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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑨ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第8章 イスタンブールの街を歩く。オストドの悲鳴・・・

個室に案内されたオストド。ひとつ疑問があった。

「スッポンポンでいいのかな?タオルは腰に巻けと言っていたけど・・・」

聞けばどっちでもいいとのことなので、濡れた水着をバックに仕舞いたくないし、面倒。

「別に取って食われるわけでもなし・・・」

(個室から・・)

ひとりごとをブチブチと言いながら、スッポンポンになって、少々出張り気味の腹にタオルを巻く。

「結構!いい肌触りだな・・・コレ!」またもや、ブチブチ言いながら、用意されていた突っかけを履く。

どうみてもビア樽に髭を生やしたおっちゃんが手招きをする。おっちゃんに伝票を渡す。

おっちゃんの話すトルコ訛りのイングリッシュとオストドのハーレム仕込みのイングリッシュの

“バトル”が始まる。まあ、おっちゃんが言うには、「迎えに行くから、よく温まっておけ!」と

言っているらしい。

らしいと言うのは、どうもイングリッシュに聴こえない、お互いの発音にその理由はあると思う。

「まあ・・5ミニッツオア10ミニッツと言ってたっけ・・・」

腰にタオルを巻いたまま、しばし・・・観察をする。

観察も混浴ならまだいくらでも、倒れようが何しようが頑張るのだが、ヤロー専用では、

眼の保養もない。

「一体、なんで・・・」

そうである。オストドの廻りには、類が友を呼ぶのか?友が類を呼ぶのか知らないけど、

どうも・・・スキモノばかり集まっている。

「トルコに行って来る!ついでに・・本場のトルコの風呂入ってくる」とでも言えば、

アッチの方。つまり特殊浴場と取るアホが、ゴマンと存在する。

先客に見習い、まずは洗面台といえばいいのか?大きい流し台。ただし、排水溝なしとでも

言えばいいのか?そこにお湯と水を適量にして、水を貯め、小さなお盆とでも言えばいいのか?

まるで、ペット用の深皿とでも言いたくなる。金属製の器でそこに貯めた温めの水をジャボジャボと

浴びる。まあ、シャワー代わりである。まあ、カラスの行水はお得意なので、そのまま真ん中の

ヘソ?大理石の台に横たわる。

「いい加減に来てくんねえかな?無私トドになっちまう・・・」と呟いた途端。

さっきのおっさんことケセジがやってきた。

「ここへ横たわれ!」

「さっきから・・横たわってるけど・・・」

大理石の台の上でグリグリとオストドのマッサージを始めたのである。

まるで・・蒸してはいるのだが、柔らかくならない肉の塊を骨ごと砕く気になっているらしい。

「こりゃあ・・極楽コースじゃなくて、地獄への近道コースじゃねえか?」

そう考えた途端・・・悲鳴を上げている左足に集中砲火を受け・・・

「んっぎゃああああ・・・モア、ソフトリー・・プリーズ!」と喚き、懇願せねばならなかった。

「お前の腹はシシカバブだな?」と言われたオストド。言われっぱなしじゃ腹が立つ。

「おっさんの腹はビアー樽だな・・・」

負けじと言い返す。すると嬉しそうに・・・

「勿論!ビアーだ!この腹はね!」と言う。どうやら、ジョークになった様で、お互い大いに笑う。

「ほれ!こっちへ来い!」

大理石の上でのちょっと痛いマッサージの後、洗い場へ連れて行かれる。

ここで、おっさんが持参した大型の洗面器と言うより、鍋と言った方がいいモノ。

これにぬるま湯を入れると、あら不思議。タオルから泡が吹き出す。後で、良く見せてもらうと

その洗い桶?ならぬ、鍋の内側一面に石鹸が貼りついている。

道理で、泡が吹き出すはずである。

「そこへ座れ・・・」

おっさんにこれでもか!と言うくらい頭から次々に水を汲み上げては掛けられ、危く窒息するところだ。

オストドの買ったタオルはどうやらアカ擦りのためのタオルらしい。ゴシゴシと磨きあげられる。

そのたびに、オストドの繊細な皮膚は右へ左へ上へ下へと引っ張り廻されている。

「一皮剥くつもりか?このおっさん・・・」

やわらかめのアカ擦りタオルで良かった。そうでなきゃ、オストドの絶叫は浴室中に響いたかもしれない。

「ホレ!寝ろ!」

次はタップリと石鹸の泡で身体を洗われ、ついでに・・「んぎゃぁぁぁぁ~」とマッサージが待っていた。

「だ・か・ら・・モア・ソフトリーと言ったろうが!」

「そうだった・・・」

「ったく・・・やはり、地獄への近道コースの方が合ってる」

全身を洗い終えると、次はシャンプーの番だった。

「シャンプー?」

言い終わらないうちに・・タップリと洗い鍋の中の石鹸を大量に頭に塗りつけ、ゴシゴシと洗いはじめる。

ついでに、頭のマッサージも兼ねているのだろう。オストドの脳みそがシャッフルされてゆく。

何十杯もの水を大量に掛けられ、これで極楽コースの一連は終わり。

「よく温まれよ!後でタオルチェンジするから・・」

そう言い残し、おっさんは浴室から出てゆく。

「温まれ?冗談でしょ!これ以上居たらトドの姿蒸しになっちまう。」

10分ほど、水を被ったりしながら、浴室を出る。おっさんがタオルを拡げて待っていた。

「出来れば、若いのとは言わないけどね・・・」

腰のタオルを取り替えてもらい、おっさんが振り回すタオルの風に当たっていると、気分は確かに

極楽かもしれない。まあ、オストドの場合、どう転んでも極楽生きはないだろうから、これでヨシ!

「ミーのサービス良かったろ?チップくれよ・・・」

「そうだな・・・」

オストドのポリシーのひとつなのだが、チップを強要されると、チップの額が極端に少なくなる。

更衣室で着替え終わり、おっさんにチプウを渡す。おっさんが要求しなきゃ10TLくらいやっても良いと

思っていたのだが、手持ちも小銭が3TLしかないので、3TLしかやらなかった・・・

「あっ!メストドにチップ分渡すの忘れてた・・・・」

レディースオンリーの入り口の手前のちょっとした休憩場所まで行く。

中庭があり、そこではタバコが吸えるらしい。












男子禁制なので入れない・・・





メストド1号にチップを渡すべく、飲み物でも飲んで、崩さねばならない。コーラが一本7TL。高い!



やっとメストド1号が出てきたので、尋ねるとチップ攻勢はなかったらしい。まあ、オストドの前を

おばちゃん軍団や若い金髪のお姉さんが通り過ぎて行ったので、チップをねだるヒマがなかったそうだ。

「まあ!いいか!帰ろうか?」

「そうねえ~ちょっと・・期待外れかな?」

「そう?」

「うん!健康ランドの方いいわね!」

どうもメストド1号は期待が大きく外れたらしい。

外へ出るとうだる様な暑さだ。折角さっぱりしたはずなのに、汗が噴き出して止まらない。

メストド1号の水分補給をしなければならないので、カフェでSUIを購入することに・・・・

「信じられない!全部飲み干すかな?」

「だから・・言ったでしょ?何か冷たいモノ飲むかって・・・」

「ったく・・・」

オストドは温くなった水を飲み干しただけだ。しかも、底に残ったわずかな水だけだけど・・・

冷たいSUIが売っているのを確認した。確認はしたのだけど、痛恨のエラーは、メストド1号が

外に出てくるタイミングに間に合わなかっただけだ・・・・

「さてと・・SUI買ったしどうする?どこか見学する?それとも・・・そういや・・腹減ったな・・・」

「次回にしましょ!一日一か所くらいかな・・・当分来るのよね?」

「まあね。」

「タクシー以外で帰れる方法ある?」

「そうねえ~トラムに乗って終点で地下ケーブルカーかな?それでタクシム広場まではね・・・」

「一度帰って、ティータイムして、お買い物に行きましょうか?」

「だねっ・・土産仕入れなきゃ・・・・」

「バザールは?」

「明日かな・・・」

スルタンアフメット駅からトラムに乗りこむ。全線1・5TLの均一料金。

チャイが安いのか?公共交通機関が高いのか?謎だけれど100円足らずである。



終点のカバタシュまで乗る。終点から少々後戻りするとフニュキレルの乗り場へ降りる階段がある。

ジュトンを買うのも慣れてきた。一人分1.5TLを払い、乗り場へ行く。



問題はタクシム広場から、どう戻るか?であった。

「歩くの?」

「当たり前でしょ?」

「やっぱりね・・・」

手持ちのSUIは底をつく。炎天下の中をトコトコとオアシス(=ホテル)目指して歩いてゆく。

しかし、誘惑と言うべきなのか?悪魔のささやきと言えばいいのか?

それともである。足が悲鳴を上げて歩けなくなったと言うべきなのか?

喉が渇いて死にそうになったと言うべきなのか?

多分・・全部だろう。重い足を引き摺っていたのが、まるで嘘の様にスタバを見つけると、

オストドはメストド1号の腕をひき、飛び込んだのである。勿論、タバコが吸えるのを確認と言う

オマケは既に済ませてからではあるのだが・・・・・


第9章 イスタンブールの街を歩く。スタバの猫と変なトルコの人へ続く。





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コメント 2

ゆうのすけ

スタバは 蜃気楼でなく ホントのオアシスだったんですね!^^にゃはは
by ゆうのすけ (2010-09-21 23:32) 

inacyan

本場のトルコ風呂ですよね(o^_’)b
システムが似てたんで日本でこう呼ばれたんですかね(笑)
しかし暑かったようですね!熱中症、大丈夫でしたか?
by inacyan (2010-09-24 21:14) 

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