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オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第二章- [2013.親馬鹿旅]

-天国・・・いや、ちょっと地獄?2-

「着いた?これだけ・・・じゃあ・・機嫌悪そうだな・・・」

オストドは声にならない声を漏らし、ついでに大きなため息を一つ吐いた。

何しろ、オストドは拘束&呪縛とさまざまなストレスから解放され、優雅?とは言えないけど、

嘗てないほどのの自由人いや、自由なトドになっている。

何しろ、埃まみれ、塵まみれ、騒音と罵声が飛び交い、油断すれば頭上からモノが落ちてくるか

はたまた、地面に掘られた穴ぼこに落ちるか、足場から転落するか?

さもなきゃ、職人’sの面々に、人柱として埋められるのか?それとも・・・・

数え上げれば切りがない世界から、「持病発作の病気療養のため」という錦の御旗ともいえる

「それじゃあ~仕方ないか!」と唸らせる“大義名分”を振りかざし、エンジニアの誇りいや、埃を

ポイと投げ捨てて、勝手気ままな自由の世界に身を置いている。

「ちょっと、お伊勢まいりに行ってくる。」と言いながら、愛車を飛ばすことも朝飯前になった。

もう一方のメストド1号は、某メガバンクに勤めているので、月末は忙しいらしい。

「えっ?うそでしょう・・・」

「いや、本当!仕方ないじゃん!」

それで、今日の出発が決まったわけだから、、きっと仕事を途中で放り出して来る羽目になった。

多分、オストドの推理は正しいはずだ。

「カウンターに居る」とだけメールを送るとすかさず、「南?北?」トメールが返ってくる。

オストドは最近、ターミナルだけしか確認していない。何しろ、勝手知ったるナントカで、

勝手に体が動くわけだ。

「ええとぉ~どっちだったっけ・・・・」

出口の表示を確認して、メストド1号にメールを打ち返す。

「南・・・・」

しばらくすると、メストド1号が姿を現した。

「やはり・・・気をつけねば!」

オストドの旧式の警戒システムのスイッチが自動モードに入った。

何しろ、オストドの警戒システムは旧式故に、ときどきヘマをやらかすのが欠点なので、

さらに安全装置のモードをオンj状態に入れとかねばならない。

「DNAの成せる業は恐ろしいもんな・・・」とポツリとまた、今度は声に出し、ついでに

ため息を二つ吐き出した。

「あいつ・・・大丈夫だろうなぁ~」と今度はメストド2号に思いを巡らす。

メストド2号はメストド一族の女系の血が色濃く出ている。

仲が良いときは比較的ラクなのだが、喧嘩の勃発もある。

「少しは成長しております様に・・・」

オストドは、神に祈りをささげることにした。多分、生贄が必要だったら、その辺の

ノー天気で歩いている5~6人くらいなら、差し出しても良いとさえ思うくらいだ。

「お・・・お疲れっ!」

「お疲れなんてものじゃないわよ!ヒンシュクものよ!」

「何で?定時まで仕事してきたじゃん!」

「今日に限ってさぁ~次から次へと・・・次長の小言もあってさ・・・」

「何があったの?」

「大体、計算式の入った表をあのアホ次長が・・・・」

「削除してしまったのが敗因とか?」

「そう・・・・」

「それより、チェックイン始まっているから・・・」

こうなれば、一刻も早く、チェックインしてモロモロの用事を済ませ、出国せねばなるまい。

エジプト航空のカウンターへ赴き、さっさとチェックインを済ませることにした。

「バルグヘッドの空きある?」

「ございますが・・・ご予約は9A・Cで・・・」

「8は入らないの・・予約では・・・・」

「ですよねえ~」

カタカタとコンピュターを叩いていたが、ボーディングパスは、成田/カイロとカイロ/アテネを

はじき出してきたのだが、肝心のクレームタッグが出てこない。

「しょ・・少々おまちください。別ので出しますので・・・」

別の端末でタッグを叩き出し、
ソウトドがここまで運び込んできた荷物に取り付けられ、無事にベルトコンベアーで、

運ばれてゆく。

「ちょっと・・聞きたいんだけど・・・機体は・・・・」

「ええ・・・」

「雲泥の差だよねえ~13時間・・・・」

「私的には相当落ちるかと・・・」

別に飛行機が落ちるわけではない。つまり、シートの質が落ち、快適性は大幅に

ダウンすることを覚悟しなければならない。

「ったく・・・こんな僻地には、最新鋭はいらないってか・・・・」

「・・・・・・・」

「ままいいや・・・ありがとう。」

「お気をつけていってらっしゃいませ!」

軽くボディングパスを持った手を振ると、オストドはキャリーを引き摺り、メストド1号の許へ

歩き出す。

「どうせ・・一服するんでしょう?」

「ご名答!」

先に外へ出ているのだ。

スモーキングルームへ入り、タバコに火を点ける。ここまでくれば、あとは出発するだけ

「あのね・・・」

「はい?」

「お金下ろしてないけど?いくら?」

「そうねえ~ユーロはあるし・・・タクシー代くらいかな・・あとは、チップ・・・」

「いくら?」

「5万もあれば足りるでしょ・・・娘に置くのなら別だけど・・・・」

「置かない!」

「なんで?」

「金くれコールなかったもの・・・・」

「いるんじゃないのかな?」

「さあねえ~要るのなら言ってくるはずでしょ!」

オストドは思案をした。取敢えず、オストドのサイフには、20万強入っている。

VISAのキャッシュマシンもあるだろうし、当面のお金はこれで足りるだろう。

「それじゃあ~ATMによって、両替・・・」

ATMから現金を引き出すメストド1号。

そういえば、昔。メストド2号はATMを、お金の自動販売機とのたまっていた。

そのことをふいに思いだし、笑いがこみ上げてきた。

いつもの両替所に向かうが、すでに時遅し、もう閉まっている。

「だから・・・日本は観光後進国と言われるんだよな・・・」

ぶつくさと言いながら、☆Gのついたカードを見せ、プライオリティーゾーンで、手荷物検査を受け、

さっさと出国してしまうことにした。何しろ、ヘビースモーカーのオストド。

自宅を出発する際に開けた“KENTのiブーストは、もう空になりかけてきている。

ANAの免税店に立ち寄り、4カートン仕入れる。市価では、16400円だが、ここでは1万円。

更に、ANAカードの提示で9000円おまけに決済もANAカードにすれば、マイルも貯まる。

おまけの腕時計を2個も貰う。まあ、これは誰かに押し付けるか?プレゼントしてしまえばよい。

「さてと・・何か要る?」

「要らない!ブランドには関心すらないしね・・・・」

「じゃあ!ラウンジにでも行って・・・」

「そのお腹で言うのね?」

「じ・・自重はしますけど、腹減った!」

出国してしまえば、こちのもん!とオストドはメストド1号とキャリーを引き摺りながら、

さっさとANAラウンジへ向かったのだった。

オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第三章-へ続く。多分・・・・
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