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新連載!スタート! 「まえがき」 [「父親を辞める日・・・・」]

まえがき・・・

「父親を辞める日・・・・」物騒なタイトル。中には「何かあったの?」と言われる方もいるだろうし、「そんな・・無責任な!」と罵られる方もいるだろう。「呆れた奴だ・・・」ともう訪れることすらなくなる方もいるかもしれない。
だが・・・あえて私はこのカテゴリーを増設することにしたのだ。
人間も大別すれば・・・動物社会に属する。ただ・・他の動物とは違い・・・火を操ることが出来る。唯一の動物。
そして・・・この世で最大の自分勝手な動物・・・それが人間。
話す言葉が違うから・・・・肌の色が違うから・・・お互いの生き方が違うから・・・宗教が違うから・・・・それだけで愚かな戦いをする動物。それが・・・人間。
「だったら・・・人間辞めちゃえば楽になるぜ!」と言う方もいるだろう。
だが・・・私は自ら命を絶つ愚かさを知っている。私は・・・幾度も人々に救われ生きてきた。その方々に恩返しすらしていない。

「愛するが故の別れ」そして・・・「時に優しさは・・・罪を作る」痛いほど感じてきた半生だった。
妻と娘を愛する気持ちは変わらない・・いや・・・日々増してゆくのが解る気がする。
動物の世界では・・・親元を離れたときから・・・ただの「同一の種類の仲間」となる。
そんな生き方も悪くはないような気がする。私の自慢の娘・・・私が愛する娘・・・・
その娘もそろそろ・・・狭い鳥かごから・・・広い大空へ美しい翼を拡げて飛び立つときがそろそろ・・・来る。
いや・・・いつまでも飛び立とうとしている娘を手元に繋いでおくことは出来ない。
今・・私は非情な親になろうとしているのかもしれない。いや・・・親と名乗ることすら・・・許されないだろう。
多分・・・私は娘の結婚式には参列しない。大泣きする自分が想像出来るからだ・・・・
ただ一人・・・どこかの旅の空で・・・娘の幸せを祈り・・・空に向かって・・・グラスを上げているかもしれないし・・・
どこかのバーのとまり木に酔い潰れ寝ているかもしれない。
それとも・・・どこかの海にその身を委ねているかもしれないし・・・・空の散歩をしているかもしれない。
どんな父親だってそうだろう・・・「花嫁の父」なんざ・・・・永久に演じたくない。

私の愛する妻も・・・・「初めからいなかったと思えばいいじゃない・・・ねえ・・パパ」とお母さんがお父さんを説得してくれたらしい・・・だが・・・私は尤も身勝手な男だ。妻からそんな言葉すら聞きたくない。自分はそうしてきたくせに・・・
「因果応報」この言葉からは逃げられないのなら・・・自分から逃げてしまえばいい。
私は「最初から、うちには娘など存在しなかった」と思うことにした。
そうすれば・・・肩に乗る荷物がひとつ軽くなる気がしたからだ。
娘であった彼女はこれから・・・人生の大きな海原を・・・そして・・・大きな空を自由に飛び回ればいい。
先日、メールで娘に父親としての最後の教えを送った。

「決して夢は捨てないこと。夢を持ち続けなさい。それが生きると言うことだから・・・・」

時には嵐にも巻き込まれるだろう・・・晴天の日ばかりじゃない・・・羽ばたき続けるのも困難になるかもしれない。
私は神様にボロボロに疲れ果てた「父親」と言う翼を返すことにしよう。今までどんな嵐にも羽ばたき・・・妻と娘を守り続けた・・翼を・・・そして・・・新しい翼を貰う事にしよう・・・「夫」として生涯妻を守り続ける翼と「人生の先輩」としての翼。
大きく真っ白い翼を貰うことにしよう。
その翼で・・・命ある限り・・・妻をそして・・・時には傷つき疲れ果てた・・・嘗ては「娘」だった・・・・人生の後輩を守るために・・・・・

「愚かな奴」と笑う人々もいるかもしれない。でも・・それはそれで構わない。一度くらいピエロを演じるのも悪くない。
嘗ては父親と呼ばれた・・愚かな男は、嘗て娘と呼んでいた美しく成長した人生の後輩をこれからは対等な人間として・・・・・・・手元から飛び立つ日までの心の葛藤を・・そして・・・自分の心が安らぐために・・・ここに・・・記することにしたのだ。




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「父親を辞める日・・・・」序章 葛藤・・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

序章 葛藤・・・・・

「父親を辞める!」妻に宣言をした。
多分・・・私の精神状態がおかしいのかもしれない。大勢の人々はそう思うだろう。
しかし・・・至って精神状態は極めて良好。睡眠も薬に頼っている日々だが・・・・昼寝程度なら薬の力に頼る必要はない。
食欲だって・・・時間になれば腹は空く。ただ・・最近「何食べたい?」と聞かれるのが嫌になってきたくらいで、ほぼ毎日のように会社の近所にあるラーメン屋に通っている。
何故なら・・一緒に食べに行く同僚が「ラーメン派」なので・・・彼に付き合っている。
会社から外訪中なら・・・適当にハンバーガーだとか喫茶店のランチだとか・・・立ち食いソバ、牛丼など・・・バリエーションは広がる。
唯一楽しみなのは土曜日の昼食。妻手作りの弁当を持って会社へ出勤する。
私は子供時代・・・親の手作り弁当なんて食べたことがない。
家政婦さんの作った弁当を持ち、幼稚園・小学校と通った。母親の作ったものは・・・数えるのも簡単。たった・・・2回。
確か・・焼きうどんとチャーハンそれだけ。
後はひたすら・・本能で「生きるためにだけ」に与えられた愛情のかけらも微塵もない食事をただ・・・貪っていたにすぎない。
まあ・・・母乳すら一度も飲んだこともないし・・・ただ・・・本能だけの世界。皆さんには理解できない世界で私は育った。
それでも・・・小学校4年生になるまでは・・それが当たり前だと思っていたのだが・・・・

私はただ・・・将来「社長」と呼ばれるためだけに・・・英才教育を受けさせられていた。ピアノ・習字・剣道・柔道etc。
人間誰しも持っている・・・職業選択の自由を奪われた・・・ただのロボット人間。
それでも・・・「事実」をしらなければ、私は何一つ疑うことなく・・・その道を極めていたのだろう。

私の「人生」が大きく狂ったのは、小学校4年生。育ての母親に捨てられた日からだった。
その日のことは鮮明に覚えている。母が出て行った日・・・私は小学校に居た。電車・バスを乗り継ぎ通った私立の小学校の教室で授業を受けていたのだ。
父である育ての父は、只管に隠そうとしていた。僕が母に捨てられたのが解ったのは・・・母のお弟子さんたちのやりとりを聞いてしまったからだ。
その日から・・・どれくらいたった時だったか・・・・私は「養子」だった事実を父の口からでなく・・・父の末妹のたった一言。「貰われっ子のくせに・・・」だった。
私はそのとき・・ただ泣き喚くしか出来なかった・・・3時間ほど・・泣き喚き・・私の大人への信頼は全てなくなり・・・心を閉ざした一人の少年になった。
そのとき・・私は悪魔と契約を交わしたのだろう・・・その父の末妹の旦那は病死し、二人の子供も一人は病死・・そして一人は・・・行方知らず・・・さらに末妹を待っていたのは・・・一族からの追放だった。
その報を聞いたとき・・・子供らしさを悪魔に売り渡し望んだ恨みを晴らしてもらうことが出来た。正直に言えば心の靄が晴れた気分だった。
それから・・・私は一人でいることが多くなっていった。大体考えることは「死の選択」だけだったが、悪魔は私の命などいらないらしかった。父との会話さえ・・・ほとんどなかった。
私の父の子育て論は「子供に何不自由なく・・モノや金を与えればよい」・・・だった。
もし・・この文章を読んでいただけている皆さんに思い出して欲しいのだが、ノート1冊えんぴつ1本買うのに・・・親に明細を書いた子供時代を過ごした人がいるだろうか?
私はそんな日々を過ごしていた。ノート1冊50円とかメモ用紙に書いておく・・・そうするとそれを読んだ父がお金だけをテーブルに投げ出しておく・・・そんな生活を私は過ごしていたのだ。

「本当の自分だけの家族が欲しい!」

クリスマスや誕生日にはサンタクロースや神様に祈り続けたことがあるだろうか?
私はそんな日々を過ごしていた。ただ・・・本能は私に生きる様、命じ続けていた。
ただ・・・見せ掛けだけの親子関係・・・・狂いそうな日々を私は耐えていたのだ。
いや・・・一度だけ・・・入水自殺を図ったことがあるのだが・・・それすら失敗する中途半端は日々を過ごしていた。
そう言えば・・・殆ど高校生になってからは家に帰らない日々が続いた。
父が連れてきた・・新しい父の後妻に嫌われていたのだ。洗濯も食事も父の目がなければしてもらえない。そんな中学生時代。多感期な年頃の少年にはそれだけで・・・充分な仕打ちだ。
3食の食事は全て外食、お風呂は家で入れてもらえないので銭湯に通い、コインランドリーで洗濯をしてその横で参考書を開く生活。ただ・・・寝に帰るだけの家・・・それに比べ・・・・悪魔の囁きは私を誘惑の世界に導いていた。
「義務教育を終えたら・・・家から出して欲しい」そう父に言ったこともある。だが・・父は私にキャッシュカードを渡した。
「お前が・・成人するまで・・養育の義務がある・・・」世間体だけを気にしていた父だった。

私が父に頭を下げ、家業の会社に入ったのは12年ほど前。
「このままでは・・・娘の将来もあるし・・・大学にも進ませてやりたい」
そう考え・・・転勤のない父の家業に入社した。
それから・・数年私には新しい家族が出来た。いや・・・家族同様の人たち。
取締役に就任し・・・「次はお前の番だしっかり・・今のうちに吸収できるものは吸収しなさい」そんな父の言葉が始まりだった。家族同様の人たちとは社員やその家族。そして関連会社の社員やその家族。その数だけで・・数百人の生活が私の頼りない肩にのしかかってきた瞬間だった。私の舵取りが誤ればその人々は職をそして・・・社宅に住む人々は一時的ではあるが・・住まいさえ無くなってしまう。

その頃から・・・私は自分の中にいるもう一人の自分と相対することになる。
私はてんびん座・・・・常に・・・釣り合っていなければ気がすまない。性格の持ち主なのだ。
今・・私の中では会社人間である私、そして・・・一人の男として・・・妻と娘を愛する人間。
会社人間の私は言う。「いずれ・・・娘に婿を貰って・・・会社をそして・・・一族の存続を・・財産を守らねばならない。」
だが・・もう一人の自分は言う。「お前が一番嫌っていたこと・・・それをお前は愛する娘に押し付ける気か?」

多分・・・娘には私の心の葛藤は解らない。いや・・出来れば解らないで欲しい。
もし・・彼女がそれを解ってしまったら・・・彼女は彼女なりに自分の夢をあきらめ・・・私以上に重たい十字架を背負うことになる。
父がまだ現役バリバリ働いている今なら・・・「いっそ・・・一家心中でも」と考えたこともなくはない。
自ら死を選んだ場合・・どうだろう。娘は更に・・重くなった十字架を背負っていかねばなるまい。父親を死に追い詰めたことを彼女なりに悔やまなければならなくなる。

「こんな会社なくなっちゃえ・・・」そう思ったこともある。しかし・・・一向に無くなる気配は微塵にも感じられない。
無借金・・・会社の資産で計算すれば・・・現在の給料を仕事をせずに、社員に払い続けたとしても・・・定年もあるから・・・そうなれば・・・・20年以上払える資力がある。退職金の心配も無用。政府系の共済制度に掛け金を払い込んでいる。それに不思議と無くなっちゃえと思えば思うほど・・・仕事が勝手にやってくるのだから・・・始末に負えない。
私の中に巣喰う悪魔が囁く・・・・「全部お前のモノになったらさ・・・会社解散して・・資産全部遣っちゃえ!」
それに抵抗する私の理性・・・・「馬鹿やろう!そんな事したら・・・家族同然の社員やその家族・・関係者はどうなる?」

幸か不幸なのかは私には解らないけど・・・我が家に跡を継がせるべき男の子はいない。」
居て欲しかった反面・・・ほっとしている自分がいるのも確か・・・男の子が居れば・・父が私に施したように同じ英才教育・・・いや・・・それ以上のモノを受けさせていたかもしれない。
だが・・・我が家いや・・・一族の本家筋では・・・娘が一人・・・つまり私の愛する娘だけが後継者候補なのだ。


「父親を辞める日・・・」第1章へ続く・・・・





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「父親を辞める日・・・・」1章 親の役割・・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

父親の役割と母親の役割・・・

「母校」とか「母港」と言うように・・・・母親は子供にとって大きな存在。
夫である私も・・・仕事と言う航海に毎日出港(出勤)し・・・社会と言う荒波を乗り越え、「会社」と言う船を時には操船し・・時には水夫のように働き・・・ヘトヘトになって帰ってゆく。
穏やかな航海の日もあれば・・・時にはとてつもない大波に飲まれることもある。それでも・・・男と言う生き物は帰巣本能があるのかないのか定かではないが・・・まっすぐ母港(家)を目指し帰ってゆく者もあるし、寄港ばかりで・・・偶にしか帰らないなんていうのもいる。
まあ・私の場合はその前者に属すると自分では思っている。稀にではあるが・・・遠洋航海(出張)に出ることはあっても
母港へ帰港する際は全速力で帰る。ポンコツのエンジンの出力を最大限に上げ・・・一杯の獲物(土産)を抱え、大漁旗を高々と靡かせ帰ってゆく・・・。
そして・・・妻に抱かれ眠りにつき・・・英気を養い、愛情の籠もった食事と言う燃料を詰め込み・・・また出港してゆくのだ。子供たちだってそうだろう・・・「疲れたら帰っておいで」そんな思いを胸に笑顔で見送る母の想いを精一杯張り出した帆に風を受けるがごとく、学校そして職場・・そして遊びに出かけてゆくのだろう。
仲間の間では・・・「伝書鳩みたいだな・・・」と言われるけど・・・私にとって居心地がいいから・・・帰るだけだ。業界の仲間の一人は毎日のように朝帰りを繰り返し・・・奥さんに三行半を突きつけられ・・・家も取られ・・・放浪生活しているのも居る。そんな彼がぽつりと漏らした弱音と言う本音。
「いやぁ~帰る場所がないと寂しいよな・・・・」
私も解る。皆さんもご存知のとおり・・私には帰る「母港」がなかった。偶に寄港する港はただ・・・停泊する場所であって帰るべきところじゃない。大きな嵐に遭遇した少年と言う小さな一人乗りのヨットはただ・・岩陰に隠れ嵐を避けていた。

「男は強くあれ!」と言う言葉があるが、裏を返せば自分を戒め、奮い立たせる言葉だ。男というのは女性以上に弱い生き物なのだろう。

「俺は父親辞める・・・でも君は母親を辞めてはいけない。」
これは私が妻に言った言葉。身勝手な話だとは重々承知している。しかし・・・私が背負い続けている十字架を、私は嘗て娘と呼んでいた一人の若き女性とそのパ-トナーには背負わせたくない。それゆえ・・出した結論なのだ。
「隣の芝生は青く見えるもの・・・」と言うが、持たない者には持てる者の悩み、持てる者には持てない者の悩みなど解るはずもない。
「お前はいいよな!無借金の資金力豊富な会社の次期社長だし・・・親父の財産も相当なものだろ・・・いいなあ~」とよく言われる言葉のひとつ。
「でも・・・おかげで・・俺・・・職業選択の自由はなかったわけだし・・・・それに・・・経営を誤ってみろ・・・社員やその家族関係者を含めたら・・数百人が路頭に迷うことになる」 これは決まって私が言う言葉だ。
それに対し・・・無責任な奴ほど・・・「でもよ・・・所詮・・他人だろ・・・そんなの関係ないよ・・・業績が悪化したら・・適当に理由つけて・・・会社辞めさせればいいじゃないか」

こう言う奴とはこれ以上・・話しても無駄なことだ。私は社員やその家族・・関係者が私を必要と慕ってくれている限り、家族の一員と考えている。
私より年長者は兄貴や姉貴みたいな存在だし・・・私より年下の者は、可愛い弟や妹として接するつもりなのだから。
だから・・・「彼女と旅行に行きたいんで1週間休みいただけますか?」と素直に相談してくる者に対しては、対外的にそれでは拙い。「嘘も方便」と言うだろと諭し、適当な言い訳を考えてやり・・・休みを与える。
ソレデリフレッシュしてきた者は一生懸命働いてくれる。
「子供の運動会なんで・・・休みいただけますか?」と相談してきた者に対しては、「仕方ない。家族が大事なのは、みんな一緒だ。まあ・・面倒だから・・・風邪でも引いたことにしとけ!」とか言って休みを許可しておく。その者も普段n倍の仕事で答えてくれるようになれば・・・長期的に会社にとってプラスになる。
そんな人々全てが、私の「家族のようなもの」ではなく「家族の一員」なのだ。私には彼らの生活まで守る義務がある。
こんな重い十字架を「父親だった・・私」は「むすめだった・・若き女性」の肩に乗せたくは無い。

父親の存在なんて・・・母親の愛にくらべれば・・・水や空気のようなもの。有って当たり前・・・・のようなもの。
ある精神科の医師を務める友人に訪ねたことがある。

「そうさなあ・・・お前・・・病院に来なくて良かったわ・・・間違いなく精神分裂症でコレものよ・・・」 と鉄格子に捕まり揺さぶっている姿をしてみせる。
「そうかな・・俺・・まともだと思うだけどな・・・」
「まあ・・・年頃の娘を持つ父親にしちゃ・・症状は・・・そうだな・・・中位。」
「そうか・・・中位か・・・」
「どうだ・・・猫可愛がりするばかりじゃなくてさ・・・一回、奈落の底に突き落としてみろよ・・・・」
「はぁ?娘をか・・じょ・・冗談だろ!」
「まあ・・・冗談だけどな・・・でもよ・・・父親って一体なだと思う?」
「さあな・・・良く解らないんだよ・・・俺・・本当の親の愛知らないしな」
「簡単なことなんだけど・・お前・・サラリーマンとかの勤め人じゃないし・・・」
「まあな・・・」
「まあ・・・自分で考えて結論だすしかないよ・・・・そうでなきゃ・・・入院するか?」
「入院なんて・冗談じゃない・・・いいよ・・・自分で結論出すよ・・・・」

帰り際、友人が一冊の本をプレゼントしてくれた・・・・
そのタイトルはあえて・・・書かないけど・・・。

私は・・自由であるはずの不自由だった・・つまり・・・妻と娘の旅行中に結論を出すことにしたのだ。

「まず・・・妻は守らなければならない。次に・・・家族同然の社員や家族・・関係者か・・・」
「娘はどうすればいいのだろう・・・・」

そして・・・私は結論にたどり着いた。「そうだ・・・父親なんか辞めてしまえばいい。」
娘は自分の力で・・はばたいていけばいい。そして・・・傷つき疲れたときには・・・母親の翼に抱かれればいい。
私は・・・そんな妻や大勢の家族同然の人々を守ればいいだけだ。それぞれが自分の翼の中に傷つき疲れ果てた者を守っていてもいい・・・それを大きな翼で守れば全てが上手くいくはず・・・・
所詮・・・父親など・・・そんなものでいいはずだ。そう考えたとき・・・私の心の靄は少し晴れ間を見せだしたのだ。
母親である妻に対抗しようとするのが間違いなのだ。自分のお腹を痛め・・・出産し、慈しみ子育てをする女性。
そんな女性にに勝てるはずがない。

私は友人に本を返した・・・「あるがとう」の一言を添えて・・・・


「父親を辞める日・・・・」2章へ・・・・「これからパパになるあなたへ」に・・・・続く。





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「父親を辞める日・・・・」2章 これからパパになるあなたへ・・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

この子のためなら・・・死ぬことさえ怖くない!

父親失格の私が言うのも「おかしい話」だけど・・・皆さんには失敗して欲しくないから敢えて記すことにする。
私の妻から聞いた言葉だし、私が今素直に・・・「お母さん」と呼べる妻の母親から、妻が聞いたことがあるそうだ。

妻がこの世に誕生したのは、私より数年前に遡る。
つまり妻は姉さん女房・・・確かに街を一緒に歩いていても・・・以前はまるで仲の良い・・姉と弟。今では妻が私より若く見られるほど・・・
そんな妻が産まれ、初めてその手に抱いたお父さんが言った言葉。

「この子のためなら・・何でも出来る!」

それが当時・・・・偽りのない本音だったのでしょう。
私もそんなお父さんに負けるわけにはいきません。まあ・・・幾つになっても親には決して勝てるとは思いませんけど・・

「この子のためなら、死ぬことさえ怖くない」 私は妻にそう宣言したのを鮮明に覚えています。

ただ・・・今思えば・・・ちょっとオーバーな発言だったかもしれません。
よく・・・街中で若いパパとママが一生懸命に我が子と接している姿を見ると、ほほえましくそして・・・思い出されます。

「いいかい・・・今のその想い忘れないで!そして・・・どんな時でもその想いを忘れないで・・・」 私は心からエールを送ります。

そういえば・・・・こんな話もあります。

ある夫婦がいました。お互い天涯孤独・つまり二人とも・・孤児院育ち。その二人の間に生まれた子供は心臓に障害があり・・・「移植しか助かる道はない」 医者に宣告されたそうです。
父親である彼は悩み・・苦しみました。何せ・・・財産も頼る身内もいません。友人たちは募金活動を始めましたが・・・一向に必要な資金が集まりません。子供の様態は悪くなる一方。

「あと・・・3千万・・・3千万あれば・・・・・」

彼は思い出したのです。自分が事故死なら・・・5千万円の保険金が入ることを・・・・
そして、彼は決心したのです。飲めない酒を飲み・・・そして・・・道端をふらふら歩き・・・・車に撥ねられました。
幸い・・・彼は命だけは・・・助かりました。でも・・・両足を失い・・・重い障害が彼には残りました。
そして・・・足りなかった資金は彼の自己犠牲により・・・賄い・・・彼の愛する子供の手術は無事・・・成功を収めた。
多くの人々は彼を責めた・・・「何故?自分だけ・・・逃げ出そうとした!」・・・・
だが、私は彼を責めることが出来ない。彼は・・自己犠牲により自分の愛する子供の命を救ったのだから・・・
彼は・・私の数少ない友人の一人。ただ・・・彼に頼まれたことがある。

「子供にだけは・・・本当のこと(自己犠牲)について話さないで欲しい。そうしないと・・うちの子は一生その十字架を背負わねばなるまい・・・」

彼は彼なりに父親として・・己の判断でしたこと。だからと言って・・これからパパになる人間に対して、一言も同じようにしなさいと言うつもりはない。

ただ・・・

「どんなに惨めな姿になってもいい。ボロボロになったっていいじゃないか・・・」

それが父親になると言うことなんだから・・・私はこれからパパになる方々に贈りたい。

子供のためなら・・・プライドを捨てる。

嘗て・・私はどうしようもないほど・・・手のつけられなかった少年時代を過ごして来た。
もちろん・・・警察のお世話にもなったことがある。

「どうせ・・・俺なんかのために・・・来る人じゃないさ・・・」

私は当時そう思っていた。私の育ての父親は超多忙の人。そして・・・プライドの高い人。人に頭を下げるなんて死んでもしない・・・・そんな人だと勝手に思い込んでいた。
でも・・父にも父親らしさを見たのは・・・傷害事件。詳しくはここでは書かないけど・・・大切な友人の敵討ちだった。
まあ・・・相手が私たちより大勢だったこと。そして・・・暴走族だったのが不幸中の幸い。
私たちはかすり傷程度だったが・・・相手は全員病院送り・・しかも・・・何人かは男としての機能を失うほどの怪我。
次々に仲間の親が出頭してくる中に自分の父親の存在をみた。
警察で米搗きバッタみたいに頭を下げまくる父。家庭裁判所で同じく米搗きバッタみたいに頭を下げる父。

「ああ・・・この人でも・・・頭を下げるんだ・・・・」

私はそのとき初めて・・育ての父であるにもかかわらず・・・父親の愛情を感じた瞬間でもあった。

どんな時でも男のプライドは捨てろとは言わないけど・・・子供のために頭を下げる姿は決して格好のいい姿じゃないけど・・・・それが父親の・・・愛情なのだと言うことを・・・・


父親としての自覚・・・・どんなに貧乏だっていじゃないか!

父親として、失格してしまった今・・・失格男が何を今更・・・と思う方もいるだろう。だが・・・嘗て父親の自覚を持っていた頃の話を少ししたいと思う。

「うちって・・・貧乏だったらしいのよ・・・・」
「へえ・・・そうなんだ・・・」
「うん・・・パパ(妻の父)のお給料が2万円でね・・・あたしのミルク代が・・月1万円くらい掛かったらしいの・・・・」
「だって・・・お父さん・・・結婚前に働いてて・・・お母さんも働いていたんでしょ・・・貯金とか・・」

今ではほとんど聞かないような話なんだが・・・お父さんは独身時代給料の全てを実家に入れていたらしい。
だから・・・・貯金=ゼロ。お母さんは早くに両親を亡くし、下宿生活をしながら働いて・・わずかなお金だけの貯金。
そんな二人が結婚し、妻が産まれ・・・義弟そして・・・義妹が生まれた。

「あたしさぁ~うちが貧乏だったって知らなかったのよね・・あはは・・・・」

お父さんはそれこそ一張羅の背広を着て会社へ・・・十数年同じ背広を着ていたらしい。
お母さんは3人の子供を育て・・・内職をし生計を立てながら・・・・子供たち3名を学校に通わせていたのだから、大したものだ。

「あんたなんか・・・お坊ちゃん育ちだからさ・・・解らないだろうけど・・・」
「うん・・・でも添乗員辞めたあたりで・・収入相当減って・・苦労したじゃない・・・・」
「ええ・・・まさか質屋にまで行くとは・・・思わなかったけど・・・・」
「で・・・でもさ・・・今・・・こうして・・・ファーストクラスに乗っているじゃない・・・」
「まあね・・・あたしなんか・・・きっと1回も飛行機には乗れないと思ってたからね・・・・」

今でこそ・・・笑い話なんだけど一回だけ・・・妻が質屋に行ったことがある。
まあ・・・日銭を稼いでいた人間が月給になったから・・・一時・・蓄えがなくなっただけだったけど・・・

「確か・・あの頃・・自転車操業だったもんな・・・うち・・・・」
「うん・・・海外旅行なんて・・夢でしかなかったし・・・ましてファーストクラスなんて・・・・ねえ・・・本当に座っていていいのかしら・・・・」
「いいんじゃないかな・・・今だから出来る贅沢でしょ・・」

お金なんて・・・関係が無いと言えば嘘に聞こえるかもしれない。だが・・・例え安い食材だって、ひと手間かけて、愛情を注ぎ込めば、どんな3つ星レストランで食べる食事より美味しいと思う。
ただ・・・子供の前だけでは「お金が無い!」なんて事を言わないようにする。自分が欲しいものを我慢shて食べたい物も我慢・・・趣味嗜好品だって・・我慢する。それが・・・父親としての自覚の一歩なのだ。

先日・・いや・・もう数年前の話・・・・

私の勤める会社の1年生で入社してきたある社員との会話。

「僕・・・会社を辞めようと思うんですけど・・・」
「はぁ?何かあったのか?」
「いや・・・向いてないと思うんです。それに・・・・」

彼は社内でいじめられていると言う。しかし・・・そんな人間は私の勤める会社では・・・私くらいしかいない。
私はいじめっ子ではない。小さい頃はいじめられっ子だった。だから・・・いじめられっ子の気持ちは痛いほど解る。
だから・・ある程度の権力を与えられても・・・見所のない人間には何も言わない。彼も見所があるから、将来を嘱望する故の・・・叱咤激励にしか過ぎない。だからこそ・・・上司は部下を叱るわけだ。

「あのなあ・・・いいから・・そこへ座れ!」
「はい・・・」
「甘えるのもそろそろ・・・卒業したらどうだ?どうやって・・・女房・子供養ってゆく気なんだ・・・」
「はあ・・・まあ・・何とかなるかと・・・・」
「馬鹿野郎!お前いつまでそんな浮ついた気持ちでどうする。お前・・男だろ!夫だろ!父親だろ!1回死ぬ気でがんばってみろ・・・それでも駄目だったら・・・また言って来い!そうしたら・・・どこか就職世話してやる・・いいな!」

その彼は今・・生まれ変わったように働いている。もちろんうちの会社でだ。その彼にも3人目の子供が生まれ・・順風満帆と思いきや・・・・先日緊急入院。その一方を聞いて駆けつけた私。

「おお!具合はどうだ?」
「すいません・・・ご心配おかけして・・・」
「馬鹿野郎・・何しけたツラしてんだ・・・お前最近良く頑張っているんじゃないか・・・神様の呉れたご褒美だと思ってゆっくり休め・・・・」
「で・・でも・・仕事が・・・・」
「いいか!まず身体を完全に回復させて医者が出勤しても差し支えない!と言うまで休んで・・100%の体調で戻って来い!」
「で・・でも・・・給料が・・・」
「馬鹿野郎!数日で済む入院なんだから・・・給料の心配しなくても・・・それぐらい会社に払わせてやるから心配すんな!いいな!」
「は・・はい」
「ところで・・嫁さんは?」
「後から・・子供を連れてくると・・・」
「だったら・・・そのシケた顔・・嫁さんや子供に見せるな!それが父親だぞ!無理してでも笑え・・・いいな!」

例え・・・激痛に耐えているときだって・・・父親として弱音は見せてはならないのだから・・・・


まあ・・えらそうな事を言ってはみたけど・・ひとつ気づいた点がある。
確かに親は子供そ育てる。でも・・子供だって親wp育ててくれているのかもしれない。



「父親を辞める日・・・・」3章 これからママになるあなたへ・・・・に続く。
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「父親を辞める日・・・・」3章 これからママになるあなたへ・・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

これからママになる貴女。そして・・・ママになる予備軍の貴女へ・・・・

どうか・・・お願いですから・・・・貴女から生まれるお子さんを慈しみ大事に育ててあげてください。
どうか・・・お願いですから・・・・私のように親の愛を知らない子供にはしないであげてください。
どうか・・・どうか・・・お願いですから・・・・・その子がひとり立ち出来るその日まで・・・・大事に育ててあげてください。
どうか・・・どうか・・・どうか・・・・お願いです。

どうか・・・お願いですから・・・人を愛する素晴らしさを教えてあげてください。
どうか・・・お願いですから・・・人を慈しむ素晴らしさを教えてあげてください。
どうか・・・どうか・・・お願いですから・・・・これから出会う人と仲良くすることを教えてあげてください。
どうか・・・どうか・・・・どうか・・・お願いですから・・・・・

どうか・・・お願いですから・・・・産まれ来るその子が貴女を必要としていることを忘れないでください。
どうか・・・お願いですから・・・・産まれ来るその子にとって、親の愛情に勝る物などないことを忘れないでください。
どうか・・・どうか・・・お願いですから・・・・産まれ来るその子を大きな愛で包んであげてください。
どうか・・・どうか・・・・どうか・・・お願いですから・・・・・

どうか・・・お願いですから・・・・産まれ来るその子を絶対に手放さないでください。
どうか・・・お願いですから・・・・産まれ来るその子の夢を取り上げないでください。
どうか・・・どうか・・・お願いですから・・・・・傷つき疲れ果てて帰ってきたときには、そっと抱きしめてあげてください。
どうか・・・・どうか・・・どうか・・・・お願いですから・・・・・


育児ノイローゼの話・・・・

ある日のことだった。その頃、我が社では総工費百数十億円の巨大プロジェクトに参加していた。
そのうち十億円あまりが我が社の受け持分。まあ・・・実際には資材の大部分は共同購入品なので・・・実際には3億数千万円なのだけど・・・
そのプロジェクトにパパになりたての人間を配置したのは・・・私。それまで・・・数々のプロジェクトを成功させてきている

「あいつなら・・任せられますよ!大丈夫!」 私は彼が・・・ガラスの心臓の持ち主であることが解っていなかった。
施主は・・・・敢えて書かない。我が社は地下の大駐車場からその施主の本社が占める部分21フロアーを仕切らねばならない。施主の我侭で朝から作業に取り掛かったのが全てオジャンになり・・・散々やり直し・・・・
折角出来上がった部分も・・・・「セントラル階段を設けろ・・・内装は・・・・」 壊しているのか作っているのか判らない有様・・・その工事の総合指揮者に彼を当ててしまい・・・・数ヶ月が過ぎた頃だった。
私の携帯電話が鳴り響く・・・・実は数日前から・・・彼が行方不明になっていた。

「もしもし・・・Tです。」
「おお!T.心配してたんだぞ・・・お前・・・大丈夫なのか?どこか身体の具合でも悪いのか?」
「いえ・・・私なんか居なくても・・・・世の中どうにでもなりますよね?」

これは・・・緊急SOSだ。対応を間違えたら・・彼は死を選ぶかもしれない。そう判断した私は・・・

「お・・・お前・・どこにいるんだ?」
「・・・・駅のホームです。」
「すぐ・・・そこから離れろ・・・駅の構内から出て・・・そうだな・・・・近くにMと言う店がある。そこで待て!すぐ行くから・・・・」

幸い・・その駅までは車を飛ばせば・・・2~30分で着くことが出来る。スピード違反で捕まろうが・・・彼の命には代えることが出来ない。昔取った杵柄???で愛車をぶっ飛ばす。会社の社有車で捕まったら・・会社に傷が付く。

「絶対・・死ぬな!どんなことがあっても・・死ぬんじゃない。・・・・・お前は一人じゃないんだぞ!」

私はそう叫びながら運転していた。幸い・・・大人しく店で待っていたT。雑談を少し交わしながら彼の様子を観察すると・・・・「こいつ。俺に・・別れを言いに来たのか?」と思われるフシが感じられた。
会社を辞めるならそれも彼の選択肢。だが、彼は私に・・・いや人生に別れを告げにきたみたいだったのだ。

「なあ・・・海でも見に行かないか?」
「海ですか?」
「ああ・・・何か急に海が見たくなってな・・・・」

半ば強制的に車に彼を乗せ・・どおこがいいかな・・・そうだ・・・あそこだ。
車を走らせながら・・・・さりげなく・・家族や子供の話題に触れる。

「なあ・・・奥さんと赤ちゃんはどうだ?元気にしているのか?」
「ええ・・・・まあ・・・・・」

答えはそこにある。私は確信した。

駐車場に車を乗り入れ・・・近くのコーヒーショップでコーヒーを買い・・その海に繋がれ・・・その人生の終わりを待つ船を見ながらベンチに座った。

「なあ・・・この船すごいよな・・・何千回・・・往復したのかな・・・・津軽の海を・・・それに・・あれは・・・南極観測船だしな
・・・・あれらの船に乗り込んだ乗組員も凄いけど・・・家族も・・特に奥さん連中は良く耐え忍んだよな・・・・」
「はあ・・そうですよね・・・まだ・・・家に帰れるだけ・・・マシですかね・・・俺らの商売」
「うん。そうだな・・・・幸いと言うかウチの会社・・・海外出張とか島流しとかないからな・・・・あっても・・・数日で女房と子供の顔をみられるしな・・・なあ・・・ずばり聞いてもいいか?仕事上でトラブルでも抱えているのか?」
「いえ・・・・・」
「そうだよな・・・お前がこなしてきた数々のプロジェクトに比べりゃ・・・今のところなんざ・・・屁の河童みたいなもんだしな・・・・・もしかして・・・奥さんか子供に何かあったのか?良かったら・・話してみないか?」

彼がポツリ・・・ポツリ・・語り始めたことは長くなるので・・・・ここでは略させていただくが、1回の流産。そして出産。
ただ・・・泣き喚く赤ちゃん。彼女には相談できる人間が居なかった。そして・・・・育児ノイローゼになり・・・彼の携帯に度々届くメール。「早く帰ってきて・・・・」ただ・・・それだけ・・・
彼は責任感故そして・・・特殊プロジェクトのため・・監理業務の打ち合わせは深夜に及ぶこと・・・・そして・・・彼自身どうしていいか解らず・・・私に助けを求めてきたのだった。
後で聞いた話だけど・・・「ああ・・・どうにかなるさ!」と私が言ったら・・彼はそのまま電車に飛び込むところだったそうだ。

「なあ・・・良かったら今度の休み・・いや・・・明日・・俺も休みとるからさ・・・うちに奥さんと赤ちゃんも連れて来ないか?」
「えっ?」
「うちの奥さん・・一応子育ての大先輩だもんな・・・俺・・・子供が産まれた頃なんざ・・・・年間300日以上家に帰ってなかったんだぜ・・・だから・・・娘を風呂に入れたのは・・・片手でお釣りが来るし・・・おしめも替えたことないし・・・そういや・・・・俺・・・育児なんてしたことないわ・・・・それに・・・一緒に風呂に入ったこともないしな・・・・引っ張るって聞いたものだから・・・引きちぎられたら大変だろ?大事なとこ・・・まだ・・・男でいたいしな・・・でも・・・今考えれば・・・惜しかったよな・・・今なんか一緒に入るかって聞いたら・・・お父さんのエッチ!って言われるし・・・・」
「そ・・そうなんですか・・・でも・・・先輩の奥さんはそれだけ・・・出来ているから・・・」
「馬鹿!うちの奥さんだって・・・・ノイローゼ経験者だぜ・・・・娘・・何回殺されかけたか・・・今考えれば恐ろしいけどな」
「本当にいいんですか?お邪魔して・・・・」
「ああ・・・何なら・・・今から奥さんと赤ちゃん迎えに行くか?」

我が家に来た時・・・彼の奥さんは相当暗い顔をしていた。勿論事情を全て飲み込んだ妻は、

「じゃあ・・・気晴らしに行って来るから・・・新米パパと子育てを全くしなかったあなたで一日・・・赤ちゃんの世話よろしく!」

正直・・・二人して右往左往した。私は育児経験ゼロだし・・・彼も奥さんの大変さを十二分に味わったのだ。

「なあ・・可愛い寝顔だよな・・・お前。この子のためにさ・・・・死んだつもりで・・・もう一回頑張れよ・・・いくら転んでもいいじゃないか・・そのたび立ち上がる気力があれば・・大丈夫。しかし・・・・育児って大変だよな・・・・」
「そうですね・・・・」
「女は弱し・・・妻は強し・・・そして・・・母は最強!これが一番じゃないかな・・・・理想の家庭ってさ・・・」
「はい・・・・」
「疲れたらいつでも相談乗るからさ・・・ただ・・・ある程度ペナルティーは発生するけど・・仕方ないよな」
「ええ・・・・投げ出したわけですから・・・・」
「うん。・・・しばらく・・・・俺の下でリハビリしてさ・・・そうしたら・・・仲間のところ紹介する。そこで・・・一からやり直すんだ・・・・そして・・・・一人前になったら・・・いつでも戻ってきていいからな!」
「はい。」
「しかし・・・・悪魔と天使だな・・・赤ちゃんって・・・・」
「そうですね・・・・」

しばらくして・・・妻と戻ってきた彼の奥さんには、最初に会った頃のような笑顔が戻り・・・・すっかり母親の顔になっていた。彼らが帰った後・・妻に何て言ったのか訊ねた。

「あのね・・・・妊娠しているときは、お腹は重いし、邪魔だし・・・早く産まれて!って思ったでしょ。でも・・・産まれたらお願いだから・・お腹の中に戻ってって思うでしょって・・・・」
「それだけ?」
「うん。あとは・・・赤ちゃんは泣くのが商売なんだから・・・・泣くたびにオロオロしてたら駄目!神経質になると赤ちゃんはもっと・・神経質になって泣くの!ってね・・・」
「へえ~そういうもの・・・・・」
「うん。それから・・・貴女はまだいいわよ・・・うちなんか年間で30日くらいしか旦那が帰ってこなかったってね・・・・」
「ひ・・ひどい・・・だってしょうがないじゃん・・・・・俺・・・・・必死に働いてた・・・」
「解ってる・・・だから・・・貴女は幸せなのよって・・・・言ったら・・・穏やかになったわ・・・・」

きっと・・・・これから・・・貴女ももしかしたら・・・・そう言う兆候が現れるかもしれないけど・・・そうなったら・・・先輩ママに相談すれば・・・・きっと間違えた答えにはたどり着かないはずだと・・・・・
ただ・・・・で~んと構えていればいいと思う。決してオロオロ振り回されないように・・・・
愛する貴女のそのお子さんの為にも・・・・・


「父親を辞める日」第4章・・・・・へ続く・・・・



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「父親を辞める日・・・・」4章 「気負い過ぎた・・・子育て [「父親を辞める日・・・・」]

過度の期待は重圧になる・・・

「ねえ~弟か妹が欲しい!・・・出来れば両方・・・・」

娘に散々言われた言葉・・・・。妻は「お父さんに言いなさい。」と言い・・・私は「お母さんに言え!それか・・・毎晩、神様にお願いするんだな・・・」とぼかし続けていた。

「すぐ・・・そうやって・・・逃げるんだから~もう!」

娘は怒ってそっぽを向く。
私たち夫婦だって・・・望まなかったわけではない。望んでも・・・次に私たちの元へコウノトリが来なかっただけ・・・・
それに・・・今からもう10年ほどになるんだけど・・・右睾丸セミノーマという・・・ガンに侵された私。
片方(右側)の睾丸の摘出手術を受け、放射線治療を受けた訳だけど・・・その当時・・・私立の女子高にスポーツ推薦で入学していた娘は、部活の過酷さでノイローゼ気味だった。
そんな娘を妻に任せっきりにして手術・・・治療に臨むことは出来なかったので、仕事の多忙を理由に手術を先延ばしにしていた。

「もう・・・これ以上・・無理だな・・・手術しないと・・・命に係わることになるかもしれない・・・・」
「先生・・・あと・・・半月だけ・・・」

娘は義務教育の小学校・中学校と転校が・・・6回・・・ちょtっと異様な数の転校を、本人の都合ではなく・・親の・・それも私の都合(ただ・・手狭なための転居、保険会社の宿命による転居。転職による転居)にだけ・・・振り回された娘。
その娘が小学校・中学時代と仲の良かった友達を誘い・・・海に連れて行く約束を交わしていたのだ。
その約束さえ・・・果たせないようでは・・・私は生きている資格もなくなってしまう。
何しろ・・・ノイローゼになったのは・・・私のせいなのだから・・・

もしかして・・・最後になるかもしれない海への2泊3日の旅を終えた翌々日。世間ではお盆休みの真っ最中。
大雨の降る中・・・入院・即摘出手術・・・・3日で帰れるはずが・・・一週間の入院。局所麻酔のはずが全身麻酔に切り替えられ・・・今にも破裂しかけていた・・・睾丸の摘出。すぐ・・・病理検査に廻され・・・下された宣告は、悪性腫瘍。

何故・・私が解ったのかと言えば・・・・「先生!ガンなら教えてください。保険に入っているので・・・」と言ったのを覚えていた先生が・・・「診断書の所定用紙持っておいで・・・」と言ったからに過ぎないけど・・・・
抜糸を迎えたある日(それまで・・・自宅で療養)先生が妻も診察室に招き入れた。

「放射線治療受けたほうがいいね・・・ただ・・・・」

要は・・・もう子供はこれ以上望めない身体になりかねないこと。仮に妊娠しても奇形児が生まれる可能性が非常に強いことなど説明を受けた。
こんなことを娘に告げても・・・理解できないだろう。・・・・父親は・・・目に見えない障害者になるのだ。それも公的支援を受けられない・・・・障害者に・・・・

「まあ・・・それ以外は仕事も出来るし・・・定期的に検査すれば大丈夫。」

何せ・・・ホームドクターの出した答え・・・素直に従うしかない。
こうして・・・私は・・・障害者になる代わりに・・・命を存えるべく・・・日本の放射線治療医の第一人者を紹介され・・・治療を受けることになった。
通常は通院治療で済むのだが、私は敢えて入院を希望した。別に・・保険金が欲しくないと言ったら嘘になるけど、
そんなに休暇もとることは出来ないし・・・何より・・・・嘔吐を繰り返す・・無様な姿を娘に見せたくなかったのだ。
一日に浴びることの出来るほぼ最大値に近い被爆量の放射線治療は15回。入院日数26日間。
一日わずか数分の治療・・・・はっきり言って我侭な入院生活。
私は個室を希望した。何故なら・・・個室なら嘔吐を繰り返しても同室者に迷惑を掛けないで済む。
入院生活も不思議なもの・・・普段なら・・入院でもしてゆっくり休みたいなと思うこともあったけど、いざ・・入院ともなれば・・・「果たして・・社会復帰できるのだろうか?」という不安に駆られる。
医師からリハビリを兼ねて一日一回外出して・・・外を歩く訓練を言い渡される。恐る恐る外出して・・新宿の街中を徘徊するが・・・人混みに酔う自分がいる・・・その人々の歩くスピードに追いつけないもどかしさを感じる日々。
毎日のように外出し・・・昼食は外で食べるように・・・ステーキ・とんかつ・・うなぎ・・・娘の目からしてみれば・・・
「贅沢な我侭者!」にしか映らなかったらしい。娘は学校を辞めなければいけないかもと思い込んでいたのだ。
妻に言わせると・・・「少し・・苦労させたほうがいいの・・・」と言っていたけど・・・保険金も入るし、給料だって丸々支給される訳だから・・・「心配いらない!」と伝えろと強く言わなかった・・・私が悪い。

この病は私たち家族に大きな後遺症を残した。私と妻・・特に私は娘に過度の期待を掛けて・・・重圧を与えてしまった。
私はとある由緒ある家・・それも本家筋・・・本家筋で見てゆくと・・・本家を継ぐ者はうちの娘ただ一人になってしまう。
本家筋には何の因縁だか知らないけど・・・他に子供がいないのだ。
ただ・・・由緒ある家の名前・・・そして・・わずかな相続する財産。それに・・・会社。
確かに・・・それらを受け継げば娘は一生・・・食べるに困らないし・・・それなりの暮らしは保証される。
そこへ・・・もう一人の私が意見をしてくるのだ。
娘の立場からしてみれば・・・婿養子を取らなければならない・・・・その相手に職業選択の自由はなくなる。
そして・・・社員・家族・・関連する人間数百名の生活がのしかかる。そんな重い十字架を背負わせていいのだろうか?

そんなもう一人の自分を振り払い・・・更なる重圧を掛ける私。
当然のごとく・・・娘は反発する。嘗ての私がそうしたように・・・・妻もただ・・・長女だからと両親から過度の期待と重圧に反発して育ってきた。
二人して・・あんな親にはならないようにしようと誓ったはずなのに・・・
今・・・娘がその十字架を背負うことを期待している私の姿。

「こんな父親像・・・お前が一番嫌っていたはずじゃなかったのか?それじゃぁ~娘が可哀想だろ・・・」
「でも・・・社員とかの生活・・・・・」
「馬鹿野郎!お前なんか・・父親失格だ!」
「そうか・・・」

私の中のもう一人の私が責める。それを今、私は受け入れなければならない。自ら・・・父親失格の烙印を押すことによって・・・
間違った選択なのかもしれないけど・・・私が一族の恥さらし者として永遠に罵られようと・・・
例え・・その命を終え・・地獄の業火にこの身が焼かれようと・・・構わない。
愛する娘の幸せを願わない父親なんか・・この世にはいないだろう。
だから・・・私は自ら・・父親失格の烙印を押して・・・娘を自立させようとしている。
私のように悔やみぱなしの人生より、彼女には進むべき・・・道がそこにあるのだから・・・・

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「父親を辞める日・・・・」5章 「親の意見・・・」 [「父親を辞める日・・・・」]

「解っているんだけど・・・反発しちゃうんだよね。」

「いいか・・・引越ししたら・・・ミジンコ男には家の住所教えるな!」
「なんでさ・・・なんで・・・ミジンコ男なわけ!」
「あのなぁ~逃げ出してばかりいる男なんて男じゃないんだ・・・だから・・・ミジンコで沢山。意味解るか?」
「ミジンコ・・・・解らない」
「あのね・・・ミジンコは掬えない・・つまり・・・救えない・・・もうダメな男の意味。」
「なるほど・・・確かに・・・」
「だから・・・・家の場所覚えられると迷惑。もともとそんな・・ミジンコヤロウに使う時間はない!」
「しかし・・・」
「しかしもへったくれもない!今までだって・・・人間関係が上手くいかないとかで会社をコロコロ代わっている奴だろ・・・それに・・・・君の苦労する姿が見えるもの・・・・自分が逃げ出して・・自分を正当化することしか出来なくて・・・・自分の本当の親とも口を利けない。兄弟ともココ十数年口を利いてない奴なんか・・・救いようがあるわけないじゃないか・・・」

つい・・・口が過ぎたようだ。でも・・・嘗て・・娘と呼んでいた若い女性が誤った道を進むのを注意するのが、社会人としての先輩だろう。

「大体・・・君は確か自分の子供は私立の小学校・中学・・・と進ませたいと言っているわけだし・・・そんな奴の子供が進めるほど・・・お受験は甘くない!それに・・・莫大にかかる教育費はどうする気だ?」
「だって・・父援助してくれるでしょ?」
「そんな奴の子供に援助するくらいなら・・・全額福祉に寄付したほうがよっぽど・・世の中のためだ。」
「わたしの子供でも?」
「そうだな・・・まず・・・そのようにして欲しかったら・・・父が脱帽せざるを得ないような男探して来い!」

ますます・・ヒートアップしてゆく。私。元々・・もう父親を辞めているわけだから・・・どうでもいいことなのだが・・・

「解っているんだけどぉ~なんか親に言われると素直に聴けないと言うか・・反発したくなるのよね・・・」

反発したければすればよい。もう・・成人しているわけだから・・・自分の事は自分でしなければならないし・・・責任もとらねばならない。

「今度から・・・アレに意見求められたら・・・男としての意見か父としての意見か・・・社会人としての先輩としての意見かどれがいいと聞くことにしたわ・・・」

それを聞いた・・・妻曰く。 「わたしもそうする。」

親の意見と冷酒は後から効いて来る・・・

誰だって・・・自分が歩いてきた道に100点はつけられないと思う。私の場合で言えば多分・・・マイナスか良くても零点くらいなものだろう。
自分が完璧な道を歩いてこなかったから、「同じ過ちは犯して欲しくない」と思い、意見するのだが・・・・
どうも・・・先輩・後輩関係と違い、親子関係では素直に従えないものだ。勿論・・私や妻もその類だった。
そうでなければ・・・娘はこの世に存在していなかったのかもしれない。
口当たりのいい(耳に心地よい)酒(言葉)についつい飲みすぎ(惹かれてゆき)翌日(将来)後悔する。
そんな風に教えたいのだが、私に似て・・酒は強い。いや・・・ザルと言ったほうが正しいほどアルコールに強い嘗て娘と呼んでいた者は・・・「やってみなけりゃ解らないじゃん!」とでも返って来そうだ。

ある日・・私は妻に宣言した事がある。「娘の結婚式には列席しないし・・・祝福もしないからな!」
妻曰く・・・「ははん・・・・花束贈呈とか嫌なんでしょ・・・」

痛いところを突付く・・・妻。確かに私は泣いてしまうかもしれない・・・そんなみっともない姿なんか晒したくない。
ここは・・・話題を変えなければ・・・ならない。

「例えばさ・・・娘がミジンコ男と結婚すると言ったらどうする?俺は・・式には出ないどころか一切の縁を切るけど・・・」
「そうねぇ~今のは・・・最低最悪だからね・・・あたしもそうするわ・・・今のところだけど・・・」
「でもさ・・・北のおじじとおばばはどうかな?」
「そうねえ~大激怒かな・・・」
「俺等にか?」
「いや・・・娘にとその旦那・・・何故・・・親を説得出来ないって・・・多分・・・おじじおばばも出ない。」
「そうか・・・そうなると・・・親族席は空っぽだな・・・・」
「そういえば・・あたしの友達にも居たわ・・・そういうの・・・」
「へえ・・・それで・・・」
「うん・・・哀れだったわ・・・・」
「まあ・・それで本人たちがいいなら良いんじゃないの・・・・俺・・・どっちみち辞退するもの・・・それか・・・海外逃亡だな」
「あたしも一緒に逃亡するわ・・・」
「うん。」

お百度参りの謎・・・

「ねえ・・先輩。彼女のお父さんが会ってくれないんですけど・・どうすれば良いですかね?」

会社の後輩から相談を持ちかけられたことがある。

「そうだな・・・100回・・・毎日家の前で忠犬みたいに帰りを待ち伏せすればいいじゃん・・・多分。100回通えば誠意は伝わるはずだけどな・・・」
「何で・・・100回なんですかね・・・」
「それはだね・・・お百度参りって聴いたことあるだろ・・・」
「はあ・・・夜中に・・・人に見られないように・・・って奴ですか・・・」
「そう・・・あれは神様や仏様への誠意を見せているんだよ・・・だから・・・100回通えば誠意が通じるんじゃないかな」
「じゃあ・・・先輩の場合は?」
「難しいな・・・そうだな・・・3年は通ってもらおうかな・・・毎日尻尾振ってな・・・そうすれば・・・情が沸くかもしれない」
「そんなものですかね・・・」
「そんなものだろ・・・大体・・・1回行ったくらいで・・・門前払い喰らってクヨクヨしている・・・女々しい奴に大事な娘をやる父親がどこにいるって・・・それが・・・娘を持つ父親の最後の抵抗だな・・・でも・・・赤口や仏滅・先勝の日はやめろ」
「どうしてですか?」
「あのな・・・最悪なのは仏滅。それに赤口。この日は大人しくしておけ・・・先勝の日しか行けなかったら・・・午前中に尻尾を振っておけ・・・午後は凶だからな・・・」

私は知っている・・・仏滅の日に結婚したカップルの末路。確か・・・成田離婚した奴もいるのだ・・・仲間に・・・
折角・・・ハネムーン先のホテルに・・・「ニイタカヤマノボレ!」って電報打っておいたのだけど・・・・
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「父親を辞める日・・・・」 第6章 [「父親を辞める日・・・・」]

「娘への・・・妻からの通告」

「あなたがいいと思うなら勝手にしなさい。その代わり、今後、一切援助を求めないこと。」

「はぁ~そんな風に言ったの?」

「うん・・・親も説得できない・・なんだっけ・・・ミジンコ男だっけ?」

「なんか・・ミジンコも・・・勿体ないような・・・そうだ・・・ミトコンドリアで充分。」

「それにね娘の話を聞くと、ただ恋愛ごっこがしたいだけ。結婚式ごっこがしたいだけ。そうとしか思えない。」

「ふ~ん。まあ・・・俺はどのみち結婚式には出る気はないし・・・また、出る資格もないけどね。」

「なんで?出る資格はあるでしょ?」

「いや・・・そもそも祝福する気がないし・・・それに父親辞めた宣言したじゃない。」

「まだ・・娘には宣言してないでしょう・・・」

「うん・・最後の切り札。でさ・・・本人はなんと言っている?」

「とりあえず・・・話は延期するって・・・だから・・ごっこな訳よ」

「そうだな・・・本気なら駆け落ちでも何でもすればいい訳だもんな」

「そう・・あたしたちみたいに・・・」

「その節は苦労かけました・・・」

「いえいえ・・・なかなか善戦したからいいんじゃない・・・」

まあ・・・嘗て娘と呼んでいた若き女性である人間が幸せになって欲しい。

それは・・嘗て父と名乗っていた自分の願いでもある。

ただ・・・相手の男に「誠意」が感じられない。

真の優しさ・・・

「優しい人だよ」と嘗て娘と呼んでいた若き女性は言うのだが・・・本当の優しさとは何だろう?

「君の夢の実現のために応援する」と宣言したのなら、必死に働き・・その少ない給料をやりくりしながら

勉強をする人間の邪魔などしないのが当たり前のことだと思う。

先日も大事なTOEICの試験の前日の夜もそうだった・・・

「明日・・大事な試験なんだから・・・早く寝たほうがいい・・・」

普通・・・大事な試験の前に睡眠不足にするような長電話をする奴なんか・・・真の優しさではない。

仮に・・・相手から電話があったにせよ・・・

「明日・・大事な試験だろ・・・睡眠不足は大敵なんだから・・・」と諭すのが真の優しさ・・・・

「寝不足で・・・ボロボロだった・・・途中で・・お腹は痛くなるしね・・・」

「だから・・・言ったはずだけど・・・・大事な試験前なんだから・・・寝不足は敵だって!」

「解ってる・・解っているけど・・・」

「だったら・・・泣き言いうんじゃない。それに・・・今年はゴーストライターもしない。自力でやれ・・・」

「えっ?そ・・そんなぁ~」

「君の為にならないからな!」

うわべだけの優しさは・・・真の優しさではない。偽の優しさだと私は思う。

真のやさしさとは・・・自己犠牲をも伴うことを厭わず・・・相手に無償の安らぎを与えることではないだろうか・・・


「突き放すことも・・・愛情のひとつ」

過保護に育った子供に見られる現象。つまり・・・他人依存症。

私もそんなに完璧な人間ではない。ギャンブルもやらないと言えば嘘になるし、有害だと知っているのだが

タバコも吸う。アルコールも以前ほどではないにしろ・・・口にする。

イライラしているときは・・・・ちょっとしたことでも怒鳴り散らすし・・・欠点だらけの人間。

今までの人生を振り返っても・・・赤面することが多いくらい。駄目な男。

でも・・・ひとつだけ・・今、考えれば・・・人生の半分以上を自力で切り開いて歩んできた。

転職もしたけど・・・「それらは全て・・・自己のスキルアップのためと家族を養うため」のものだった。

「人間関係が上手くいかないから・・・」と逃げ出すことはしたことがない。

「夢は実現するもの」が私の信条のひとつ。

そういえば・・・妻と初めて乗った国際線は・・・エコノミークラスの尻尾・・つまり格安な席。

「いつか・・・ファーストクラスに乗せるからね!」 そう宣言した私に妻は微笑みながら・・コクン!と頷いた。

私は・・「夢」を口にすると・・・それを実現させようとする力が沸く。

そんな私の遺伝子を受け継いでいるのなら、嘗て娘と呼んでいた若き女性が、抱えている「大きな夢」を

叶えるのにどうすればいいのか解っているだろう。

「今までさ・・・うちら・・過保護だったよね?」

「うん・・・小学校のときの夏休みの宿題・・・今でも思い出すよ・・」

ドリルとかは筆跡でバレるので・・・予めノートに答えを書いた(適当に間違えて・・・)ものを本人に写させ・・・

その間に・・図画や工作が私が担当。読書感想文は妻が下書きを書いたくらい・・・・

今でも・・依存症は相変わらずみたいだ。

「なあ・・・ここいらで突き放すのも・・・愛情だよな?」

「そうねえ~そうしようか・・・そうでもしないと・・・子育てとか押し付けられそうだもの・・・」

「はぁ?」

「うん・・・養育料払うからって・・言ってたし」

「俺には・・幼稚園から私立に行かせるから・・・援助よろしくって言ってたぞ・・・・」

そろそろ・・・やっぱり・・・突き放す時期が来たようである。


「父親を辞める日・・・・」 第7章 へ・・・続く。




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「父親を辞める日・・・・」 第7章 [「父親を辞める日・・・・」]

日教組の性教育に驚愕させられた・・・

これは・・・とある知人に聞いた話。彼は私より若いが私よりしっかりした人間。

「あのねぇ~オストドさん。知っているかな?」

「何を?」

「ほら・・今・・・学校とかで性教育しているじゃない・・・」

「ああ・・そういえば・・・俺らのときは・・・はぐらされた様な・・・確かオシベがどうの・・・メシベがどうのとか・・・」

「うん。だけどね・・・今の日教組・・まあ・・学校の先生が教育しているわけでしょ・・・」

「確かに・・・やっぱり・・自分の子供には言いづらい面もありますよね・・・子供が何故出来るかって・・・」

「それがさ・・・学校で教えるのはいいことなんだけど・・・避妊の仕方だけらしいよ・・・」

「じゃあ・・モラルとか・・・そういうのは・・・」

「一切・・無しみたい。でも・・・モラルなんて良く言えますよね。・・・オストドさんは相当・・・やってきたでしょ」

「ンッグ!・・・・・あお・・あおういう・・Oさんはどうなの?」

「私ですか?・・・妻・・以外ないと言えば・・・嘘・・・」

「でしょ・・でも・・・そんな教え方なら・・・」

「そこなんです。好奇心の塊の子供たちに避妊の仕方だけ教えればいいって言う問題じゃない。」

「そうだね。」

「そんな教え方なら、避妊さえすればいいんでしょう。と・・火に油を注ぐようなもの・・・」

「じゃあ・・・親が教えるしかないじゃない。」

どの様に教えればいいのか?私には解らない。ただ・・・自分が辿ってきた道と同じ道を異性である娘にだけは

辿って欲しくないのが・・・親の本音だろう。

後味の悪い思い・・・

過去を振り返ると・・・娘への体罰は一度きり。

「こいつ・・・ぶっ殺して・・・自分も死ねばいい!」と思ったこともある。

最近では・・・「門限ルール」を定めた。

一度は警告。二度目は・・・夜中に帰ってきた娘。鍵を開けて多分・・恐れ慄いたに違いない。

玄関前に仁王立ちになっていた私。私は「ごめんなさい・」の一言があれば許す気でいたのだが・・・

「とにかく・・家に入りなさい。」

「いいです。」

家から遠ざかろうとする娘の髪の毛をひっぱり・・・無理やり家の前に・・・

「痛いじゃない。なんで・・髪の毛をひっぱるのよ・・・」

娘の痛みは一瞬に過ぎない。しかし、私の心のはまた大きな傷がひとつ増えたのを、彼女は理解できない。

娘の叫び声に妻が飛んでくる。私が心に傷を負いながらの大きな賭け。最近、妻と娘は口をきいていない。

妻は娘の叫び声に、母親の心を取り戻したらしい。

「ねえ・・・あなた・・止めて・・・後は・・私が・・・」

私は娘であったはずの彼女を妻と言う母親の手に託し・・・消えることにした。

因果は巡り来るもの・・・

昨日・・・私は一日中・・書斎や物置部屋の片付けをしていた。

出てくるのは・・・嘗ての娘の七五三の写真や成人式の写真など。

それを見ながら・・妻が届けてくれた紅茶を飲む。

「落ち込んでいるときには・・一杯の紅茶がいいらしいから・・・」

妻はそう言いながら・・・笑った。

「落ち込んでいる様に見える?」

「十二分にね・・・さっきから・・・タバコを吸うたびに・・・煙とため息を吐いているもの・・・」

「そうかな?」

「そう・・・おかげで・・・この部屋・・・タバコとため息が充満しているでしょ・・・」

そう言いながら・・・窓を開ける妻。

「ほら・・・片付けしましょう・・・ね?あなた・・」

恥ずかしい写真も一杯出てくる。

「どこのどいつだ・・こいつ・・・カッコつけて・・・咥えタバコで・・・」

「それは・・あなたでしょ?」

「お・・俺・・・・あっ!確かに・・・これ・・・捨てない?」

「駄目。人生最後の日を迎えるまで・・取っておきましょう。」

「でも・・・残しておきたくないな・・・死後まで笑われそうな・・・・」

「私も嫌。だから・・・最後を迎える瞬間に思い出を全部燃やせばいいじゃない・・・」

「そうするか」

そう・・・言いながら・・・また大事に・・・その写真を箱に詰め出す・・・私がそこにいたのだ。

「しかし・・・親不孝だったわね・・・お互い・・・」

「まあね。今でもそうかもしれないけど・・・・多少は返しているんじゃない?」

「ねえ・・覚えてる?今の娘の年齢のときには・・・お腹のなかに・・・娘がいたでしょ・・私・・・」

「うん・・・そうだったね。」

「因果は巡り来るものなのよね・・・その何倍も・・・」

「そうなると・・・娘にも来るのか・・・倍にして・・・」

今・・思えば・・・多分・・神様にツケを払っているのだろう。その因果に対して・・・

何倍にも膨れ上がった・・・利息をつけて・・・・


「父親を辞める日・・・・」 第8章へ・・・続く


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「父親を辞める日・・・・」 第8章 意地の張り合い・・・ [「父親を辞める日・・・・」]

「意地の張り合い・・・」

「父親を辞める」・・・・逃げていると思われても仕方ありません。

現に妻は・・・「あなたは良いわよね~そのくせあたしには母親辞めるな!って言うんだから」

毎日のように責められる私。

大体・・・男って身勝手な生き物かもしれません。

「本当に・・・俺の子供なのかな?」そう思ったことのない男は・・・多分いないはず。

何せ・・・生まれてくるまでは・・・ただの種提供者にしか過ぎません。

男って哀れな生き物です。周りから・・・「あんまり似てないね」と言われると疑うらしいのです。

その点、女性はお腹を痛めて・・産んだわが子には代わりはありません。

まあ・・・妊娠期間の女性の苦しみは男には永遠に味わうことのない苦しみだそうですが。

例えば・・・「認知」騒動もよく・・耳にする言葉です。

認知にも2つの種類があって・・・強制認知と任意認知に分かれます。

強制認知の場合・・・泥沼状態。所謂DNA鑑定だとかなんとか・・・専門家ではないのでよく解りません。

科学的とか状況の判断により・・・裁判所の決定により認知させられるのが、強制認知。

任意認知とは・・・「この子の父親は私に間違いありません」と書類を役所に届けることにより・・・

やっと・・子供の戸籍に父親の名前が明記されます。

あとは・・・通常の出生届けって奴です。

私の場合・・・子供が生まれる時には・・少々荒っぽいいや・・・はっきり言って汚れ役を演じていました。

その一例をあげますと・・・「ねえ~添乗員さん。どっか女性(男性)買えるところ紹介してくれないかな?」

厳密に言えば・・・立派な違法行為。売春(買春)斡旋に当たります。ポン引きみたいなもの。

勿論・・・タダで情報だけ与えるわけではありませんので、チップとかリベートと言われる。

一種の「口止め料」が男性客(中には女性も・・・)や売春組織からも貰うわけです。

そうでなければ・・・1日あたりの日当では家族を養えませんし・・・会社も利潤を上げることが出来ません。

昔・・・イミテーションの買える国だった・・・とある国には堂々とバスを横付けさせ・・・売り上げの10%近くが

旅行会社の懐に入ったことも・・・(今は知りませんが・・・)

「犯罪者の子供にだけはしたくない」 でも「お金」を稼がねば・・・子供を育てることが出来ません。

何しろ・・・家出同然、勘当(決して‥感動ではありません)同然で・・・ただ「夢」だけをカバンに詰め込んで

家を出た私。「とにかく・・・子供や妻に不自由な生活はさせたくない。」 

奇麗事に聞こえるかもしれませんが・・・「お金はお金じゃん。別に色が違うわけじゃないし・・・」

添乗員を辞め・・・一応・・堂々とお天道様の下を歩けるようになって・・やっと入籍。そして・・・任意認知と言う

手法で・・・父親になったのです。

ただ・・・ここで一点申し上げておきますと・・・全部の添乗員がそうではないと言うこと。

1000人いれば・・・汚れ役の添乗員は・・・一人いるかいないかと言う点を申し添えておきます。

今・・・私と嘗て娘と呼んでいた女性は・・ほとんど会話をしていません。

お互いに「和解」のチャンスを窺っているのですが・・・多分・・・和解の機会はないでしょう。

こっちがその気になっても・・・向こうがその気になれない。そんなすれ違いの日々が続いているのです。

先日・・・娘に対して・・・ルール違反で体罰(髪の毛を引っ張って・・・家に連れ戻した)をしました。

門限を破った事に腹を立てていたのも事実。「早く帰って来なさい」と言うつもりで掛けた携帯電話を無言で

切られたことにも腹を立てていたのも事実。そして・・・娘と妻の冷戦(交渉の余地もないほど)に腹を立てて

いたのも事実。隠しようがない事実なのです。

「こうなれば・・・俺が嫌われ者になれば済む。きっと・・・娘の悲鳴を聞いたら・・・妻が飛び出してくる」

多分・・浅はかな考えだったと思います。でも・・・妻と娘を仲直りさせるには・・・荒療治しかない。

勿論・・・私も妻も親から体罰を受け育ったので、「こんな親にはなるまい」と思って育ててきたつもり。

「自分達が通ってきた悔やんでも悔やみきれない道は歩ませたくない」 

どこの親だってそう思わない親はいないと思います。

特に私は・・・身勝手でどうしようもない人間。自分には甘く他人には超厳しいと言われる。

妻に言わせると・・・「どっちが本当の姿なのかしら?」と言われるくらい・・・家ではグウタラ亭主。

そんな人間(一応・・・姿形はそうです。悪魔の申し子とか言うのもいますけど・・)は、子供の目には

「だらしない!最低の親」としか映らないみたいです。ですから・・・「父親失格」の烙印を押されたのでしょう。

私も妻も基本的にh体罰は反対の立場です。でも・・・何度も同じ過ちを繰り返す人間はケダモノと同じ。

親である以上・・・ケダモノ・・・つまり世間で言う「犬畜生以下」に陥りつつある者を、更正させるには

それなりの・・・躾という調教が必要だと思うのです。

「悪いことをしたら・・叱るだけではなく・・・何故それがいけないことなのか?」きちんと説明できれば・・・

私は父親を辞めなくても済んだと思うのですが、如何せん「短気ゆえの損気な性格。」

自分が情けなくなることもしばしば・・・起こります。

「全部・・投げ出して・・死んでしまったら楽になるよな!」そんな風に囁く悪魔の性格を持つ自分もいます。

睡眠薬を服用するようになったのも・・・きっと精神的な疲れのせいなんでしょう。

何百人と言う人間の生活と言う荷物を背負わなければならない立場の私。

そして・・・ひとりの子供の父親としての私。夫として妻を守らなければならない私。

そんな荷物のひとつでも投げ出せれば・・どんなに楽で楽しい人生なのでしょう。

でも・・・これも神様が私に与えた大事な試練です。この試練に見事打ち勝たなければなりません。

そろそろ・・・巣立つ日が近づいてきているようです。

私の最後の役目は傷つき疲れ果てた翼で帰れる場所を用意だけしてやれることだけでしょうか・・・・

妻の両親や私の父親がそうしてくれたように・・・・・


「父親を辞める日・・・・」 第9章へ・・・続く



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「父親を辞める日・・・・」 第8章 「勝手に出ていけとは言いつつも・・・・」 [「父親を辞める日・・・・」]

「勝手に出ていけとは言いつつも・・・・」

そろそろ・・・嘗て娘と呼んでいた若い女性も“巣立ち”の秒読み態勢らしい。
何せ・・・“母娘の冷戦”状態だったので、私の思考回路は自宅へ戻るたびにその“働き”を止める。

「男は便利な生き物よねえ~仕事に逃げられるんだから・・・・」 

確かにそうだ。部下にある程度任せてしまえばいい“仕事”まで自分でわざと抱え込んでしまう。
おかげで・・・トリプル進行どころか・・・5本も同時進行の仕事を抱え込んでいる。
そして・・・ボロボロ状態になり、家へ戻る。でも、オーバーワーク気味なのか、寝付けない日々が続き、
“かかりつけの医者”から、“睡眠薬”を1か月分ずつ処方してもらっている。
その“お薬”を飲むことにより私は深い睡眠を得る事が出来、なんとか生きているのだ。
「父親を辞めた」宣言をしたくせに、「安月給の奴に家族を養えるわけがないだろ」とか「あの年齢のときには、俺は部長職だった・・・」とか「生活設計が甘すぎる」とか・・・散々、頭の中を浮かんでは消え、消えては浮かぶ。

「まあ~勝手にすればいいさ。法律では自由が認められているわけだし・・・・」
「いいの?そんなこと言っても・・・」
「うん。その代わり、そんな奴の身元保証人も辞めさせてもらうし、金銭的・精神的なサポートもしない。」
「そうよね~私でもそうするもの・・・」

そう・・ほざいてはみたものの・・・もう一人の“自分”の内なる声が聞こえてくる。

「お前、自他共に認める”超親馬鹿”だったはずだが・・・」

着々と巣立ちのために準備をする“ヒナ”。社会の厳しさ辛さ。そして・・逆風に立ち向かう力を教え忘れている。
そこへ・・・最近、仕事の忙しくなった妻も”仕事が忙しい”を口実にするようになった。

「会ってくれるって言ったじゃん!」
「今・・忙しいから・・・」
「嘘つき!じゃあ・・結果報告だけにするわ!」
「結果報告もいらない!勝手にしなさい・・・」

こんなやりとりで“冷戦状態”に突入した母娘。お互い・・・話をしたいとの思いは一緒のはず・・・・

「なあ~会ってやれば?」
「ずるい!あんたはどうするのよ・・・」
「父親辞めさせていただきましたから・・・義務はないでしょ・・・権利もね!」
「私も忙しいんだけど・・それにあいつ(娘)の態度には腹が立つのよねえ~」
「うん。それは解るけどねえ~でもさ・・・“クモの糸”は一本くらい垂らしておいてやらないと、何をしでかすか解らないもんな・・・・追い込みすぎはいけないような気が・・・・」
「そうかしら?」
「うん。ミトコンドリアDNAで言えば・・・代々進化増殖する傾向があるもの・・・」
「何それ?」
「ああ~アンタのお母さんも凄いけどね。」
「そうねえ~崖の上に立たせて包丁を突き付けるような感じだったもの・・・・」
「うん。俺もなかなか慣れないんだよね。お父さんとはウマが合うんだけど・・・・」
「まあ~同じミトコンドリアDNAを持つのを嫁さんにしてしまった男連合だもんね」
「そんなところだけど・・・そのミトコンドリアDNA進化しているような・・・気がするから・・心配なんだよな」
「確かにそう言われれば・・・アレ(娘)を追い詰めると何をやらかすか解らないような気が・・・・」
「でしょ?まあ・・アンタに全権委任するからさ・・・会ってやんなよ!」
「アンタは?」
「仕事が・・・ド・ピークでねえ~」

やはり・・・私は超親馬鹿どころか・・・世界一いや宇宙一なのかもしれない。“親馬鹿”みたいだ。
「勝手にすればいい」とほざいておきながら・・・陰でその行く末を案じている。
親離れできないのではなく親離れさせたくない・・・それが本音なのかもしれない。

「父親を辞める日・・・・」 第9章へ・・・続く(多分・・・)
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