僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第九話 ー [僕と゛う”と゛な”のお話]
「色々ありがとうな!」 ぽつんと僕が呟く。
呟く相手は、仲良くかどうかは別にして、ソファーに陣取り、お気に入りの肉まんを、
細い眼が見えなくなるくらい、細めて食べている。“う”と“な”と“い”の三頭だ。
「何がなり?」姉さん格の“う”が聞き返す。
「いやぁ~お前らがいなければな・・・・」
「居ない方が、いいなりか?」
「いや違う!居て貰わなければ困る・・・かな・・・ほんの・・・ちょっと・・・」
「ほんの・・ちょっと・・・なりか?」
「いや・・大分・・・だな。お前らが居なければ・・どうなっていたか・・・」
「幸運の女神なりね・・・」
「はああ?」
もし、“見える人”がいれば、面白い光景を目にする。いや、どうだろう。
この世の中では、科学で解明できないことは、全て信じられない。
強いて言えば。超ド級超常現象を目にしていると言われるのだろうか?
僕が仏壇に向かい。念仏を唱えていると、神妙な顔をして、一緒に念仏を唱えているし、
僕が墓参りに出かければ、手伝っているつもりだろうが、墓掃除をしている。
この前は、ホカ弁を買いに行った時など、「尻尾ふみやがった・・・あいつ」と言いながら、
店内ではしゃぐお子ちゃまにケリを入れている。
まあ、だから“見える人”が見れば、一緒に温泉にも浸かり、コンビニで買い物までしている。
拗ねれば、天気は悪くなり、時には僕は土砂降りの雨に打たれることにもなる。
「まあ・・その・・なんだ・・・ありがとうな!」
「だから・・なんなり?」
「いやさあ~つくづく思うけどね・・・・妖怪じゃなかった・・お前らと出会えてよかった!」
「変なりね・・・病気なりか?」
「違うよ・・・多分。」
「そうなりか?」
「ああ・・・ただ・・ちょっとだけ・・・な。」
僕は多くを語らなかった。父であるお父様が亡くなり、本当は目の上のたんこぶが取れた・・はず。
周りには、どんちゃん騒ぎするか?笑い転げているかも・・とのたまっていたのだ。
それが、ドカンとまるで爆弾が爆発してしまった様なのだから、人生不思議なものだ。
いずれ、僕もあの世とやらに旅立たねばいけない時が来る。
その時、こいつらはどうするんだろう?いや、どうなるのか?
いや、今は聞くまい。まあ、僕がその辺をウロウロしない様に、あの世の入口くらいまでは、
送ってくれるに違いない。
「まあ!そのなんだ・・・お前らが居れば、鬼に金棒かな・・・」
「何なり?」
「いやさ・・お前ら、親父送ってきてくれたんだろ?」
「送ったなりよ・・・途中までなりが・・・・」
「そうか・・・おやじ・・苦しそうだったか?」
「笑ってたなりよ!お姉さんとか迎えにきてたなりよ・・・・」
「そうか!それは良かった!」
姉さん。つまり、おばさん。父を可愛がってくれた姉さんは、父の死の丁度一週間前に、あの世へ
旅立っていったのだ。
「今頃・・あの世でどんちゃん騒ぎかな?」
「そうなりねえ~主・・・毎日、お酒お供えしているし・・・・」
「好きだったからなぁ~日本酒にウイスキー、甘酒まで供えておけば・・・あはは」
「お花・・・きれいなりね。あれ・・サクラなりか?」
「ああ・・ミニサクラ。親父は口癖の様に言ってたくらい好きな花だしな・・・さくら・・・」
「さくら・・・なりか・・・」
「ああ・・・よく酔っ払うと歌ってたぞ・・・軍歌だけどな・・・」
「そうなりか・・・」
「ああ・・そうか・・・“う”もあまり知らないしな!」
「何度か・・・見ただけなりよ!」
「昔の親父は半端なかった。」
そう・・僕は、離乳食を終えると、もうビールの泡を舐めていた。3歳でキャバレーに連れて行かれ、
中学を卒業するころには、アルコール中毒の初期段階。二十歳で、アルコール性胃潰瘍とくれば、
これは立派に親父の教え?どおりだ。
「最近・・飲まないなりね?」
「飲まない・・・いや、身体が拒否反応を起こしだしてな!・・・トシかな?」
「ただ・・・飲み過ぎて、一生分飲んだだけなりと思うなりが・・・」
「まあ・・・そのなんだ。健康的になってきたと・・・」
「タバコは止めれないなりが・・・・」
「大きなお世話!これだけは・・・最後まで親父の言う事聞かなかったな・・・」
「そうなりね・・・・」
「うん!だって・・・親父の火葬しているときも、吸ってたしな!」
「やれやれ・・・なり・・・」
「まあ・・そろそろ・・・一生懸命やらないとな・・・何事も・・・・」
そう言いながらも僕は、「次・・いつ・・墓参りに行こうかな?」と考え出したのだ。
また、・・・ここにいる三ボコもついて来るのだが・・・・
僕と“う”と“な”の物語 -第ニ章 第一話 ー に多分・・続く
呟く相手は、仲良くかどうかは別にして、ソファーに陣取り、お気に入りの肉まんを、
細い眼が見えなくなるくらい、細めて食べている。“う”と“な”と“い”の三頭だ。
「何がなり?」姉さん格の“う”が聞き返す。
「いやぁ~お前らがいなければな・・・・」
「居ない方が、いいなりか?」
「いや違う!居て貰わなければ困る・・・かな・・・ほんの・・・ちょっと・・・」
「ほんの・・ちょっと・・・なりか?」
「いや・・大分・・・だな。お前らが居なければ・・どうなっていたか・・・」
「幸運の女神なりね・・・」
「はああ?」
もし、“見える人”がいれば、面白い光景を目にする。いや、どうだろう。
この世の中では、科学で解明できないことは、全て信じられない。
強いて言えば。超ド級超常現象を目にしていると言われるのだろうか?
僕が仏壇に向かい。念仏を唱えていると、神妙な顔をして、一緒に念仏を唱えているし、
僕が墓参りに出かければ、手伝っているつもりだろうが、墓掃除をしている。
この前は、ホカ弁を買いに行った時など、「尻尾ふみやがった・・・あいつ」と言いながら、
店内ではしゃぐお子ちゃまにケリを入れている。
まあ、だから“見える人”が見れば、一緒に温泉にも浸かり、コンビニで買い物までしている。
拗ねれば、天気は悪くなり、時には僕は土砂降りの雨に打たれることにもなる。
「まあ・・その・・なんだ・・・ありがとうな!」
「だから・・なんなり?」
「いやさあ~つくづく思うけどね・・・・妖怪じゃなかった・・お前らと出会えてよかった!」
「変なりね・・・病気なりか?」
「違うよ・・・多分。」
「そうなりか?」
「ああ・・・ただ・・ちょっとだけ・・・な。」
僕は多くを語らなかった。父であるお父様が亡くなり、本当は目の上のたんこぶが取れた・・はず。
周りには、どんちゃん騒ぎするか?笑い転げているかも・・とのたまっていたのだ。
それが、ドカンとまるで爆弾が爆発してしまった様なのだから、人生不思議なものだ。
いずれ、僕もあの世とやらに旅立たねばいけない時が来る。
その時、こいつらはどうするんだろう?いや、どうなるのか?
いや、今は聞くまい。まあ、僕がその辺をウロウロしない様に、あの世の入口くらいまでは、
送ってくれるに違いない。
「まあ!そのなんだ・・・お前らが居れば、鬼に金棒かな・・・」
「何なり?」
「いやさ・・お前ら、親父送ってきてくれたんだろ?」
「送ったなりよ・・・途中までなりが・・・・」
「そうか・・・おやじ・・苦しそうだったか?」
「笑ってたなりよ!お姉さんとか迎えにきてたなりよ・・・・」
「そうか!それは良かった!」
姉さん。つまり、おばさん。父を可愛がってくれた姉さんは、父の死の丁度一週間前に、あの世へ
旅立っていったのだ。
「今頃・・あの世でどんちゃん騒ぎかな?」
「そうなりねえ~主・・・毎日、お酒お供えしているし・・・・」
「好きだったからなぁ~日本酒にウイスキー、甘酒まで供えておけば・・・あはは」
「お花・・・きれいなりね。あれ・・サクラなりか?」
「ああ・・ミニサクラ。親父は口癖の様に言ってたくらい好きな花だしな・・・さくら・・・」
「さくら・・・なりか・・・」
「ああ・・・よく酔っ払うと歌ってたぞ・・・軍歌だけどな・・・」
「そうなりか・・・」
「ああ・・そうか・・・“う”もあまり知らないしな!」
「何度か・・・見ただけなりよ!」
「昔の親父は半端なかった。」
そう・・僕は、離乳食を終えると、もうビールの泡を舐めていた。3歳でキャバレーに連れて行かれ、
中学を卒業するころには、アルコール中毒の初期段階。二十歳で、アルコール性胃潰瘍とくれば、
これは立派に親父の教え?どおりだ。
「最近・・飲まないなりね?」
「飲まない・・・いや、身体が拒否反応を起こしだしてな!・・・トシかな?」
「ただ・・・飲み過ぎて、一生分飲んだだけなりと思うなりが・・・」
「まあ・・・そのなんだ。健康的になってきたと・・・」
「タバコは止めれないなりが・・・・」
「大きなお世話!これだけは・・・最後まで親父の言う事聞かなかったな・・・」
「そうなりね・・・・」
「うん!だって・・・親父の火葬しているときも、吸ってたしな!」
「やれやれ・・・なり・・・」
「まあ・・そろそろ・・・一生懸命やらないとな・・・何事も・・・・」
そう言いながらも僕は、「次・・いつ・・墓参りに行こうかな?」と考え出したのだ。
また、・・・ここにいる三ボコもついて来るのだが・・・・
僕と“う”と“な”の物語 -第ニ章 第一話 ー に多分・・続く
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