オストド&メストド1号・・・飛んでイスタンブール再び・・・② [2011・夏 イスタンブールの旅]
第1章 - 旅立ちの朝に -
「行くのね?」
「行くさ・・・」
オストドは夢の中を彷徨っていた。自宅のベッドではない。とある所である。
夢は醒めるもの。壊れるもの・・・である。
いやでも、容赦なくときは流れ、セットしておいた目覚ましがイヤホーンから聞こえてくるので、
起きないわけ・・・にはいかない。
「あちゃぁ~もう・・・こんな時間かぁ~」
色っぽい話ではない。見積もりを仕上げ、「こんなもんかぁ~」と電子入札書を送り、
週3日参加している。「どうやったら会社を潰せるのか?」講習に参加して、いつもの様に
自宅に帰るのを諦め、とあるサウナみたいな所で朝を迎えたのだ。
「ったく・・・色っぽい話なら良かったんだが・・イテテ・・・」
万一を想定して、既にアシスタントにPCのパスワードは教えてある。
ついでに、放り込んだ入札書の開札には間に合わないので、その作業を頼んである。
「ええとぉ~これで・・・いいか?」
オストドがバカンス中でも、会社は動く。動くとなれば、緊急連絡が入る。
緊急連絡が入るとすれば、連絡可能な時間とか搭乗予定の飛行機などを教えねばならない。
まあ、外国へでも逃亡してしまえば、帰国などしなくて済む。
後日談にはなるけど、従業員の一人が血を吐いて緊急入院したのだが、
「ふんふん・・生きているんだね。じゃあ・・いいか?」
こんな風に片付けたりもすることが出来る。この件は出発後に起きた話だ。
「それじゃあ・・・いいかな?」
「仕方ないですねえ~携帯切らないでくださいよ?」
「メイビー!」(多分・・・
「はあ?」
オストドはさっさと会社を抜け出し、体調不良の身体にムチを一発いれて、自宅目指して愛車を駆る。
高速を飛ばしながら、家に電話を入れる。
「何か要る?」
「そうねえ~任せる。」
昼食なのかなんだかわからない時間ではあるが、冷やし中華を仕入れ、自宅へ戻る。
「準備出来た?」
「こっちはねえ~あと・・・少しかな?」
「了解っ!」
冷やし中華を流し込み、E-チケットと去年使い残したトルコリラと、乗り継ぎ地であるバンコクで
「もしかしたら・・使うかもな!」とタイ・バーツとUSドルを取り出す。
「これくらいあればいいかな?でも、しばらく行くし・・・今が底かもしれないし・・・」
去年の使い残しが735トルコリラある。大体、昨年の経験でいえば、足りるはず。
「あっ!いけねえ~忘れてたぁ~」
クレジットカードのセキュリティー解除をしておかなければならない。
稀に・・・そう、稀ではあるが、使えない事態に陥ることがある。
取り越し苦労で終わればよいが、一度喰らったことがあるので、必ず電話をする。
高額な買い物をする(されるの間違いか?)恐れがある場合には、一時的に与信を引き上げる。
クレジットカード会社に2枚のゴールドカードのセキュリティー解除を依頼する。
「いつご出発ですか?」
「今日・・・」
「はあ?」
「これから行くの!タイとエジプトとトルコとオーストリア・・・・」
無事、セキュリティーを解除してもらう。
「これでよし!」
「ええとぉ~忘れ物は・・・・」
「お金とカードとパスポートとEチケットにホテルバウチャーがあれば・・・後は命か・・・・」
「そうねえ~いずれ・・身体壊すわよ?」
「かもな・・・」
どうやら、地雷原を踏んだらしいので、話を濁す。
「あっ!」
「あん?」
「誕生日忘れてたでしょ?」
「忘れてません!帰ってこない奴が悪い・・・でも・・・」
仕方がないので、メストド1号に代筆してもらい、誕生日祝いと称して、少しばかりのお金と
白ワインを4本にチーズ等を買いこんでおく。
「早く言えばいいのに・・そうすりゃ生まれ年のワインなんぞ手配したのに・・・・」
「おやぁ?」
「あん?」
「羽振りがいいこと・・・」
「一応、社長だからね・・・痩せても枯れても・・代表して取り締まられろ役・・・」
「そのお腹じゃぁ~100年くらいかな?枯れるまで・・・」
「ジョーダン言っちゃいけません。死んでますその頃は・・あはは」
メストド1号を促し、家を早々に出発することにした。
「もう行くの?」
「帰ってくるとき・・渋滞だったもの・・・」
家を出て、京葉道路・東関東自動車道を乗り継ぎ、とあるホテルの駐車場へ車を放り込む。
「いいのかな?」
「いいんではないんでしょうか?黙ってればわからないし・・・」
ホテルの送迎バスは出てしまった後だったので、メストド1号に尋ねる。
「ええと・・送迎バスはあと1時間待ち。お茶でもするかタクシーとどっちがいい?」
「お茶はねえ~ラウンジでも飲めるんだし・・・タクシー!」
丁度、停車していたタクシーに乗り込み、第一ターミナルビルへ行くよう促す。
2000円をちょっと欠けるくらいだったし、感じがいいドライバーさんだったので、お釣りはチップ。
「さてと・・・買い物もあるけど・・・先にチェックインかな?」
カウンターでチェックインを終わらせ、カートを引き摺りながら歩く。
「ええとぉ~おもちゃ売り場はどこだ?」
「はあ?」
「会社のアシスタントに頼まれているんだよね・・・」
飛行機のミニチュアよりもマグネットタイプのほうが良かろうと勝手に判断する。
「次はと・・ユニクロ・・・」
「えっ?」
ユニクロデフリースのパーカーを購入。これで風邪をひかずに済む。
「ねえ!お腹すかない?」
「そうこなくちゃ・・って・・・珍しい。」
気が変わらぬうちにと専用手荷物検査場をすり抜け、出国審査を済ませる。
「やっぱ・・ヤローよりは・・・」
ちゃっかりと、女性係官の列に並ぶ。これは習性なのだから、仕方がない。
「さてと・・・どっちに行くかな?」
「えっ?」
「見晴らしが良いほうがいいよね?」
第5サテライトのラウンジへ向かう。
「ハラヘリハラ・・・・・か・・・」
「何か言った?」
「言わない・・・・」
途中、免税店を歩きながら覗くと、最近吸っているKENT MINTEKが売っている。
「あっ!あった!やっと・・・メジャーリーグに昇格された気分!」
「はあ?」
「買わなきゃ・・・」
「後でいいでしょ?そんなもん。」
メストド1号はあまり、腹が空いたとは言わない。2~3日位食べなくても死なないわよ。と
常に言っている位だ。だ・か・ら・・その分、腹が空いたときは機嫌が悪くなる。
「さすがは・・空飛ぶ食欲魔人の妻だな・・・」
「何か言いました?あなた・・・」
これは質問ではない。喧嘩を売るなら買ってやると言う一種の脅し?文句である。
「い・・いや・・・そうだな。後で買えばいいか・・・無くなったら泣くけど・・・」
こうなればひたすら、ラウンジへ直行するだけである。
ラウンジへ飛び込むとオストドはかき揚げそばを注文し、メストド1号は山菜そばを注文。
「お代わりしようかな?」
「あら?機内食を召し上がらないのね?ついでに旅行中も一日一食・・・」
「そんなぁ~殺生な!」
「じゃあ!サンドウィッチだけね!ただし・・・・」
「判ってます。食べ過ぎません!」
それでも・・取ってきたモノ勝ちとも思ったが、"食生活改善ナントカ”を握られている。
握られている以上、ステーキを目の前にぶら下げられて、「ワン!」としか、ほざけないのなら、
ここは絶えがたきを耐え、忍びがたきを忍ばなければならない。
まあ、昔より新陳代謝も相当落ちたので、多少は節食しなければならない。
「さてと・・・・」
「まだ食べる気じゃないわよね?」
「いいや・・出発前の儀式!これ忘れると・・・最悪・・」
「判ったわよ!これから飛行機に乗る人たちに聞こえる様に堕ちると言わないの・・・」
「まだそこまでは言ってないけど・・・・」
「おだまり!」
こうしてオストドはスモーキングエリアに立て篭もり、メストド1号は化粧室へと向かった。
「ついでに・・電話してくるわね!」
「電話?どこへ?ま・さか・・・保健所?」
「保健所じゃないでしょ?生ゴミ・・いや・・粗大ゴミでもないし・・・」
「じゃあどこへ?ウチの会社じゃないよね?」
メストド1号が買収されているかもしれない。つまり、旅先に仕事を持ってこられる危険性もある。
「違うわよ!昨日、母の誕生日だったの!覚えている?」
「・・でした。あれ?昨日電話しなかったの?」
「したの!それがさ・・・・」
「えっ!入院してたの?何で言わないんだよ!」
「あたしだって昨日聞いたの!」
「誰から?お父さん?何で言ってこなかったんだろう・・・・」
これが本当なら親不孝な話である。いや、メストド1号に親不孝をさせたことにもなる。
「タ○ユキから・・ホントにアレは・・・どうしようもない。」
「へっ?」
「のらくろ・・じゃなかった。のらりくらり逃げようとしてさ!」
「ふんふん・・・」
このとき、一瞬ではあったが可愛い甥っ子が窮地いや、崖に立たされ、刃物を突きつけられている。
そんな姿がオストドの脳裏を掠めた。まあ、ある意味。義母とメストド1号の性格はその点で言えば、
ソックリであり、義父同様に怒りが静まるのを祈るか、火に油を注がない様にしなければならない。
でも・・それが出来れば苦労はしない。一言多いのは持って生まれた性格と、一画多すぎる故に、
姓名判断で「一言多い性格でしょ!」と言われたことを鮮明に覚えている。
「可哀想に・・・」
「何か言った?」
「問い詰めたんでしょ?」
「当たり前じゃない!口止めされてたみたいだけど・・・」
「まあ、無理だわ!それで?容態は?いや・・・病名は?」
「軽い脳梗塞だって・・・治療プログラムを終えて退院らしいけど・・・」
「らしい?」
「そう!それで確認するの!」
「あいよぉ~アレも可哀想に・・・・両方から怒られる運命だな・・・あはは」
「まあね!怒らない様に言っておくわ!」
オストドはタバコを吸い、ついでにトイレへ行く。トイレから出てきても、メストド1号は笑顔で
喋っていた。笑顔なわけだから、親不孝させずに済んだのだと安堵で胸を撫で下ろした。
オストド&メストド1号・・・飛んでイスタンブール再び・・・③ 空の旅人へ続く。
「行くのね?」
「行くさ・・・」
オストドは夢の中を彷徨っていた。自宅のベッドではない。とある所である。
夢は醒めるもの。壊れるもの・・・である。
いやでも、容赦なくときは流れ、セットしておいた目覚ましがイヤホーンから聞こえてくるので、
起きないわけ・・・にはいかない。
「あちゃぁ~もう・・・こんな時間かぁ~」
色っぽい話ではない。見積もりを仕上げ、「こんなもんかぁ~」と電子入札書を送り、
週3日参加している。「どうやったら会社を潰せるのか?」講習に参加して、いつもの様に
自宅に帰るのを諦め、とあるサウナみたいな所で朝を迎えたのだ。
「ったく・・・色っぽい話なら良かったんだが・・イテテ・・・」
万一を想定して、既にアシスタントにPCのパスワードは教えてある。
ついでに、放り込んだ入札書の開札には間に合わないので、その作業を頼んである。
「ええとぉ~これで・・・いいか?」
オストドがバカンス中でも、会社は動く。動くとなれば、緊急連絡が入る。
緊急連絡が入るとすれば、連絡可能な時間とか搭乗予定の飛行機などを教えねばならない。
まあ、外国へでも逃亡してしまえば、帰国などしなくて済む。
後日談にはなるけど、従業員の一人が血を吐いて緊急入院したのだが、
「ふんふん・・生きているんだね。じゃあ・・いいか?」
こんな風に片付けたりもすることが出来る。この件は出発後に起きた話だ。
「それじゃあ・・・いいかな?」
「仕方ないですねえ~携帯切らないでくださいよ?」
「メイビー!」(多分・・・
「はあ?」
オストドはさっさと会社を抜け出し、体調不良の身体にムチを一発いれて、自宅目指して愛車を駆る。
高速を飛ばしながら、家に電話を入れる。
「何か要る?」
「そうねえ~任せる。」
昼食なのかなんだかわからない時間ではあるが、冷やし中華を仕入れ、自宅へ戻る。
「準備出来た?」
「こっちはねえ~あと・・・少しかな?」
「了解っ!」
冷やし中華を流し込み、E-チケットと去年使い残したトルコリラと、乗り継ぎ地であるバンコクで
「もしかしたら・・使うかもな!」とタイ・バーツとUSドルを取り出す。
「これくらいあればいいかな?でも、しばらく行くし・・・今が底かもしれないし・・・」
去年の使い残しが735トルコリラある。大体、昨年の経験でいえば、足りるはず。
「あっ!いけねえ~忘れてたぁ~」
クレジットカードのセキュリティー解除をしておかなければならない。
稀に・・・そう、稀ではあるが、使えない事態に陥ることがある。
取り越し苦労で終わればよいが、一度喰らったことがあるので、必ず電話をする。
高額な買い物をする(されるの間違いか?)恐れがある場合には、一時的に与信を引き上げる。
クレジットカード会社に2枚のゴールドカードのセキュリティー解除を依頼する。
「いつご出発ですか?」
「今日・・・」
「はあ?」
「これから行くの!タイとエジプトとトルコとオーストリア・・・・」
無事、セキュリティーを解除してもらう。
「これでよし!」
「ええとぉ~忘れ物は・・・・」
「お金とカードとパスポートとEチケットにホテルバウチャーがあれば・・・後は命か・・・・」
「そうねえ~いずれ・・身体壊すわよ?」
「かもな・・・」
どうやら、地雷原を踏んだらしいので、話を濁す。
「あっ!」
「あん?」
「誕生日忘れてたでしょ?」
「忘れてません!帰ってこない奴が悪い・・・でも・・・」
仕方がないので、メストド1号に代筆してもらい、誕生日祝いと称して、少しばかりのお金と
白ワインを4本にチーズ等を買いこんでおく。
「早く言えばいいのに・・そうすりゃ生まれ年のワインなんぞ手配したのに・・・・」
「おやぁ?」
「あん?」
「羽振りがいいこと・・・」
「一応、社長だからね・・・痩せても枯れても・・代表して取り締まられろ役・・・」
「そのお腹じゃぁ~100年くらいかな?枯れるまで・・・」
「ジョーダン言っちゃいけません。死んでますその頃は・・あはは」
メストド1号を促し、家を早々に出発することにした。
「もう行くの?」
「帰ってくるとき・・渋滞だったもの・・・」
家を出て、京葉道路・東関東自動車道を乗り継ぎ、とあるホテルの駐車場へ車を放り込む。
「いいのかな?」
「いいんではないんでしょうか?黙ってればわからないし・・・」
ホテルの送迎バスは出てしまった後だったので、メストド1号に尋ねる。
「ええと・・送迎バスはあと1時間待ち。お茶でもするかタクシーとどっちがいい?」
「お茶はねえ~ラウンジでも飲めるんだし・・・タクシー!」
丁度、停車していたタクシーに乗り込み、第一ターミナルビルへ行くよう促す。
2000円をちょっと欠けるくらいだったし、感じがいいドライバーさんだったので、お釣りはチップ。
「さてと・・・買い物もあるけど・・・先にチェックインかな?」
カウンターでチェックインを終わらせ、カートを引き摺りながら歩く。
「ええとぉ~おもちゃ売り場はどこだ?」
「はあ?」
「会社のアシスタントに頼まれているんだよね・・・」
飛行機のミニチュアよりもマグネットタイプのほうが良かろうと勝手に判断する。
「次はと・・ユニクロ・・・」
「えっ?」
ユニクロデフリースのパーカーを購入。これで風邪をひかずに済む。
「ねえ!お腹すかない?」
「そうこなくちゃ・・って・・・珍しい。」
気が変わらぬうちにと専用手荷物検査場をすり抜け、出国審査を済ませる。
「やっぱ・・ヤローよりは・・・」
ちゃっかりと、女性係官の列に並ぶ。これは習性なのだから、仕方がない。
「さてと・・・どっちに行くかな?」
「えっ?」
「見晴らしが良いほうがいいよね?」
第5サテライトのラウンジへ向かう。
「ハラヘリハラ・・・・・か・・・」
「何か言った?」
「言わない・・・・」
途中、免税店を歩きながら覗くと、最近吸っているKENT MINTEKが売っている。
「あっ!あった!やっと・・・メジャーリーグに昇格された気分!」
「はあ?」
「買わなきゃ・・・」
「後でいいでしょ?そんなもん。」
メストド1号はあまり、腹が空いたとは言わない。2~3日位食べなくても死なないわよ。と
常に言っている位だ。だ・か・ら・・その分、腹が空いたときは機嫌が悪くなる。
「さすがは・・空飛ぶ食欲魔人の妻だな・・・」
「何か言いました?あなた・・・」
これは質問ではない。喧嘩を売るなら買ってやると言う一種の脅し?文句である。
「い・・いや・・・そうだな。後で買えばいいか・・・無くなったら泣くけど・・・」
こうなればひたすら、ラウンジへ直行するだけである。
ラウンジへ飛び込むとオストドはかき揚げそばを注文し、メストド1号は山菜そばを注文。
「お代わりしようかな?」
「あら?機内食を召し上がらないのね?ついでに旅行中も一日一食・・・」
「そんなぁ~殺生な!」
「じゃあ!サンドウィッチだけね!ただし・・・・」
「判ってます。食べ過ぎません!」
それでも・・取ってきたモノ勝ちとも思ったが、"食生活改善ナントカ”を握られている。
握られている以上、ステーキを目の前にぶら下げられて、「ワン!」としか、ほざけないのなら、
ここは絶えがたきを耐え、忍びがたきを忍ばなければならない。
まあ、昔より新陳代謝も相当落ちたので、多少は節食しなければならない。
「さてと・・・・」
「まだ食べる気じゃないわよね?」
「いいや・・出発前の儀式!これ忘れると・・・最悪・・」
「判ったわよ!これから飛行機に乗る人たちに聞こえる様に堕ちると言わないの・・・」
「まだそこまでは言ってないけど・・・・」
「おだまり!」
こうしてオストドはスモーキングエリアに立て篭もり、メストド1号は化粧室へと向かった。
「ついでに・・電話してくるわね!」
「電話?どこへ?ま・さか・・・保健所?」
「保健所じゃないでしょ?生ゴミ・・いや・・粗大ゴミでもないし・・・」
「じゃあどこへ?ウチの会社じゃないよね?」
メストド1号が買収されているかもしれない。つまり、旅先に仕事を持ってこられる危険性もある。
「違うわよ!昨日、母の誕生日だったの!覚えている?」
「・・でした。あれ?昨日電話しなかったの?」
「したの!それがさ・・・・」
「えっ!入院してたの?何で言わないんだよ!」
「あたしだって昨日聞いたの!」
「誰から?お父さん?何で言ってこなかったんだろう・・・・」
これが本当なら親不孝な話である。いや、メストド1号に親不孝をさせたことにもなる。
「タ○ユキから・・ホントにアレは・・・どうしようもない。」
「へっ?」
「のらくろ・・じゃなかった。のらりくらり逃げようとしてさ!」
「ふんふん・・・」
このとき、一瞬ではあったが可愛い甥っ子が窮地いや、崖に立たされ、刃物を突きつけられている。
そんな姿がオストドの脳裏を掠めた。まあ、ある意味。義母とメストド1号の性格はその点で言えば、
ソックリであり、義父同様に怒りが静まるのを祈るか、火に油を注がない様にしなければならない。
でも・・それが出来れば苦労はしない。一言多いのは持って生まれた性格と、一画多すぎる故に、
姓名判断で「一言多い性格でしょ!」と言われたことを鮮明に覚えている。
「可哀想に・・・」
「何か言った?」
「問い詰めたんでしょ?」
「当たり前じゃない!口止めされてたみたいだけど・・・」
「まあ、無理だわ!それで?容態は?いや・・・病名は?」
「軽い脳梗塞だって・・・治療プログラムを終えて退院らしいけど・・・」
「らしい?」
「そう!それで確認するの!」
「あいよぉ~アレも可哀想に・・・・両方から怒られる運命だな・・・あはは」
「まあね!怒らない様に言っておくわ!」
オストドはタバコを吸い、ついでにトイレへ行く。トイレから出てきても、メストド1号は笑顔で
喋っていた。笑顔なわけだから、親不孝させずに済んだのだと安堵で胸を撫で下ろした。
オストド&メストド1号・・・飛んでイスタンブール再び・・・③ 空の旅人へ続く。
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