マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ① [2011 台北の旅]
― まえがきに代えて -
「ぎゃぁぁぁぁぁ~マイルが・・」
「どうしたの?」
「忘れてた・・・マイル失効しちゃうよぉぉぉぉぉ~」
「どうにかしなさい!」
「へっ?」
「どこかへ行けばいいんでしょう?」
「まあね・・・」
今回の旅は予定外の旅。まだ先だったよなと思っていたのだが、どうやらオストド。
1年ほど体内時計がずれていた様だ。
「さてと・・・どのくらい失効するんだろう?」
ANAマイレージで調べて見ると、1年で3万マイルを超えている。
「う~ん!休みか・・・問題は」
大手を振って休める日は空席がない。あっても、メストド1号は中国本土は嫌だと言う。
「大体・・・没有没有でしょ?あたし・・好きか嫌いかと言われれば・・・嫌い!」
「だよねえ~」
「香港は?」
「没有!」
「どこなら行けるの?」
「台北なら・・・おっ!松山で取れるぞ!」
桃園だったら考えていたかもしれない。でも、松山機場なら好都合だ。
「へえ~松山取れるの?」
「うん!ビジネスクラスで3万5千マイル消化出来る・・・」
「久しぶりの台湾かぁ~いいわね!」
「懐かしいでしょ?」
「まあね・・どこ行こうかな?」
「どうか・・お手柔らかに・・・通訳さん!」
「えっ!あたしが・・・」
「俺!覚える気なかったし・・・あんたは喋れたじゃん!」
こういう訳で急遽、昨年もあと2週間ほどで終わろうとしていた時に、旅立ちが決定したのだ。
「ホテルはどうするかな・・・」
「ヒルトンは?」
「没有!」
「どうしようか?」
「昌華(フォーモッサ)は?俺・・泊まってきたけどいいホテルだよ・・」
「高いんでしょう?」
「まあね・・特級クラスだから・・・・」
「安いところでいいわよ・・・どうせ寝るだけだし・・・」
「安いところねえ~最低でも星4つは欲しい・・・」
とりあえず、ホテルと航空券さえあれば、オストド&メストド1号の旅は勝手に始まる。
まあ、休みをどうもぎ取るのか?スケジュールを調整すれば済む話だ。
「ええと・・一日フライングで仕事を始めればなんとかなるな・・・」
そのため、とっくに亡くなっている人をもう一度死んだことにして、お土産はネットで手配。
これで、アリバイは完璧。会社の携帯は事務所にぶん投げ、自分の携帯の電源をぶち切っておく。
そうすれば、休みはもぎ取れるのだ。まあ、職人’sも長期休暇の際に冠婚葬祭を使うわけだから、
文句を言わない代わりに、こちらもその手を使わせてもらうことにしたのだ。
― 第一章 旅立ち ―
07,JAN AM4:30
目覚まし時計に叩き起こされる。寝たのは日付が変わってからだった。
自分で用意するモノを、某軽井沢のショッピングモールで、51%OFFで手に入れた、新しい相棒Ⅱに
放り込む。メストド1号にはそのお揃いのデザインで小ぶりなモノをプレゼントさせられた。
させられたと言うのは、メストド2号の巧みなセールストークに、店員さえもニガ笑いをした
某ブランドのバック。オストドの2か月分の小遣いがぶっ飛んだことになる。
「お嬢のことだから、たぶん・持っていく気だな・・・」
「たぶんね・・・」
「絶対に貸さない!」
「そうかしら・・・甘いというか・・極甘の親馬鹿のくせに・・・」
「んっぐ・・・」
言い返せないトドが1頭そこにいて、腹を抱えて笑っているトドが1頭そこにいる。
「用意できたの?」
「こっちはねえ~」
着替えの荷造りはメストド1号の担当だ。別にオストドだったら、“着たきり雀”でも一向に構わない。
したがって、この日はコレ!この日はそうねえ~と洋服の山が築かれる。
「まあ・・キャリー2個ってところかな?」
「何言っているのよ・・1個で行くわよ!ポーターさんが大変でしょ?」
ここで言うポーターさんとは、オストドのことである。
メストド1号に言わせると、最近は荷物ぐらいしか持てないんだからと言う。
まあ、そう言うことにしておくのが、無難。君子は危うきに近寄らないものだと、最近、学んだのだ。
寒空の中をベランダに一服しに起きてゆく。起きるついでにメストド1号を小突いてみたら、珍しく
そう・・珍しく、一発で起きた!と思ったら、また夢の中へ逆戻りである。
「もうちょっとだけ寝かせておくか・・・」
玄関に新聞を取りに行き、お茶を入れ、目は活字を彷徨いながらも、時折、テレビに映る時報をみる。
「さてと・・そろそろかな・・・」
メストド1号を叩き起こす。まあ、蓑虫みたいに布団に包まっているのを剥げば起きる。
「何時に家を出るの?」
「ええと・・5時50分発の電車だから・・・」
歩いてもいける気がするもだが、一駅だけ電車に乗り、駅前から羽田空港行のリムジンバスに乗る。
そのバスの出発時間は、6時10分発。その30分後のバスでもよさそうだが、混む恐れがある。
したがって、早目、早目に行動するクセは抜けそうにない。
「ほら・・行くわよ!」
「へっ?」
どう考えても少々早すぎる気がしたのだが、メストド1号がすでにスタンバイを終えている。
お互い、忘れ物を1個ずつ思い出して、家を出た。最近、物忘れが少し現れ始めたオストドは、
メストド1号に施錠の確認を求めたのは言うまでもない。
「ねえ・・ちゃんと・・バス予約してある?」
「もちろん、乗れないといやだからねえ~」
「乗れないことってあるのかな?」
「そうねえ~あるんじゃない?稀には・・・」
「どこで乗り換えるの?」
「今は国際線ターミナルまで行っているらしいよ・・・」
新しいターミナルビル。図面を眺めたことはある。エンジニアとしての血は騒いだのだけど、
提示された金額と職人’sの稼働状況にやむ得ず断念した場所だ。やはり、気にならないといえば、
それは嘘になる。
「やりたかったよなぁ~」
「そうなの?」
「まあねえ~成田の一タミはうちの施工だよ!羽田もやりたかったんだけど・・・」
リムジンバスが乗り場へ入ってくる。ドライバー氏に、「インター」と告げ、荷物を預ける。
料金一人当たり、1200円を二人分支払い、バスに乗り込む。
「ちゃんとシートベルトするのよ!」
「メンドーなんだけど・・・」
「道交法でしょ?」
渡されたベルトの長さが足りない。
「うっ!」
「どうしたの?」
「また太ったのかな・・・長さが足りない!」
「変ねえ~あっ!こっちがアンタのだった・・・」
「勘弁してくれる?冷や汗でてくるところだった・・・」
「まあ、少し御痩せになったほうがいいわね・・長生きしたければ・・・」
「考えておく?」
「おくんじゃなくて・・・ナイシトールでも飲んでみる?」
「痩せるかな?無駄な気もしないではないけど・・・」
「やってみないと解らないでしょ?」
「だねえ~」
最近、いや最初からかもしれないけどすっかり威厳の無くなったオストドと、吠えまくるメストド1号を
乗せたリムジンバスは一路、羽田空港を目指してゆく。
第二ターミナル・第一ターミナルを過ぎ、走ったことがあるトンネルを抜け、まばゆいばかりの国際線
ターミナルにバスは吸い込まれてゆく。
「と・・トイレ!」
ドライバー氏から荷物を受け取ると一目散にトイレに駆け込むオストド。
バスに乗る前から、トイレに行きたかったのだが、必死に我慢をしていたのだ。
トイレを済ませ、人心地がつくと目に入ってくるのは、スモーキングルーム。
「えへへ・・・」
「判ったわよ・・・おしゃぶりタイムね!」
この先、ラウンジまで禁煙しなければならない。そうなれば、吸い貯めが必要になる。
JALの機長とコーパイが入ってきた。JALの機長は目があったので、軽く会釈してくる。
「そういえば・・昔、なにかで読んだけど・・・」
「えっ?」
「機長がさぁ~タバコ吸いたくなって窓を開けた話・・・」
「ああ・・閉まらなくなったってやつ?」
「うん。あれで疑問が解けたんだよな・・・」
「何が?」
「ホラ!お偉いさんが乗った飛行機には国旗が飾られているでしょ?」
「ええ・・・」
「どうやって・・出したり、外したりするのか解らなかったんだけど・・・ね!」
たぶん、オストドがエアラインの機長だったら、こう言うのかもしれない。
「タバコを吸わないやつとは一緒に仕事出来ねえよ!」とほざいて、コックピットから叩きだす。
現に今でも、「7はあ?嫌煙権だぁ~?そんなもん糞くらえ!だ!」と・・・
従って、オストドの現場には喫煙者しか入場が許されない。やはり、暴君なのかもしれない。
「もうチェックインできるのかな?」
「出来る・・はず。」
チェックインカウンターに向かい。8820円と35000マイル吐き出して、受け取ったEチケットを出す。
「カードいる?」
「いいえ、結構4でございます。既にご登録いただいてますから・・・」
預け入れた手荷物には、ファーストクラスのタッグが付けられ、予約済みの搭乗券を受け取る。
「お気をつけていってらっしゃいませ!」
「ありがとう!」
「さてと・・どうする?出国する?」
「それより折角だからちょっと見学しない?」
「まあねえ~いいけど・・・」
ここにメストド1号の陰謀が隠されていたのだ。運動不足のオストド。
どうやら、1日1万歩歩かせる算段だったらしい。
階上にあがり、空港を見学する。ひととおり、見学を終え、ATMを探す。
「うちのは・・どこかな?」
「オタクの銀行ねえ~あるのかな?」
「あるでしょう・・ふつう・・・」
「あっ!あった・・・でもちゃっちい~」
「なんでかな?」
「推測すると・・・・」
「しなくて結構!言いたいこと解っているわよ!」
ATMで今回の旅の軍資金を降ろすメストド1号。お金ならオストドの財布にもそれなりの金額は
とりあえず、入れてあるのだけど、それはそれ、これはこれ。
「幾らあればいいかしら?」
「3日だから・・3万もあればいいんじゃない?ホテルはカード決済するし・・・」
どうやら、危ないと考えたメストド1号は、それなりの金額を引き出した様だ。
「さてと・・・出国税買わなきゃいけないし、行こうか?」
「ちゃんと聞いた?」
「うん・・ラ○コムとええと・・ナントカ・・ウエムラ・・・」
「やれやれ・・」
「大体さ・・毎回変えるなっての・・」
「ちゃんと知ってますよぉ~クリスマスプレゼントのほかに、バックも買ってあげたの・・・」
「バレ・・・」
「当たり前でしょ!あたしは何を買ってもらおうかな・・・」
「ま・・まだ買わせるの?そのバックだけでも・・・・」
「相当、積んでいるはずですけど?」
「お・・お好きなモン買えば?ただし・・自腹で・・・」
出国税の化粧品を買い、ついでに台北のガイドブックを買い終えると、オストドの足は必然と
ラウンジへ向かって歩き出す。もちろん言うまでもない。
朝ごはんを食べるのと、離陸前の神聖?な儀式という名を借りた、ニコチン補充のためである。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ②へ続く・・・
「ぎゃぁぁぁぁぁ~マイルが・・」
「どうしたの?」
「忘れてた・・・マイル失効しちゃうよぉぉぉぉぉ~」
「どうにかしなさい!」
「へっ?」
「どこかへ行けばいいんでしょう?」
「まあね・・・」
今回の旅は予定外の旅。まだ先だったよなと思っていたのだが、どうやらオストド。
1年ほど体内時計がずれていた様だ。
「さてと・・・どのくらい失効するんだろう?」
ANAマイレージで調べて見ると、1年で3万マイルを超えている。
「う~ん!休みか・・・問題は」
大手を振って休める日は空席がない。あっても、メストド1号は中国本土は嫌だと言う。
「大体・・・没有没有でしょ?あたし・・好きか嫌いかと言われれば・・・嫌い!」
「だよねえ~」
「香港は?」
「没有!」
「どこなら行けるの?」
「台北なら・・・おっ!松山で取れるぞ!」
桃園だったら考えていたかもしれない。でも、松山機場なら好都合だ。
「へえ~松山取れるの?」
「うん!ビジネスクラスで3万5千マイル消化出来る・・・」
「久しぶりの台湾かぁ~いいわね!」
「懐かしいでしょ?」
「まあね・・どこ行こうかな?」
「どうか・・お手柔らかに・・・通訳さん!」
「えっ!あたしが・・・」
「俺!覚える気なかったし・・・あんたは喋れたじゃん!」
こういう訳で急遽、昨年もあと2週間ほどで終わろうとしていた時に、旅立ちが決定したのだ。
「ホテルはどうするかな・・・」
「ヒルトンは?」
「没有!」
「どうしようか?」
「昌華(フォーモッサ)は?俺・・泊まってきたけどいいホテルだよ・・」
「高いんでしょう?」
「まあね・・特級クラスだから・・・・」
「安いところでいいわよ・・・どうせ寝るだけだし・・・」
「安いところねえ~最低でも星4つは欲しい・・・」
とりあえず、ホテルと航空券さえあれば、オストド&メストド1号の旅は勝手に始まる。
まあ、休みをどうもぎ取るのか?スケジュールを調整すれば済む話だ。
「ええと・・一日フライングで仕事を始めればなんとかなるな・・・」
そのため、とっくに亡くなっている人をもう一度死んだことにして、お土産はネットで手配。
これで、アリバイは完璧。会社の携帯は事務所にぶん投げ、自分の携帯の電源をぶち切っておく。
そうすれば、休みはもぎ取れるのだ。まあ、職人’sも長期休暇の際に冠婚葬祭を使うわけだから、
文句を言わない代わりに、こちらもその手を使わせてもらうことにしたのだ。
― 第一章 旅立ち ―
07,JAN AM4:30
目覚まし時計に叩き起こされる。寝たのは日付が変わってからだった。
自分で用意するモノを、某軽井沢のショッピングモールで、51%OFFで手に入れた、新しい相棒Ⅱに
放り込む。メストド1号にはそのお揃いのデザインで小ぶりなモノをプレゼントさせられた。
させられたと言うのは、メストド2号の巧みなセールストークに、店員さえもニガ笑いをした
某ブランドのバック。オストドの2か月分の小遣いがぶっ飛んだことになる。
「お嬢のことだから、たぶん・持っていく気だな・・・」
「たぶんね・・・」
「絶対に貸さない!」
「そうかしら・・・甘いというか・・極甘の親馬鹿のくせに・・・」
「んっぐ・・・」
言い返せないトドが1頭そこにいて、腹を抱えて笑っているトドが1頭そこにいる。
「用意できたの?」
「こっちはねえ~」
着替えの荷造りはメストド1号の担当だ。別にオストドだったら、“着たきり雀”でも一向に構わない。
したがって、この日はコレ!この日はそうねえ~と洋服の山が築かれる。
「まあ・・キャリー2個ってところかな?」
「何言っているのよ・・1個で行くわよ!ポーターさんが大変でしょ?」
ここで言うポーターさんとは、オストドのことである。
メストド1号に言わせると、最近は荷物ぐらいしか持てないんだからと言う。
まあ、そう言うことにしておくのが、無難。君子は危うきに近寄らないものだと、最近、学んだのだ。
寒空の中をベランダに一服しに起きてゆく。起きるついでにメストド1号を小突いてみたら、珍しく
そう・・珍しく、一発で起きた!と思ったら、また夢の中へ逆戻りである。
「もうちょっとだけ寝かせておくか・・・」
玄関に新聞を取りに行き、お茶を入れ、目は活字を彷徨いながらも、時折、テレビに映る時報をみる。
「さてと・・そろそろかな・・・」
メストド1号を叩き起こす。まあ、蓑虫みたいに布団に包まっているのを剥げば起きる。
「何時に家を出るの?」
「ええと・・5時50分発の電車だから・・・」
歩いてもいける気がするもだが、一駅だけ電車に乗り、駅前から羽田空港行のリムジンバスに乗る。
そのバスの出発時間は、6時10分発。その30分後のバスでもよさそうだが、混む恐れがある。
したがって、早目、早目に行動するクセは抜けそうにない。
「ほら・・行くわよ!」
「へっ?」
どう考えても少々早すぎる気がしたのだが、メストド1号がすでにスタンバイを終えている。
お互い、忘れ物を1個ずつ思い出して、家を出た。最近、物忘れが少し現れ始めたオストドは、
メストド1号に施錠の確認を求めたのは言うまでもない。
「ねえ・・ちゃんと・・バス予約してある?」
「もちろん、乗れないといやだからねえ~」
「乗れないことってあるのかな?」
「そうねえ~あるんじゃない?稀には・・・」
「どこで乗り換えるの?」
「今は国際線ターミナルまで行っているらしいよ・・・」
新しいターミナルビル。図面を眺めたことはある。エンジニアとしての血は騒いだのだけど、
提示された金額と職人’sの稼働状況にやむ得ず断念した場所だ。やはり、気にならないといえば、
それは嘘になる。
「やりたかったよなぁ~」
「そうなの?」
「まあねえ~成田の一タミはうちの施工だよ!羽田もやりたかったんだけど・・・」
リムジンバスが乗り場へ入ってくる。ドライバー氏に、「インター」と告げ、荷物を預ける。
料金一人当たり、1200円を二人分支払い、バスに乗り込む。
「ちゃんとシートベルトするのよ!」
「メンドーなんだけど・・・」
「道交法でしょ?」
渡されたベルトの長さが足りない。
「うっ!」
「どうしたの?」
「また太ったのかな・・・長さが足りない!」
「変ねえ~あっ!こっちがアンタのだった・・・」
「勘弁してくれる?冷や汗でてくるところだった・・・」
「まあ、少し御痩せになったほうがいいわね・・長生きしたければ・・・」
「考えておく?」
「おくんじゃなくて・・・ナイシトールでも飲んでみる?」
「痩せるかな?無駄な気もしないではないけど・・・」
「やってみないと解らないでしょ?」
「だねえ~」
最近、いや最初からかもしれないけどすっかり威厳の無くなったオストドと、吠えまくるメストド1号を
乗せたリムジンバスは一路、羽田空港を目指してゆく。
第二ターミナル・第一ターミナルを過ぎ、走ったことがあるトンネルを抜け、まばゆいばかりの国際線
ターミナルにバスは吸い込まれてゆく。
「と・・トイレ!」
ドライバー氏から荷物を受け取ると一目散にトイレに駆け込むオストド。
バスに乗る前から、トイレに行きたかったのだが、必死に我慢をしていたのだ。
トイレを済ませ、人心地がつくと目に入ってくるのは、スモーキングルーム。
「えへへ・・・」
「判ったわよ・・・おしゃぶりタイムね!」
この先、ラウンジまで禁煙しなければならない。そうなれば、吸い貯めが必要になる。
JALの機長とコーパイが入ってきた。JALの機長は目があったので、軽く会釈してくる。
「そういえば・・昔、なにかで読んだけど・・・」
「えっ?」
「機長がさぁ~タバコ吸いたくなって窓を開けた話・・・」
「ああ・・閉まらなくなったってやつ?」
「うん。あれで疑問が解けたんだよな・・・」
「何が?」
「ホラ!お偉いさんが乗った飛行機には国旗が飾られているでしょ?」
「ええ・・・」
「どうやって・・出したり、外したりするのか解らなかったんだけど・・・ね!」
たぶん、オストドがエアラインの機長だったら、こう言うのかもしれない。
「タバコを吸わないやつとは一緒に仕事出来ねえよ!」とほざいて、コックピットから叩きだす。
現に今でも、「7はあ?嫌煙権だぁ~?そんなもん糞くらえ!だ!」と・・・
従って、オストドの現場には喫煙者しか入場が許されない。やはり、暴君なのかもしれない。
「もうチェックインできるのかな?」
「出来る・・はず。」
チェックインカウンターに向かい。8820円と35000マイル吐き出して、受け取ったEチケットを出す。
「カードいる?」
「いいえ、結構4でございます。既にご登録いただいてますから・・・」
預け入れた手荷物には、ファーストクラスのタッグが付けられ、予約済みの搭乗券を受け取る。
「お気をつけていってらっしゃいませ!」
「ありがとう!」
「さてと・・どうする?出国する?」
「それより折角だからちょっと見学しない?」
「まあねえ~いいけど・・・」
ここにメストド1号の陰謀が隠されていたのだ。運動不足のオストド。
どうやら、1日1万歩歩かせる算段だったらしい。
階上にあがり、空港を見学する。ひととおり、見学を終え、ATMを探す。
「うちのは・・どこかな?」
「オタクの銀行ねえ~あるのかな?」
「あるでしょう・・ふつう・・・」
「あっ!あった・・・でもちゃっちい~」
「なんでかな?」
「推測すると・・・・」
「しなくて結構!言いたいこと解っているわよ!」
ATMで今回の旅の軍資金を降ろすメストド1号。お金ならオストドの財布にもそれなりの金額は
とりあえず、入れてあるのだけど、それはそれ、これはこれ。
「幾らあればいいかしら?」
「3日だから・・3万もあればいいんじゃない?ホテルはカード決済するし・・・」
どうやら、危ないと考えたメストド1号は、それなりの金額を引き出した様だ。
「さてと・・・出国税買わなきゃいけないし、行こうか?」
「ちゃんと聞いた?」
「うん・・ラ○コムとええと・・ナントカ・・ウエムラ・・・」
「やれやれ・・」
「大体さ・・毎回変えるなっての・・」
「ちゃんと知ってますよぉ~クリスマスプレゼントのほかに、バックも買ってあげたの・・・」
「バレ・・・」
「当たり前でしょ!あたしは何を買ってもらおうかな・・・」
「ま・・まだ買わせるの?そのバックだけでも・・・・」
「相当、積んでいるはずですけど?」
「お・・お好きなモン買えば?ただし・・自腹で・・・」
出国税の化粧品を買い、ついでに台北のガイドブックを買い終えると、オストドの足は必然と
ラウンジへ向かって歩き出す。もちろん言うまでもない。
朝ごはんを食べるのと、離陸前の神聖?な儀式という名を借りた、ニコチン補充のためである。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ②へ続く・・・
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ② [2011 台北の旅]
― 第二章 喰わせないと・・・ ―
「喰う・・喰える時・・・喰えば・・喰う!」
「だって・・離陸したらすぐ機内食でしょ?」
「喰わせないと・・暴れるか、その辺のグランドスタッフか?さもなきゃCAに喰らいつくぞ!」
「犯罪者にしたくないわねえ~」
「でしょ?止めてもムダ!」
「一服とどっちが先?」
「喰う方!何せ・・食欲魔人だからね・・・」
それでも、一応・・・そう一応、自重はした。そばコーナーに突進して、かき揚げそばを注文し、
出来上がりを待つ間に、鮭のおにぎりを2個と梅のおにぎりを1個。それにサンドイッチを2包み。
コーラにレモンスライスを浮かべ、ついでにビタミンCを補充するかとトマトジュースを一杯。
おまけに薬を飲まなければいけないのを思い出し、ポカリスエットを一杯。
「そんくらいで止めとかなきゃ!機内食で今日のごはん終わりにするからね!」
「ウィ!マダム。」
メストド1号も何やらスープだのサンドイッチにチョコレート、コーヒーなんぞを頂いている。
さっさと喰い終わったオストドは、メストド1号のお皿に残っているサンドイッチを見つめ、
ついでに懇願の視線を送ったのだが、どうも分が悪い。
自分のトレーを片付け、ついでにメストド1号が食し終ったトレーを片付ける。
「うん。優しい旦那でしょ?」
「自分で言うかなぁ~」
「誰も言ってくれないしね・・・」
「じゃあ!あとジュース1杯だけね!」
労働には対価がつきものである。空いた食器を載せたトレーを運んで、ジュース一杯。
安いと考えるべきなのか?高いと考えるべきなのか?は、メンドーなので考えずに、
ジュースをこぼれる寸前まで入れたグラスを飲み干すと、離陸前の儀式?のために、
スモーキングルームへ向かう。
「やけに狭い・・・・」
「成田とどっちが狭い?」
「こっち・・・」
とりあえず、ニコチンを摂取できるだけしておく。まあ、“おしゃぶり”は今回の旅のお伴をしている。
煙は出ないけど、ニコチンだけは摂取出来る。“優れモノ”を持ってきている。
「ったく・・・みっともないでしょ?」
「人には迷惑かけないし・・・電子タバコじゃないもんね!禁煙パイポみたいななものかな・・・」
「屁理屈ばかり・・・」
「大体さぁ~化粧品・・特に香水なんかも本人・・・」
「はいはい・・・」
「ついでに言わせてもらうとね・・タバコ吸っても暴れないけど、お酒は・・・」
「いいから・・おだまり!判ったわよ!その代わり、咥えっぱなしはしないこと!」
「ほぉ~い!」
これはハイ!ではない。隙あらばやるからな!と言う意味が込められている。
100%やらないとは断言できないからである。
「まあ、墜ちると判ったら、遠慮なく火付けるけどね・・・」
「だ・か・ら・・空港で話すことじゃないでしょ?」
「あん?」
「好きで乗る人ばかりじゃないってこと・・・」
「高所恐怖症に閉所恐怖症かぁ~そういえば・・うちにも居るわ!」
「その人は飛行機には?」
「乗せるまでが一苦労!ガンガン酒を飲ませると、暴れるから・・・」
「それで?」
「一杯だけ飲ませたら、グルグル廻して・・・それでも駄目なら・・・」
「駄目なら?」
「後ろからぶん殴って気絶させて乗せる!」
「ヘリに?」
「うん!メンドーなら荷物と一緒にネットの中に押し込んでみるけど・・・」
「それでも乗るの拒絶したら?」
「熊のエサか遭難か転落か自力か選ばせるけど・・・」
「連れて行く時は?」
「ベロンベロンに酔っぱらわせる。無理やりにね・・・足持って振り回せば・・・」
「可哀そうに・・・・」
「でも・・そのおかげで、飛行時間2時間までOK!になったけどね!」
山岳地帯を飛ぶヘリに比べたら、飛行機は快適な乗り物だ。寛いでいれば、目的地へ
トラブルでもない限り運んでくれる。
「ったく・・・鬼かな?ウチの旦那・・・」
「俺の方が酷い目に遇っているからいいの!それより・・・時間だな・・・行こうか?」
機種はB6。つまり、B767-300。従って、ボーデイングブリッジは一本。
ゆっくり乗り込んでもいいのだけど、ジャケットを預けたり、カバンを収納したりするわけだから、
優先搭乗で乗りこんでしまうのに限る。
従って、搭乗開始時間には、ソウトド&メストドは搭乗改札ゲート周辺に居ることになる。
ラウンジの職員に見送られ、ゲートまでポコポコと歩いてゆく。
メストド1号は2号とのプチ留学の際、乗換先のバンコクで電動カートに乗ったらしいけど、
本人曰く、「歩いた方が早かった!」そうだ。オストドは一度もその恩恵?に預かったことはない。
強いて挙げるとすれば、ドバイでバスに12席しかないファーストクラス専用のバスに乗った事と
イスタンブールから飛んだカイロで、バス1台に2人しか乗っていないことぐらいである。
後は・・ちょっと明かす事はできないVIP待遇を受けたときくらいだろう。
「乗ってみたい気もするけど・・運転させてくれるならね!」
「アンタは通行人を撥ねそうだから・・駄目!」
「だよねえ~それ!正解かも・・・」
ゲート106へ向かう。どうやら横にはもう居ないはずの先行便。エバー航空が出発が遅れている。
「ふう~ん!こっちが先に出発しちゃったりして・・・・」
ところが、こっちも出発が遅れるらしい。
「ったく・・整備してなかったのかな?まあ・・墜ちるよりはマシだけど・・・」
「縁起でもない・・・」
しばらくすると、優先搭乗のお客様はお並びくださいとの事。丁度ゲートの改札前に居たので、
「搭乗券とパスポート拝見いたします。」
「だって・・・」
オストドに持たせておくと危ないと熟知しているメストド1号が二人分のパスポートと搭乗券を出す。
半券をもぎ取られることなく、NH1188便の機内へ一番乗りで乗りこんでゆく。
座席に辿りつきと言っても歩いた距離はたかがしれている。
ジャケットを脱ぎだすと、CAさんが飛んでくる。
「オストド様ジャケットお預かりいたしましょう!」
「ありがとう!お願いしますね・・・」
「奥様のもお預かりいたしましょうか?」
「ええ・・」
「オストド様メストド1号様本日もご搭乗誠にありがとうございます。」
「宜しく!」
ちゃんとVIPリストに名前が載っていたのだ。でも勘違いしないで欲しい。ここで言うVIPとは・・・
そう。最も注意しなければいけない乗客。
例えば、オストドも一応所属しているけど、悪たれ連こと883+1会。
こいつらは、隙あればCAのお尻をドサクサ紛れに触りまくる奴等だし、その他にも色々いるらしい。
だから、「アンタ!判ってるわね!素性を知っているんだからね!」とか・・・
「大人しくしてないとエサの配給しないからね!」という脅しに等しいとオストドは思っている。
「さすがよね・・・」
「何が?」
「やっぱり・・日系はいいわね」
「まあ・・ね。少々・・厄介な部分と言うかぁ~その時に置かれている立場を判って欲しいときもある。」
「へえ~どんな?」
「どんな?って・・その手には乗らないよ!」
「乗られたらあたしの腕は骨折間違いなしだけど・・・」
そんな話をしているうちに、さっさと先行便であるエバー航空の機体がいなくなる。
「それよりさぁ~コレ良いと思わない?」
「エッ?」
オストドが愛用している腕時計は、ANAモデルの時計。作業服や普段着には別にいいのだけど、
スーツには合わないと常々メストド1号が言っていたのだ。
「どれ?」
「この時計・・・今のより薄いでしょう?お値段手頃だし・・・」
どうもANAの機内に乗りこむと、ショッピング熱が出てくるオストド&メストド1号。
「買おうかな?」
「買いなさい!」
早速、通りかかったCAさんに搭載されているか確認すると、搭載していると言う。
「じゃあ・・それ頂戴!」
「お食事の後にお持ちいたします。」
これは賢明な答えである。以前、「コレ頂戴!」と言ったら、出発間際に持ってきて、支払いが終ると
もう滑走路近くまで来ていたことがあったのだ。
整備作業も終り、出発すると言う。朝食を摂ってなかったら、暴言を吐きまくるところだったけど、
ラウンジで朝食にありつき、メストド1号によって口に咥えさせられた“おしゃぶり”によって、
めずらしく、オストドはご機嫌であった。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ③へ続く
「喰う・・喰える時・・・喰えば・・喰う!」
「だって・・離陸したらすぐ機内食でしょ?」
「喰わせないと・・暴れるか、その辺のグランドスタッフか?さもなきゃCAに喰らいつくぞ!」
「犯罪者にしたくないわねえ~」
「でしょ?止めてもムダ!」
「一服とどっちが先?」
「喰う方!何せ・・食欲魔人だからね・・・」
それでも、一応・・・そう一応、自重はした。そばコーナーに突進して、かき揚げそばを注文し、
出来上がりを待つ間に、鮭のおにぎりを2個と梅のおにぎりを1個。それにサンドイッチを2包み。
コーラにレモンスライスを浮かべ、ついでにビタミンCを補充するかとトマトジュースを一杯。
おまけに薬を飲まなければいけないのを思い出し、ポカリスエットを一杯。
「そんくらいで止めとかなきゃ!機内食で今日のごはん終わりにするからね!」
「ウィ!マダム。」
メストド1号も何やらスープだのサンドイッチにチョコレート、コーヒーなんぞを頂いている。
さっさと喰い終わったオストドは、メストド1号のお皿に残っているサンドイッチを見つめ、
ついでに懇願の視線を送ったのだが、どうも分が悪い。
自分のトレーを片付け、ついでにメストド1号が食し終ったトレーを片付ける。
「うん。優しい旦那でしょ?」
「自分で言うかなぁ~」
「誰も言ってくれないしね・・・」
「じゃあ!あとジュース1杯だけね!」
労働には対価がつきものである。空いた食器を載せたトレーを運んで、ジュース一杯。
安いと考えるべきなのか?高いと考えるべきなのか?は、メンドーなので考えずに、
ジュースをこぼれる寸前まで入れたグラスを飲み干すと、離陸前の儀式?のために、
スモーキングルームへ向かう。
「やけに狭い・・・・」
「成田とどっちが狭い?」
「こっち・・・」
とりあえず、ニコチンを摂取できるだけしておく。まあ、“おしゃぶり”は今回の旅のお伴をしている。
煙は出ないけど、ニコチンだけは摂取出来る。“優れモノ”を持ってきている。
「ったく・・・みっともないでしょ?」
「人には迷惑かけないし・・・電子タバコじゃないもんね!禁煙パイポみたいななものかな・・・」
「屁理屈ばかり・・・」
「大体さぁ~化粧品・・特に香水なんかも本人・・・」
「はいはい・・・」
「ついでに言わせてもらうとね・・タバコ吸っても暴れないけど、お酒は・・・」
「いいから・・おだまり!判ったわよ!その代わり、咥えっぱなしはしないこと!」
「ほぉ~い!」
これはハイ!ではない。隙あらばやるからな!と言う意味が込められている。
100%やらないとは断言できないからである。
「まあ、墜ちると判ったら、遠慮なく火付けるけどね・・・」
「だ・か・ら・・空港で話すことじゃないでしょ?」
「あん?」
「好きで乗る人ばかりじゃないってこと・・・」
「高所恐怖症に閉所恐怖症かぁ~そういえば・・うちにも居るわ!」
「その人は飛行機には?」
「乗せるまでが一苦労!ガンガン酒を飲ませると、暴れるから・・・」
「それで?」
「一杯だけ飲ませたら、グルグル廻して・・・それでも駄目なら・・・」
「駄目なら?」
「後ろからぶん殴って気絶させて乗せる!」
「ヘリに?」
「うん!メンドーなら荷物と一緒にネットの中に押し込んでみるけど・・・」
「それでも乗るの拒絶したら?」
「熊のエサか遭難か転落か自力か選ばせるけど・・・」
「連れて行く時は?」
「ベロンベロンに酔っぱらわせる。無理やりにね・・・足持って振り回せば・・・」
「可哀そうに・・・・」
「でも・・そのおかげで、飛行時間2時間までOK!になったけどね!」
山岳地帯を飛ぶヘリに比べたら、飛行機は快適な乗り物だ。寛いでいれば、目的地へ
トラブルでもない限り運んでくれる。
「ったく・・・鬼かな?ウチの旦那・・・」
「俺の方が酷い目に遇っているからいいの!それより・・・時間だな・・・行こうか?」
機種はB6。つまり、B767-300。従って、ボーデイングブリッジは一本。
ゆっくり乗り込んでもいいのだけど、ジャケットを預けたり、カバンを収納したりするわけだから、
優先搭乗で乗りこんでしまうのに限る。
従って、搭乗開始時間には、ソウトド&メストドは搭乗改札ゲート周辺に居ることになる。
ラウンジの職員に見送られ、ゲートまでポコポコと歩いてゆく。
メストド1号は2号とのプチ留学の際、乗換先のバンコクで電動カートに乗ったらしいけど、
本人曰く、「歩いた方が早かった!」そうだ。オストドは一度もその恩恵?に預かったことはない。
強いて挙げるとすれば、ドバイでバスに12席しかないファーストクラス専用のバスに乗った事と
イスタンブールから飛んだカイロで、バス1台に2人しか乗っていないことぐらいである。
後は・・ちょっと明かす事はできないVIP待遇を受けたときくらいだろう。
「乗ってみたい気もするけど・・運転させてくれるならね!」
「アンタは通行人を撥ねそうだから・・駄目!」
「だよねえ~それ!正解かも・・・」
ゲート106へ向かう。どうやら横にはもう居ないはずの先行便。エバー航空が出発が遅れている。
「ふう~ん!こっちが先に出発しちゃったりして・・・・」
ところが、こっちも出発が遅れるらしい。
「ったく・・整備してなかったのかな?まあ・・墜ちるよりはマシだけど・・・」
「縁起でもない・・・」
しばらくすると、優先搭乗のお客様はお並びくださいとの事。丁度ゲートの改札前に居たので、
「搭乗券とパスポート拝見いたします。」
「だって・・・」
オストドに持たせておくと危ないと熟知しているメストド1号が二人分のパスポートと搭乗券を出す。
半券をもぎ取られることなく、NH1188便の機内へ一番乗りで乗りこんでゆく。
座席に辿りつきと言っても歩いた距離はたかがしれている。
ジャケットを脱ぎだすと、CAさんが飛んでくる。
「オストド様ジャケットお預かりいたしましょう!」
「ありがとう!お願いしますね・・・」
「奥様のもお預かりいたしましょうか?」
「ええ・・」
「オストド様メストド1号様本日もご搭乗誠にありがとうございます。」
「宜しく!」
ちゃんとVIPリストに名前が載っていたのだ。でも勘違いしないで欲しい。ここで言うVIPとは・・・
そう。最も注意しなければいけない乗客。
例えば、オストドも一応所属しているけど、悪たれ連こと883+1会。
こいつらは、隙あればCAのお尻をドサクサ紛れに触りまくる奴等だし、その他にも色々いるらしい。
だから、「アンタ!判ってるわね!素性を知っているんだからね!」とか・・・
「大人しくしてないとエサの配給しないからね!」という脅しに等しいとオストドは思っている。
「さすがよね・・・」
「何が?」
「やっぱり・・日系はいいわね」
「まあ・・ね。少々・・厄介な部分と言うかぁ~その時に置かれている立場を判って欲しいときもある。」
「へえ~どんな?」
「どんな?って・・その手には乗らないよ!」
「乗られたらあたしの腕は骨折間違いなしだけど・・・」
そんな話をしているうちに、さっさと先行便であるエバー航空の機体がいなくなる。
「それよりさぁ~コレ良いと思わない?」
「エッ?」
オストドが愛用している腕時計は、ANAモデルの時計。作業服や普段着には別にいいのだけど、
スーツには合わないと常々メストド1号が言っていたのだ。
「どれ?」
「この時計・・・今のより薄いでしょう?お値段手頃だし・・・」
どうもANAの機内に乗りこむと、ショッピング熱が出てくるオストド&メストド1号。
「買おうかな?」
「買いなさい!」
早速、通りかかったCAさんに搭載されているか確認すると、搭載していると言う。
「じゃあ・・それ頂戴!」
「お食事の後にお持ちいたします。」
これは賢明な答えである。以前、「コレ頂戴!」と言ったら、出発間際に持ってきて、支払いが終ると
もう滑走路近くまで来ていたことがあったのだ。
整備作業も終り、出発すると言う。朝食を摂ってなかったら、暴言を吐きまくるところだったけど、
ラウンジで朝食にありつき、メストド1号によって口に咥えさせられた“おしゃぶり”によって、
めずらしく、オストドはご機嫌であった。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ③へ続く
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ③ [2011 台北の旅]
― 第3章 松山上陸! -
「空港及び建物内も撮影禁止になっております。だってよ!」
「判ってますとも・・でも・・・・」
「でも?」
「うん。おかしいでしょ?今どき台湾侵攻するのは・・・」
「それ以上言わない!」
国際線では初上陸になる松山機場。右も左も判らないと思ったのだが、よく考えれば
アライバルの標識を辿って歩けば済む話だ。
「通訳は宜しくねえ~」
「あ・・あたし?」
「うん。俺の危なっかしいブロークンイングリッシュよりは通じる!」
「ったく・・・」
オストドは英語を習う相手を間違えていたらしい。でも、それで覚えてしまったので、
口からポンポンと出てくる単語は、最近、物忘れが多いとはいえ、一発触発のケースもある。
それでなくても、口の悪さは天下一品。おかげでトラブルコンダクターなわけなのだけど・・・
入国審査では一言。「ニーハオ!」ついでにこれでもか!と愛想笑いを浮かべておく。
一応、人畜無害な顔をしておくわけだ。
「謝々!」とパスポートが返される。別の列に並んでいたメストド1号は少々時間がかかっているが、
無事?入国してきた。
「一瞬・・入国拒否喰らったのかと・・・」
「アンタが入国出来てあたしが入国出来ないわけないでしょ?」
「そりゃぁ~そうだ・・ケケケ・・」
預け入れたキャリーを引き取りにターンテーブルへ行くと、既に“ファーストクラスタッグ”のついた
荷物だけが廻っていた。
「やっぱりね・・・」
「えっ?」
「いや・・ANAにしておいて正解だったかなと・・・」
両替のために銀行の窓口へ行く。レートを確かめると、何故か人気のない方が良い。
「いくら両替する?」
「そうねえ~2万でいいんじゃない?足んなきゃいくらでも両替出来るもん!」
「レートは銀行が一番よねぇ~」
「最悪はホテルだな・・・5%は違うでしょ・・・」
「また来るんでしょ?」
「メイビー!」
メストド1号が窓口に3万円差し出すと、10302NTが返ってくる。伝票にオストドがサインをする。
「メンドーだから、1NT=4円でいいか・・」
「そうねえ~」
キャリーを引き摺り、免税ラインをまるで“水戸黄門の印籠”みたいにパスポートをチラつかせて、
すり抜けてゆく。係員もさっとキャリーに付いているタッグとオストドの顔を眺めると、
さっさと行け!とばかりに手で出口を指す。
「さてと・・・」
「どうします?」
「MRTで移動でしょ?その前に・・・」
「うん。探しているんだけどないわねえ~」
「まあねえ~外に出ればナントカなるでしょ・・・」
オストドが前回訪台してから、2年以上の月日が経っている。ホテルとか建物内は全て禁煙だが、
屋外なら吸えるはずだ。もし、国土全部禁煙になっていたら、謀反が起きるはずである。
「勝手なご解釈ですこと・・・」
「以前、住んでいた頃思い出してみなよ!変わる国民性だと思う?」
「思わない!」
「でしょ?」
空港の建物を出ると、灰皿は見当たらなかった(正確には出発側のMRT出口そばにある)が、
タバコを吸っていたおっさんを発見したので、そこで一緒にご相伴した。
「あ~あ!生き返った・・・」
「オーバーな・・・で?」
「で?」
「どうするの?コインロッカーあるかしら?」
「ホテルに行けばいいじゃん!林森公園の前だから、それにちょっと行きたいところもあるし」
MRT乗り場へ降りてゆく。目的地である中山まで25NTx2。
「問題はと・・細かいのがないけど・・・」
「100NT札使えるみたいよ・・・」
「あっ!本当だ・・でも、あとで細かくしとかなきゃ・・・」
MRTに乗りこみ、3駅目忠考復興駅で乗り換える。ここから3駅目が台北車站。
ここで淡水や北投方面へ行くMRTで一駅で中山站に辿りつく。
まあ、台北駅とは地下道が繋がっているので、歩いても大した距離ではない。
「そういえば・・・嫌な事思い出したぞ!」
「えっ?」
「出口階段なんだよね・・・これ持って上がるのか・・・」
「いい運動になるわねえ~」
「だ・か・ら・・・キャリー2個にしようって言ったのに・・・」
「2個担いで登る気だったの?早く言ってくれればそうしたのに・・」
「げっ!俺が担ぐの?」
「当たり前でしょ?一応・・オスでしょ?」
「まあねえ~」
ぶつくさ言いながらもキャリを担いで階段を登ってゆく。一瞬、タクシーにすれば良かったかな?と、
脳裏をよぎるが、エサにありつけないと困るので、その言葉は慌てて飲み込む。
中山北路・林森北路を横切り、南京東路を真っ直ぐキャリーを引き摺り歩いてゆく。
「そう言えばさぁ~さっき・・アンタ・・ドサクサに紛れたでしょ?」
「何が?」
「電車を乗り換える際に・・・」
「ああ~アレ!大した事してないけどな・・・出入口塞ぐ方が悪い。」
「そう?どけ!って言わなかった?」
「うん。日本語通じたわ・・ついでにキャリーぶつけてやったけど・・・」
「それだけ?他には?」
「ええと・・ひじで小突いたのが一回と・・蹴っ飛ばしたのが一回・・・」
「女性には優しいのにねえ~」
「当たり前でしょ?女性には優しく!ヤローには・・」
「はいはい・・」
「それに・・どけ!ってこっちの言葉知らないもん!」
「教えなかったっけ?」
「使う気ないしね・・・強行突破が信条だから・・・」
そんな話をしながら、歩道?を進んでゆく。
「確か・・この辺なんだけどな・・・あっ!あった・・・・」
神旺商務酒店。ここがオストド&メストド1号の潜伏先である。
ドアマンがドアを開き、「いらっしゃいませ!」と日本語で言う。
まあ、客の50%以上が日本人だからなのだろうか?眼にするスタッフの多くの胸には、
日の丸のピンバッジが付いている。
フロントで楽天トラベルでリザーブした予約票を提示する。勿論、対応は日本語の出来るスタッフ。
「パスポートとクレジットカードお願いします。」
「ほいよ・・・メストドぉ~パスポート・・・」
既に予約時にデーター送信されているので、レート確認とサインするだけになっている。
「お部屋へご案内いたします。」
案内されたのは、1003号室。10階のパークビューツインの部屋。
ウエルカムフルーツとお菓子・・・お菓子は喰い放題!(ラウンジで・・・)
どこの・・馬鹿だ?ベッドに上着脱ぎ捨てたの?(オストドですが・・・)
アメニティーはロクシタン
この他にもロクシタンでシャンプーにコンデショナー・ボディーシャンプーも・・・・
部屋の窓からの眺め・・・・
部屋は禁煙。つまり、滞在中に喫煙コーナーまで何回往復することになる。
「さてと・・行きますかね?ジカンニカギリがゴザイマス・・だから・・・」
「一服したいんでしょ?」
「それもある・・」
「で?何処行くか決めた?」
「うん。まずは土産物屋に行って・・・」
「はあ?」
「ちょっとね・・チタン入り水晶のブレスの糸買わないと・・・切れちゃったから・・・」
「ふう~ん。近いの?」
「記憶によればすぐそこのはず・・・」
「それで?」
「ついでに・・グルグル歩いて・・・マッサージ屋探す!」
「それから?」
「あとは決めてないよ!行きあたりばったりかな・・・今日は・・・」
「あたし・・龍山寺に行きたいんだけど・・・」
「判った!牛肉麺かな・・・晩ご飯!」
「まあね・・」
荷物を放りこむとオストドとメストド1号は、今にも雨が降りそうな雲行きの外へ飛び出した。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ③
「空港及び建物内も撮影禁止になっております。だってよ!」
「判ってますとも・・でも・・・・」
「でも?」
「うん。おかしいでしょ?今どき台湾侵攻するのは・・・」
「それ以上言わない!」
国際線では初上陸になる松山機場。右も左も判らないと思ったのだが、よく考えれば
アライバルの標識を辿って歩けば済む話だ。
「通訳は宜しくねえ~」
「あ・・あたし?」
「うん。俺の危なっかしいブロークンイングリッシュよりは通じる!」
「ったく・・・」
オストドは英語を習う相手を間違えていたらしい。でも、それで覚えてしまったので、
口からポンポンと出てくる単語は、最近、物忘れが多いとはいえ、一発触発のケースもある。
それでなくても、口の悪さは天下一品。おかげでトラブルコンダクターなわけなのだけど・・・
入国審査では一言。「ニーハオ!」ついでにこれでもか!と愛想笑いを浮かべておく。
一応、人畜無害な顔をしておくわけだ。
「謝々!」とパスポートが返される。別の列に並んでいたメストド1号は少々時間がかかっているが、
無事?入国してきた。
「一瞬・・入国拒否喰らったのかと・・・」
「アンタが入国出来てあたしが入国出来ないわけないでしょ?」
「そりゃぁ~そうだ・・ケケケ・・」
預け入れたキャリーを引き取りにターンテーブルへ行くと、既に“ファーストクラスタッグ”のついた
荷物だけが廻っていた。
「やっぱりね・・・」
「えっ?」
「いや・・ANAにしておいて正解だったかなと・・・」
両替のために銀行の窓口へ行く。レートを確かめると、何故か人気のない方が良い。
「いくら両替する?」
「そうねえ~2万でいいんじゃない?足んなきゃいくらでも両替出来るもん!」
「レートは銀行が一番よねぇ~」
「最悪はホテルだな・・・5%は違うでしょ・・・」
「また来るんでしょ?」
「メイビー!」
メストド1号が窓口に3万円差し出すと、10302NTが返ってくる。伝票にオストドがサインをする。
「メンドーだから、1NT=4円でいいか・・」
「そうねえ~」
キャリーを引き摺り、免税ラインをまるで“水戸黄門の印籠”みたいにパスポートをチラつかせて、
すり抜けてゆく。係員もさっとキャリーに付いているタッグとオストドの顔を眺めると、
さっさと行け!とばかりに手で出口を指す。
「さてと・・・」
「どうします?」
「MRTで移動でしょ?その前に・・・」
「うん。探しているんだけどないわねえ~」
「まあねえ~外に出ればナントカなるでしょ・・・」
オストドが前回訪台してから、2年以上の月日が経っている。ホテルとか建物内は全て禁煙だが、
屋外なら吸えるはずだ。もし、国土全部禁煙になっていたら、謀反が起きるはずである。
「勝手なご解釈ですこと・・・」
「以前、住んでいた頃思い出してみなよ!変わる国民性だと思う?」
「思わない!」
「でしょ?」
空港の建物を出ると、灰皿は見当たらなかった(正確には出発側のMRT出口そばにある)が、
タバコを吸っていたおっさんを発見したので、そこで一緒にご相伴した。
「あ~あ!生き返った・・・」
「オーバーな・・・で?」
「で?」
「どうするの?コインロッカーあるかしら?」
「ホテルに行けばいいじゃん!林森公園の前だから、それにちょっと行きたいところもあるし」
MRT乗り場へ降りてゆく。目的地である中山まで25NTx2。
「問題はと・・細かいのがないけど・・・」
「100NT札使えるみたいよ・・・」
「あっ!本当だ・・でも、あとで細かくしとかなきゃ・・・」
MRTに乗りこみ、3駅目忠考復興駅で乗り換える。ここから3駅目が台北車站。
ここで淡水や北投方面へ行くMRTで一駅で中山站に辿りつく。
まあ、台北駅とは地下道が繋がっているので、歩いても大した距離ではない。
「そういえば・・・嫌な事思い出したぞ!」
「えっ?」
「出口階段なんだよね・・・これ持って上がるのか・・・」
「いい運動になるわねえ~」
「だ・か・ら・・・キャリー2個にしようって言ったのに・・・」
「2個担いで登る気だったの?早く言ってくれればそうしたのに・・」
「げっ!俺が担ぐの?」
「当たり前でしょ?一応・・オスでしょ?」
「まあねえ~」
ぶつくさ言いながらもキャリを担いで階段を登ってゆく。一瞬、タクシーにすれば良かったかな?と、
脳裏をよぎるが、エサにありつけないと困るので、その言葉は慌てて飲み込む。
中山北路・林森北路を横切り、南京東路を真っ直ぐキャリーを引き摺り歩いてゆく。
「そう言えばさぁ~さっき・・アンタ・・ドサクサに紛れたでしょ?」
「何が?」
「電車を乗り換える際に・・・」
「ああ~アレ!大した事してないけどな・・・出入口塞ぐ方が悪い。」
「そう?どけ!って言わなかった?」
「うん。日本語通じたわ・・ついでにキャリーぶつけてやったけど・・・」
「それだけ?他には?」
「ええと・・ひじで小突いたのが一回と・・蹴っ飛ばしたのが一回・・・」
「女性には優しいのにねえ~」
「当たり前でしょ?女性には優しく!ヤローには・・」
「はいはい・・」
「それに・・どけ!ってこっちの言葉知らないもん!」
「教えなかったっけ?」
「使う気ないしね・・・強行突破が信条だから・・・」
そんな話をしながら、歩道?を進んでゆく。
「確か・・この辺なんだけどな・・・あっ!あった・・・・」
神旺商務酒店。ここがオストド&メストド1号の潜伏先である。
ドアマンがドアを開き、「いらっしゃいませ!」と日本語で言う。
まあ、客の50%以上が日本人だからなのだろうか?眼にするスタッフの多くの胸には、
日の丸のピンバッジが付いている。
フロントで楽天トラベルでリザーブした予約票を提示する。勿論、対応は日本語の出来るスタッフ。
「パスポートとクレジットカードお願いします。」
「ほいよ・・・メストドぉ~パスポート・・・」
既に予約時にデーター送信されているので、レート確認とサインするだけになっている。
「お部屋へご案内いたします。」
案内されたのは、1003号室。10階のパークビューツインの部屋。
ウエルカムフルーツとお菓子・・・お菓子は喰い放題!(ラウンジで・・・)
どこの・・馬鹿だ?ベッドに上着脱ぎ捨てたの?(オストドですが・・・)
アメニティーはロクシタン
この他にもロクシタンでシャンプーにコンデショナー・ボディーシャンプーも・・・・
部屋の窓からの眺め・・・・
部屋は禁煙。つまり、滞在中に喫煙コーナーまで何回往復することになる。
「さてと・・行きますかね?ジカンニカギリがゴザイマス・・だから・・・」
「一服したいんでしょ?」
「それもある・・」
「で?何処行くか決めた?」
「うん。まずは土産物屋に行って・・・」
「はあ?」
「ちょっとね・・チタン入り水晶のブレスの糸買わないと・・・切れちゃったから・・・」
「ふう~ん。近いの?」
「記憶によればすぐそこのはず・・・」
「それで?」
「ついでに・・グルグル歩いて・・・マッサージ屋探す!」
「それから?」
「あとは決めてないよ!行きあたりばったりかな・・・今日は・・・」
「あたし・・龍山寺に行きたいんだけど・・・」
「判った!牛肉麺かな・・・晩ご飯!」
「まあね・・」
荷物を放りこむとオストドとメストド1号は、今にも雨が降りそうな雲行きの外へ飛び出した。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ③
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ④ [2011 台北の旅]
第4章 コーヒーの香りに釣り上げられるトド・・2頭
神旺商務酒店のスタッフはきびきびとしていて、気持ちがいい。
エレベーターを降りると、日本語で挨拶されるので、一瞬、狐にでも騙され日本に居る錯覚さえ、
陥ちいるほどだ。
ドアマンはオストド&メストド1号の姿を見ると、すぐ通りへ出るドアを開けようとする。
でも、まずは一服がなによりも優先事項である。タバコを吸う真似をして見せると、すぐに、
指定喫煙場所へと出るドアを解錠して開けてくれる。
「気に行ったわ!このホテル。」
「うん。さすがスモールラグジュアリーホテルズに名を連ねているだけはあるね。」
一服を終えると、すぐドアマンがドアを開けてくれ、一旦ホテルの中に戻る。
外へ出ると指で通りを指せば、すぐに通りへ出るドアが開かれる。
南京東路を右手に出てちょっと歩けば、新生高架道路。そこの下道を公園沿いに左へ曲がる。
「おかしいなぁ~たしか・・・この辺!」
「大丈夫なの?」
「あっ!あった・・・このスモーキングエリア見覚えあるし・・・」
「ったく・・スモーキングエリアしか記憶に残ってないの?」
「まあねえ~」
ここぞとばかりに一服をして、店内へ潜り込む。日系の旅行社のツアーなら、大体寄る店だ。
ツアー客が屯っている場所をすり抜け、地下の売り場へ向かう。
「おばちゃん・・糸切れちゃって・・・」
「持ってきた?」
「日本へ置いてきた!どこでその糸売っているのかな?」
「これ?日本製だよ!」
「うそぉ~どこにもないんだよねえ~金色の・・・」
「そうかい?」
「いん。金色じゃないとダメでしょう?」
「仕方ないね・・ホラ!サービスで持って行きな!」
「謝々。」
タダでせしめる。オストド。
「何か買っていくかい?」
「そうねえ~ちょっと見ようかな?」
「特別に安くしてあげるよ・・・お菓子でもお茶でも何でも・・・」
「謝々。」
試食を詰まんでは、ポイポイと口の中へ放りこむ。オストド。メストド1号は値段をチェックしている。
「たぶん・・スーパーの方が安いわよね・・・」
「当たり前じゃん!」
グルリと一回りをして、次のツアー客の波が押し寄せてくるのと同時に店を出る。
「えへへ・・何も買わないで貰っちゃった・・・」
「相変わず・・よね」
長春路をブラブラと南下する。途中、お菓子のお店があるので、覗いて見るとやはり安く売っている。
「やっぱりね・・バラ撒きは安いので充分でしょ?」
「うん。もっと安いのないかな・・・スーパーの方が安いかしら?」
「多分・・あっ!」
「えっ?」
「辰っあんだ・・・梅宮の・・・」
「あっ!ほんとう・・・」
「これって・・釣りかな?でも・・まだ、お腹空いてないしね・・・龍山寺へ行こうか?」
MRTの中山站へ向かうことにした。
「う~ん。こんな時間にお参りする人いるのかな?」
「毎日、日参している人もいるわよ!」
「そんなに・・良縁が転がっているとは・・・」
「だ・か・ら・・お参りするんでしょう!」
「なるほどね・・・ナンマンダブ・・・」
「あのね!」
冗談はこれぐらいにしておかねば、多分、オストドは飢え死にさせられるかもしれない。
夕暮れの中、MRTを乗継ぎ、龍山寺站へ辿りつく。(一人20NT)
「クンクン・・・良い匂いしない?」
「本当!コーヒー飲みたくなるわね・・・」
龍山寺方面と書かれた方へ歩いてゆくと、あたり一面コーヒーの匂いが立ち込めている。
「なんだ・・あれ?メロンパンみたいだけど・・・」
「さしずめ・・コーヒーパンかしら?美味しそうねえ~」
「買う?」
「あとでね・・・」
「売ってればいいけど・・・」
ブツクサと言いながらMRTの出口を登る。
龍山寺にお願いに行くのは、縁談ではない。メストド2号が留学に出発するので、それが正しい
選択なのか?文字通り・・・神様の言うとおり!とまあ、助言を求めに行ったわけだ。
我が娘である2号が生まれたのは、おっちょこちょい故なのか?良く解らないけど、台湾で
この世に生を受けた。従って、馬祖様に娘の無事と留学によって、彼女が何かを得られることを、
お願いに参上したわけだ。
「ええと・どういう風にお参りするんだっけ?」
「郷に入らずんば郷に従えでしょ?見よう見真似かなぁ~」
取りあえず、線香を買わねばと思ったのだが、いくら払っていいかわからない。
そうすると、心優しいおばさんが、オストド&メストド1号に線香の束をくれた。
「これもご利益?でいいのかな?」
「かもね・・・お金払えって言われなかったし・・・」
見よう見真似で一通りお参りをする。もちろん、その願いが正しいのか?ちゃんと占う。
半月状の木片を願いを込め投げる。裏表の組み合わせになればいいらしいのだが、
三度までしか投げることは出来ないらしい。
「まだ?」
「あんたは?」
「一発で出たけど?」
メストド1号は三度目の正直であった。
何を祈ったのか?あえて書かない。ただ、ひとつお願いしたのは、娘の身に何か災いが起こるので
あれば、それはオストドに与えたまえと祈っただけで、多分、その願いは聞き届けてもらえるので
あろう。
最後におみくじを引く。オストドとメストドの番号は一緒だった。
それを解説してもらうと、どうやら、留学が成功するもしないも本人の努力次第だと言う。
「まあ・・当たり前と言えば・当たり前だけど・・・」
「そうよねえ~お調子だから・・・」
参拝を終えて、外へ出て初めて気が付いた。
「あっ!線香代とお賽銭忘れた・・・・」
「あっ!ほんとう・・どうしよう?」
「仕方ない!無事留学から戻ってきたら・・お礼参りに来るよ!腹減ってきた・・・な」
「そうねえ~」
メストド1号はちょっと不満そうであった。全てギリギリだったせいなのか?
それとも何か他にも言われたのだろうか?オストドの脳みそのキャパから言えば、
中国語で判るのは、没有と謝々だけである。従って、解説されたこともメストド1号の通訳に
頼っていたわけだ。
「さてと・・・長春路あたりで食べる?晩飯・・・」
「そうねえ~さっきから探しているんだけど・・・潰れちゃったのかな・・・」
「かもねえ~」
「うっ・・・いい匂い!」
「買おうか?オヤツに・・・」
「一個30NTか・・4個で100NT」
「どういう計算しているの?」
「ここに書いてあるけど・・・」
種類が多くて迷ったのだが、チョコx1・ピーナッツx1・バニラx1・コーヒーx1の4種類を買う。
「良かった・・・」
「何が?」
「没有じゃなくて・・・あはは」
「台湾ではその言葉はないでしょ?」
「まあね・・・中国へ添乗で行った時はさんざん喰らったけどね・・・」
MRTのチケット(と言ってもICチップが埋め込まれたコイン)を買い、中山站へ戻る。
本来なら、メストド1号にしてみたら、20年以上ぶりの台湾。
美味いモノを食べさせたかったのだが、(自分が食べたかったせいもある)本人曰く、
「B級までね!フカヒレもアワビもロブスターもいらないから・・・」
そこで、“辰ぁんの写真が飾られている店”へ向かうことにしたのだ。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑤へ続く
神旺商務酒店のスタッフはきびきびとしていて、気持ちがいい。
エレベーターを降りると、日本語で挨拶されるので、一瞬、狐にでも騙され日本に居る錯覚さえ、
陥ちいるほどだ。
ドアマンはオストド&メストド1号の姿を見ると、すぐ通りへ出るドアを開けようとする。
でも、まずは一服がなによりも優先事項である。タバコを吸う真似をして見せると、すぐに、
指定喫煙場所へと出るドアを解錠して開けてくれる。
「気に行ったわ!このホテル。」
「うん。さすがスモールラグジュアリーホテルズに名を連ねているだけはあるね。」
一服を終えると、すぐドアマンがドアを開けてくれ、一旦ホテルの中に戻る。
外へ出ると指で通りを指せば、すぐに通りへ出るドアが開かれる。
南京東路を右手に出てちょっと歩けば、新生高架道路。そこの下道を公園沿いに左へ曲がる。
「おかしいなぁ~たしか・・・この辺!」
「大丈夫なの?」
「あっ!あった・・・このスモーキングエリア見覚えあるし・・・」
「ったく・・スモーキングエリアしか記憶に残ってないの?」
「まあねえ~」
ここぞとばかりに一服をして、店内へ潜り込む。日系の旅行社のツアーなら、大体寄る店だ。
ツアー客が屯っている場所をすり抜け、地下の売り場へ向かう。
「おばちゃん・・糸切れちゃって・・・」
「持ってきた?」
「日本へ置いてきた!どこでその糸売っているのかな?」
「これ?日本製だよ!」
「うそぉ~どこにもないんだよねえ~金色の・・・」
「そうかい?」
「いん。金色じゃないとダメでしょう?」
「仕方ないね・・ホラ!サービスで持って行きな!」
「謝々。」
タダでせしめる。オストド。
「何か買っていくかい?」
「そうねえ~ちょっと見ようかな?」
「特別に安くしてあげるよ・・・お菓子でもお茶でも何でも・・・」
「謝々。」
試食を詰まんでは、ポイポイと口の中へ放りこむ。オストド。メストド1号は値段をチェックしている。
「たぶん・・スーパーの方が安いわよね・・・」
「当たり前じゃん!」
グルリと一回りをして、次のツアー客の波が押し寄せてくるのと同時に店を出る。
「えへへ・・何も買わないで貰っちゃった・・・」
「相変わず・・よね」
長春路をブラブラと南下する。途中、お菓子のお店があるので、覗いて見るとやはり安く売っている。
「やっぱりね・・バラ撒きは安いので充分でしょ?」
「うん。もっと安いのないかな・・・スーパーの方が安いかしら?」
「多分・・あっ!」
「えっ?」
「辰っあんだ・・・梅宮の・・・」
「あっ!ほんとう・・・」
「これって・・釣りかな?でも・・まだ、お腹空いてないしね・・・龍山寺へ行こうか?」
MRTの中山站へ向かうことにした。
「う~ん。こんな時間にお参りする人いるのかな?」
「毎日、日参している人もいるわよ!」
「そんなに・・良縁が転がっているとは・・・」
「だ・か・ら・・お参りするんでしょう!」
「なるほどね・・・ナンマンダブ・・・」
「あのね!」
冗談はこれぐらいにしておかねば、多分、オストドは飢え死にさせられるかもしれない。
夕暮れの中、MRTを乗継ぎ、龍山寺站へ辿りつく。(一人20NT)
「クンクン・・・良い匂いしない?」
「本当!コーヒー飲みたくなるわね・・・」
龍山寺方面と書かれた方へ歩いてゆくと、あたり一面コーヒーの匂いが立ち込めている。
「なんだ・・あれ?メロンパンみたいだけど・・・」
「さしずめ・・コーヒーパンかしら?美味しそうねえ~」
「買う?」
「あとでね・・・」
「売ってればいいけど・・・」
ブツクサと言いながらMRTの出口を登る。
龍山寺にお願いに行くのは、縁談ではない。メストド2号が留学に出発するので、それが正しい
選択なのか?文字通り・・・神様の言うとおり!とまあ、助言を求めに行ったわけだ。
我が娘である2号が生まれたのは、おっちょこちょい故なのか?良く解らないけど、台湾で
この世に生を受けた。従って、馬祖様に娘の無事と留学によって、彼女が何かを得られることを、
お願いに参上したわけだ。
「ええと・どういう風にお参りするんだっけ?」
「郷に入らずんば郷に従えでしょ?見よう見真似かなぁ~」
取りあえず、線香を買わねばと思ったのだが、いくら払っていいかわからない。
そうすると、心優しいおばさんが、オストド&メストド1号に線香の束をくれた。
「これもご利益?でいいのかな?」
「かもね・・・お金払えって言われなかったし・・・」
見よう見真似で一通りお参りをする。もちろん、その願いが正しいのか?ちゃんと占う。
半月状の木片を願いを込め投げる。裏表の組み合わせになればいいらしいのだが、
三度までしか投げることは出来ないらしい。
「まだ?」
「あんたは?」
「一発で出たけど?」
メストド1号は三度目の正直であった。
何を祈ったのか?あえて書かない。ただ、ひとつお願いしたのは、娘の身に何か災いが起こるので
あれば、それはオストドに与えたまえと祈っただけで、多分、その願いは聞き届けてもらえるので
あろう。
最後におみくじを引く。オストドとメストドの番号は一緒だった。
それを解説してもらうと、どうやら、留学が成功するもしないも本人の努力次第だと言う。
「まあ・・当たり前と言えば・当たり前だけど・・・」
「そうよねえ~お調子だから・・・」
参拝を終えて、外へ出て初めて気が付いた。
「あっ!線香代とお賽銭忘れた・・・・」
「あっ!ほんとう・・どうしよう?」
「仕方ない!無事留学から戻ってきたら・・お礼参りに来るよ!腹減ってきた・・・な」
「そうねえ~」
メストド1号はちょっと不満そうであった。全てギリギリだったせいなのか?
それとも何か他にも言われたのだろうか?オストドの脳みそのキャパから言えば、
中国語で判るのは、没有と謝々だけである。従って、解説されたこともメストド1号の通訳に
頼っていたわけだ。
「さてと・・・長春路あたりで食べる?晩飯・・・」
「そうねえ~さっきから探しているんだけど・・・潰れちゃったのかな・・・」
「かもねえ~」
「うっ・・・いい匂い!」
「買おうか?オヤツに・・・」
「一個30NTか・・4個で100NT」
「どういう計算しているの?」
「ここに書いてあるけど・・・」
種類が多くて迷ったのだが、チョコx1・ピーナッツx1・バニラx1・コーヒーx1の4種類を買う。
「良かった・・・」
「何が?」
「没有じゃなくて・・・あはは」
「台湾ではその言葉はないでしょ?」
「まあね・・・中国へ添乗で行った時はさんざん喰らったけどね・・・」
MRTのチケット(と言ってもICチップが埋め込まれたコイン)を買い、中山站へ戻る。
本来なら、メストド1号にしてみたら、20年以上ぶりの台湾。
美味いモノを食べさせたかったのだが、(自分が食べたかったせいもある)本人曰く、
「B級までね!フカヒレもアワビもロブスターもいらないから・・・」
そこで、“辰ぁんの写真が飾られている店”へ向かうことにしたのだ。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑤へ続く
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑤ [2011 台北の旅]
第5章 「デザートはいかが?」
長春路に戻ってきた。オストド&メストド1号。
「まあ、どこで喰っても一緒でしょ?」とばかりに、“辰っあん”の写真が飾ってあった店に入る。
在台中は好んで屋ベ手いた店が見つからなかったせいなのか?
メストド1号は牛肉麺ではないものを食べると言いだした。
まあ、それも在住中は好んで食べていた麺なのだ。
「ええ・・・どうしようかな?一人で喰えるかな・・・」
そう言いながらも、オストドは牛肉麺とエビチャーハンと大根入り卵焼きを注文した。
「どう?そっちのお味・・・」
「ええと・・正直に申し上げますか?」
「あとで聞くわ!」
「だね・・・」
とりあえず・・そう、とりあえず・・全部胃袋に押し込み、会計を済ませると、外に出る。
何しろ、お口直しの一服をしなければ、自分の首を自分で絞めたくなるほどだ。
「ご不満の顔ねえ~」
「まあ・・ね。もう、牛肉麺はいいや・・・卵焼きは大根より大量のニンニクに参ったし・・・」
ホテルまでブラブラと歩いて帰る。ドアを開け様とすると、さっとドアが開き、オストドの顔を
見るなり、スモーキングエリアへ出るドアを開いた。
まあ、手にタバコの箱を持っていたからだろう。
「さてと・・コーヒーでもいただきますか?」
メストド1号の一日はコーヒーに始まり、コーヒーに終る。「そんなに飲むと眠れなくなるよ!」
よく言うのだけれど、彼女の場合、子供時代からの習慣なのだから、
「そんなの!関係ねえ~」とばかりに飲む。
オストドはどちらかと言うと、コーヒーより、緑茶派。従って、緑茶が切れていると機嫌が悪い。
「そうねえ~」
フロント階のラウンジでメストド1号はコーヒーを頂き、オストドはジャスミンティーを頂く。
ついでにお菓子会社の経営なので、おせんべいを頂く。
「誰でしたっけ?腹一杯って言ったの?」
そんな事はお構いなしに口に放り込む。
「うん。イケルよ!コレ・・・」
メストド1号に差し出すと、メストド1号も釣られて口に放り込む。
「じゃあ!コンビニに行って来る!」
「うん。ゼロがいいかな・・・無ければ任す!」
「OK!」
オストドはまた外へ飛び出し、ついでに周辺の散策に出る。
「おっ!こんな所に・・・」
何があったのか書くわけにはいかない。多分、オストドの記憶に間違いがなければ、
883+1会の連中の行きつけのお店だ・・・
「なるほどね・・・こりゃあ~あいつらなら歩きそうな道だわ!」
一人納得して、コンビに飛び込み、コーラとゼロコーラとミネラルウォーターを購入する。
部屋にも2本サービスで置いてはあるのだが、オストドの消費量とメストド1号の消費量を
考えると、二晩分で大きいボトルが1本必要になる。
周辺をグルグル廻り、ホテルへと戻る。
「あったよ・・・」
「そう!コレどうする・・・」
「重そうな気もしないではないけど・・・」
コレとは、さっき龍山寺の帰り道に買ってきた。コーヒーの香りがするメロンパンもどき。
「あたしは・・頂くわよ!セーブしたもんね!」
「じゃあ・・俺も・・・」
瞬く間に二人の胃袋に4個共収まってしまう。
「これで・・満足して眠れる!」
「えっ?」
「お口直し終ったもの・・」
石造り風のバスタブにお湯を張り、それぞれバスソルトをたっぷりと入れて入浴。
「ねえ!明日は?」
「そうねえ~新天にでも行ってみる?それから夜市とマッサージと小龍包は外せない・・」
こうして台北での一日目の夜は更けていったのだ。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑥へ続く・・・・
長春路に戻ってきた。オストド&メストド1号。
「まあ、どこで喰っても一緒でしょ?」とばかりに、“辰っあん”の写真が飾ってあった店に入る。
在台中は好んで屋ベ手いた店が見つからなかったせいなのか?
メストド1号は牛肉麺ではないものを食べると言いだした。
まあ、それも在住中は好んで食べていた麺なのだ。
「ええ・・・どうしようかな?一人で喰えるかな・・・」
そう言いながらも、オストドは牛肉麺とエビチャーハンと大根入り卵焼きを注文した。
「どう?そっちのお味・・・」
「ええと・・正直に申し上げますか?」
「あとで聞くわ!」
「だね・・・」
とりあえず・・そう、とりあえず・・全部胃袋に押し込み、会計を済ませると、外に出る。
何しろ、お口直しの一服をしなければ、自分の首を自分で絞めたくなるほどだ。
「ご不満の顔ねえ~」
「まあ・・ね。もう、牛肉麺はいいや・・・卵焼きは大根より大量のニンニクに参ったし・・・」
ホテルまでブラブラと歩いて帰る。ドアを開け様とすると、さっとドアが開き、オストドの顔を
見るなり、スモーキングエリアへ出るドアを開いた。
まあ、手にタバコの箱を持っていたからだろう。
「さてと・・コーヒーでもいただきますか?」
メストド1号の一日はコーヒーに始まり、コーヒーに終る。「そんなに飲むと眠れなくなるよ!」
よく言うのだけれど、彼女の場合、子供時代からの習慣なのだから、
「そんなの!関係ねえ~」とばかりに飲む。
オストドはどちらかと言うと、コーヒーより、緑茶派。従って、緑茶が切れていると機嫌が悪い。
「そうねえ~」
フロント階のラウンジでメストド1号はコーヒーを頂き、オストドはジャスミンティーを頂く。
ついでにお菓子会社の経営なので、おせんべいを頂く。
「誰でしたっけ?腹一杯って言ったの?」
そんな事はお構いなしに口に放り込む。
「うん。イケルよ!コレ・・・」
メストド1号に差し出すと、メストド1号も釣られて口に放り込む。
「じゃあ!コンビニに行って来る!」
「うん。ゼロがいいかな・・・無ければ任す!」
「OK!」
オストドはまた外へ飛び出し、ついでに周辺の散策に出る。
「おっ!こんな所に・・・」
何があったのか書くわけにはいかない。多分、オストドの記憶に間違いがなければ、
883+1会の連中の行きつけのお店だ・・・
「なるほどね・・・こりゃあ~あいつらなら歩きそうな道だわ!」
一人納得して、コンビに飛び込み、コーラとゼロコーラとミネラルウォーターを購入する。
部屋にも2本サービスで置いてはあるのだが、オストドの消費量とメストド1号の消費量を
考えると、二晩分で大きいボトルが1本必要になる。
周辺をグルグル廻り、ホテルへと戻る。
「あったよ・・・」
「そう!コレどうする・・・」
「重そうな気もしないではないけど・・・」
コレとは、さっき龍山寺の帰り道に買ってきた。コーヒーの香りがするメロンパンもどき。
「あたしは・・頂くわよ!セーブしたもんね!」
「じゃあ・・俺も・・・」
瞬く間に二人の胃袋に4個共収まってしまう。
「これで・・満足して眠れる!」
「えっ?」
「お口直し終ったもの・・」
石造り風のバスタブにお湯を張り、それぞれバスソルトをたっぷりと入れて入浴。
「ねえ!明日は?」
「そうねえ~新天にでも行ってみる?それから夜市とマッサージと小龍包は外せない・・」
こうして台北での一日目の夜は更けていったのだ。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑥へ続く・・・・
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑥ [2011 台北の旅]
第6章 時の流れに・・・判らなくなっちゃった
ありきたりだけれど、その辺の高級ホテルとは、品数を比べてはいけないけど、
美味しい朝食をビュッフェスタイルでいただき、「いってらっしゃいませ!」の声に送られ、
外へ飛び出してゆく。
「もうちょっと・・喰っておけばよかった・・・」
「はあ?あれだけ食べたでしょ?」
メストドは懐かしく、大好物であった肉デンブをお粥に載せ、オストドと同量程度食べた。
オストドは「足らなきゃお代りすればいいじゃん!」方式で、取りあえずの量を皿に載せた。
「しまったよなぁ~お代り禁止されるとは・・・・」
「健康のため!カッコイイ叔父さん目指しなさい!特に・・そのお腹!」
「すみませんねえ~」
「しかし・・アンタほど体型が変わるのも珍しいわよ!」
「うん。昔はジャニーズ系だけど・・今はもうちょっとで相撲界系って言いたいんでしょ?」
「体重計のメモリ読んでビックリしたわよ・・・ダイエットしているんじゃなかったっけ?」
「落ちないんだよね・・・俺の体重と乗った飛行機は・・・」
「馬鹿言っているんじゃないの・・・今日はトコトン歩いてもらいます!」
「げっ!」
ホテルの最寄りの駅は中山站なのだが、乗り換えもメンドーだし、地下道もつながっているので、
台北車站まで歩くことにした。
「先生!ひとつ質問!」
「はい!オストドクン!」
これではまるで修学旅行の生徒と引率者である。あるが、メストド1号の方が台湾だけは詳しい。
「あのさ・・さっきから洋服屋さんとか下着屋とかあるけどね!なんで日系って書いてあるのかな?」
「それはねえ~日系のほうが物がいいと思われているからよ・・・」
「そういえば・・同じデザインぽいけど・・・日系の方が、相当高い・・・」
「コラ!あんまりジロジロみないの・・」
「でもさ・・おかしいよね・・コレなんか日本人着るのか?」
「さあねえ~まあ、日本の物の方が信用あるんじゃない?」
「そうかな?この辺で売っているのって・・夜市あたりで仕入れていたりして・・・」
昔はバスに乗るかタクシーしかなかった新店へもMRTで行ける様になった。
聞いた話によると桃園空港へもMRTが伸びるとか・・・
「便利になったよね・・・」
「そうねえ~」
新天站に降り立ち、地上へと出て見る。ここからブラブラと歩いて戻る予定だ。
(駅前のバス亭・・・)
「喉渇いた・・・」
「お水は・・あっ!あたしの分しか持って来なかった・・・じゃあ!マックに入る?」
「うん。そろそろ・・昼だな腹時計が正確なら・・一服もしたいし・・・」
「はいはい・・」
オストドの腹時計と体内時計は正確に時差を調整しているらしい。
時差が何時間あろうと・・勝手に針を進めたり、遅らせたりしながら正確な時を刻む。
「おっ!何だこれ!日本のマックでも売ればいいのに・・・」
「あんたはそれでいいの?」
「うん!腹減らしておかないと・・・後で小龍包食べるし・・・」
ここまで来る間に市場を見かけると、わざわざ入りこみ、天敵の鶏が締められて売られている所を
眺めたり、名前も判らない大きな魚が輪切りにされ、売られているところを見たりして歩いてきた。
美味しそうなモノも売られては居たのだけれど、衛生上とちょっと個人的事情ゆえ、
メストド1号に禁止されていたわけだ。何しろ、オストドは台湾でなく、国内某所に居る。
そういうことになっているわけだ。検疫を喰らうわけにもいかないし・・ましてや、
そう・・隔離されることだけはするわけにはいかない。
「あっ!外のテラス席なら吸っているのがいる・・・」
「判ったわ!外に移りましょう」
「大体さ・・・嫌煙権は判るよ!でも・・女性の化粧品の匂いも時には、公害だよ・・・」
「あたしは無香性か微香性ですけど?」
「うん。だからさ・・・」
「また屁理屈始まるの?小龍包無しになるけどいい?」
「止めときます・・・タバコ吸えればいいや!」
(マックのあった交差点)
「そんじゃあ~行きますかね!まだまだ・・やること一杯あるんで・・」
「そうね・・」
ガソリン?を入れたオストドの足は軽い。ちゃんと痛みどめの薬も飲んである。
「おっ!台湾名物が出た!」
自転車のおっちゃんとタクシーのおっちゃんが口喧嘩を始めたのだ。
「やれやれ!」
「煽らないの!」
「台湾名物だもの・・」
自転車のおっちゃんはわざとタクシーの進路を妨害し始め、タクシーのおっちゃんはクラクションを
鳴らし続けた・・・
「ああ!面白ぉ~」
「ったく・・相変わらず、ヤジ馬なんだから・・・」
「ヤジトドの間違い!」
そんなやり取りをしながら、景美橋を渡る。北新路からは逸れて歩いている。
オストドとメストド1号は徒歩で台北市へ戻ってきたことになる。
市場と聞けば覗きたくなるのがオストドの性分。何か面白いものが見えるかも知れない。
ダウンやセーターを着ている人々が買い物をしている中、上半身裸の威勢の良いおっちゃんを
眺めては歩く。
「写真は止めておきなさいよ!メンドーだから・・・」
「おっちゃん撮る気はないよ!」
これはオストドの本音でもある。若いお姉さんだったら・・望遠で狙うところだ。
時々、ここまで来る途中、不動産屋を覗きこみ、ついでに学習塾を覗いてきた。
「これくらいなら・・買えるかな?」
「買ってどうするわけ?」
「商売でも始めるか!サイドビジネス・・・」
「はあ?」
「何するの?」
「日本語学校でも開くか?ついでに生徒集めに苦労している学校とタイアップして・・・」
「タイアップ?」
「そう!こっちは徴兵制あるじゃん?」
「まあねえ~」
「好きこのんで、息子を兵隊に差し出したい親って居る?」
「中には・・居るんじゃない?」
「金持ちならどうかな?そこでだ・・生徒集めを苦労・・・」
「呆れた・・でも、儲かるかも?」
「でしょ?Yとタイアップしてもいいな・・可愛い子は学校じゃなくてYのところへ送りこんで・・・」
「今のお仕事はどうする気?」
「二足のわらじは・・・ムリか・・体力持たねえわ!」
「でしょ!いい加減に週休二日制にしてもらったら?心配なのよね・・」
「まあ・・・いずれ・・いつの日か・・・社長になったらね!」
オストドだって休みたい。身体も悲鳴を上げているのは事実だし、毎月メンテナンスも
欠かさず受けねばならない。毎日服用している薬代だって馬鹿にはならない。
「休めないよね・・・・」
「ええ!休めません!死ぬ寸前まで働かされる会社ですからねぇ~」
偶に、お医者様。まあ、オストドはメカニックとも整備士とも呼んでいるのだけれど、
半分、自虐的に休めないと強調している。唯一の楽しみと言うべきか、骨休めはこうして
旅の空へ仕事とは関係なく出かけることぐらいだろう。
「ねえ?」
「あん?」
「足・・疲れない?」
「疲れてないと言えば嘘だなぁ~痛みどめは飲んでいるんで痛みはないけど・・・」
「もうちょっと歩く?」
「ええと・・出来ればこの辺で切り上げて・・・烏龍茶入りの小龍包でも食べにいかない?」
「そうしようか?でも・・・台北車站からは歩くからね!」
「了解!1皿追加で手を打つ・・・マッサージも2時間ね!」
再び、MRTに乗りこみ・・台北車站からは歩くわけだけど、長春路にあるお店目指すことになった。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑦へ続く・・・・
ありきたりだけれど、その辺の高級ホテルとは、品数を比べてはいけないけど、
美味しい朝食をビュッフェスタイルでいただき、「いってらっしゃいませ!」の声に送られ、
外へ飛び出してゆく。
「もうちょっと・・喰っておけばよかった・・・」
「はあ?あれだけ食べたでしょ?」
メストドは懐かしく、大好物であった肉デンブをお粥に載せ、オストドと同量程度食べた。
オストドは「足らなきゃお代りすればいいじゃん!」方式で、取りあえずの量を皿に載せた。
「しまったよなぁ~お代り禁止されるとは・・・・」
「健康のため!カッコイイ叔父さん目指しなさい!特に・・そのお腹!」
「すみませんねえ~」
「しかし・・アンタほど体型が変わるのも珍しいわよ!」
「うん。昔はジャニーズ系だけど・・今はもうちょっとで相撲界系って言いたいんでしょ?」
「体重計のメモリ読んでビックリしたわよ・・・ダイエットしているんじゃなかったっけ?」
「落ちないんだよね・・・俺の体重と乗った飛行機は・・・」
「馬鹿言っているんじゃないの・・・今日はトコトン歩いてもらいます!」
「げっ!」
ホテルの最寄りの駅は中山站なのだが、乗り換えもメンドーだし、地下道もつながっているので、
台北車站まで歩くことにした。
「先生!ひとつ質問!」
「はい!オストドクン!」
これではまるで修学旅行の生徒と引率者である。あるが、メストド1号の方が台湾だけは詳しい。
「あのさ・・さっきから洋服屋さんとか下着屋とかあるけどね!なんで日系って書いてあるのかな?」
「それはねえ~日系のほうが物がいいと思われているからよ・・・」
「そういえば・・同じデザインぽいけど・・・日系の方が、相当高い・・・」
「コラ!あんまりジロジロみないの・・」
「でもさ・・おかしいよね・・コレなんか日本人着るのか?」
「さあねえ~まあ、日本の物の方が信用あるんじゃない?」
「そうかな?この辺で売っているのって・・夜市あたりで仕入れていたりして・・・」
昔はバスに乗るかタクシーしかなかった新店へもMRTで行ける様になった。
聞いた話によると桃園空港へもMRTが伸びるとか・・・
「便利になったよね・・・」
「そうねえ~」
新天站に降り立ち、地上へと出て見る。ここからブラブラと歩いて戻る予定だ。
(駅前のバス亭・・・)
「喉渇いた・・・」
「お水は・・あっ!あたしの分しか持って来なかった・・・じゃあ!マックに入る?」
「うん。そろそろ・・昼だな腹時計が正確なら・・一服もしたいし・・・」
「はいはい・・」
オストドの腹時計と体内時計は正確に時差を調整しているらしい。
時差が何時間あろうと・・勝手に針を進めたり、遅らせたりしながら正確な時を刻む。
「おっ!何だこれ!日本のマックでも売ればいいのに・・・」
「あんたはそれでいいの?」
「うん!腹減らしておかないと・・・後で小龍包食べるし・・・」
ここまで来る間に市場を見かけると、わざわざ入りこみ、天敵の鶏が締められて売られている所を
眺めたり、名前も判らない大きな魚が輪切りにされ、売られているところを見たりして歩いてきた。
美味しそうなモノも売られては居たのだけれど、衛生上とちょっと個人的事情ゆえ、
メストド1号に禁止されていたわけだ。何しろ、オストドは台湾でなく、国内某所に居る。
そういうことになっているわけだ。検疫を喰らうわけにもいかないし・・ましてや、
そう・・隔離されることだけはするわけにはいかない。
「あっ!外のテラス席なら吸っているのがいる・・・」
「判ったわ!外に移りましょう」
「大体さ・・・嫌煙権は判るよ!でも・・女性の化粧品の匂いも時には、公害だよ・・・」
「あたしは無香性か微香性ですけど?」
「うん。だからさ・・・」
「また屁理屈始まるの?小龍包無しになるけどいい?」
「止めときます・・・タバコ吸えればいいや!」
(マックのあった交差点)
「そんじゃあ~行きますかね!まだまだ・・やること一杯あるんで・・」
「そうね・・」
ガソリン?を入れたオストドの足は軽い。ちゃんと痛みどめの薬も飲んである。
「おっ!台湾名物が出た!」
自転車のおっちゃんとタクシーのおっちゃんが口喧嘩を始めたのだ。
「やれやれ!」
「煽らないの!」
「台湾名物だもの・・」
自転車のおっちゃんはわざとタクシーの進路を妨害し始め、タクシーのおっちゃんはクラクションを
鳴らし続けた・・・
「ああ!面白ぉ~」
「ったく・・相変わらず、ヤジ馬なんだから・・・」
「ヤジトドの間違い!」
そんなやり取りをしながら、景美橋を渡る。北新路からは逸れて歩いている。
オストドとメストド1号は徒歩で台北市へ戻ってきたことになる。
市場と聞けば覗きたくなるのがオストドの性分。何か面白いものが見えるかも知れない。
ダウンやセーターを着ている人々が買い物をしている中、上半身裸の威勢の良いおっちゃんを
眺めては歩く。
「写真は止めておきなさいよ!メンドーだから・・・」
「おっちゃん撮る気はないよ!」
これはオストドの本音でもある。若いお姉さんだったら・・望遠で狙うところだ。
時々、ここまで来る途中、不動産屋を覗きこみ、ついでに学習塾を覗いてきた。
「これくらいなら・・買えるかな?」
「買ってどうするわけ?」
「商売でも始めるか!サイドビジネス・・・」
「はあ?」
「何するの?」
「日本語学校でも開くか?ついでに生徒集めに苦労している学校とタイアップして・・・」
「タイアップ?」
「そう!こっちは徴兵制あるじゃん?」
「まあねえ~」
「好きこのんで、息子を兵隊に差し出したい親って居る?」
「中には・・居るんじゃない?」
「金持ちならどうかな?そこでだ・・生徒集めを苦労・・・」
「呆れた・・でも、儲かるかも?」
「でしょ?Yとタイアップしてもいいな・・可愛い子は学校じゃなくてYのところへ送りこんで・・・」
「今のお仕事はどうする気?」
「二足のわらじは・・・ムリか・・体力持たねえわ!」
「でしょ!いい加減に週休二日制にしてもらったら?心配なのよね・・」
「まあ・・・いずれ・・いつの日か・・・社長になったらね!」
オストドだって休みたい。身体も悲鳴を上げているのは事実だし、毎月メンテナンスも
欠かさず受けねばならない。毎日服用している薬代だって馬鹿にはならない。
「休めないよね・・・・」
「ええ!休めません!死ぬ寸前まで働かされる会社ですからねぇ~」
偶に、お医者様。まあ、オストドはメカニックとも整備士とも呼んでいるのだけれど、
半分、自虐的に休めないと強調している。唯一の楽しみと言うべきか、骨休めはこうして
旅の空へ仕事とは関係なく出かけることぐらいだろう。
「ねえ?」
「あん?」
「足・・疲れない?」
「疲れてないと言えば嘘だなぁ~痛みどめは飲んでいるんで痛みはないけど・・・」
「もうちょっと歩く?」
「ええと・・出来ればこの辺で切り上げて・・・烏龍茶入りの小龍包でも食べにいかない?」
「そうしようか?でも・・・台北車站からは歩くからね!」
「了解!1皿追加で手を打つ・・・マッサージも2時間ね!」
再び、MRTに乗りこみ・・台北車站からは歩くわけだけど、長春路にあるお店目指すことになった。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑦へ続く・・・・
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑦ [2011 台北の旅]
第7章 時の流れに身を任せ
台北車站でMRTを降り、ひたすら長春路を目指す。
まずは、マッサージ屋さんへ闖入することにした。何故なら、メストド1号放送禁止用語の連発。
まあ、道理は通っている。順番を間違えれば、胃袋の中に放り込んだ物を吐きだす恐れがある。
2時間コースを選択する。お世辞にも気持ちいいとは言えない。
何しろ、足湯は温い。足湯が先と言ってくれれば、洋服に下着は全部脱がないで済んだはずだ。
短パン一丁でウロウロと引きずり廻される羽目になった。
「寒いでしょ?」とタオルを掛けてくれたけど、桶に足を突っ込んでいて時間がくれば終わり。
オイルマッサージを頼んだわけだが、至福の時は一時で、後は、拷問に次ぐ拷問。
ベリーホットなタオルを背中に載せられ、そこまでは我慢をするけど、ぎゅう~っと押し当ててくる。
思わず・・「アチイ!」と連発する羽目に・・・つくづく、台北ではマッサージに縁がないのか?
散々、色々な店の値段を調べ、一番安い店にした報いなのか?若いお姉さんだったのだけど、
そんなのはどうでもいい話で、お金を払い。拷問を受ける羽目になったのだ。
「酷い目にあった気がする!身体はラクにはなったと思うけど・・・」
「これで胃袋に小龍包が入っていたら?」
「多分・・思い切り吐き出してた!」
「でしょ?」
「さてと・・燃料詰めなきゃ・・・」
眼を付けていた店へと向かう。ガイドブックでも紹介されているくらいだし、
ついでに日本人CAにも遭遇率が高いお店。名前は敢えて書く必要もない。
何でも、日本にも支店があるそうなので、店の前に立っているおっちゃんは、流暢な日本語を
使いこなしている。多分、知らない人からみれば、オストドが異邦人でおっちゃんは、日本人に
見られるかもしれない。まあ、オストドは日本の旅券こそ携帯しているが、ヒト目トド科である。
「ええとぉ~何が良いかな?」
定番の小龍包は外せない。
「ええと・・あとは・・・」
「まだ食べるの?」
「デザートは必要でしょ?あっ!アンコの小龍包があるよ!」
「ひとつお伺いしたいのですけど・・コレ何ご飯?」
「解っているよぉ~お・や・つ!小龍包二つにしておけばいいんでしょ?」
ひとつはカニ入り。ひとつは小龍包を頼むことに・・・
「ねえ!オ・ミ・ヤ・ゲ買ってない!」
「スーパーが一番安いかな・・・やっぱり・・」
メストド1号と違いオストドはあくまでも、国内某所北のはずれの大きな島に居ることになっている。
従って、ネット通販で土産は仕入れてある。だけど、メストド1号は何か買って行かねばならない。
デパートの下にあるスーパーへ行き、パイナップルケーキやらばら撒き用のお菓子を仕入れることに、
どこかのアホ日本人がパッケージを開けまくっている。信じられない光景だが、数を確かめている。
「信じられんやっちゃ・・でも、便乗すっか?」
彼が開けたパッケージの中を確認して、コレならと人数計算をはじめ、必要数を購入することにした。
いつも思うのだが、日本人ほど土産好きは居ないと思う。
まあ、そういう方々が居るからこそ、オストドもツアコン時代に散々稼がせていただいたわけだが・・・
「ねえ!どうする?」
「どうするも何も一回ホテルへ戻って、荷物ぶん投げて・・・」
「お菓子ですけど?」
「じゃあ・・お菓子を置いて来なくちゃ!」
林森公園を横切り、道を渡ればホテルだから、そんなに手間ではない。
ドアマンならぬドアウーマンは、オストドの顔を見るや否や、表通りに面しているドアを開けた
そして、すぐ、喫煙コーナーのある場所へ出るドアまで開けてくれた。
「すっかり・・覚えられたわねえ~」
「うんうん。このホテルはお気に入りだな。さすがスモールラグジュアリーホテルの一員。」
「えっ?そうなの?」
「まあね・・部屋にカタログが置いてあるよ!」
部屋に荷物を投げ出し、夜の散策に出かけることにした。エレベーターを降りてゆくと、
すっかり顔を覚えられていて、喫煙コーナー側のドアが開けられた。こうなれば、もう一服して
出かけるのが、その行為と言うかサービスに対する礼儀と言うものだろう。
「吸えるうちに吸って置かないとねえ~台湾も世知辛くなった・・・」
「そうねえ~昔は・・・」
「うん!フロアーに吸いがら投げ捨てるのは、当たり前だったしねえ~」
「まあね。アンタのマナーの方がまだあの頃はマシだったような・・・」
「でしょ?じゃあ!行きますかねえ~」
「何処へ行くの?」
「スーリンイエスーでいいんじゃない?行った事ないでしょ?あそこは・・・」
「うん。」
「俺は前回の時行ったから・・何か掘り出しモノあるかな?」
中山站からMRTに乗りこむことにして、ドアを開けて中へ入ろうとすると、すかさず、ドアマンが、
「それは私の仕事!」とばかりに、飛んで来て、ドアを開けてくれる。
自動ドアでは味わえない何とも言えない贅沢のひとつかもしれない。
MRTに乗り込み淡水方面を目指す。スーリンイエスーつまり、士林夜市へ向かうのだけど、
士林站まで行っては遠すぎてしまう。最寄駅は劍潭站で中山方面から見れば、ひとつ手前だ。
「はぐれるなよ!」
「解っているわよ!そっちこそ・・・」
オストドの腕を掴むメストド1号。腕が最後には痛くなったほど。それだけの人混みである。
「さてと・・・んっ?」
これがおっさんやおばさん。ましてやちょっと強面のお兄ちゃんだったら覗かないが、
それなりに綺麗なお姉さんが路上でないやら焼いて売っている。
「買う!」
「えっ?」
「買うの!」
オストドは自他共に認めるほど。綺麗なお姉さんは好きですか?ハイ大好き!派である。
従って、素通りは出来るはずもない。
中身はただ皮だけの代物だったが、ほんのり甘みがあって、歩き食いにはうってつけである。
ブラブラと歩きながら、メストド1号の同僚女性へのお土産を探す。
「ねえ!メンドーだからあれでよくない?」
オストドが指さしたのは、ソレとは別の隣の店で売られていたった。モノだったのだが、
メストド1号の視線には、下着屋さんが入っていたのだ。
「エッチ!」
「はあ?何で?いいじゃん・・あれで・・・」
「サイズだって解らないし・・・」
「へっ?サイズなんてあるの?」
「あのねえ~」
ここで思い切り抓られたオストド。オストドが指さしたのは、その横の雑貨コーナーである。
メストド1号が指さす方は、見ているこっちが目を覆いたくなるほどの代物だった。
「あのぉ~勘違いなさっている様ですが・・・」
まあ、ここは不問に付したほうが良い。咄嗟に判断したオストドは、今度は歩いているサイドの、
雑貨屋さんを指さした。
「コレなんかどう?お値段手頃でしょ?」
「こんなの使うかしら・・・」
「名刺入れは?」
「それがいいかもね!」
ドサクサに紛れて、オストドの分と3個で幾らと交渉して歩く。
交渉すること3軒目でやっと商談成立!お手を拝借!と行きたいところだけど、我慢しておく。
「腹減った・・・」
「何か言った?」
「腹減ったの!」
「何か食べる?」
食堂と言えばいいのか、喰い物屋さんがぎっしり詰まったスポットへ行く。
「あっ!まずは・・コレ!」
イモ餅のフライ版みたいなもの。オストドが全部食べてしまったので、メストド1号の内心の怒りは、
この時爆発していたのだが、オストドはフンフンと鼻歌を歌いながら、綺麗なお姉さんの屋台を探す。
「うっ!この匂いだけは・・・」
「そう?やっぱりあんたはお坊ちゃまなんだから・・・」
「はい?こんな匂いが混じったのは・・悪く言わせていただくと・・」
「ストップ!言いたい事解るわよ!」
匂いに耐えきれず、外へ出る。オストドの中での今夜のディナーは、鮑でありロブスター。
おまけに言わせてもらえば、フカヒレのフレンチ中華だったわけだ。
この前食べて美味しかったので、メストド1号にも食べさせたかったのだ。
「おっ!パクリか?」
「どうだろう・・・」
「あれ!どう見てもピカチューみたいだし、アレはドラエモンでしょ・・ハム太郎まで・・・」
「まあ・・ね。何でもありなんでしょ!」
「それじゃあ・・戻ってお食事でもいかがです?」
「ノーサンキュ!」
「はい?」
「あんたはカロリー摂りすぎでしょ!」
「げっ!明日帰るんだよ?小龍包もまだ食べ足りないし・・・」
多分、昨夜仏様に散々悪態をつき、脅かしてきた報いを受けているのかもしれない。
ホテルへ帰る途中、マックに飲茶レストラン等ことごとく・・首を縦に振って貰えなかったのである。
「そんなぁ~バナナ・・・じゃなかった・・馬鹿な・・・」
「明日のお昼に食べればいいでしょ?」
「朝ご飯も食べるよ!」
「はいはい・・・」
こうして台湾最後の夜は、オストドの腹の虫の合唱と共に暮れていったのである。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑧へ続く。
台北車站でMRTを降り、ひたすら長春路を目指す。
まずは、マッサージ屋さんへ闖入することにした。何故なら、メストド1号放送禁止用語の連発。
まあ、道理は通っている。順番を間違えれば、胃袋の中に放り込んだ物を吐きだす恐れがある。
2時間コースを選択する。お世辞にも気持ちいいとは言えない。
何しろ、足湯は温い。足湯が先と言ってくれれば、洋服に下着は全部脱がないで済んだはずだ。
短パン一丁でウロウロと引きずり廻される羽目になった。
「寒いでしょ?」とタオルを掛けてくれたけど、桶に足を突っ込んでいて時間がくれば終わり。
オイルマッサージを頼んだわけだが、至福の時は一時で、後は、拷問に次ぐ拷問。
ベリーホットなタオルを背中に載せられ、そこまでは我慢をするけど、ぎゅう~っと押し当ててくる。
思わず・・「アチイ!」と連発する羽目に・・・つくづく、台北ではマッサージに縁がないのか?
散々、色々な店の値段を調べ、一番安い店にした報いなのか?若いお姉さんだったのだけど、
そんなのはどうでもいい話で、お金を払い。拷問を受ける羽目になったのだ。
「酷い目にあった気がする!身体はラクにはなったと思うけど・・・」
「これで胃袋に小龍包が入っていたら?」
「多分・・思い切り吐き出してた!」
「でしょ?」
「さてと・・燃料詰めなきゃ・・・」
眼を付けていた店へと向かう。ガイドブックでも紹介されているくらいだし、
ついでに日本人CAにも遭遇率が高いお店。名前は敢えて書く必要もない。
何でも、日本にも支店があるそうなので、店の前に立っているおっちゃんは、流暢な日本語を
使いこなしている。多分、知らない人からみれば、オストドが異邦人でおっちゃんは、日本人に
見られるかもしれない。まあ、オストドは日本の旅券こそ携帯しているが、ヒト目トド科である。
「ええとぉ~何が良いかな?」
定番の小龍包は外せない。
「ええと・・あとは・・・」
「まだ食べるの?」
「デザートは必要でしょ?あっ!アンコの小龍包があるよ!」
「ひとつお伺いしたいのですけど・・コレ何ご飯?」
「解っているよぉ~お・や・つ!小龍包二つにしておけばいいんでしょ?」
ひとつはカニ入り。ひとつは小龍包を頼むことに・・・
「ねえ!オ・ミ・ヤ・ゲ買ってない!」
「スーパーが一番安いかな・・・やっぱり・・」
メストド1号と違いオストドはあくまでも、国内某所北のはずれの大きな島に居ることになっている。
従って、ネット通販で土産は仕入れてある。だけど、メストド1号は何か買って行かねばならない。
デパートの下にあるスーパーへ行き、パイナップルケーキやらばら撒き用のお菓子を仕入れることに、
どこかのアホ日本人がパッケージを開けまくっている。信じられない光景だが、数を確かめている。
「信じられんやっちゃ・・でも、便乗すっか?」
彼が開けたパッケージの中を確認して、コレならと人数計算をはじめ、必要数を購入することにした。
いつも思うのだが、日本人ほど土産好きは居ないと思う。
まあ、そういう方々が居るからこそ、オストドもツアコン時代に散々稼がせていただいたわけだが・・・
「ねえ!どうする?」
「どうするも何も一回ホテルへ戻って、荷物ぶん投げて・・・」
「お菓子ですけど?」
「じゃあ・・お菓子を置いて来なくちゃ!」
林森公園を横切り、道を渡ればホテルだから、そんなに手間ではない。
ドアマンならぬドアウーマンは、オストドの顔を見るや否や、表通りに面しているドアを開けた
そして、すぐ、喫煙コーナーのある場所へ出るドアまで開けてくれた。
「すっかり・・覚えられたわねえ~」
「うんうん。このホテルはお気に入りだな。さすがスモールラグジュアリーホテルの一員。」
「えっ?そうなの?」
「まあね・・部屋にカタログが置いてあるよ!」
部屋に荷物を投げ出し、夜の散策に出かけることにした。エレベーターを降りてゆくと、
すっかり顔を覚えられていて、喫煙コーナー側のドアが開けられた。こうなれば、もう一服して
出かけるのが、その行為と言うかサービスに対する礼儀と言うものだろう。
「吸えるうちに吸って置かないとねえ~台湾も世知辛くなった・・・」
「そうねえ~昔は・・・」
「うん!フロアーに吸いがら投げ捨てるのは、当たり前だったしねえ~」
「まあね。アンタのマナーの方がまだあの頃はマシだったような・・・」
「でしょ?じゃあ!行きますかねえ~」
「何処へ行くの?」
「スーリンイエスーでいいんじゃない?行った事ないでしょ?あそこは・・・」
「うん。」
「俺は前回の時行ったから・・何か掘り出しモノあるかな?」
中山站からMRTに乗りこむことにして、ドアを開けて中へ入ろうとすると、すかさず、ドアマンが、
「それは私の仕事!」とばかりに、飛んで来て、ドアを開けてくれる。
自動ドアでは味わえない何とも言えない贅沢のひとつかもしれない。
MRTに乗り込み淡水方面を目指す。スーリンイエスーつまり、士林夜市へ向かうのだけど、
士林站まで行っては遠すぎてしまう。最寄駅は劍潭站で中山方面から見れば、ひとつ手前だ。
「はぐれるなよ!」
「解っているわよ!そっちこそ・・・」
オストドの腕を掴むメストド1号。腕が最後には痛くなったほど。それだけの人混みである。
「さてと・・・んっ?」
これがおっさんやおばさん。ましてやちょっと強面のお兄ちゃんだったら覗かないが、
それなりに綺麗なお姉さんが路上でないやら焼いて売っている。
「買う!」
「えっ?」
「買うの!」
オストドは自他共に認めるほど。綺麗なお姉さんは好きですか?ハイ大好き!派である。
従って、素通りは出来るはずもない。
中身はただ皮だけの代物だったが、ほんのり甘みがあって、歩き食いにはうってつけである。
ブラブラと歩きながら、メストド1号の同僚女性へのお土産を探す。
「ねえ!メンドーだからあれでよくない?」
オストドが指さしたのは、ソレとは別の隣の店で売られていたった。モノだったのだが、
メストド1号の視線には、下着屋さんが入っていたのだ。
「エッチ!」
「はあ?何で?いいじゃん・・あれで・・・」
「サイズだって解らないし・・・」
「へっ?サイズなんてあるの?」
「あのねえ~」
ここで思い切り抓られたオストド。オストドが指さしたのは、その横の雑貨コーナーである。
メストド1号が指さす方は、見ているこっちが目を覆いたくなるほどの代物だった。
「あのぉ~勘違いなさっている様ですが・・・」
まあ、ここは不問に付したほうが良い。咄嗟に判断したオストドは、今度は歩いているサイドの、
雑貨屋さんを指さした。
「コレなんかどう?お値段手頃でしょ?」
「こんなの使うかしら・・・」
「名刺入れは?」
「それがいいかもね!」
ドサクサに紛れて、オストドの分と3個で幾らと交渉して歩く。
交渉すること3軒目でやっと商談成立!お手を拝借!と行きたいところだけど、我慢しておく。
「腹減った・・・」
「何か言った?」
「腹減ったの!」
「何か食べる?」
食堂と言えばいいのか、喰い物屋さんがぎっしり詰まったスポットへ行く。
「あっ!まずは・・コレ!」
イモ餅のフライ版みたいなもの。オストドが全部食べてしまったので、メストド1号の内心の怒りは、
この時爆発していたのだが、オストドはフンフンと鼻歌を歌いながら、綺麗なお姉さんの屋台を探す。
「うっ!この匂いだけは・・・」
「そう?やっぱりあんたはお坊ちゃまなんだから・・・」
「はい?こんな匂いが混じったのは・・悪く言わせていただくと・・」
「ストップ!言いたい事解るわよ!」
匂いに耐えきれず、外へ出る。オストドの中での今夜のディナーは、鮑でありロブスター。
おまけに言わせてもらえば、フカヒレのフレンチ中華だったわけだ。
この前食べて美味しかったので、メストド1号にも食べさせたかったのだ。
「おっ!パクリか?」
「どうだろう・・・」
「あれ!どう見てもピカチューみたいだし、アレはドラエモンでしょ・・ハム太郎まで・・・」
「まあ・・ね。何でもありなんでしょ!」
「それじゃあ・・戻ってお食事でもいかがです?」
「ノーサンキュ!」
「はい?」
「あんたはカロリー摂りすぎでしょ!」
「げっ!明日帰るんだよ?小龍包もまだ食べ足りないし・・・」
多分、昨夜仏様に散々悪態をつき、脅かしてきた報いを受けているのかもしれない。
ホテルへ帰る途中、マックに飲茶レストラン等ことごとく・・首を縦に振って貰えなかったのである。
「そんなぁ~バナナ・・・じゃなかった・・馬鹿な・・・」
「明日のお昼に食べればいいでしょ?」
「朝ご飯も食べるよ!」
「はいはい・・・」
こうして台湾最後の夜は、オストドの腹の虫の合唱と共に暮れていったのである。
マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ⑧へ続く。