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僕たちに明日はあるのか?VOL1 [ぼくたちのシリーズ完結編]

-まえがきに代えて-

「僕」です。ご無沙汰をしておりました。「未来の僕」は、

「じょ・・冗談じゃない!」と拒絶しやがりましたので、

ちょくら乗っ取る事にしましたが、「未来の僕」はすっかり

おっさんになっており、幾ら自分の未来とは言え、文句のひとつや

ふたつは言いたくなります。

悪たれ連の悪ガキ共は、すっかりおっさん化しており、見る影もありません。

青〇クンは、すっかり信州の片田舎で、偉そうに説教を垂れるくせに、

相変わらず、年に数回も上京してくる始末ですが、「未来の僕」をはじめ、

大岩クンこと今は黒岩君等「しっかりと尻に敷かれている組]は、迷惑顔。

携帯電話という便利なものを持っていても、着信があっても、殆ど無視だとか

まあ、渋々(いや・・・ノリノリの間違い)で、付き合うのは、佐々木クンをはじめ、

奥様や家族からも諦められている(見捨てられたと言うほうが、正しい?)か、

自由気ままな独身者Yクンだけみたいです。

まあ、そんなおっさんでも、お金だけはある様なので、遊んでくれる子はいるみたい。

そうそう・・・「未来の僕」の記憶をついでに読み解いてみると・・・・

「僕」自身も「噓だぁ~」と叫びたくなる事も

あったみたいです。

まあ、一言で言わせてもらうと、やっぱり、バカはバカのままみたいです。

封印しておけば良かったのに、「僕」を引っ張り出してきたのですから、

責任を取ってもらわねばなりませんよね?

そこで、ナビゲーターは、「僕」がしっかりおこなわせてもらって、「未来の僕」の

記憶を掘り返してみたいと思います。

あっ・・・最後にもうひとつ。

確か、九尾の狐。すっかり飼いならされているみたいです。

でも、あの頃は、スマートだったはずですが、今では一瞬。「狸」と見間違えました。

数えてみると・・・あれ?数が増えています。一頭だったのが、今では4頭の「狸」

どうなっているのか知りませんけど、これからときどき、「未来の僕」をジャックして

お話を完結させてもらわないといけません。

まあ、それまでは、時々かどうか知りませんが、「未来の僕」の夢の中で暴れてやろうか

そう考えておりますが・・・・

まずは・・・そうだ。僕。高校卒業できたのか?その辺から調べてみたいと思います。

あっ!そういえば、「未来の僕」は、僕の予想に反して、お酒を飲んでいません。

寝る時に変な薬を飲んで、無理やり睡眠をとっているみたいです。

それでは、皆様!完結編の本編でお会いしましょう。

-翼 1 -

「用意はいいか・・・・ぶ・ちよ!」

「それだけはやめろ!ジュニア!」

「そっちもやめてくれないか?」

「やめない。お前の名前じゃん。親父さんは残念だった。」

「ああ・・お前が来るのを楽しみにしてた。」

「だろうな~オン・返しそびれてしまった。」

「ところで、ハニーとリトルベイビーは元気か?」

ジュニアは話題を変えてきた。僕もジュニアもしめっぽい話は

似合わないらしい。

「ああ・・・おかげ様でな。」

「連れてくれば良かったろ?」

「婆さんが離さない!」

「婆さん?」

「覚えてるだろ!楊ママ!横浜で中華食わせたろ?」

「ああ・・あのマダム」

「やだやだ・・アメ公は相変わらず・・か」

僕は22歳になっていた。18歳でパパになった。

横浜のママは、横浜のパパが突然の病で亡くなり、ミーチャンと

同じお墓に遺骨を納めると、店を手放した。

いや、手放したというよりは、僕のために手放してくれたと言っても

過言ではない。僕の子供は日本からちょっとだけ離れたT島で、

ママの庇護を受け順調に育っている。

「あとで・・・決着つけるか・・・あの時の・・・」

「そう願いたいところだけどな・・・今夜の便で帰らなきゃいけなくて」

「オーマイゴッド!気は確かか?」

「急な仕事のオファーがあってな・・・」

「OK!腕がなまってないか見てやる。」

「あのな~ジュニア。オレ。ライセンスないんだってば・・・」

「ノープロブレム。ライセンスは俺が持っている」

「だ・か・ら・・・俺は、ノーライセンス・・・まあいいか・・・」

僕はジュニアのお父さんの愛機だったセスナの機長席つまり、左席に座り

あの頃の様に親指を立てて合図を送った。

ただ、あの頃。コーパイ席に座っていたのは、ジュニアの親父さんで、

僕に翼の素晴らしさを教えてくれた。

「・・・・セスナN3445・・・ランウエイ22・・」

「ランウェイ22。ラジャー!」

僕はゆっくりとスロットルを開ける。

「と・こ・ろ・で・・ランウェイ22ってどこだ?」

僕はジュニアに尋ねた。

「マップいるか?」

「お前がナビゲートしろ・・バカ!」

何とか滑走路にたどり着き、管制の許可を受ける。

勿論、僕ではない。何しろ久しぶりに操縦かんを握るので、

心臓はバクバク状態。いや、こうなったら、俎板の上の鯉と

言えばいいのだろうか。

「ほれ・・・さっさといけ・・・シン!」

「ラ・・ジャ・・グレイ!」

ジュニアの親父さんは、元戦闘機乗りで、僕に「シン」と名付けた。

ジュニアことグレイは、初フライトが曇りつまり、空が灰色だったからだ。

僕はスロットルを全開にして、ただ・・・中央線だけを見つめた。

周りの景色に気を取られてい居るほど暇ではない。いや、楽しむ余裕はない。

「OK!・・・ローテションだシン。」

「ラジャ・・・」

僕がゆっくりと操縦かんを引くと、数年ぶりに座った親父さんの愛機は、僕を

空へ連れて舞い上がっていった。

「シン!フライトレベル。ツーサンウザンで、レフトヘッディングゼロ・フォー・ゼロ」

「バンクは?」

「テンいや・・・フィフィティーン」

「ラジャ」

「アンド。クライム。フォーサウザン」

高度2000フィートで左旋回。バンク角15度。方位040に向かい。

高度を4000フィートまで上げろとジュニアことグレイが僕に告げた。

「なあ?ところでどこへ行くんだ?」

「洋上で訓練やって・・・フラップは?」

「ああ・・・フラップ1。」

「フラップ1」

「フラップアップ。」

「なあ!シン?」

「あん?」

「いつまでフルにしているんだ・・・」

「いけねえ~フィフティ?」

「そうだな・・・フィフティ」

「ラジャ」

「フォーサウザン。」

「ラジャ・・・フォーサウザンアンドフィフティパーセント」

スロットルを戻し、水平飛行へと入った。

僕とジュニアを乗せたセスナはカリフォルニアの空へ溶け込んで行った。

ー翼 2へ続くー













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僕たちに明日はあるのか?VOL2 [ぼくたちのシリーズ完結編]

-翼 2-

僕はアメリカの空を、ジュニアのサポートを受けて順調に高度を上げていた。

僕とジュニアを乗せたセスナは、オンボロ状態。

ジュニアのお父さんだった「ダディ」の愛機で、僕とジュニアは空の楽しさ

そして、厳しさを学んだ懐かしい機体だ。

「OK!シン。トレーニングエリアだ。」

「トレーニングエリア?」

「ああ・・・ここからは、お前は自由だ。シン。但し・・・」

「あん?」

「今、中間地点。10サウザンフィートに居る。」

「10サウザン?確かに高度計は合っている気がする。」

「貸し切りだ・・・この空。」

「いいのか・・な。」

「ああ~ここは、航路から外れているし、トレーニングエリアだからな。」

「そうか・・・言い忘れてたけど。」

「なんだ?」

「お前のパラシュート使うなよ!」

「何で?」

聞くまでもない話だ。僕はちょっとしたいたずらをパラシュートに仕掛けている。

わざわざ・・・アメリカくんだりまで、飛んできたのだから、これくらいは

多分、許容範囲だ。

「なるほどな・・・お前も使うなよ!」

「あん?」

「お前のは使い古しだし、コード切れかかっている」

「と・・・言うことは、ドローか・・・」

僕とジュニアは空を存分に駆け回った。ジュニアはフライトスクールの教官で、

適格に僕にアドバイスをくれている。

いつの間にか、空は赤みを帯び始めていた。

「さて・・そろそろ帰ったほうがいいよな?俺ナイトフライトはやったことがない。」

「ああ・・こいつじゃ無理だな。一泊だけしないか?」

「あん?」

「最新鋭のリアジェットの初飛行にご招待しようかと・・・」

「ごめん。無理・・だ。今夜の便で帰って・・・日本に到着したら・・」

「アライバル?」

「ああ・・・その日の夜には、またこっちへ向かって飛ぶけど・・・」

「はあ?アンビリーバボー。こっちに居て、客だけ飛ばせば済む」

「そうしたいけどな・・・仕事は仕事。」

「真面目になったもんだ!」

「一応・・・かな・・・適当には・・・・」

僕はツアーコンダクター。つまり、添乗員の職を得ていた。

ネズミーランドのオープニングキャストもやったけど、家族を養うのには

稼がねばならない。

そんな時にSさんから、「いい仕事あるぞ!」と紹介を受けたのが、

この仕事だ。

やり様によっては、お土産物屋等のリベートやバックマージンやら、

お客様からのチップだけで、僕の年代が稼げるであろう最高額に近い金額を

稼いでいる。しかも、税金はお給料の分だけだから、これ以上文句は言えない。

まあ、時々Sさんの頼みで、〇〇興産やら△x興業とウサン臭い人たちの

懇親会などの特別なお仕事は廻ってくるけど、チンピラ組織と違い、任侠の方々は

それなりにチップをはずんでくれるので、割がいい。

ついでに、とある銀座のお店のママを上客に掴んでいるので、結構な稼ぎを得ている。

まあ、最近は遠征先もとい添乗先でお客様がトラブルに巻き込まれた時などは、

Sさんに助けを求めている。求めているというより、「餅は餅屋」というらしい。

「なあ・・ぶ・ちょ~ぉ」

「やめろ!ジュニア。俺は・・・もう部長じゃねえぞ。」

「じゃあ。いいんちょ~ぉ」

「それもやめろ。」

「あいつらどうしてる?」

「あいつら?」

「ああ・・・悪たれ連とちょっとこわい・・・」

「ああ!あいつらね。元気じゃねえか・・・・きっと。」

「あん?会ってねえのか?」

「会ってないねえ~ここ数か月。」

僕が添乗員を始めて、泊りの仕事が入りだした時を思い出した。

「お~い!ご指名入ったぞ!」

僕はガランとしたオフィスの片隅で、添乗報告書と格闘していた時だった。

「まさか・・」と思い無視をしていたのだけど、僕に話しかけていたのだ。

何しろ、周りに居るスタッフは、すべて内勤社員で添乗には、よっぽどの事が

ない限り、行かない人たちばかりだ。

僕も、女性の先輩が「お腹が痛い」と仮病を使ったので、予定変更で九州一周ツアー

4泊5日のツアーを出発の前日。それも夕方に申し渡されて飛んできたばかりだった。

「はい?」

「今度はご指名で北海道だってよ・・貸し切り!」

「貸し切り・・ですか?」

「ああ・・・行ってこい。」

僕は打ち合わせに出かけた。普通、ツアーの場合、添乗員の手元には、遅くても

前日には参加者名簿は来るのだけど、当日。幹事さんから渡されることになっていた。

「誰だろ?」僕はちょっとだけ腑におちなかった。何しろ、まだ泊りの仕事が始まった

ばかりだったし。まあ、アンケートはそれなりの点数はもらっているけど、初めての

”ご指名”なわけだから、誰が指名をくれていたのか?判らなかったのだ。

「まあ・・いいや。」

僕は軽い気持ちで添乗に必要なクーポンや送客書、添乗金を受け取ると、ねぐらに飛んで

帰ったのだ。

ー サプライズ 1」-に続く。


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僕たちに明日はあるのか?VOL3 [ぼくたちのシリーズ完結編]

-サプライズ 1-

ツアーコンダクターの一日は、滅茶苦茶に始まる。

例えば、朝に帰ってきて、お仕事が完了し、そして夜

また、新しいお客様を連れて飛ぶと二日分の日当を得る。

僅か、数時間で二日分稼げるときもあれば、27時間労働もある。

例えば、成田空港を12時に飛ぶとして、お客様の集合時間は、

2時間前の10時なのだが、気の早いお客様は、9時に来ることも

しばしば起こる。

会社からは、国際線出発なら、2時間前。国内線出発なら、1時間前

これは、お客様集合時間の前。だから、僕は8時には空港でスタンバイする。

そうなると、逆算すると、8時にたどり着くためには、始発バスに乗る。

国際線に乗り込んで、14時間。乗り換えで4時間。そこから、約2時間の

フライトを経て、僕は地球の裏側に居ることもある。

でも。それだけでは終わらない。空港でおよそ1時間ないし2時間かかり、

そこから、バスで2時間ほど。ヘトヘトになり、ナイアガラの滝近くの

ホテルに居ることもある。それでも、まだ、その日は終わってないので、

夕食にご案内して、ベッドを出てから30数時間ぶりにベッドに倒れこむ。

一人かどうかは別にしても睡魔は襲う。夢の中で電話が鳴る。

トロントの毛皮屋の社長に違いない。

「明日!宜しく・・ね!」

ふざけるな!と怒鳴りたくなるのだけど、R(リベート)の割がいいので、

愛想よくしておく。何しろ、売り上げの15%を税金のかからないお金が、

懐に飛び込んでくるので、美味しい仕事なのだ。

「リムジンでしょ?」

会社が用意しているバスは使えない。毛皮屋に高級リムジンを用意させ、

CNタワーの夜景ツアー無料ご招待と称して、毛皮屋へ連れていき、帰りに

ガイド嬢と一緒お客様を連れて展望台へ登ればよい。

勿論、ガイド嬢にもお小遣いを渡し、口止めは必要だけど・・・

「はいはい・・判りました。行けばいいんですよね。」

「うん。」

「会社からは、契約解消で寄らなくてよいと言われていますけど・・・」

「15いや・・20でいいでしょ?」

「お土産くれるかな・・・連れていくにしても・・・」

「何個?」

「お客様全員分。そうだ・・・あの、ミンク製の犬・・・」

「あれでよければ・・・用意するよ!」

「じゃあ・・明日。8時に来てください!」

これで商談は成立。売り上げの20%。お客様には、一個5000円のぬいぐるみを

プレゼント。おまけに高級リムジンでツアーに含まれていない夜景までオマケ。

悪い話ではないはずだ。折角、トロントくんだりまでわざわざ来ているのだから、

寝る時間を削っても、CNNタワーから眺める夜景は綺麗だし、ロマンチックな

気分に浸ってもらえばいい。お客様全員分の犬のぬいぐるみは、僕にもちょと

役得になる。4人家族でも二人でも1個上げるだけだから、僕の手元には、多い時で

10個ほど残る。これは、見込み客の「お姫様」と呼ばれるお姉さま方へのお土産。

正しく、一粒で二度おいしいことになる。

僕に指名をくれるお姉さま方のうち、上客と呼んでいる「お姫様」には、ミンクの

ショールを貰ってゆくこともあるけど、お姉さま方が毛皮のコートを買うときは、

毛皮屋の親父さんが、日本で営んでいるお店に紹介するのだから、このくらいの

役得は既に織り込まれているのだろう。まあ、お金の出所は僕の知ったことではない

多分、一流企業のスケベ親父に出させているのだろうけど、僕にとってお金に色は

ついていない。

「明日もがんばりましょ・・・」そう呟くと、僕は眠りにつくことになる。

明日は、ナイアガラの滝名物の「霧の乙女号」に乗り、花時計を眺めたりしながら、

昼食は、ナイアガラの滝を眼下に眺めながらの回転レストラン。

あんまり美味しくないので、僕はガイド嬢ときっと階下のビュッフェを食べに行く。

僕の分で二人分のご飯に代えてもらえるので、変更を頼んである。

ついでに、明日の朝ご飯のチケットもガイド嬢に上げてしまったので、僕は朝霧の中

早朝散歩とシャレ込み。地元の人に紛れ込んで、2ドル99セントの朝食を食べるのだ。

パンケーキにメープルシロップをたっぷりとかけ、ターンオーバーで焼き上げた目玉焼き

そして、カリカリに焼いたスモークの効いたベーコンとコーヒー。これで充分だ。

そんなことを考えていると、ベッドサイドの電話がまた鳴る。

「また・・・か・・・」と一瞬僕の頭を横切る。

僕も30数時間ぶりなら、お客様もほとんど同じなわけで、バスにお湯を張っているうちに

階下に溢れさせてしまうことも起こりえる。

カナディアンイングリッシュに寝不足の僕の頭はきつい。何しろ、僕の英語は碌な習い方を

していなかった。誰にどう習ったのかはさておき、僕の英語は殆どブロークンイングリッシュ

こういう時には役に立ったためしはない。何しろベッドで寝ながら覚えた英語は、あまりに

ヒドイ英語に決まっているからだ。

フロントに呼び出され、降りてゆくと、「やはり」である。

「やはり」をやらかしたお客さんが、小さくなっている。

「海外旅行保険はご加入いただいておりますよね?」

「はい・・・」

「ちょっとお見せいただけますか?」

大抵、個人賠償責任がついているので、保険会社とホテル側の話し合いで済む。

「大丈夫ですね・・・保険使えますから・・・」

僕は恐縮するお客さんを制すると、フロントへ交渉に向かう。

まあ、階下の宿泊者には、気の毒だけど、僕はツアーのお客さんを守る義務がある。

「よう!くそったれ・・・」僕は精一杯の笑顔で話しかける。勿論の日本語だから、

まず、彼らにはわからない。まあ、判ったとしても気にしないのが、僕のスタイル。

何しろ、ツアーコンダクターの営業時間は、朝8時から夜8時までだから、時間外

それも、30数時間ぶりのベッドから、引きずりだされた恨みもある。

毎度のこととばかりに、保険会社へ連絡させ、諸手続きを終える。

「これで大丈夫ですので、お休みください!」とお客様を部屋へ送る。

大体、こういうお客様からは、出発時に「心づけ」なるものをいただいている。

お部屋に送り届けると、僕は貸し借り表を作成する。こういうお客様こそが、

リピーターとして、指名をいただけることが多いのだ。

「明日・・買ってもらおう!毛皮・・・」とつぶやいて、僕はまたベッドに潜り込む。

「まあ・・・平和だよな!今回は・・・」とつぶやくこともある。

僕にとっての「平和」とは、「アプライズ」があるかどうかで決まる。

Sさんの紹介のヤーサンの旅行の方が、「サプライズ」よりはましだ。

僕の添乗員生活は、とある会社に入った時からだった。

その会社は、あちたこちらの旅行会社へ添乗員を派遣する会社だった。

だから、今日はA社明日はT社そして一週間後には、K社の添乗員として

あちらこちらを渡り歩くのが仕事だった。

忘れられないのが、「バスが事故ったら、お客様を全力で救出しろ」だの

マスコミが来る前にお客様から、旅行会社名が特定できる全てのモノを

回収しろだの。燃え盛るバスの中に飛び込めだの。

いざ、事故があれば僕は、きっとこの世には存在しないことになる。

まあ、仮に助かっても、お客様に犠牲者が出れば、現場責任者として

それなりのペナルティー。何でも、業務上ナントカというらしいが、

塀の中に押し込まれる可能性があるという研修を、「嫌!」と叫びたくなる

くらい、研修三昧の日々を過ごし、期待と戸惑いとちょっとした投げやり気分で

初日を迎えた添乗初日の朝のことだった。

この日は、「日帰りツアー」で、小田原の梅園出かけるツアーだった。

お客様は、フル。40名様。先輩が1号車をそして、僕は2号車の担当。

ついでに言えば、別の場所からの出発もあるので、総勢13台のツアーだ。

「あと・・一組。12名様で終わりなんだけど・・・」

先輩の1号車は、既に定刻15分前には、出発してしまった。

僕は焦りと「ノーショー」つまり、「現れないお客様」の

準備を始めねばならない。

そんな時だった。

「よぉ!待たせたな・・・」と久しぶりに佐々木クンが僕の前に現れた。

「て・・・てめぇ~」と言いかけたとき、僕にとって不運な一日が、

始まろうとしていた。

何故なら、僕が出かける時には、揃って見送っていたはずの、リリーズ。

そして、悪たれ連のメンバー。

特に青〇クンは、このためにわざわざ仏教大学から抜け出し、

わざわざ、新幹線でやってきたのだ。

リリーズ2名。青〇・Y・白〇・佐々木。そして、変態小児科に同じく変態

産婦人科を目指している。悪たれ連ドクター見習いの2名。

「あのさ・・佐々木!」

「あん?」

「12名だろ・・・残りは?4名。」

「そろそろ来るだろ?ションベンに行っている。」

「あのね。お化粧直しでしょ・・・」美希はまだ、先生気取りらしい。

美希は、僕のせいで、学校から、追い出されたのに、まだ、先生なのだ。

「ま・・さ・・か・・・」と僕が言いかけたとき、

「お待たせぇ~」とカオリさんを先頭に四名の巫女’s。正確には元巫女’sが

飛び込んできた。

「やはり・・・」

僕は呪われていた。いや、元をただせば、僕から「情報」を聞き出した。

相変わらずの「ナンカ妖怪」いや、妖艶なリリーズの二人の、笑い声が

そこには、響き渡っていた。

「あはは・・・なるほど・・ね。」

僕とジュニアは、僕のフライトに合わせて、空港のバーでビールを

ラッパ飲み競争を終え、バーボンの入ったグラスを傾けていた。

「酷い話だろ?俺・・・初っ端から怒られまくってさ・・・」

「まあな。でも、あいつららしい。」

「ついでに言わせてもらうと、お前も参戦していたよな・・・」

「ああ!偶々・・でいいんだけ?日本語?」

「まあ・・合っている様な、無い様な・・・」

「こっちに来る前にお前に会いたっかたし」

「まあ、負け組は、ご挨拶にくるのが礼儀だしな・・」

「くそぉ~てめぇのラッキーパンチ食らわなきゃ・・・」

「反対だって言いたかったのか?船から落としても良かったんだが?」

「どういう意味だ。」

「お前を海に投げだして、サメのエサにすれば良かったかと・・・」

「でも、お前はしなかったな。」

「お前もな・・・もう一杯飲めるかな?」

「ああ・・・そうだ。チェックインしておいたぞ!ホレ!ボーディング。」

「サンキュー。ジュニア。」

僕は受け取ったボーディングを眺めた。いつもの色ではない。

僕が乗る予定のJ〇Lは、クラス毎に色分けされた帯で乗るクラスが判る。

「お・・・おい。ジュニア・・・これ・・・・」

「ああ!エコノミー満席だったんで、ガールハントついでに、切り替えといた」

「あの・・な。俺のチケット。エージェントディスカウントの・・・」

「知っている。まあ、俺様にかかれば、ちょろいもんだ。」

僕は、格安だったはずのから、プラチナいやそれ以上に化けた。

ファーストクラスのボーディングパスを拝むと、上着のポケットに、

一緒に受け取ったパスポートに挟み込みしまった。

「それより、並ばなくていいんだから、もう一杯遣ろう!」

「ああ・・・」

僕はこの時、この日がジュニアと飲み明かす最後になるとは、

知らなかった。

機上の人となった僕は、彼が不時着で、足を損傷して入院。

そして、アフィアの女としらず、ガールハントして、そのマフィアに

撃ち殺されたことを知ったのは、彼の死後。一か月が過ぎたころに、

会社のメールボックスに紛れていた一通のエアーメールと、同じ頃に

届いた最後に飲んだバーボンだった。

その日の夜。久しぶりに泥酔した僕の夢の中にジュニアが現れた。

「おい!ぶちょぉ~」

「部長じゃねえて・・言っているだろ。このデコスケ。」

「美味い日本酒飲みたいな・・・あれ!かんぱいだっけ?」

「寒梅だろ。」

「そうだった・・・日本語。むずかしいね。」

僕は、次の日。ジュニアい会うべく、休暇をもらい。彼や彼の父親が

眠っているミルウォーキーへ行くべく機上の人となった。

勿論、ジュニアが飲みたがっていた寒梅を旅の道連れとして・・・・

-サプライズ2-に続く。





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僕たちに明日はあるのか?VOL4 [ぼくたちのシリーズ完結編]

- サプライズ 2-

僕は夢に魘されても、惰眠を貪っていた。枕元の電話が鳴る。

モーニングコールだ。

「う~ん。」多分、僕は5時間も眠っていない。いないけど、朝の散歩に出かける。

ナイアガラの朝は日中とは違い、僕を幻想の世界に誘う。

ガイド嬢に朝食券を上げているので、行きつけになりつつある2ドル99セントの

朝食を摂りながら、抱えているファイルを開く。

このファイルには、スケジュールは勿論、お客様情報も載っている。

「ったく・・・てめえらでツアコンだせっての・・・」

僕はつぶやいた。本当は今回のツアーは、ご褒美のはず。某国と某国の国境を

訪れるために、警察署へ行き、署長に賄いを渡し、

用心棒に一人。警察官を借りる。

賄いも。警察官への心づけは、700円くらいだが、武装警察官の同乗と、

この地に強い部族のガイドをさらに一名乗せている。ドライバー氏は、

元軍隊勤務の軍曹だったし、僕を含めガイド達も全員“武装”している。

くそ暑いけど、ジャケットの内側にホルスターをぶら下げ、

実弾が装填されている銃と、ポケットには、数十発分の弾丸が入っている。

その前日、僕はホテルへ到着すると、すぐ、ガイドに連れられ、

ブラッグマーケットで、僕はひたすら射撃訓練をさせられたのだ。

「いいか!撃ち合いになったら、撃て!」

僕はこの時、「くそぉ~騙された。危険手当って・・・このことか」と思った。

だから、担当のF氏は、僕に危険日当を2000円と旅行傷害保険の

死亡保険金が、3000万から1億円への増額、そして、

このカナダツアーが、ご褒美についたわけだ。

峠へ向かう途中、ゲリラかと思いたくなる。密輸商人から、

「心配するな!帰りにウチに寄れ・・・」と言われたのは、

不幸中の幸いだったのだろう。”彼の手配”で、撃ち合いにも

ましてや、皆殺しに合わずに、僕たちは隣国へ無断入国し、

そして、国境を跨いで写真撮影までしてきた。

そのご褒美だったのに、とんでもない。VIPがこのツアーには

参加されていた。

「いいかい!くれぐれも粗相は・・・」

粗相を心配するのなら、自分が行け!と怒鳴りたい気分だが、

チケットは既に僕の名前で発券されていた。

「大体さぁ~テレビ局のプロデュサーが何なんだ?」

僕は、ウエイトレスが注いでいったお代わりのコーヒーを飲んだ。

今日の予定は、朝一で、霧の乙女号に乗るのだけど、僕は乗らない。

あんなもの、1回乗って、ずぶ濡れになれば充分だ。

その後、ナイアガラ市内の観光を済ませ、一時間で一周するレストランで

お仕着せの昼食タイムとなる。僕は、階下のビュッフェレストランで、

ガイド嬢と「夜の打ち合わせ」をしながら、食事をすることになる。

その後、僕は多分、昼寝をしながら、トロント市内へ向かい、市内観光を

終え、ホテルにチェックインをし、夕刻、市内のレストランでロブスターの

ディナーを摂り、徒歩でホテルへ一旦、戻る。そして、希望者のみ高級?

リムジンの迎えを受け、日本人経営の毛皮屋でひと稼ぎさせてもらい、

お客様と共にCNタワーからの夜景にご案内することになっている。

明日は、また飛行機に乗り込みエドモントンと言う都市へ飛ぶ。

「さてと・・・ヤバッ!」腕時計は帰る時間を過ぎている。

僕は、ファイルを抱えホテルに向けてダッシュする羽目になる。

夜中に荷物は、ホテルスタッフの手により、回収されているので、

荷物をチェックしてバスに詰め込むために駆け出した。

「ったく・・・・あいつらまで来るとは・・・・」

はっきり言えば、このツアーは、ご褒美ではない。

何しろ、新婚さんの中に、佐々木クンご夫婦と白〇クン夫婦が居る。

僕と悪たれ連のうち、この二人を除く面々は、一日に二度も結婚式に

参列させられており、僕は知らなかったけど、出発地の成田空港で

僕は事実を知らされたのだ。その事実を知るまでは、

「同性同名っているんだな」とパッセンジャーリストを眺めていたのだ。

そこへ、某テレビ局のお偉いさんというプロデュサーもいる。

「踏んだり蹴ったりじゃぁ~」と叫ぶ。僕の姿がそこにあったのだ。

「どうしました?」ガイド嬢が尋ねてくる。

「別に・・・あっ!おはよう!」

「おはようございます。朝ごはん美味しかったです。」

「よかった!」

ガイド嬢も今晩は、トロントに一泊することになっているので、

小さなバックを積み込んだ。

「お客様の荷物は・・・」

「全部揃っている・・・・うん。大丈夫。」

そこへ新婚ホヤホヤの佐々木クンと白〇クンがやってきた。

勿論、白〇クンの奥さんは、昔。「神主のお兄ちゃん!」と

駆けてきた由香ちゃん2号なのだ。

「ったく・・・お前ら!いい加減にしてくんねんかな・・」

「いいじゃん!指名してやっているんだから、ありがたく・・」

「指名料もら・・あっ!いいこと考えた!」

建前は、いくら悪たれ連ノメンバーでもお客様。

億悪様と言えば、僕にカモにされても仕方がない。はずだ。

「なあ・・お前ら、今晩毛皮屋行くけど・・・一枚くらい」

「高いんだろ?」

「日本で買われる半分くらいのお値段でいかがでしょう!お・客・様!」

「でもな・・・」

「うちの子が飢えるんですけどねえ~」

「判った・・・買えばいいんだろ?」

「そういうこっちゃ・・・サクラ頼む!よ・・・この通り。」

僕は、二人を拝み倒した。何しろ、添乗員の給料はウソぉ~と叫びたく

なるくらい。安い。

まあ、年間300日くらいは、お金を払わず、飲み食いできる。

ついでに、つまみ喰いも勿論ある。まあ、身体を張っているわけだ。

添乗員を始めた頃は、日給で5千円。そして今は8千円。

まあ、「R」と言うリベートとお客様からいただくチップで命を繋ぐ。

「ところでさぁ~委員長!」

「だ・か・ら・・・何年言わせればいいんだ!バカ」

「悪い。お前メシ喰ったのか?」

「ああ・・・可愛いウエートレスが居る店でな・・・」

「汚ねえ~」と異口同音で二人が叫ぶ。

「おい!後ろで嫁さん睨んでいるぞ?」

「や・・・やば・・・」

「何の悪だくみしているのかな?神主の・・・」

「ゆ・・じゃなかった。お客様。今は添乗員でございます。」

「かしこまらなくてもいいじゃん。お兄ちゃん。」

「まあねえ~そういえば、毛皮のコート買ってくれるって!良かったね。」

「うん。」

「奥様方良かったですねえ~いいハネムーンになりますよ・・・・きっと」

「ちょっと・・・待っててくれる?こいつにカタ付けないと・・・」

奥さん方を置いて、二人に拉致される僕。

「コートはねえだろ・・・コートは・・・」

「大丈夫!安くさせるし。日本に帰ってからお支払いだから・・・」

「しかしよぉ~」とため息を付く二人。

「それとも・・・お前ら!成田離婚させてやろうか?どっちかがなれば・・・」

「なれば?」

「うん。丁度10・・・・いや、20組目っ!」

「寝言は・・・」

「寝言じゃないんだな・・・添乗員怒らせると怖いよ・・・」

「うっ・・・・」

「お前ら言葉通じないしな・・・」

「ぐっ・・・」

「テーブルマナーとか大丈夫か?」

「ほ・・・他の新婚・・・」

「ああ・・・心づけくれたお客様にはね。教えておいたけど・・・」

「えっ・・・いつ?」

「お前らが、機内で爆睡中だった。太平洋上空で!」

「起こせ!」

「何で?心づけ出さない客には、教える義理は・・・」

「出す!出せばいいんだろ。いくらだ?」

「そうねえ~ご両親が送りに来たカップルは、5万入ってたっけ・・」

「じゃあ・・・5万でいいだろ?」

「ええとぉ~毛皮のコートにストールあっ!ミンクで宜しくな!」

「んぐっ・・・・」

「あのな!お前ら同じ日に結婚式やりやがって・・・俺ら大赤字だ」

「わ・・」

「いやならいいんだけど・・ねえ。何しろ、給料少ないんで・・・」

「判った!ホレ!」

「なんだ用意してあったんじゃん・・さっさと出せっ!」

僕は二人から半ば強制的に心づけを奪った。

「ところで・・・白〇。お前。アレ予備あるか?」

「いや・・俺もお前に聞こうと思ったんだよ佐々木」

「あん?どうした・・・」

「委員長!どっか薬局ねえか・・・」

「ドラッグストアー。で?アレって・・・・アレか?」

「ああ・・お前。昨夜どこに居た!」

「部屋で寝てたな・・・大人しく。まあ、夜中に水漏れやったのもあったけど」

「お前の部屋行ったんだよ!貰おうと・・・」

「何時?」

「俺も行った。10時くらいだったか・・・」

「俺は9時半。お前は居なかった!」

「寝てた。」

「うそこけ・・いや。あのかわいこちゃんとか?」

「昨夜は一人。身体が持つわけねえだろ。」

「何で・・・」

「いいか?考えてもみろ!パキスタンから帰ってきて・・・」

「うん。」

「それで、お前らの結婚式をはしごする前に打合せと精算して・・」

「ああ!それで今日ここに居るんだぞ!ところで、昨晩はヤラなかったのか?」

「ま・・その・・・なんだ。結婚したわけだし・・・」

「そ・・そうだよ。別に要らなかったし・・・」

「じゃあ・・・要らないね。コレ・・・」

僕はドラエモンのカバン顔負けと自負する添乗用のパイロットケースから、

いかにも・・包んでますといった包装紙に包まれたアレを取り出した。

「あるのか・・・」

「まあねえ~。コレで成田離婚もあったくらいだし・・・」

「うそぉ~」

「いや、ホント・・お前ら、嫁さんに文句言ってねだろうな・・・」

「いや・・・つい・・・」

「うちも・・・」

「バカか!ったく・・・ホレ!これ持ってけ!1ダース入り」

「悪い・・・」

「大人しく毛皮買ってやらねえとしらないからな・・・」

「ああ・・判った!成田離婚じゃ・・・なあ!」

「ああ・・・仕方がない・・・か。」

「いいか。釣っちまった魚にもエサくらいやっておかねえと・・・」

「おかないと?」

「ジ・エンドだろ・・・きっと・・・今晩少し飲むか?」

「いいねえ~嫁同伴でいいか・・・」

「ああ!」

「ところで、何でこんなモン持っているわけ?」

「俺様が優秀だからかな・・・」

僕のパイロットケース。つまり、飛行機のパイロットが持っている

あのカバン。勿論、本物で某航空会社のお偉いさんの弱みと引き換えに

ありがたく頂戴したもの。その中に添乗7つ道具と「今度産むさん」を

リストと睨めっこして、数ダース入れ、ついでに、女性用のアノ日用の

用品まで入っている。ついでに言えば、睡眠薬とごまかすビタミン剤と

細菌性下痢止めから風邪薬まで一通り入っている。

「でも、何でこんなもん・・・」

「コレが成田離婚の主たる要因もあったので・・・」

「なるほど。」

「お前らくらいだ。恋愛組は・・・後はお見合い組だぞ」

「本当か?」

「ああ・・・ほぼ・・だな。」

話しながらホテルへ戻ると丁度、出発の一時間前で、

他のお客様がロビーへ降り始めていた。

「お前らチェックアウトしたか?」

「ああ・・・いや・・・まだ。」

「さっさとしろ!」

僕は二人を置き去りにすると、フロントデスクに駆けてゆく。

例のVIPだ。

「おはようございます。夕べは良くお休みになれましたか?」

こうして僕の忙しい日々が始まった。








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