とほざいていたし、眼の前に座るメストド1号さえも、

多分、喰わないはずだ。それに何よりも微笑んでいるメストド1号が何を考えているのか?

容易に、まるで赤子の手を抓るがごとく判る様な気がする。

まあ、旅立ち前に“オストドの腹の肉”を摘まんだメストド1号が宣言した言葉

「そろそろ・・強制ダイエットさせなきゃね。体重が重いから怪我をするのよ!」

これを思い出したのだ。つまり、詰め込める時は詰めておけ!これが正解だったことは、

後で・・「いやぁ~」と言いたくなるくらい

身を持って知らされることになるのだ。

「よく・・毎度飽きもせず・・・」

「はぁ?」

「大体、ヒルトンの朝ごはんて同じメニューじゃない・・・」

「だよね・・・でも、喰えるよ・・・喰っておかないと・・バテそうだしね・・・」



「おっ!船が・・・・」

海峡に大型客船が入ってきたのだ。

「そりゃそうでしょ?ここ黒海に繋がっているのよねえ~」

「客船だよ・・大型」

オストドはナイフとフォークを投げ出し、ラウンジの窓越しに見るボスフォラス海峡を進む船を眺めた。





「ちくしょ~乗りたいな・・・」

「そうねえ~でも・・ダンス出来ないでしょ?」

「ダンス?ああ・・社交ダンスね・・・あれは無理!」

「やりもしないで?」

「そうねえ~若い女性の先生が教えてくれるなら考えても・・・・」

「おっさん!」

「おっさんですけど?それが・・・・」

後の言葉は言わぬが花である。


食後にチャイをいただく・・・・


イスタンブール・ヒルトン エグゼクティブラウンジの朝


お食事はセルフサービスですけどね・・ビュッフェですから・・・


廻りは殆ど・・・居ませんけどね・・・

部屋へ一旦戻り、身支度を整える。まあ、オストドのバックに二人分の水着を詰めるだけだ。

「それじゃあ・・行きますか?暑くなりそうだけど・・・」

「歩きよね?」

「でしょうねえ~ガイドはおろか、車も手配してないし・・タクシーはビミョーだもんね!」

元気にホテルを出発するオストド&メストド1号。その数時間後には、ヘトヘトになるのだが・・・


ヒルトン・イスタンブール


ホテルの前は芝生になっていて・・・


通りからはちょっと奥まったところに・・・


奥さん!写ってまっせ!顔判らないけどね・・・・


日曜の朝は車も少ない・・・


タクシムのバス乗り場に停まっている。空港リムジンバス。お一人10TL


アタルチュルク行きは大体この辺に・・・


昼間は30分に一本・・・ちゃんと確認しとかないと・・・・帰りもバスに決定!


新聞スタンドにいるニャンコ!招きネコかな・・・・


タクシム広場・・・路線バスは1.3TLね・・了解!


タクシム広場・・・


タクシム広場・・・


イスティクラル通り・・・

「あっ!」

「何?」

「SUI忘れた・・・」

「どうするの?」

「買えばいいじゃん・・・」

タクシム広場からイスティクラル通りを下る寸前にコーヒーショップで、SUIを2本購入することにした。

10TL紙幣を出したが首を横に振る。どうやら、コインを出せと言う。

何しろ、英語が通じないオストドが手のひらに拡げたコインから、1TLを見える様に取ったので、

「ははん・・1本0.5TLか・・」 

面倒なので、1本40円と覚えておき、トコトコと歩きだす。

「飛んでイスタンブールが今度は、異邦人になっちゃったね。」

「だねえ~」

頼りになるのは、一冊のガイドブックとオストドの野性的カンだけである。





「朝ごはん・・・」

「食べたでしょ?」

「あれも名物で焼き立ては美味しいらしいけど・・・」

「今度ね!」

やはり・・・そう来たか!オストドは確信した。どうやら、本気でダイエットさせる気らしい。


近代的なビルの中で・・・まるでタイムスリップした様な気が・・・・


お世話になりたくありませんが・・・・トルコ版の交番?


気分はやはり・・異邦人!


(ノストラジックトラム・・・乗りませんけどね!)



所々のお店を覗き、涼を求める。午前中でこの有り様。一瞬、体力持つかな?と心配になる。



やっとテュネルに辿りつく。もうちょっと歩けばガラダ塔なのだが、お互いの利害は一致。

「いいよね!次回で・・・」

「うん・・何度も来そうだしね・・・」

今回のテーマは微妙に修正され、観光(見学)から、彷徨うことに変更された瞬間でもあった。

テュネルから一気にカラキョイへ下ることにした。勿論、一気にと言うことは、乗り物での移動。

タクシーなんざ乗りたくないし、乗ったら最後、暑い日差しの中降りたくなくなる。


一人・・1TL。あっという間に終点だけど・・・・



カラキョイに辿りつく。これからガラダ橋を渡り、旧市街へ行くのだが、折角なので歩いてみる。




ガラダ橋・・・勿論、上を歩く気はありませんね・・・


カラキョイからガラダ橋とイェニ・ジャミイを臨む・・・





「無いなぁ~」

「何が?」

「さっきから・・探しているんだけど・・サバサンド・・・」

「食べる気?」

「食べちゃ駄目なの?」

縋る気持ちを瞳に込め・・まあ、哀願の眼差しを送ったのだが、朝食を食べ過ぎた様で、却下を喰らう。

「でも・・ないでしょ?」

「まあね・・・」








ガラダ橋からみたガラダ塔

「あっ!あった・・・でも・・・」

「食べてもいいけど・・・」

「暑くて・・どうも食欲が・・・朝飯食い過ぎた!」

「帰りに食べる?」

「そうだな・・・」

サバサンドを売っている所を発見したのだけれど、暑さで体力が奪われている。

そうなれば、いくら喰い意地の貼っているオストドでさえも、防御本能が働く。

「やっぱり・・次回にしよ!楽しみは取っておくよ!」



いつの間にか、彷徨っているうちにエジプシャンバザールへ闖入する。

「今日は見るだけね!価格調査!」

「うん・・・荷物増やしたくないんでしょ?」

「そう・・・」





香辛料の匂いに腹の虫が鳴きだす。しかし、胃袋は拒絶反応を起こしている。

それに、メストド1号の体調も考えねばならない。SUIはとっくに一人一本を飲み干している。

スタンドで一本だけSUIを購入する。やはり、0・5TL。すぐ温くなるので、一本ずつ買う事にする。


イェニジャミィ



「しかし・・暑いわよね?」

「うん。一服もしたいし・・・チャイでもいかが?」

「いいわね・・・」

トラムのエミノミュ駅に面するオープンカフェになっている所へ行く。

「ツーチャイプリーズ!」

これで充分である。瞬く間にチャイが運ばれてくる。オストドはここぞとばかりに砂糖を

しこたま投入する。メストド1号は呆れながら、ストレートティーで頂く。

「いいんだよ!砂糖は頭の栄養だからね!」

我ながら・・少々強引に言いながらも、砂糖を追加しようと手をだすと、メストド1号の眼付が

ネコ科の眼になる。これは要注意の信号だ。晩ゴハンまでカットされたら溜まらないので、

大人しく手を引っ込めておくことにした。

「暑い時はやはり・・・熱いお茶がいいねえ~」 とほざくオストドに対し、少々グロッキー気味の

メストド1号が頷く。

「トラム乗る?」

「乗らない・・歩くの!」

その顔色はほんのりと赤みを帯びている。熱中症になりかけているかもしれない。

まあ、お互いの首にはクールネックを巻いているけど、石畳の反射熱は凄い。

「やっぱ・・熱中症予防ドリンク持ってくればよかったかな・・・」

オストドが職人’sのために導入した専用ドリンクは、市販のものより、カロリーが低く、必要とされる

成分が吸収されやすい。どうしようか?迷ったのだが、ややこしい事になると面倒なので、

持ってきていなかった。

とりあえず・・近場には、シルケジの駅がある。そこにいけば涼を得られるはずだ。

日陰に入り、風通しのいい場所なら、体感気温は下がる。


オープンカフェから見たガラダ塔








シルケジ駅構内 ヨーロッパ方面への起点。オリエント急行もここから出ていたそうだ。





メストド1号の体力の回復を待ちつつ、自分の左足の回複を図る。既に体重の重さと怪我によって、

左足は悲鳴を上げ始めている。

「来年も来るのよね?」

「うん。しばらくね・・・だから、他の観光客みたいに廻る必要はないよね・・・」

そう言いながら、ガイドブックの地図を睨む。間違えたフリをして、ギュルハネ公園へ行き、

トプカプ宮殿は次回に廻すことにした。その後、アヤソフィア・ブルーモスクのそばへ行って、

入場出来る様だったら、入場すればいい。その後、地下宮殿もある。

まあ、汗を掻くからと言う理由で、あまり水を飲みたがらないメストド1号の体力もあるし、

その前にオストドの左足は、さっきから「ギブ・ギブ」と喚いている。

平気な顔をして歩くには、熱を帯びてきている。消炎クリームを取り出して塗ることにした。

これで、しばらくは持つはず。まあ、万一様にはサポーターもあるけど、暑い中装着したくない。


旧市街の名も知らぬ通りで・・・


木陰は涼しい・・・


ギュルハネ公園入り口




道の左右には・・・門番みたいなものかな?


やはり・・木陰は・・出たくない気が・・・


アヤソフィア


ブルーモスク



何処へ行っても・・人・人・人・・・・

「これじゃ・・1日に1か所くらいよね・・・」

「だね!来年からは、1か所ずつ制覇するか・・・ハマム行く?」

「近いの?」

「勿論、そのためにルート組んだもん!」

目指すCAGALOGLU HAMAMは、スルタンアフメット駅から近い。探しながら歩いても5分ほど。





受付でどのコースにするか選ぶ。ユーロ建だが、TLでも支払うことができるのだが、レートは悪い。

チンプンカンプンのメニューを見せられても判らない。

「アーユーフロム?」

「ジャパン・・・」

そうすると・・日本語で書かれたメニューが出てきた。

折角なので、極楽コースを選択する。入浴にマッサージがダブル。ボディーに頭まで洗ってくれる。

これで、50ユーロ。オストドはユーロを持っていないので、二人分で200TL払う。

受付を終えると、売店に連れて行かれる。洗う布を購入しろと言う。

柔らかい布を買う。1枚10TL。計20TL支払う。

ここで、メストド1号は別棟に連れて行かれる。オストドは受付のそばの10号室に案内される。

つまり、この部屋の使用料も含まれる。別に、この個室で何かあるわけでもない。

マッサージも特殊マッサージもあるわけもなく、ベッドがある個室更衣室と言えばよい。


第8章 イスタンブール街歩き。オストドの悲鳴に続く・・・・・












nice!(15)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 15

コメント 1

inacyan

異国情緒ばっちりですね(o^_’)b
by inacyan (2010-09-24 21:03) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0