飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑬ [2010 夏 イスタンブールの旅]
第12章 イスタンブールの街を歩く。空腹に勝るおやつなし!
オストドとメストド1号が買う。通称バラ撒き用お土産はいつも“消え物”である。
大体、碌な・・いや最近は餞別も貰った試しはないし、「ホレ!旅行の小遣い!」なんてことも
随分貰っていない。オストドが初めて海外へ“自らの意思”ででかけたのは、小学校4年生と
5年生の間の春休みに、国際親善友好団なるもので、グアムにキャンプに出かけた。
そのときは、トイレもシャワーも共用のバンガロー式のキャンプ場に宿泊したのだ。
今では、完全に願い下げをする。まあ、それから何度かグアムに出かけ、その都度探したのだが、
探し方が悪かったのか?それとも“塵の如く飛ばされた”のか?よく解らない。
結構広かったキャンプ場での生活は面白かったと記憶している。
ヤシの木陰で気さくな現地のおじさんに習い、ヤシの葉で帽子を編んだり、あちらこちらに隠された
色とりどりに着色された卵を探し、一個しかない金色の卵を見つけた時は嬉しかったものだ。
確か記憶によれば、横井ケープにもハイキングに出かけたこともあるし、
アメリカ空軍の基地に招待され、B29爆撃機の前で写真を撮って貰った記憶もある。
その旅行に出発する際、確かに“餞別”と書かれた“のし袋”を貰った記憶がある。
「大体さ・・あいつら、餞別も寄越さないくせに、土産にケチつけるんだよな・・・」
「うちもそう・・・表だっては言わないけど!」
まあ殆ど試食なしで“ご予算の範囲”でバラ撒きの土産をチョイスするのも難しいものだ。
「温泉なら・・温泉まんじゅうでいいんだけど・・・」
「ウチは人数多いから、大量に入っているお菓子だけど・・・」
「だよねえ~ところで、何個あればいい?」
「そうねえ~最低でも30個・・・じゃ足りないか・・・ええと・・・」
エジプシャンバザールをうろつきながら、お菓子を物色していたのだ。
「いつもなら・・スーパーで現地のお菓子とかおつまみ系で誤魔化すんだけど・・・」
「なければ・・空港の免税店で買うしかないわね・・高く付くけど・・・」
「まあね!休みもぎ取ると大変だよな・・・強制休暇にしてくれないかな・・・」
「でも・・どっちかが合わせないといけないしね・・・はぁぁぁぁ」
そんな時にふいに日本語で呼びとめられたのだ。
「ねえ!初めてじゃない?日本人と認識されたの・・・」
「そうよねえ~」
オストドとメストド1号は差し出された“試食”を受け取ることにした。
勿論、毒見係りはオストドの役目である。オストドは大体何を食べても、腹を壊さない。
「そんじゃまあ・~頂きますかね・・・」
これが密室であり、一目がなければ口にしないのが、海外での鉄則である。
それに取られて困るものは何もない。パスポートも各種カードも、大目に持ってきている日本円すら、
ホテルのセキュリティーボックスの中で、明日の帰国を待っている。
「ん~!」
「どうなのよ?」
「ん~ん~・・・・」
「どうですか?おいしい・・ね!」
「ん~!ん~!んっまい!」
「はあ?」
「じゃなくて・・美味しいよ!これ・・」
正直に言えば、後は値段が付いてくるわけだ。高ければ美味しいのは当たり前としても、
これなら、うるさいヤロー共も納得するはず。
「食べてみ!美味しいから・・まあ、空腹だから何食っても美味いんだけど・・・」
恐る恐る口に運ぶメストド1号。それを覗きこむ店員とオストド。
「どう?」
「ん~まあまあかな・・・これなら・・・」
「覗いて見る?」
「そうね!」
日本語をある程度巧みに操る店員に誘われ、お店の中へ入る。勿論、逃げ口?である入り口に
ドアもなければ、障害になる物もないのを確認を怠らない。
「さっきの・・コレね・・・もう一度食べて見て!」
売り物である商品の山から、次々に一個ずつ取っては半分に切り、オストドとメストド1号に試食を
勧める。勿論、こっちは願ったりかなったりで、“おやつ”をいただくことにした。
ハチミツで作ったお菓子・・・
「チャイいかが?」
「いいねえ~」
「冷たいのがいいでしょ?暑いから・・・」
渡されたチャイグラスに口を運ぶ。口の中でリンゴの甘酸っぱい香りが拡がってゆく。
「んっ!美味い!甘いけど・・・アップルティーでしょ?」
「そう!コレがそう・・・」
顆粒になっているものを溶かすだけだと言う。事務所に置いておくには良い。
「それじゃあ~大箱をふたつと小箱をひとつと・・・アップルティーを500g一袋ね!」
「真空パックにしますね・・・」
「そうして!」
お会計をするとまた何か言いたげである。もうオストド&メストド1号は、これ以上荷物を増やしたくない。
「カラスミいらない?美味しいよ!」
「キライだからいらない・・・」
「えっ?日本人みんな買っていくよ?」
「同類項で括るな!」
「今何て言ったの?」
「あのね!好き嫌い解る?ライクとドントライク・・・」
「解ります」
「だからね・・アイ・ドントライク・カラスミなの・・・」
「うちのは美味しいんですよ・・そうだコレ見て!」
「あん?」
「日本のアナウンサーでしょ?買ってくれたんだよ・・・」
「だから?」
「大勢買ってくれたの・・・」
「あっそう・・・じゃあ・・・来年来る時考えるわ!」
「来年も来るの?」
「当分ね!チケットがイスタンブール発券だから・・・」
「はっけん?」
説明が面倒になってきた。航空券の話なんぞしなければ良かったのだが、延々と説明する。
「解った!名刺くれない?」
「はあ?」
「名刺持ってないの?」
「あるけど・・どっちがいい?」
またもや・・余計な一言を吐いたらしい・・
「両方!」
まんまとオストドは2枚の名刺を差し出す羽目になった。
「その代わり・・・写真撮らせてね!ブログにアップするからさ・・・」
「どっちが本業なんですか?」
そりゃそうである。一枚は建設業界の片隅の会社の名刺で、オストドの本名が載っているもの。
もう一枚は、トラベルライターと記された名刺。
「ええとねえ~生活の糧はこっち・・・でも、本業はこっちかな?どうだろ?」
「さあねえ~あなたの場合、解らないわ!」
解らないでは困るのだ。一応、お給料を頂いているわけである。
「そうねえ~」
腕を組み、考え込むメストド1号。
「多分、こっち!お仕事はこっちだけどね・・・あはは・・・」
まあ、エジプシャンバザールへもし行く機会があれば、探して欲しいものだ。
壁の隅っこにオストドの名刺が数多くの日本人たちの名刺の中にある。
まあ、品物は間違いない。「お前にしてはまともなもの買ってきたな!」と言われたくらいだからだ。
店をでて、トラムの駅に向かうことにした。今帰れば、ホテルのティータイムに間に合うし、
ベリーダンスのリザベーションも取らねばならない。おまけに“プール”に観賞?に出かけねば
多分、後悔が残るはずだからだ。
エミノミュの駅からトラムに乗る。終点のカバタシュからは、タクシム広場まで地下を走るケーブルカー。
多分、これが一番確かなルートなはずだ。タクシム広場に地下から上がる。
「ふう~これで・・あとは・・・」
「ねえ!ベリーダンス観れるの?」
「リザベーション出来ればね!」
「今回は観ない気かと思ったけど・・・」
「観ないわけないでしょ?ホテルのそばでいいよね?帰り面倒だし・・・」
「荷造りもあるしね・・・」
「でもさ・・・ガイドブックによれば、老舗でイスタンブールでも有名なダンサーが出演するんだって・・」
「予約取れればいいわよねぇ~」
「だね・・・その後、お茶して・・プール!」
ヒルトンホテルの入り口を過ぎ、ケルヴァンサライ・ナイトクラブへ行く。
「予約したいんだけどさ・・・」
入り口を塞ぐ、おっさんに話しかける。丁重に案内された先には、重厚な机に陣取りながらも、
笑顔でマネージャー氏が迎えてくれる。
「サー!ディナー付きと付かないのとどちらがいいですか?」
オストドはためらうことなく、ディナー無しを選択する。お仕着せの食事はご免蒙るのが、
オストドのオストド流である。
「畏まりました!サー&マーム!7時30分ごろにお越しください。お席をご用意いたします。」
直接予約に行ったからなのだろうか?食事なしだったから、小さいテーブルでも良かったからなのか?
“かぶりつき席”を用意されたのは、その時はまだ知らなかったのである。
第13章 イスタンブールの街を歩く。イスタンブールの夜は激しく・・・に続く。
オストドとメストド1号が買う。通称バラ撒き用お土産はいつも“消え物”である。
大体、碌な・・いや最近は餞別も貰った試しはないし、「ホレ!旅行の小遣い!」なんてことも
随分貰っていない。オストドが初めて海外へ“自らの意思”ででかけたのは、小学校4年生と
5年生の間の春休みに、国際親善友好団なるもので、グアムにキャンプに出かけた。
そのときは、トイレもシャワーも共用のバンガロー式のキャンプ場に宿泊したのだ。
今では、完全に願い下げをする。まあ、それから何度かグアムに出かけ、その都度探したのだが、
探し方が悪かったのか?それとも“塵の如く飛ばされた”のか?よく解らない。
結構広かったキャンプ場での生活は面白かったと記憶している。
ヤシの木陰で気さくな現地のおじさんに習い、ヤシの葉で帽子を編んだり、あちらこちらに隠された
色とりどりに着色された卵を探し、一個しかない金色の卵を見つけた時は嬉しかったものだ。
確か記憶によれば、横井ケープにもハイキングに出かけたこともあるし、
アメリカ空軍の基地に招待され、B29爆撃機の前で写真を撮って貰った記憶もある。
その旅行に出発する際、確かに“餞別”と書かれた“のし袋”を貰った記憶がある。
「大体さ・・あいつら、餞別も寄越さないくせに、土産にケチつけるんだよな・・・」
「うちもそう・・・表だっては言わないけど!」
まあ殆ど試食なしで“ご予算の範囲”でバラ撒きの土産をチョイスするのも難しいものだ。
「温泉なら・・温泉まんじゅうでいいんだけど・・・」
「ウチは人数多いから、大量に入っているお菓子だけど・・・」
「だよねえ~ところで、何個あればいい?」
「そうねえ~最低でも30個・・・じゃ足りないか・・・ええと・・・」
エジプシャンバザールをうろつきながら、お菓子を物色していたのだ。
「いつもなら・・スーパーで現地のお菓子とかおつまみ系で誤魔化すんだけど・・・」
「なければ・・空港の免税店で買うしかないわね・・高く付くけど・・・」
「まあね!休みもぎ取ると大変だよな・・・強制休暇にしてくれないかな・・・」
「でも・・どっちかが合わせないといけないしね・・・はぁぁぁぁ」
そんな時にふいに日本語で呼びとめられたのだ。
「ねえ!初めてじゃない?日本人と認識されたの・・・」
「そうよねえ~」
オストドとメストド1号は差し出された“試食”を受け取ることにした。
勿論、毒見係りはオストドの役目である。オストドは大体何を食べても、腹を壊さない。
「そんじゃまあ・~頂きますかね・・・」
これが密室であり、一目がなければ口にしないのが、海外での鉄則である。
それに取られて困るものは何もない。パスポートも各種カードも、大目に持ってきている日本円すら、
ホテルのセキュリティーボックスの中で、明日の帰国を待っている。
「ん~!」
「どうなのよ?」
「ん~ん~・・・・」
「どうですか?おいしい・・ね!」
「ん~!ん~!んっまい!」
「はあ?」
「じゃなくて・・美味しいよ!これ・・」
正直に言えば、後は値段が付いてくるわけだ。高ければ美味しいのは当たり前としても、
これなら、うるさいヤロー共も納得するはず。
「食べてみ!美味しいから・・まあ、空腹だから何食っても美味いんだけど・・・」
恐る恐る口に運ぶメストド1号。それを覗きこむ店員とオストド。
「どう?」
「ん~まあまあかな・・・これなら・・・」
「覗いて見る?」
「そうね!」
日本語をある程度巧みに操る店員に誘われ、お店の中へ入る。勿論、逃げ口?である入り口に
ドアもなければ、障害になる物もないのを確認を怠らない。
「さっきの・・コレね・・・もう一度食べて見て!」
売り物である商品の山から、次々に一個ずつ取っては半分に切り、オストドとメストド1号に試食を
勧める。勿論、こっちは願ったりかなったりで、“おやつ”をいただくことにした。
ハチミツで作ったお菓子・・・
「チャイいかが?」
「いいねえ~」
「冷たいのがいいでしょ?暑いから・・・」
渡されたチャイグラスに口を運ぶ。口の中でリンゴの甘酸っぱい香りが拡がってゆく。
「んっ!美味い!甘いけど・・・アップルティーでしょ?」
「そう!コレがそう・・・」
顆粒になっているものを溶かすだけだと言う。事務所に置いておくには良い。
「それじゃあ~大箱をふたつと小箱をひとつと・・・アップルティーを500g一袋ね!」
「真空パックにしますね・・・」
「そうして!」
お会計をするとまた何か言いたげである。もうオストド&メストド1号は、これ以上荷物を増やしたくない。
「カラスミいらない?美味しいよ!」
「キライだからいらない・・・」
「えっ?日本人みんな買っていくよ?」
「同類項で括るな!」
「今何て言ったの?」
「あのね!好き嫌い解る?ライクとドントライク・・・」
「解ります」
「だからね・・アイ・ドントライク・カラスミなの・・・」
「うちのは美味しいんですよ・・そうだコレ見て!」
「あん?」
「日本のアナウンサーでしょ?買ってくれたんだよ・・・」
「だから?」
「大勢買ってくれたの・・・」
「あっそう・・・じゃあ・・・来年来る時考えるわ!」
「来年も来るの?」
「当分ね!チケットがイスタンブール発券だから・・・」
「はっけん?」
説明が面倒になってきた。航空券の話なんぞしなければ良かったのだが、延々と説明する。
「解った!名刺くれない?」
「はあ?」
「名刺持ってないの?」
「あるけど・・どっちがいい?」
またもや・・余計な一言を吐いたらしい・・
「両方!」
まんまとオストドは2枚の名刺を差し出す羽目になった。
「その代わり・・・写真撮らせてね!ブログにアップするからさ・・・」
「どっちが本業なんですか?」
そりゃそうである。一枚は建設業界の片隅の会社の名刺で、オストドの本名が載っているもの。
もう一枚は、トラベルライターと記された名刺。
「ええとねえ~生活の糧はこっち・・・でも、本業はこっちかな?どうだろ?」
「さあねえ~あなたの場合、解らないわ!」
解らないでは困るのだ。一応、お給料を頂いているわけである。
「そうねえ~」
腕を組み、考え込むメストド1号。
「多分、こっち!お仕事はこっちだけどね・・・あはは・・・」
まあ、エジプシャンバザールへもし行く機会があれば、探して欲しいものだ。
壁の隅っこにオストドの名刺が数多くの日本人たちの名刺の中にある。
まあ、品物は間違いない。「お前にしてはまともなもの買ってきたな!」と言われたくらいだからだ。
店をでて、トラムの駅に向かうことにした。今帰れば、ホテルのティータイムに間に合うし、
ベリーダンスのリザベーションも取らねばならない。おまけに“プール”に観賞?に出かけねば
多分、後悔が残るはずだからだ。
エミノミュの駅からトラムに乗る。終点のカバタシュからは、タクシム広場まで地下を走るケーブルカー。
多分、これが一番確かなルートなはずだ。タクシム広場に地下から上がる。
「ふう~これで・・あとは・・・」
「ねえ!ベリーダンス観れるの?」
「リザベーション出来ればね!」
「今回は観ない気かと思ったけど・・・」
「観ないわけないでしょ?ホテルのそばでいいよね?帰り面倒だし・・・」
「荷造りもあるしね・・・」
「でもさ・・・ガイドブックによれば、老舗でイスタンブールでも有名なダンサーが出演するんだって・・」
「予約取れればいいわよねぇ~」
「だね・・・その後、お茶して・・プール!」
ヒルトンホテルの入り口を過ぎ、ケルヴァンサライ・ナイトクラブへ行く。
「予約したいんだけどさ・・・」
入り口を塞ぐ、おっさんに話しかける。丁重に案内された先には、重厚な机に陣取りながらも、
笑顔でマネージャー氏が迎えてくれる。
「サー!ディナー付きと付かないのとどちらがいいですか?」
オストドはためらうことなく、ディナー無しを選択する。お仕着せの食事はご免蒙るのが、
オストドのオストド流である。
「畏まりました!サー&マーム!7時30分ごろにお越しください。お席をご用意いたします。」
直接予約に行ったからなのだろうか?食事なしだったから、小さいテーブルでも良かったからなのか?
“かぶりつき席”を用意されたのは、その時はまだ知らなかったのである。
第13章 イスタンブールの街を歩く。イスタンブールの夜は激しく・・・に続く。
美味しいお土産ゲットできたようですね(o^_’)b
ベリーダンスのかぶりつき、みたいです\(´▽`)/
by inacyan (2010-10-14 19:49)
色のついた(塗った)たまご探しということは、イースター(復活祭)だったんですね!^^にゃはは
by ゆうのすけ (2010-10-15 00:06)
旅行に行くと、バラ撒き用お土産探しに苦労しますね。(^^;)
by nyankome (2010-10-18 20:07)
楽しすぎます。かぶりつき@@も楽しみ♪
by デルフィニウム (2010-10-19 07:48)