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「やられたら・・・やり返す」第3章― 誓い ―その4 [血みどろ?の争い]

第3章― 誓い ―その4

父の葬儀はあっけなく終わった。

まるで夢を見ているようだが、厳しくそして金儲けの世界では正しかった人はもういない。

時に温かみのある人だった。そう聞くと確かにそうだったのかもしれない。

僕は膝の上に乗っけていた父の小さくなってしまった骨壺が収められたチンケな木箱を

大事に抱えていた。

本来なら、骨壺は大理石のものがふさわしいはずだったのだが、後妻がこんなチンケなありふれた

骨壺とそれに見合うチンケな箱に収めてしまったのだから、僕の怒りは頂点へ近づいていた。

僕の脳裏には、昨夜浴びた罵声とも聞こえる声がよみがえってきた。

「どうせ・・こいつは仏壇も祀れない」「口先だけだよ・・・」

何しろ、僕は気が狂っているそうだ。

嘗て勤めていた亡き父が築き、僕がバトンを受けた会社をポンと投げ捨てた。

廻りは焦ったらしい。何しろ、僕を社長の座から引きずり落とすのが目的で、飼い殺しにしようと

企んでいた連中からすれば、創業者の一族で何かあったとき(不払い等)の生贄にしようとする

輩の行動を僕は既に察知していたから、代表取締役の辞任届と退職願の2通を叩きつけて、

即日、会社から姿を消したのだ。

いや、姿を消したはオーバーかもしれない。その会社の前には、僕は今度は大家として、

関わることになったからだ。

まあ、いずれにせよ。対外的な説明理由が必要だ。会社からは“病気静養のため”のための辞任

辞職を打診され、僕は持病の喘息治療の名目を提示していたのだ。

それが、「気が狂った」と関係各社に伝わったらしい。僕にはすぐに注進が届くことも理解できない

アホの成せるワザなのだ。

昔の僕だったら、父の死は喜ばしい出来事だったかもしれない。

束縛、自由、様々なものを制限や制止されてきた僕だったからだ。

でも、実際にあれほど大きな存在だった父の姿が小さくなり、僕は虚勢を張る父をいつまでも

どこかで見ていたかったのかもしれなかった。

だから、あれほど僕の目からは、涙腺が壊れたとばかりに止めどなくなみだが溢れたのだろう。

おざなりの初七日&49日法要が済み、父の遺骨とはしばしの別れが訪れた。

今度会うときは、納骨の時なのだろう。

僕は早速自宅へ戻ると、仏壇を置く場所とスペースを確認すると、位牌(安置用と携帯用)その他

一斉に手配した。

仏壇は、モダン家具調のものにした。内部には造花のクローバーやら小さな白い花の造花を敷き、

悲しみというより、せめても天国へ旅立てる様にとの願いを込めた。

位牌も普通のモノではなく、クリスタル製に螺鈿文字とし、その他すべてのモノをクリスタルや

それにふさわしいモノを発注した。せめてもの罪滅ぼしだったのかもしれない。

父が亡くなって49日の日に、導師様を呼び、開眼供養と49日の正式供養を執り行ってもらった。

その席で、100か日供養を依頼して、来るはずもないと思ったが、列席者がいると困るので、

導師の所属するお寺の本堂での供養を依頼した。

あっという間に日々は流れてゆき、僕と妻だけで父の100か日法要が終わった。

用意された卒塔婆はお寺の供養塔に納めさせてもらい。何故だが、知らないけど僕と妻は

その場で導師様から、お守りを一つずつ頂いてきた。

まるで、亡き父がそう取り計らってくれたのかもしれない。

僕はこの間に父のメイン取引銀行に口座取引凍結依頼をかけたのだ。

何しろ、連日口座から現金が引き出されていたからだ。

これは法律で認められているというよりも、凍結しなければならないのだが、

多くの人々はそれをやり過ぎだと僕を罵った。

「こういうのを・・・四面楚歌と言うのかな・・・・」と言いながらも、彼らが罵るたびに僕には

怒りのエネルギーが注ぎ込まれているのを知らないらしい。

それに僕は自称アホウ(法)学部無法律(法律)学科を専攻した。

まあ、専らなのだが、法律の抜け道を探していたと言っても過言ではない。

だから、ツアコン時代には日本国憲法なら完全アウトだが、その訪れた国では、合法なら

お客の要望に応えていた。まあ、扱わなかったのは武器や麻薬の密輸くらいだったろう。

その国の政府公認?の売春館へ先生と呼ばれる方の要望を叶えるべく、手配もしたし、

そこで飛び交うお金のうち一部を手数料として受け取った(その国に所得税は納めているが・・)

まあ、法律を多少齧ったアウトローなのだが・・・

不思議なことに父の葬儀が終わると、毎晩僕の枕元に父が現れた。

父は僕にこう告げた。「楽しかった時のことだけ覚えていてほしい。そして・・・・」

僕はこう父に問いかけた。「分かっている!仇は討たせてもらうよ!あくまでも合法的に・・・」

父は微笑み頷くとその姿をを消していった。

もう一つ不思議なことに僕はそれ以来、悪夢に魘されることも無くなった。

まるで、父が敵討に燃える僕を守っていてくれているとしか思えない。

僕は誓った。例えそれが一度限りだったかもしれないが、認知の症状が進む父へ後妻が

しかも、僕の目の前で行った暴力。そして父や僕に対して、「誰が面倒みてやってんのよ!」という

暴言そして、脅し。その他にも色々やらかしてくれている。しかも、それらはすべて

法律によって禁止されている事項ばかりだ。

僕は復讐の鬼になる。でも、それはあくまでも合法的な復讐をする。

やられたら・・・やり返す。それも僕のモットーは“千倍公社”つまり千倍にして返す。

状況証拠も録音テープも自白もそして、金融機関から取り寄せた秘密兵器もある。

勿論、証人までも用意してある。

それが、いつ、何時全てが白日の下に晒されるのか?そして、老いた身に降りかかる

様々な民事訴訟に刑事訴訟の嵐。

僕は復讐の鬼になる。

あの日父が漏らした「いっそ・・・殺してくれないか?頼むから・・・・」の言葉を、

そう吐かせたあの後妻にも吐かせるために・・・・

第4章 相続は争続・・・ラウンド1戦いの序章へ続く。
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