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「やられたら・・・やり返す」 第2章 通夜の夜に・・・ [血みどろ?の争い]

― 戦いのゴング 2 ―

「集合は始まる2時間前だって・・・」

オストドはすっかり失念していた。

いや、そうではない。「親父がさみしがっているかもしれない。」

そう思ったのも事実だし、祭壇をケチられたので、もし、入っている生花が少なければ、

友人たちの名前を使い、メストド1号の親族の名前も使ってでも、華やかな?最後の旅立ちに

してやらねば、男が廃る。いや、オストドはもはや、jyなくてそもそも人類ではない。

そうでなければ、身体を駆け巡る日本オオカミの血を穢すことになるし、寂しく逝かせてしまった

その償い切れない何かが、オストドを衝き動かしていたのだろう。

通夜開始の4時間前に会場に到着すると、オストドは目にしてはならないモノをみた。

駐車場の片隅に置かれていた。“父”を運んできた担架らしきもの。

そこには、死者への供養も感じられない。ただ、父の名前が無造作に書かれたモノ。

「こんなとこに頼みやがって・・・・」

それでも、今日は父が、仏様の元へ出立する儀式の幕が開く。

「死んじまったらモノ扱いか・・・・」

ぽつんとつぶやき、次々と運ばれてくる生花の山を見ていた。

そこへ、葬儀を取り仕切る葬祭デレクターが挨拶にやってきた。

「お早いお着きですね。」

「田舎に住んでいるしね・・・もう、アノ人は来ているかな?」

「まだですね。」まだ、若い女性のデレクターがそう呟いた。

「そうそう・・・注意事項があるからね!」

オストドは電話で話しきれなかった“複雑な関係2やら、を説明した。

何故なら、オストドの親族?のうち、騒動を起こす恐れがある者が居るからだ。

メストド1号も後に続けた・・・

「まだ、お若いでしょうし・・・良くも悪くも勉強になるでしょう・・・きっと!」

「はい?」

彼女にしてみれば、いい迷惑な話だろうが、こじれることも、充分オストドは感じていた。

「ところで、花は?」

「はい・・・ひっきりなしにご注文いただきまして、入りきるかどうか・・・・」

案内されて見ると、生花だけで、46も入っていたし、オストドが手配した。メストド2号の名の供物も

祭壇の前部に据え付けられていた。

「親父・・・良かったな・・・・こんなに一杯入って・・・」

祭壇に飾られた遺影は、30年以上前の写真だった。

「この頃は・・・クソ親父だったけど・・・カタキは討ってやるからな!」

オストドは何度も遺影に話しかけた。

何しろ、オストドが電話のために、席を外したときに、こともあろうに・・・・

「どうせ、燃やしてしまうんだから・・・・」

葬儀委員長と喪主である金に憑りつかれた亡者である親父の後妻の意向?で、

みとりあえず、見た目だけの安物棺桶と、最低クラスの霊柩車での出棺なのだ。

骨壺でさ、セットされている大理石のものから、安い焼き物に“格下げ”されてしまったのだ。

「きっと・・・親族はボロクソに言うかもな・・・・」

オストドは覚悟を決めた。

まずは、“敵”“味方”を判別しなければならないし、オストドは“完全アウェー”の状態で、

親父の仇を討たねばならない。

せめてもの、それが供養であるとすら、感じていた。

「そうだ・・・コレでいいかな?」

オストドは、何故かしらないが、本来なら喪主がしなければならない挨拶をする羽目になっていた。

オストオdが用意した原稿に目を通した葬祭デレクターは、OKを出した。

そこには、復讐の文字は書かれていない。親父への謝罪と最後の教えが記載されていた。

― 戦いのゴング 3―に続く
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