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「やられたら・・・やり返す」 第2章 通夜の夜に・・・ [血みどろ?の争い]

― 戦いのゴング! ―

通夜の日。オストドは、前日のセミナーに何気なく出席と言うよりも、無理やり出席した。

何しろ、オストドは経営セミナーなんぞの講師をしていて、その日は、オストドがメイン講師の日

だったわけでから、ちゃんと“勤めねば”ならない。

まあ、「臨時休講にするか?」と言う声もかかったのだが、こちらから頼んで、平常の抗議を行った。

そうでなければ、通夜の夜の葬儀委員長の慇懃無礼いや、遺族に対する礼儀を欠いた行動に

殴りかかり、半殺しいや、完璧に殺していたかもしれない。そうすると、今頃オストドは、冷たい

牢屋の中で、審判の日を待っていたかもしれないのだが・・・・

―日本オオカミの血復活―

昔のオストドなら、多分、“若気の至り”で、葬儀委員長をぶち殺していただろう。

だが、オストドは狡猾になっのかもしれない。

「わざわざ・・・手を汚す必要はない。法的に抹殺してやるっ!」

復讐の鬼と化した日本オオカミの血。これは、誰にも止められない。

いや、止めに入ってきたとしても、その者にすらオストドは復讐の牙を振りかざすだろう。

オストドは、弔問客や親族すら帰った通夜の夜に、メストド1号と一晩中。父の亡骸に向かい

線香を炊き続けた。きっと、父は煙たかったかもしれないけど、それぐらいしか、もう出来ない。

話は少し時を遡る。

オストドは葬儀が行われる会場へ車を走らせた。

その前に、“白いYシャツがない”とか、”ハンカチが・・・”等、書く必要もないくらい皆様は

先刻ご承知のことだろう。

何しろ、現在スーツを着ることを拒否しているオストドは、“特別な事情”がない限り、

スーツに袖を通すこともなくなっているし、講師を務める時には、用意されている

高級かどうかはさておき、フルオーダーの服に着替える。

従って、「白のYシャツは捨てちゃっても・・・・」「YES!」となっても仕方がないことだと思う。

それに、今まで袖を通さなかった月がないくらい。あまた多くの葬儀に、弔いではなく、

あくまでも、お付き合いの域で葬儀に参列したYシャツには、袖を通したくなかったのも、

オストドのこだわりがそこにあったのかもしれない。

だから、新品で残っていたYシャツが半袖だったというポカがあったし、メストド1号が着替える

べき代物は、色物や柄モノでは、幾らなんでもそれはないんじゃないかと、買いに走り、

ついでに、「腹が減っては戦は出来ぬ!」とばかりに、牛丼を流し込み、礼服の上着と着替えを

詰め込んだバックと、オストドにしては大金と言えるであろう。某かのお金をサイフに詰め込み、

そのバックも車の後部座席に詰め込むと、父が待っている葬儀会場へ車を走らせながら、

「親父は殺されたんだ!仇は討たせてもらう!」

そう幾度も幾度も繰り返し、平静な顔で、復讐の牙をむき出しにしながら、車は会場へ滑り込んだ。

― 戦いのゴング その2へ続く ―
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