機上の変なやつら VOL1 離陸にあたりまして・・・・・ [トラブルコンダクター]
ー VOL1 離陸にあたりまして・・・・ ―
本日もアザラシ航空にご搭乗いただきましてありがとうございます。
なお、当機出発が、整備の関係で遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
さて、皆様!いよいよ搭乗のお時間でございます。堪忍袋はご用意いただきました?
コックピットもキャビンも最終点検におおあらわ。それもそのはず。
当、アザラシ航空の機体もコックピットクルーも老兵ぞろい。
唯一、キャプテンはじめコーパイがせっせと、リクルートしてきた訳のわからない
まあ、リクルートと言っても、無理やり連れてきたが正しいかもしれない。
そんなCAたちが、アッチコッチをバタンバタンと開け閉めし、機内食の確認
そうそう・・・皆様にご案内申し上げますが、当アザラシ航空では、コスト削減のため、
乗客の皆様。特に、経済客と呼ばれる皆様の全員分は積み込んでおりません。
ー 一口メモ ―
笑い事ではなく、本当に数が足らない航空会社は、ドコ!と言えないが存在する。
従って、どうしても機内食が食べたければ、特別ミールの手配をお勧めする。
コックピットでは、出発の時間を過ぎ、散々「スクラップにすんぞ」とか罵声を浴びせ、
時には、宥め、時には懇願して、やっと出発の準備が出来た模様。
何しろ、飛行機という乗り物は、寿命年数が20年で設計されているのだが、
当アザラシ航空では、製造から50年以上経った機体を、今でも大事?とは言わないけど
まだ、現役(但し、年間半分以上は格納庫で修理を受けている)で飛んでいる。
ちょっとコックピットを覗いてみよう。
キャプテンは狂人。コーパイは女たらしである。
キャプテン:「ふう!やっと・・・動いた。このポンコツ!」
コーパイ:「相当古いですからね。」
キャプテン:「古くて悪かったな!コイツ。俺と同じ年齢だぁ~」
コーパイ:「古く・・・じゃなかった。ベテランなんですね。でも、装備は新しい方かな・・・」
キャプテン:「ああ!オーナーがぶっ潰した機体から、装備を取り外して・・・・」
コーパイ:「飛ぶ前に聞きたくなかったんですけど・・・・」
キャプテン:「俺だって知りたくなかったよ!それより、後ろまだモタモタやっているのか?」
コーパイ:「ちょっと呼んでみます?」
キャプテン:「いや!やめとけ・・・今、あいつら(CA)は鬼と化しているはずだ・・・」
コーパイ:「そんなもんですか?」
キャプテン:「ああ!俺らのクルーミールに毒入れられかねない!」
それでは、ここで客室を覗いてみる。
ファーストクラスには、どこかの成金のおっさんとおばさんだけ。
ビジネスクラスでは、無料で配られるウエルカムドリンクのシャンペン(但し・・・模造品?)を
美味そうに飲んでいる。お酒の価値も判らない無償アップグレード客たちと、小心者のカップル。
ついでに、CAに「窓側がいいとだだをこねている年寄夫婦とその引率者の我関せず状態の娘
そして・・・トドが2頭。
経済客(エコノミークラス)では、アサインされたはずの席を勝手に変更させているアホなJ〇Bの
ツアコンいやトラブルコンダクター率いる哀れな乗客。
アレルゲン(アレルギー)で特別食をリクエストしているが、その特別食がちゃんと配られるか?
心配している哀れな子羊と「俺の席返せぇ~」と怒鳴っているVIP(上級会員)
忘れてはならないのが、トト2頭に引率され、それぞれの懐具合で見事に各クラスに
振り分けられた。大きな堪忍袋を持った読者の皆様だ。
経済客の団体ほど扱いにくいものはない。
これは実話に基づいたモノなのだから、読者の皆様の中には、「あっ!それ!うちらだった」と
不愉快に思われる方がいらっしゃるかもしれないが、そこは大きな堪忍袋を持っているはず。
ここは笑い飛ばしていただくか、J〇Bにクレームをつけていただく方が、賢明かもしれない。
話を戻し、エコノミークラスでは、トドの娘が金切声をあげている。
「いつまでも離陸できませんよ・・・ちゃんと指定された席に戻ってください。」
その頃、コックピットでは、狂人いやキャプテンがためいきを一つ吐く・・・・
「だ・か・ら・・・嫌だったんだよな・・・このフライト」
コーパイもひとつため息を吐く
「そうですねえ~今日、黒猫が前を横切ったし、靴ひもが切れちゃって・・・・」
「今のうちに最終チェックやっておくか・・・・」
「そうですね。この・・・オンボロ・・・・いつ・・・あっ!」
「なんだ?あっ!って・・・・」
「い・・いえ・・・オンボロはこの機体でキャプテンの事じゃなくて・・その・・・・」
「頭にきた・・・今日はアクロバット飛行でもやってやるか・・・・・」
「あのぉ~そんな事したら・・・キャビンはゲロの海ですよ!」
「知るか!大体お前知っているか?」
「はい?」
「こうしている間にも・・・駐機料取られているんだぞ・・・・誰が払うと思う?」
「会社ですよね。」
「そうだ!会社が金を払う。そうなるとオーナーが怒る。そうすれば俺らのサラリーに影響が・・・」
「そうなると・・・キャプテンは、奥様に怒られる・・と・・・・」
「それだけじゃない・・・このオンボロ・・・・」
「はあ!」
「こうしているだけでも、燃料炊いているわけだ。」
「ですよねえ~それにだ・・・ウチの会社ケチだからさ・・・・」
「はい?」
「エキストラだって怪しいもんだ…まあ、燃料計壊れているからわからないけど・・・・」
「キャプテン・・・俺!降りていいすか?」
「ああ!浮かんでからな!パラシュートで飛び降りろ!」
まあ、ここは冗談としても、駐機料は嵩んでゆく。空港によって差は大きいけど
着陸料に離陸料ついでにスポット使用料にサービス施設使用料等様々に没収する。
だからLCCは着陸してもほとんどボーディングパスを使用せず、つまり安い駐機料の沖止めで
経費を浮かす。ついでに、着陸から離陸までさっさと時間を空けずに飛ぶ。
「なあ!後ろ・・まだか?コントロールへそ曲げるぞ!」
「ですねえ~こっちの苦労も知らずに・・・・」
「「いつになったら、離陸出来るんだろ?」
そこへインターフォンが鳴る。フライトデレクターやチーフパーサーと呼ばれる。
キャビン責任者からだ。
「キャプテン!すみません!」
「レディー(準備完了か?)」
「それが・・・まだ・・・揉めてまして・・・・」
「どこでだ?」
「ビジでPAX2名が喚いていて・・・・」
「それだけか?」
「エコでは、アホツアコンがやらかしてくれてまして・・・・」
「降ろせ!メンドーだから・・・・」
「今、グラホが収拾しているのと、ウチのCAが叫んでますんで・・・・」
「ラ・・・ラジャー・・・さっさとしてくれよ!」
キャプテンの横でためいきを吐くコーパイ。
「あ~あ!」
「何だって?」
「コントロールからです。あと5分以内に出ないと、1~2時間遅れるそうです・・・・」
「だろうなあ~」
「これで・・・また・・・パア!ですよ・・・・」
「何がだ?」
「そもそも今日スタンバイだったんです。デートもパア!着いてもガールハント出来そうも・・・」
「諦めろ!」
「はい?」
「人生諦めが肝心。まあ、敵討すればいいじゃないか・・・丁度、航路上あやしい所がある。」
「ですね!避けます?」
「いや・・横切ってやるか・・・相当、揺れるかもしれないけど・・・・」
とんでもないキャプテンも居る。
オストドが、某国(隣国だが・・)の機体で貸切フライトだった時にも、機内食のトレーが宙に浮いた
ことが、あった。確かこの時はアラスカの火山の影響でフライトがメチャクチャだった。
空軍出身のパイロットは、腕は良い。腕は良いけど、お客をお客扱いしないところがある。
皆さんはこんな経験はないだろうか?
機内食を食べている時に限って、機体が揺れると言う経験なのだが・・・・
それでは、まだまだ離陸には時間がかかる様なので、続きは次回に・・・・
皆様!良き旅を!
本日もアザラシ航空にご搭乗いただきましてありがとうございます。
なお、当機出発が、整備の関係で遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
さて、皆様!いよいよ搭乗のお時間でございます。堪忍袋はご用意いただきました?
コックピットもキャビンも最終点検におおあらわ。それもそのはず。
当、アザラシ航空の機体もコックピットクルーも老兵ぞろい。
唯一、キャプテンはじめコーパイがせっせと、リクルートしてきた訳のわからない
まあ、リクルートと言っても、無理やり連れてきたが正しいかもしれない。
そんなCAたちが、アッチコッチをバタンバタンと開け閉めし、機内食の確認
そうそう・・・皆様にご案内申し上げますが、当アザラシ航空では、コスト削減のため、
乗客の皆様。特に、経済客と呼ばれる皆様の全員分は積み込んでおりません。
ー 一口メモ ―
笑い事ではなく、本当に数が足らない航空会社は、ドコ!と言えないが存在する。
従って、どうしても機内食が食べたければ、特別ミールの手配をお勧めする。
コックピットでは、出発の時間を過ぎ、散々「スクラップにすんぞ」とか罵声を浴びせ、
時には、宥め、時には懇願して、やっと出発の準備が出来た模様。
何しろ、飛行機という乗り物は、寿命年数が20年で設計されているのだが、
当アザラシ航空では、製造から50年以上経った機体を、今でも大事?とは言わないけど
まだ、現役(但し、年間半分以上は格納庫で修理を受けている)で飛んでいる。
ちょっとコックピットを覗いてみよう。
キャプテンは狂人。コーパイは女たらしである。
キャプテン:「ふう!やっと・・・動いた。このポンコツ!」
コーパイ:「相当古いですからね。」
キャプテン:「古くて悪かったな!コイツ。俺と同じ年齢だぁ~」
コーパイ:「古く・・・じゃなかった。ベテランなんですね。でも、装備は新しい方かな・・・」
キャプテン:「ああ!オーナーがぶっ潰した機体から、装備を取り外して・・・・」
コーパイ:「飛ぶ前に聞きたくなかったんですけど・・・・」
キャプテン:「俺だって知りたくなかったよ!それより、後ろまだモタモタやっているのか?」
コーパイ:「ちょっと呼んでみます?」
キャプテン:「いや!やめとけ・・・今、あいつら(CA)は鬼と化しているはずだ・・・」
コーパイ:「そんなもんですか?」
キャプテン:「ああ!俺らのクルーミールに毒入れられかねない!」
それでは、ここで客室を覗いてみる。
ファーストクラスには、どこかの成金のおっさんとおばさんだけ。
ビジネスクラスでは、無料で配られるウエルカムドリンクのシャンペン(但し・・・模造品?)を
美味そうに飲んでいる。お酒の価値も判らない無償アップグレード客たちと、小心者のカップル。
ついでに、CAに「窓側がいいとだだをこねている年寄夫婦とその引率者の我関せず状態の娘
そして・・・トドが2頭。
経済客(エコノミークラス)では、アサインされたはずの席を勝手に変更させているアホなJ〇Bの
ツアコンいやトラブルコンダクター率いる哀れな乗客。
アレルゲン(アレルギー)で特別食をリクエストしているが、その特別食がちゃんと配られるか?
心配している哀れな子羊と「俺の席返せぇ~」と怒鳴っているVIP(上級会員)
忘れてはならないのが、トト2頭に引率され、それぞれの懐具合で見事に各クラスに
振り分けられた。大きな堪忍袋を持った読者の皆様だ。
経済客の団体ほど扱いにくいものはない。
これは実話に基づいたモノなのだから、読者の皆様の中には、「あっ!それ!うちらだった」と
不愉快に思われる方がいらっしゃるかもしれないが、そこは大きな堪忍袋を持っているはず。
ここは笑い飛ばしていただくか、J〇Bにクレームをつけていただく方が、賢明かもしれない。
話を戻し、エコノミークラスでは、トドの娘が金切声をあげている。
「いつまでも離陸できませんよ・・・ちゃんと指定された席に戻ってください。」
その頃、コックピットでは、狂人いやキャプテンがためいきを一つ吐く・・・・
「だ・か・ら・・・嫌だったんだよな・・・このフライト」
コーパイもひとつため息を吐く
「そうですねえ~今日、黒猫が前を横切ったし、靴ひもが切れちゃって・・・・」
「今のうちに最終チェックやっておくか・・・・」
「そうですね。この・・・オンボロ・・・・いつ・・・あっ!」
「なんだ?あっ!って・・・・」
「い・・いえ・・・オンボロはこの機体でキャプテンの事じゃなくて・・その・・・・」
「頭にきた・・・今日はアクロバット飛行でもやってやるか・・・・・」
「あのぉ~そんな事したら・・・キャビンはゲロの海ですよ!」
「知るか!大体お前知っているか?」
「はい?」
「こうしている間にも・・・駐機料取られているんだぞ・・・・誰が払うと思う?」
「会社ですよね。」
「そうだ!会社が金を払う。そうなるとオーナーが怒る。そうすれば俺らのサラリーに影響が・・・」
「そうなると・・・キャプテンは、奥様に怒られる・・と・・・・」
「それだけじゃない・・・このオンボロ・・・・」
「はあ!」
「こうしているだけでも、燃料炊いているわけだ。」
「ですよねえ~それにだ・・・ウチの会社ケチだからさ・・・・」
「はい?」
「エキストラだって怪しいもんだ…まあ、燃料計壊れているからわからないけど・・・・」
「キャプテン・・・俺!降りていいすか?」
「ああ!浮かんでからな!パラシュートで飛び降りろ!」
まあ、ここは冗談としても、駐機料は嵩んでゆく。空港によって差は大きいけど
着陸料に離陸料ついでにスポット使用料にサービス施設使用料等様々に没収する。
だからLCCは着陸してもほとんどボーディングパスを使用せず、つまり安い駐機料の沖止めで
経費を浮かす。ついでに、着陸から離陸までさっさと時間を空けずに飛ぶ。
「なあ!後ろ・・まだか?コントロールへそ曲げるぞ!」
「ですねえ~こっちの苦労も知らずに・・・・」
「「いつになったら、離陸出来るんだろ?」
そこへインターフォンが鳴る。フライトデレクターやチーフパーサーと呼ばれる。
キャビン責任者からだ。
「キャプテン!すみません!」
「レディー(準備完了か?)」
「それが・・・まだ・・・揉めてまして・・・・」
「どこでだ?」
「ビジでPAX2名が喚いていて・・・・」
「それだけか?」
「エコでは、アホツアコンがやらかしてくれてまして・・・・」
「降ろせ!メンドーだから・・・・」
「今、グラホが収拾しているのと、ウチのCAが叫んでますんで・・・・」
「ラ・・・ラジャー・・・さっさとしてくれよ!」
キャプテンの横でためいきを吐くコーパイ。
「あ~あ!」
「何だって?」
「コントロールからです。あと5分以内に出ないと、1~2時間遅れるそうです・・・・」
「だろうなあ~」
「これで・・・また・・・パア!ですよ・・・・」
「何がだ?」
「そもそも今日スタンバイだったんです。デートもパア!着いてもガールハント出来そうも・・・」
「諦めろ!」
「はい?」
「人生諦めが肝心。まあ、敵討すればいいじゃないか・・・丁度、航路上あやしい所がある。」
「ですね!避けます?」
「いや・・横切ってやるか・・・相当、揺れるかもしれないけど・・・・」
とんでもないキャプテンも居る。
オストドが、某国(隣国だが・・)の機体で貸切フライトだった時にも、機内食のトレーが宙に浮いた
ことが、あった。確かこの時はアラスカの火山の影響でフライトがメチャクチャだった。
空軍出身のパイロットは、腕は良い。腕は良いけど、お客をお客扱いしないところがある。
皆さんはこんな経験はないだろうか?
機内食を食べている時に限って、機体が揺れると言う経験なのだが・・・・
それでは、まだまだ離陸には時間がかかる様なので、続きは次回に・・・・
皆様!良き旅を!
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