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オストドの旅後始末「2019年プラハの旅」 [2019年プラハの旅]

-「バースデーは意外と悪くないVOL3」-

寄る年波には、どうも勝てない。いや、勝つよりも、

共生することを覚えなければいけないらしい。

出発の前夜。相変わらず、オストドが講師を務めている

「セミナー」を某市内で片づけ、成田ビューホテルの

ベッドに倒れこんだのは、午前1時ちょっと前で、

5時間ほど眠り、温泉で朝風呂を浴びるため、

6時に起床して、おおよそ5時間。飛行機の中でも

およそ計3から4時間は、惰眠を貪っていたのだが、

昨夜も8時間ほど眠った。

メストド1号は、「朝飯まで起こすな!」と宣言して、

眠っているので、そっと部屋を抜け出し、ちょっと冷える

ホテルの外へ飛び出し、朝の一服。いや、正確には5本の

タバコを吸いながら、ピープルウォッチング。

「甞めていたのか?選択を間違えたか?」と自問自答をしながら、

静かに足音を忍ばせ「やって来た」身体の衰えを噛みしめていた。

ツアコン時代は、氷点下のホテルの玄関前で、薄着でも平気で

氷河の上でさえ、シャツにジャケットで、車外に飛び出し、

素手で持参してきたマグカップで氷河が溶けて流れ出した水を

汲み上げ、お客様とポケットウイスキーを飲んだ頃に比べ、

気力は同等かそれ以上でも、体力は衰えているのか、

年々、寒さや暑さには、身体がついていかない気がする。

特に、誕生日を迎える度に「無茶苦茶をやった若いころ」が、

懐かしくなるのは、確かに年齢を重ねてきた証拠かもしれない。

「寒ぅ~戻るか・・」

独り言をぽつんと呟き、部屋へ戻りついでにメストド1号を起こし、

朝食に向かう。

年齢を重ねてきても、食欲は相変わらずで、目の前には相変わらずの

量が盛り付けられた皿が並ぶ。

「ったく・・朝からよく食べられるわね」と言われても、馬の耳に念仏で、

「お代わりはしなくなったけど・・ね。」と言いながらも、

パンの追加とヨーグルトを取りにゆく。

「しまった・・・体重を量っておくのを忘れた・・・」と追い打ち。

「健康だからいいの・・・」とのたまう。

朝食を終え、チェックアウトに行く。

「ハッピーバースデー!ミスターオストド。」と見送られて、目の前の

ターミナルビルに向かう。勿論、建物の前に入る前も、タバコだけは忘れない。

ボーディングパスは、成田で受け取っているので、搭乗ゲートを確認を終え、

もう一服に向かう。何故なら、使用ターミナルの喫煙所は先にあり、

EU域内へ向かう便の先にアメリカ方面への出発ゲートの更に向こうにあるので、

ボーダーを超えなければならないので、この時間は利用するのに、膨大な気力と

体力。そして、時の運が必要になると、オストドの頭の中の古びかけている

脳みそが、答えを導いている。

ブリュッセルから、プラハまでの飛行時間は1時間あまり。荷物は税関検査を

受けずに済む(はず!)なので、送迎を頼んである「専用車」に乗れば、

ちょうどお昼には、プラハ市内のオールドタウン地区にあるヒルトンに到着する。

玄関前には、灰皿があったはずと記憶しているので、昨日の「苦行」に比べれば、

楽勝な・・・はずと計算が出ている。

日本では「無視」されることが多い、「三本目の足」はヨーロッパでは違う。

ターミナルを行き交う人々は、オストドの進路を確保してくれるし、優先搭乗も

当たり前の様に受けられる。ましてや、ゆっくりと歩くオストドを追い抜こうと

する輩は、敢えていうのなら、日本人と思われる(日本語で喋っている)

マナーで言えば、三流のビジネスマンくらいしかいない。

オストドも猛省させられるのだが、もう少し、その辺のマナーは

持つべきなのだと考えさせられる場面だ。

勿論、ヨーロピアンのマナーを見習っているビジネスマンもいるが、

海外の空港のラウンジで恥ずかしいと思う光景は、「タダ酒」を

次々と喉に流し込み、下品と言える会話を繰り返す。

三流以下、「輸出するには恥ずかしい一流会社であろうビジネスマン」

「あ~あ!こんなアホよく恥ずかしくもなく海外に行かせるわぁ~」と

思うことも度々ある。

特にイスタンブールからの帰路便に多くみられる。

「だから・・・ねえ~」と思う。確かに先進国なはずなのだが、

未だ、「発展途上中」のクセは抜けないらしい。

オストドも昔は「大酒飲み」だったので、これ以上とやかく言う気も

ないが、高級ホテルのクラブラウンジでも「同じ光景」を見ることも

一度や二度ではない。

「タダ酒ではない。それなりの対価を払っている」と言う方もいるかと

思うけど、もはや「不快な体臭や口臭」と化したアルコールの匂いは

狭い機内では迷惑と言うより、ぶん殴りたくなる衝動を抑えるのは、

年齢を重ねても難しいのだ。

ブリュッセル航空のビジネスクラスに乗り込むと、離陸後には、

簡単な機内食が出る。僅か、1時間足らずでも出る。

そう言えば、フランクフルト/ミュンヘン間でも出た。

機内食をそれなりのスピードで平らげると、待ってましたとばかりに

最終着陸態勢になる。

そう言えば、昔。エジプト・カイロから、フランクフルト経由で、

アイスランドへ向かう時。ルフトハンザの機体がエンジン不調で

メカニックが「偶然居た」のか、「どこからか飛んできた」のか

定かではないが、延々とエンジンテストをして、相当な遅延があった。

十分な乗継時間を確保していたけど、搭乗時には、「もう無理でしょ」と

半ば諦めていたことを思い出した。

「壊れるから・・・やめろ!」と叫びたくなるくらいにエンジンの

出力を上げたけど、「もう・・・無理」と観念したけど、沖止めの

タラップを降りると、「お迎え」と言うより、「死刑執行人」とさえ

思った係員に先導され、特別なラインでEU入国を果たし、またバスで

搭乗予定の機体の真下に降ろされ、ボーディングブリッジへよじ登り

機体の乗り込んだ途端、「お疲れ様でした」と流暢な日本語を話す

ルフトハンザ航空のCAに迎えられた途端、安堵したのを思い出した。

ほぼ定刻にゲートインした機体を飛び出し、両替所に向かう。

ユーロは、「使いきれるかな?」と思ったほど、カタール航空に勤務

していた娘に否応なしに両替させられた残りが、まだ十数万円分

財布に残っている。「こんな紙幣存在していたのかぁ~」と

嘆いた500ユーロ札数枚は、既に「消費」したけど、まだまだある。

だけど、ここはチェコであり、一応、ユーロは使えるけど、店のレートは

色々違うし、迎えに来たドライバーに往復分の送迎料金を現地通貨で

しかも、現金決済を選択しているので、取り合えず、3万円ほど両替。

成田で預け入れたスーツケースをピックアップして、大量のタバコ

この時点で、4カートンと7個ほどを持って、出口へ向かう。

いつも、疑問に思うけど、EUでは税関に「捕まった」ことはない。

一度だけ、スリランカ経由でシンガポールに入国したとき、

「糞ったれぇ~」と叫びたくなる「関税を徴収された」のが、最初で

今に至っている。

タバコを大量に持っているのは、毎回の事なので、普通に抜けてゆく。

まあ、アホ面をしたオストドとどう見ても高級ブランドの「ブ」の字も

身に着けていない。メストド1号の身なりを見れば、声を掛けるのも

アホらしいとの判断なのかもしれない。

お迎えの車の状況は、逐一、オストドの携帯にメッセージが送られており、

到着済みは確認済みなので、あとはドライバーと合流するだけである。

ドライバーの持つボードにオストドの名前が記載されており、無事合流。

車は飛ばしに飛ばし、予定より15分ほど早くヒルトン・オールドタウンに

到着。

ポーター氏に荷物を預け、予定通りに灰皿と「再会」したオストドは、

勿論、タバコタイムを済ませ、フロントへ向かう。

一応、なんちゃってゴールド会員を維持しており、ヒルトンリザベーションから

予約の際、アーリーチェックインと高層階を「リクエスト」してある。

その後、ホテルから来たアーリーチェックインの場合、いくらと言うメールは、

無視していたけど、追加料金なしにさっさとチェックインを終え、部屋に向かう。

今回の予約は、エグゼクティブ・デラックスキング。ソファーを配したリビング

そして、キングサイズベッドのベッドルームに分かれた部屋だ。

「いいのかな?毎回・・・」

「いいんじゃないんでしょうか?」

どう見ても、ジュニアスィートと呼べる部屋。

荷ほどきは後にするとして、散策に出かけることにした。

「あそこに行くか?昼ごはん・・・」

オストドとメストド1号の中に、食事に関しては「冒険」はない。

一回訪問した都市には、決まって「お気に入り」のレストランがある。

外へ飛び出せば、ここはプラハ。音楽が溢れる街。

「どうしようか・・・」と呟くオストドの声は、メストドには届かない。

不思議なことに、この街にくると、芸術の世界に飛び込みたくなる

日本みたいにバカ高いチケットを買って、くだらないモノを鑑賞するのなら

比較的手ごろな値段で、オストドにとっては、「歩かされなくて済む時間」と

メストド1号にとっては、「芸術鑑賞」の時間が手に入るのだ。

昼食を「お気に入り」の場所でしながら、メストド1号に提案する。

今回は「諦めムード」が漂っていたメストド1号の顔が輝く。

「いいの?」

「お高いのは財布が嫌がるけど・・・何か・・・音楽がいいかな」

「それなりの服ないけど・・・」

「まあ・・・それなりの奴ね・・・肩が凝るから・・・」

チョイスしたのは、前回、「白鳥の湖」(簡易版)を観た劇場の向かい。

コンサートホールの小ホールで行われる。弦楽四重奏。

お値段は真ん中。「キレイなお姉さん」の踊りなら、最前列が良いが、

音楽は真ん中が一番コスパが良いとオストドもメストド1号も認識している。

「明日のチケットだから・・・一回、戻りますかね?」

「ですねえ~」

部屋に戻ると、そこに驚愕が口を開けて待っていた。

-「バースデーは意外と悪くない」VOL4に続く-



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