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オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第四章-  [2013.親馬鹿旅]

-天国・・・いや、ちょっと地獄?4-

RUNWAY16Rに正対すると、一気にパワを解き放ち、それでも、「大丈夫かしらん?」と

思いたくなる様に駄馬はなかなか駿馬にはあらない。

「ええとぉ~飛行機の事故で尤も・・・・」

「あのね!縁起でもないことを・・・」

「寝てた方がましかぁ~」

離陸時に寝込むのは、オストドのクセである。酷ければ、機内サービスを受けずに、

寝過ごしてしまうことさえある。

特に、機内食タイムに寝込んでいると、起こしてくれてもいいのに、メストド1号は起こさない。

従って、セーフティモードを起動して、浅い睡眠に入る。

ふと気が付くと、既にシートベルトのサインは消え、CAたちの気配で危うく起きだす。

「寝ててもよかったのに・・・・」

「機内食喰わずに眠れるわけないでしょ・・・・」

例えが悪いけど・・・その辺のファミレスの方が、もっとマシと思えるものでも、

喉を通るであろう物体は、腹に収めるのが、オストドである。

「オストド様。お食事の前に何かお飲物はいかがです?」

CAがカートを押してやってくる。

最初にメニューをくれれば、何を飲むと決めておけるけど、メニュー配布の前にドリンクの

サービスとは、少々手間がお互いにかかる。

幸いなことにエジプト航空には、アルコール類が積み込まれていないので、迷う事はない。

「コークプリーズ。」

「ウイズ アイス?」

「イエース。アイスアンドレモンプリーズ。」と答える。

愛想は良いCAがニコリと微笑むと、コップにアイスとレモンを投入し、少量のコークを注ぎ、

「あとは勝手にどうぞ!」とばかりに、コーラの缶を置いてくれる。

メストド1号は、何故かスパークリングウォーターがお気に入りらしく、

「スパークリングウォータープリーズ。」と答え、「ソーダでいいか?」と聞き返されている。

飲み物とアーモンドの袋とメニューを貰う。

本来なら、同じB777でも、フルフラットになる300ERに比べて、シートピッチは狭く、

リクライニングの角度もエコノミークラスに毛が生えた程度しかない。

何しろ、近距離路線に使用している機体を、東京便運航再開に合わせて、それを転用している。

ニューヨーク路線と併用していた頃に比べると、どうしても雲泥の差は生じてしまう。

「まあ、エコにダウングレードにならなかっただけ・・・・」

「相当、質は下がったわねえ~眠れるかな?」

「俺は薬で寝るから・・・いいけど。でも、安眠は無理そうだな・・・」



「あまり・・・食欲はわかないけど・・・」

「こんなもんじゃない?欧米系と比べちゃ・・・」

「問題はお味よね!」

「その辺のファミレスの方が口には合うけど、何せ高度1万メートルだからね・・・」



「何か・・さっさと喰って寝ろって感じがするけど・・・」

「まあねえ~前菜喰わないの?貰っていい・・・」

ワゴンに乗ってメインが運ばれてくる。

オストドは迷わずお肉を選択、メストド1号のはチキンなのかフィッシュなのかだ。

「待て!食べるな!」

「はい?ああ・・・写真ね!」


(メストド1号のメイン)


(オストドのメイン)

「選択ミスしたかな?」

「美味しくない・・・・」

「口に合わないにとめておく・・・欧米系が懐かしくなってきた。」

「帰りもエジプト航空だったっけ・・・」

「何しろ・・・チープだったんで・・・フルフラットじゃなくなるとは思わなかったけど、」

「帰りもこのシート?」

「そうらしいよ!掴んだ情報じゃぁ年末のフライトもだけど・・・・」

「・・・・・・・」

「まあ、ミュンヘン~モントリオール間は、フルフラットらしいけど・・・」

「らしい?」

「断言はやめておく・・名に亜あるか解らないから・・」

「どういう意味?」

「まともに飛ぶかとかね・・・」

「あたし・・・休み1日しか多く取ってきてませんけど?」

「大丈夫ざんしょ・・メイビー。」

食事を終えるころにCAが再びドリンクのカートを押してやってくる。

「オストド様・・・」

「コークプリーズ。」

「ウイズアイスアンドレモン?」

「イエス」

ドリンクのお代わりを貰い、簡単に行程を説明することにした。

何しろ、今回の最終目的地は、カナダ・モントリオール。

本来なら、太平洋を飛び越え、アメリカ大陸を横断すればよいのだが、

海外発券のループに入っているのと、お休みの関係、チケットの有効期限等の制約があり、

成田からエジプトのカイロへ飛び、トランジットを経て、ギリシャのアテネへ飛び、

一泊だけしたら、ドイツ・ミュンヘンから、大西洋を飛び越え、目的地へ向かう。

その、往復が今回の旅程で、モントリオールには、わずか2泊の強行日程だ。

メストド1号はいつの間にか眠りの世界に入っている。オストドは自力睡眠を諦め、

ロヒプノールを取出し、強制的な睡眠に入ることにした。

何しろ、次にベッドに横たわれるのは、24時間以上も先の計算になる。

オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第五章に続く・・・・


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