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オストド&メストド1号「再び・・・のエーゲ海クルーズの旅」VOL3 [2014 エーゲ海クルーズ]

― 第二章 全てはアラーの神のおぼしめしのままに ―

本来の出発は、エジプト航空だった。

ある日のこと。「やっぱりなぁ~来ると思っていた。」との第一声で電話を受けた。

しかも、その電話は東京オフィスではなく、大阪オフィスからだった。

「関空経由でご出発・・・」

「やだ。」

別に、関空が嫌いなわけではない。更に事態の悪化が懸念されていたからだ。

「自宅・・・成田の方が便利なんだよね。」

その一言で事が済んだ。

そして、既に経験しているANAへの振り替えが決まった。

でも、振り替えでもこちらの思惑は通らない。あくまでも、最短距離を振り替えてもらうのが、

第一前提で、予定通り最終目的地には、エジプト航空の予定通りの便で到着する。

これは、どのエアーでも変わらないと思う。

以前、コロンボ発券でカタール航空のファーストを買っていたが、FCY運航から、CY運航になり、

エミレーツ航空の個室スイートで、ドバイへ飛び、カタール航空のファーストクラスで、ドーハ、

そして、最終目的地のコロンボへ予約していた便で到着した。

「そういえば・・何回目だったっけ?」メストド1号が僕に聞いた。

「ええと・・・完全にキャンセルされた分を含めると、4発券中3発券。いい確率だわ・・・あはは」

本来なら、成田-カイロを眠りながら飛べた。フルフラットの機体になるか別にしても・・・・

今回は、最新シートでないビジネスシートで、バンコクへ飛び、そこから、カイロへ飛ぶ。

まあ、この区間はオストドの思惑どおりなら、フルフラットになる。そして、エジプト航空の

スモーキングラウンジで、4時間ほど予定通り過ごし、アテネへ向かうのだ。

CX-5を、空港内駐車場に置き、カートを押しながらターミナルへ向かう。

「あっ!そうだ・・・」

「何?」

「今回も24時間オーバーなんで・・・・」

「覚悟してましたとも・・・スケジュール表貰ったし・・・・」

「まあ・・・そういうわけで・・・」

「一体、いつになったら・・・」

「だよねえ~寄港地こそ少ないけど、昔のJAL南廻りみたいなもんだし・・・」

「私は乗ったもん!」

「乗りたかった・・・・ジャンボ好きなんだよな~」

「ねえ!何か忘れてない?」

「へっ?ああ~」

もうすぐターミナルビルに入る寸前で、重い出させてくれた。どうやら、健忘症いや認知症に

近い症状が出始めている。

まずは、ターミナルビルに入る前に一服。チェックイン等を済ませ、必需品であるタバコを

免税店で購入したら、ラウンジへ入る。

これが、オストドの定番なのだ。

ターミナルビルへ入り、まずは「おしゃぶり」を買う。

おしゃぶり・・・つまり、JTで売っている。「ZEROSTYLE」。

スモークレスタバコ。つまり、煙はゼロ。周りには迷惑のかからないタバコ。

もちろん、それなりにニコチンも摂取できるらしいものだ。これは、長時間吸い続けると

ある程度本数を吸ったのと同じくらい目が回る。

次は、本屋へ向かう。旅のお供に文庫本を2冊ずつ買う。

オストドは大体、空港や飛行機関係モノだ。今回は新野剛士氏著「あぽやん」

「恋する空港 あぽやん2」の2冊。これは、テレビドラマ化されたものだ。



“おしゃぶり”と“本”を買えば、もう用がない。用がなければチェックインカウンターへ向かう。

勿論、オストド&メストド1号はANAの“なんちゃって☆G”

優先カウンターでさっさとチェックインする。3枚ずつボーディングカードを受け取る。

「ラウンジなんですが・・・ゲートに近いのは、ユナイテッドさんの・・・・」

「いや・・・ANAさんを利用するよ!おそば食べたいしね!」

もう、早くも燃料が切れかかっているオストドにメストド1号は呆れ顔だ。

優先検査場をすり抜け、ANA SHOPで4カートンタバコを購入する。ANAカードで10%OFF。

それだけで、もう免税品店には用がない。後はラウンジへ行き、ノンハイブリッドの身体に

燃料を計算して詰め込む。何しろ、満タンにすると余計燃費が悪い。

飛行機と同じなのだろうか?飛行機も目的地までの燃料やエクストラ等しか積んでいない。

「ねえ!」

「はい?」

「大丈夫よねえ~」

「何が?」

「乗り継ぎ!バンコク・・・・」

「あ~あ!そういえば、最近スタアラで飛んでなかった。」

「そうじゃなくて・・・・エジプト航空ちゃんと飛ぶかな?」

「飛ぶでしょ!その前にANAだな。多少の遅れは大丈夫だけど・・・」

不安はなと言えば嘘になる。バンコクの空港もバカみたいに広い。

「まあ~なんとかなるっしょ!すべてはアラーの神のおぼしめしのままに・・・さ!」

わざわざ遠いラウンジへ来たのは、理由がある。

オストドはここから見る景色(と・・・言っても、飛行機だが・・・)が好きなのだ。

それにここにはこれがある。



「機内食食べないわよねえ~」

「はあ?何言ってんの!食うよ!もしかしたら、サメのエサになって・・・・」

「はいはい・・・最後の和食になるかもでしょ!」

「まあね。」

品行方正とは口が曲がっても、富士山が爆発しても、南極の氷が解けだして、日本沈没に

なろうとも、天変地異が起こっても、ついでに、口が裂けても言う気はないが、

もしかしたら・・・大勢を巻き添えにするか、船室のバルコニーから誤って転落するとか、

もしかしたら・・・もしかしてなのである。

「はいはい・・・判ったわよ!苦労がムダになったわけね!」

「はい?ああ~コレか・・・」

オストドは、出発直前の成人病検診と会社(一応、経営者なので)健康診断を兼ねて、

先日検診を受けてきたのだ。そのために、ダイエットをして少し引っ込んだハズの、腹の肉を

つまんでみせたのだ。

「全ては神のみぞ知る!だな。さしずめ、今回はアラーの神かな・・・」

「ところでさ、そっちも喰っているじゃん!」

「あたしは機内食食べないで、寝させてもらいます。」

「何で?」

「一睡もしないで準備してたんです!」

これ以上、藪をつついてヘビを出すか、さもなきゃ寝ている赤子を起こすことになる。

「そろそろ・・・一服していかないと・・・・」

「はいはい・・・儀式でしょ!」

「そう!大事・・・なね!そういえば・・シート何番?」

「あれ?2のHKだったわよね。予約では・・・」

「うん。」

「1のAとCになっているけど?」

「早速、ご利益かな・・・」

こうして、オストド&mストド1号は41番ゲートへ向かった。

まずは、第一回目の乗り継ぎ地である。タイ・バンコクへ向かうために・・・・

第3章 スリル に続く。


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