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旅の後始末。「三本目の足で・・・・」VOL1 [2019年リスボンの旅]

空飛ぶ食欲魔人ことオストドでございます。

すっかり、三本目の足になった杖と、怪我をして少し?やさしくなったと

思われる。メストド1号とポルトガル・リスボン市内のベレンへ行ってきました。

往路(航空券上は復路ですが・・)は、成田からSAS・スカンジナビア航空で、

コペンハーゲンへ飛び、EU入国。その後、ちょっとヘロヘロになって、

ストックホルムに飛び、クラリオンホテルに一泊。

まあ、ヘロヘロになっていたのは、オストドより3本目の杖とメストド1号。

翌日。ゆっくり目に午後のフライトで、リスボン到着。

気が付いて計算してみると、定刻でゲートアウトしたものの、実際の離陸時間から

計算しても、おおよそ36時間。まあ、途中の一泊で17時間ほどホテルで休憩して

いたので、オストドは元気ですが、折れてくっつきかけている右足と三本目の足兼

すっかり右手の延長になっている杖と、左足は少々悲鳴を上げており・・・・

「専用車手配していて良かったぁ~」と心底思いましたが・・・

今回の旅の目的は、敢えて絞り込みベレンオンリー。

「発見のモニュメントとベレンの塔が見たい」と言うメストド1号。

でも、出発の1か月前には、「別にいいよ・・・旅行キャンセルでも・・・」という

オストドの巨体ゆえのケガがあったので、あきらめていたメストド1号にとって、

毎年恒例のメストド1号のお誕生日旅行。

オストドは、「行く!」と宣言し、ドクターを半ば脅し、半ば懇願し、手術を勧める

ドクターに、手術もギブスも拒否。副木もほぼ3週間で取れる脅威の回復力。

まあ、松葉杖は完全に無視して、歩き回る暴挙と言う名の自己流リハビリを行い

三本目の足も無くても歩けることは、歩けますが、「横G」には不安があるので、

「車いすかな?」と思いながらも旅立ちの朝を迎えたのでございます。

リスボンの空港の税関は、関係ないとスルー通過。(国内線扱いですから・・・)

税関を出た真正面に、「オストド様」と記載された紙を持ったドライバーさん。

昨年のクリスマスには、ちょっとケチった所で手配したので、30分以上ウロウロと

していたのが、うその様。さすが・・・「ようこそ!ポルトガル」さん。

しっかり、手配していてくださいました。

空港から平均時速およそ100キロでぶっ飛ぶベンツ。流れる景色には、青い空と青い海

そして・・・黒煙。火事の様でしたが、一向に構うことなく、走るベンツ。

「腐っても、おベンツ様だけど、これ・・ほぼ新車。」とくだらない冗談。

右手にベレンの塔。そしてヨットハーバー。ヨットハーバーに隣接するホテル。

ホテルを見たメストド1号曰く、「小っちゃぁ~」と出るのは、自然の流れ。

今までとは違う。「スモールラグジュアリーホテル」を隠し通していたオストド。

ブッキングドットコムで手配した。平均評価9.1のホテル。3泊でお値段は、9万円ほど。

ドライバーさんには、ちょっと多めのチップを奮発させていただきました。

何しろ、オストドの三本目の足を見て、気を使っていただいたからです。

着いたホテルは、「アルティス・ベレンホテル&スパ」

案内された部屋を見て、「うわぁ~」と驚嘆するメストド1号。そして思わぬある物に

喜ぶオストド。

ベッドルームとバスルームの間にこじんまりとしたテラスからは、メストド1号が

見たがっていた「発見ノモニュメント」が目の前。そしてその奥には、「4月25日橋」

絶好のロケーションに位置するお部屋。

「こんなの・・・初めてかな。リゾートのヴィラ除いても・・」とメストド1号。

「でしょうねえ~驚かそうと思って」とオストド。

「お誕生日のディナーはいらないからね。これで充分。」

「へっ?車で行けますけど・・・ハードロックカフェ。」

「いい!これで充分。」

目の前には、夕日に輝く。「発見のモニュメント」が見えるからでしょう。

「んっ?」テラスにある足載せ台兼用のテーブルには、なんと「灰皿」

「最高だわ!このホテル」

これでいちいちタバコを吸いに外へ行かなくて済むわけです。

ストックホルムでは、空港にあるスカイシティ1階を出た所。そして

ホテルフロント前を通り、スカイシティーとは反対方向へ歩き、エスカレーターか

リフト(エレベーター)で降り、重いドアを開けるか、回転ドアに挟まれる危険すら

感じ、屋外で吸っていたのに比べると、月とスッポン状態。

「一服したら散歩行くかな・・あそこまで」

ホテルから500メートルほど歩けば、「発見のモニュメント」まで、お散歩。

閉館時間を過ぎたので、人影まばらなモニュメントまで、ゆっくりと歩く。

オストドとメストド1号の姿がそこにありました。

「晩御飯どうしようか?」

「そうねえ~今日何食食べた?」

「ええとぉ~朝。大量にビュッフェ食べたでしょ。約2食いや3食分。」

「はいはい・・3皿食べたもの。」

「ラウンジでポテチにクッキー・・ええと・・・」

「機内食も食べたよね?ウエルカムお菓子のエッグタルトに・・・」

「うん。足を考えると・・・少し控えないと。悲鳴上げている」

部屋に戻ると、ターンダウンサービスが施され、ベッドにはクッキーが2枚。

「これ食って寝よう!いや・・シャワー浴びて」

シャワーを浴びて、ちょっと一服とテラスに出ると、すっかり周りは暗くなりかけ

ライトアップされた。「発見のモニュメント」の姿。

「これこそ泊まった者の特権。いやトドだからトド権」

ベッドに潜り込み、22時前(日本時間午前6時)には、スヤスヤと夢の世界へ。

翌朝。午前6時過ぎ。トイレに起きだし、ついでにテラスへ出ると、そこには

朝日が昇りだした頃、キラキラと輝く「発見のモニュメント」とリスボン港へ入港する

客船を眺めながら、一服をしてもう一度ベッドへ潜り込む。

オストドは、空きっ腹が何よりも優先するので、9時前にまた起きだす。

メストド1号を叩き起こし、ホテルのカフェテリアに朝食に向かう。

カフェテリアでルームナンバーを告げ、ビュッフェの朝食。

小朝食のビュッフェの品数は、日本のホテルの高額なビュッフェとは

全然比べ物にならない。

1皿目には、ベーコンを山盛りにスクランブルエッグとサラダ。

ポテトのオーブン焼き、スモークサーモンにはライムを添え、

ちょっぴりサラダには、トマトをたっぷりと載せスモークしたチーズを載せる。

テーブルに置くと、もう一皿には、チョコクロワッサンにクロワッサン。

固めのパンを1個と白パンを1個。それらをミネラルウォーター1杯と

2杯の搾りたてオレンジジュースとセイロンティーで流し込む。

「よく食べるわねえ~」と言われつつも、当たり前とばかりにストロベリーヨーグルトに

はちみつを削り取り、ブルーベリーソースを掛けて、完食。

「も・・・もう。無理!」

「でしょうねえ~ところで今日のご予定は?」

「お散歩で一周。ついでにスーパーマーケットかな・・・」

朝食を済ませ、部屋に戻りつつ、外で1服。

「暑くなりそう」

メストド1号は万全の体制。オストドは相変わらずの恰好で出発。

何しろ、三本目の足があるので、気取っても仕方がない。

いつもと違うのは、スラックスを履き、靴を履いているところ。

右足には、ドクターから処方されているサポーターを付けているし、

左足には、万一に備え、予防目的のサポーターを装着している。

更に保護を目的に購入した靴。中敷きで調整をかけているので、歩きやすい。

ホテルを出て、玄関前で一服して、発見のモニュメントまでリハビリウォーク。

「日差しが強い!」一旦部屋に戻り、パーカーを羽織る。

再び、リハビリウォークと名付けた。散歩へ出かける。

道路沿いを歩き、発見のモニュメント近くから、地下道の階段を降り、

道路と国鉄の線路を超える。超えたら、また階段をよじ登る。

階段には車イス用リフトはあるけど、使ってしまっては、

リハビリにはならないので、強気を装い昇る。

世界遺産の修道院前の公園を横切り、歩く。

ベレンの塔と修道院のチケット売り場の列は想像を絶するほど長い。

オストドもメストド1号も並ぶのは嫌いなので、そのまま住宅街を目指す。

「あるとすれば・・・この辺」

すれ違うご高齢の住民の手に提げているミネラルウォーターや野菜の袋。

オストドの嗅覚は相変わらず健在の様で一安心。

スーパーでトイレを借り、お買い物タイム。

ミネラルウォーター1.5L一本にお土産類を購入する。

街路樹が特にこの辺は美しい紫の花が咲いている。

花に興味のないオストドの目にも、鮮やかで心を和ませてくれる。

「こっちへ行けば・・多分」

今度は地下道ではなく、高架橋をよじ登り、道路と線路をまとめて超える。

目の前にベレンの塔が現れるが、メストド1号が持っている荷物は重い。

ホテルの部屋に一旦置きに帰ることにした。

不思議なことに、今回の旅行はここまで喧嘩も何も起こっていない。

オストドは、燃料切れ。珍しくメストド1号も、「お腹がすいた」と言う。

ルームサービスでも良かったけど、「38°41’」と言うホテル内のバーに行く。

メストド1号は、「スモークサーモンのクラブサンド」とコーヒー。

オストドは、「マグロステーキサンド」とブラックティーを注文する。

オストドは完食。と言うより、メストド1号のサンドも半分胃袋に、

追加注文したコカコーラで流し込む。これで33ユーロほど。

マグロステーキは、ミディアムの仕上がりで美味しかったし、

スモークサーモンのサンドは、この日限りなのかイクラまで入っていたので、

絶妙な塩加減で、付け合わせのポテトフライは、少々赤みがかり美味しい。

部屋に戻り、オストドはお昼寝。寝る子は育つと人間界では言うらしいが、

それはトドでも同じことで、オストドの場合、お腹が育つ。

昼寝を終え、また、発見の塔へお散歩。途中にあったアスレチックではない

無料のジムと言えばいいのか、各種鍛えられる様になっている。

オストドは、面白がり、メストド1号にやらせることにした。

そのあとで、自分にとばっちりが来ることを、「ど忘れ」していた。

「ほら・・もっと速く。」オストドは、傍からみれば、杖をついた鬼コーチ。

でも、最後のマシーンは、足が使えなくても、上半身を鍛えられるものだった。

「はい!交代!」

「あの・・・ドクターに・・・・」

「上半身鍛えるだけでしょ・・・ドクターの禁止は足だけ・・・」

ぶつぶつ言いながら、オストドは大人しく従うことにした。

まあ、自分でもどのくらい腕力が残っているか知りたかったのもある。

無理をしない範囲で、30秒で20回なら、今の状態なら出来すぎ。

「まあ、こんなもんでしょ・・・草刈り機振り回しているから・・・」

前より、腕力は上がっている。きっと三本目の足を使うために、

腕が鍛えられているらしい。

暮れかかった道をホテルへ戻る。オストドの首には、カメラ類を放り込んだ

ショルダーバックとお財布を入れたショルダーバックがかかっている。

「さてと…夕食か・・・」

「そういえば、お腹すいた」

珍しいこともあるもので、また、メストド1号から思いがけない言葉を

一日に、二度聞いた。

ホテル併設レストランのディナーでも良いが、コース料理は要らない。

メストド1号もそうらしい。

VOL2に続く。













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オストドの旅後始末「三本目の足で・・・」VOL2 [2019年リスボンの旅]

ーVOL2-

夕食は、ルームサービスでも良かったけど、朝食で行った。

ホテル内のカフェテリアへゆく。

ちょんとした?コース料理のレストランもあるけど、

元々、そんな所へ向かうには、まともな洋服はもちろん、

靴も排除してきている。

つまり、最初から「高級レストラン」に行く計画はない。

カフェテリアに入り、周りの邪魔にならない場所を選択。

何しろ、オストドは、三本目の足があるので、

酔っ払いの近くにはいたくない。

メストド1号は、ボロネーゼを頼み、オストドはステーキを

チョイス。

ステーキなら、まず、飽きることはない。

「やっぱり・・デザートは頼まないとね・・・」

ステーキに大量の葉っぱサラダを平らげ、そう尋ねるオストド。

半分近くの凝ったボロネーゼを片付けて貰えるので、

メストド1号も賛同する。

「少しは学習したみたい・・・」

「まあねえ~」

お酒を嗜むことを忘れたオストドとメストド1号。

テーブルには、コーラが残ったグラスが残る。

メストド1号は、コーヒーとチョコレートムースに

塩の粒が入ったキャラメルソース掛けのアイスを

チョイスし、オストドは、チョコレートケーキに

バナナアイスクリーム添えとブラックティーを

チョイス。

「甘い・・・いや甘すぎ・・・」

メストド1号は、チョコレートムースと格闘している。

オストドは、まさか、翌日に「その物」を食べさせられるとは

思っていなかった。

伝票を受け取り、サインをして、チップを添えて差し出す。

「さてと・・・」

「はいはい」

恒例の一服タイム。オストドを見ると、ドアマンが、黙って

さっとドアを開けてくれる様になった。勿論、部屋へ戻るときにも

開けてくれる。

オストドは、リフトへ向かい、メストド1号は階段をよじ登る。

メストド2号に言わせると、「妖怪磨き中」なので、

健康オタクになってきたらしいが、オストドは、三本目の足が必要。

わずか、一階上に上がるだけでも、負担を避けねばならない。

いや、避けれるときにだけ、避ける。

もう一度、転倒したりすれば、骨がずれてしまい手術が必要になる。

部屋に戻ると、発見のモニュメントがライトアップされ、その後方には

「4月25日橋」が、取り付けられたラウトで浮かびあがる。

明日は泣いても笑っても実質の最終日。明後日には、昼にチェックアウト

そして迎えの車に乗り込み、延々24時間ほどをかけて、帰宅の途につく。

明日はせめて一か所くらいは、博物館でも入ろうと決め、就寝。

翌日。オストドの朝は早い。テラスでのんびりタバコを吸う。

目の前をリスボン港へ入港する客船がゆく。

朝、入港し、夕方には出港していく船を眺めるのが、楽しい。

ついでに、橋の上に目をやれば、リスボン空港へファイナルアプローチに

入った飛行機が下りてくる。

オストドの勝てないものは、いっぱいあるけど、特にすきっ腹と泣いた

XXX(検閲削除!)には、勝てない。

勝てなければ、起こすしかない。

身支度を整えるにも時間が係るオストド。三本目の足を使わない着替えは

リスクが増すから、慎重にしなければならない。

靴下の上に左足には、バンテリンの左足用の予防用サポーターを付け、

右足には、サポーターと名を借りた固定具を巻かねばばらない。

朝食にカフェテリアに下りてゆく。

相変わらずの食欲だけは旺盛で、ベーコン(山盛り)スクランブルエッグ

ベイクドビーンズ。そしてサラダにチーズ。ストロベリーヨーグルトには、

ブルーベリージャムを添えて、ついでにクロワッサン2種とライ麦パン。

タップリと注がれたオレンジジュースにブラックティー。

そういえば、昔読んだ。ローラ・インガルス・ワイルダー著作に出てくる

ローラのお父さんは、「紅茶こそ男の飲み物にふさわしい」と書いてあった。

それから、オストドの朝の飲み物は、日本なら緑茶。旅に出れば紅茶。

まあ、今回は、メストド1号が、抹茶入り玄米茶の粉末を持参してくれている

ホットでもよし、水に溶かして飲んでも良し。日本が原産のオストドには、

紅茶より玄米茶の方が性に合うけど、人前では、紅茶を嗜む。

朝食を終え、外出の準備に戻り、部屋を出発。

地下道をまた降り、そしてよじ登る。昨日よりマシになっている。

公園を横切り、大聖堂の長蛇の列を眺め、早々に入場をあきらめる。

諦めるのだが、世界遺産の建物。少しでも中に入りたい。

そこで、オストドがチョイスしたのは、海洋博物館。6.5ユーロ/人

大航海時代から、現代にいたるまでの航海の歴史を眺める。

エンリケ航海王子の像に出迎えられ、大航海時代の地図を眺め

歴史に浸る。

「日本なら・・・1000円は下らない。いや・・・2000円くらい?」

復元された船などを眺めると、2時間ほどかかる。

途中、新館に渡る通路で喫煙できる場所を発見し、一服タイム。

新館へ渡ると、復元された上陸用ボートや蒸気自動車。

そして、水上飛行艇や船のエンジンが展示してあった。

メストド1号は通路を登り、上から眺め。オストドは、下から

昔の航海の様子を思い浮かべる。

ランチにホホテルへ戻ることにして、散策再開。

途中、追加のお土産を追加調達しながら、ホテルへ戻る。

昨日と同じ「38°40’」のバーへ行く。暑いけど、タバコの吸いたい

そんなオストドが選択したのは、庇の下。

コーラ2本とスモークサーモンのサンドイッチ1皿をオーダー。

「やはり・・これ美味い」

絶妙な塩加減とマヨネーズが食欲を生む。

お会計はチップ込み25ユーロ。

一旦、部屋へ戻りオストドは昼寝。少し足を休ませねばならない。

ちょっと熱を帯びているので、日本から持参した塗り薬を塗り、

2時間ほどお昼寝。

VOL3へ続く。

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旅の後始末「三本目の・・」VOL3 [2019年リスボンの旅]

-VOL3-

ちょっと休んだオストドは、元気が回復。

オストドの足は、まだ大丈夫みたい。

ホテルに隣接するこじんまりとしたヨットハーバーの横をすり抜け、

リスボン港に入港する貨物船や客船の水先案内人がいる

パイロットステーションの横を三本目の足を頼りに歩く。

いつもは、マイペースに歩くメストド1号を所々置き去りにして

歩いているけど、今回は、メストド1号のペースより遅い。

遅い分、わき目もふらず歩くオストドと、多少?心配そうな顔をして

歩くメストド1号。

何しろ、1万歩を大幅に上回る歩数を既に歩いているけど、

ホテルを出発前に消炎剤を塗り込み、万一に備え、メストド1号は水を

常に持っていてくれているし、オストドが背負っている肩掛け・・・

いや、レポーターバックには、痛み止めは常に常備している。

「リハビリ・リハビリ」とのたまい歩くオストドに、周りの人々は優しい。

まるで、腫物に触るかの様にオストドの周りには、オストドが方向転換を

しないで済む様にスペースが常に確保されているので、「三本目の足」は、

凶器化することは一度もない。

ベレンの塔は、相変わらず人気の様で(一度に120名しか中に滞在出来ない)

延々と続く長蛇の列に、オストドは並ぶ気はない。

いや、出来れば中に入りたいけど、兵れば狭い階段などで周囲に迷惑をかける。

「入ってくれば?そこに座って待っているし!」と言っても、メストド1号は

オストドの魂胆を感じ取ったのか?そもそも並ぶのも嫌いだから、入らないのか?

その辺は、定かではないけど、「いい!」と言っているので、良いのだろう。

時々、カバンからカメラを取り出し、パチリと撮る。

「まだまだいけそう!あっち経由で帰るか・・・」

「荷造りもあるしね」

戦争博物館や戦争で亡くなった尊い命のモニュメントを眺めながら、歩く。

途中、休憩でベンチに座っていると、芝生に水を撒く散水器の水しぶきが

心地よい。

「疲れないの?」

「平気かな・・・痛みもないし。でも、帰りもあるしね。ホテルに戻るか・・」

ホテルに戻り、一服。いや、途中でも灰皿があれば一服しているので、

多分、朝から数えれば、20服は超えている。

「晩御飯どうする?ハードロックカフェでもいいけど・・・」

「いいの!いらない。この景色だけで充分。まあ、晩御飯は食べるけど・・・」

「だよね・・・じゃあ、もう一度、発見のモニュメントまで行って・・・」

「途中で、トレーニングして・・・」

「げっ・・・それから、カフェテリアで食べる?昨日のステーキ美味かった」

「それにしようかな・・・デザートはチェンジね!」

「チェンジ?」

「そう・・・」

発見のモニュメントまで歩き、帰りに無料のマシーントレーニング。

オストドは、1種類だけ。昨日より調子は良い。

いや、最近、腕の力で階段をよじ登り、降りているので、腕力は、

いつの間にか復活しているみたいだ。
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旅の後始末「三本目の足で・・・」VOL4 [2019年リスボンの旅]

-VOL4 サプライズ!-

昨夜は、メストド1号も珍しくステーキ。オスオドは言わずもかな、

ステーキを食した。勿論、「キリギリスじゃないんだけど・・」と

のたまいながら、サラダボール一杯の生野菜も詰め込んだ。

オストドは最後の夜にライトアップされた発見のモニュメントを

眺めながら、テラスでタバコを吸い、メストド1号は荷造りタイム。

相変わらずの最後の夜。(厳密に言えば、短い夜がもう一晩ある)が、

最後に、カタール航空のファーストクラスで貰った。旅専用のパジャマを

投げ込めば終わりの状態で、朝を迎えた。

「さてと・・・メシ行くかね。今日は昼は遅くなりそうだし・・」

12時半に迎えがやってきて、TAPポルトガル航空でミュンヘンへ飛ぶ。

その機内で出るであろう機内食が昼食になり、ミュンヘンを離陸した

羽田行きの機内で食す機内食が夕食の予定だからだ。

「あっ!誕生日おめでとう!だな・・やっぱ・・・」

「ありがとう。でも、あんまりありがたくないけどね。」

ここ数年。メストド1号のお誕生日は海外で迎える。

今年は日程の関係上、メストド1号のお誕生日が、日本へ向けて出発日。

カフェテリアで、多分、オストドは軽く2食分はお腹へ押し込み、

メストド1号もいつもの倍量くらい押し込む。

メストド1号は背中を向けているけど、オストドの目には、

ウエートレスが、ケーキとシャンペングラスを二つ持ってくるのをみた。

「またか・・どこかのバカは、朝っぱらから・・・・」

オストドの言葉はここで途切れた。

「ミスターオストド。ハッピバースディ」

「ノン!こっち・・・」

オストドの指はメストド1号を指さした。

「マーム。ハッピバースディ!」

メストド1号の前にローソクに火が点けられたケーキと

二人の前には、シャンペングラスが置かれた。

「えっ?」

「俺は知らないからね。ホテルからでしょ・・・」

目の前に置かれたチョコレートケーキは、およそ20cm四方

「お腹いっぱいなんだけど・・・」

「だ~め。!」

恐る恐る食べたケーキは、完全なチョコレートケーキだった。

マルタ島では、手配したケーキは、チーズケーキだったので、

持て余していたけど、これも完食し、シャンペングラスも二つ

空になった。

「いやあ~ホテルからのサプライズは初めてだわ・・・」

「あたし・・・このホテル大好き。」

「良かった。それなりに・・・払ったからねえ~」

最初は「高い!」と思ったけど、ロケーションと朝食

そして、スタッフにこのサービスなら、高くはなかった。

朝食を終え、ちょっとこの旅最後の散歩に出る。

ホテルは12時にチェックアウトすればいいわけで、

暇つぶしも兼ねていて、ついでに、立派に育っている

オストドのお腹が少しでもへっこむ事を期待しての散歩。

チェックアウトを済ませ、しばらく待つと、お迎えの車が、

定刻より早く到着。ドライバー氏が、車窓を流れる景色を

ガイドしてくれながら、あっという間に空港に到着。

「やはり・・・ようこそ!ポルトガルに車を頼んで良かった。」

「そうねえ~去年よりちょっと高いんでしょ?」

「ちょっとね。サービスは全然ちがうね。価値以上のものがあった。」

往復で100ユーロ。PAYPAYの手数料が5ユーロの価値は充分だ。

「また、来ることがあったら頼もう。ついでにカーチャーターで観光も」

「そうね・・」

TAPのカウンターでチェックインを済ませ、手荷物検査を受ける。

オストドの三本目の足も、チェックを受ける。

去年のクリスマスに見つけた喫煙所へ行き、一服。その後、ラウンジ経由で

もう一服。ボーディングゲートで待っていたのは、

「はあ?ば・・・バス?」

ボーディングブリッジの横の階段をキャリーを抱え、三本目の足で一歩一歩

降りる。降りれば、今度はタラップ。

最新鋭のA321neoだったけど、オストドには、ある思いがあった。

「ねえ~もしかしたら・・・・」

オストドの悪い予感は当たる。ミュンヘンでもタラップを降りる羽目になる。

ミュンヘンで、EU出国。喫煙所を経て、ラウンジそして、喫煙所。

ANA便のゲートでは、「お手伝いの必要な方」と見られたのか、優先搭乗。

そして・・・オストドとメストド1号は、この旅最後の機体に乗り込んだ。

いや、航空券上では、次の旅が始まっているので、旅のスタートなのだ。

今回は、リスボン~羽田/成田~プラハの航空券を買ってあるからだ。

「さてと・・・・また。働きますかね・・・・」

「そうねえ~」

「10月が楽しみだけど・・・」

「あたしは地獄?10日後にエコでシドニーなんだから・・・・」

「だねえ~」

「それもホテル2泊機中2泊・・・」

「仕方ないじゃん!」

「俺はその間。伊勢神宮かな・・・・恒例の・・・」

「また・・足折らない様に・・・」

「ら・・・らじゃぁ~」

-後日談-

無事、羽田からリムジンバスで成田空港へ行き、車を引き取り帰宅。

6月に法要(49日)のため、北海道へ行くことになった。

ついでに、オストドのここ数年恒例の「ヤロウだらけ。いやヤロウだけの旅」は

また、バリ島へ行くことになった。オストド属するA班は、香港航空で出発する。

ホテルは、カユマニス・ジンバラン。これで、カユマニスのバリ島にある4つの

ホテルを全て制覇することになる。

いや、その前にプラハからの帰りのチケットも手配しなければならない。

ブダペストに飛ぶか、ウィーンに飛んで一泊も悪くなさそうだ。

その前に、オストドはパスポートの更新を受けねばならない。

健康診断もあるけど・・・どうなるのだろう!

-あとがきに代えて-

「いつまで飛ぶんですかね?」

「さあねえ~俺は車いすでも行くけど・・・」

「あたしは・・・」

「また、車イスのる?成田で一回乗ったじゃん!」

「嫌なこと思い出させるなっ!」

メストド1号は数年前に日本帰国時にカップルが推したカートを

ぶつけられ、成田空港内の診療所へ車イスで運ばれた。

幸い、軽傷だったけど、旅行から帰ってきたカップルにとって、

請求された治療費は、大変だったのでないだろうかと、今でも

思う。

今回の旅は、出発の1か月ちょっと前にオストドが転倒骨折という

不名誉な怪我はあったため。三本目の足が相棒として同行した。

多分、いや、10月のプラハにも今週末の北海道にも同行する。

「ず~っとじゃない・・・」

「まあね・・そのほうが、安心かな?多分・・・・」

今は亡き父が、認知を患い、いつの間にかいなくなった時があった。

その時は、北海道・網走まで迎えに行ったことがある。

AIRDOの機体で帰ってきたときに、CAに抱えられて車いすに乗り降りした

父に「いいなあ~」と言ったことがある。

「いいだろ?代わってやらん!」と笑っていた父。

きっとオストドも最後の最後まで旅は続けるのだろう。

そして、同行する者に言うのだ。「代わってやらん!」と・・・・

旅はいいものだ。ぐだぐだ過ごす日常の休みと違い。

そこには非日常の世界がある。

バリ島へ行けば、また、オストドは「スッポンポン状態」で、

ヴィラにあるプールに飛び込むことだろう。

プラハでは、オペラかバレーもしくは、クラッシク鑑賞なんぞに

現を抜かすのかもしれない。

何故なら、そこには非日常の世界が待っているからだ。

先日、ある取引先に尋ねられたことがある。

「どこがいいですかね~」と漠然とした質問だった。

ある者は、オストドの助言でハネムーンにバリ島へ行った。

ある者は、おめでたらしいのだが、ヴィラの世界へ行きたいとのことで、

宮古島を勧めた。ある者は、那須のとある旅館へ行き、プロポーズする気

満々だったけど、美食と美酒にやられ不調だったそうだ。

そして、姪っ子は、メストド1号とメストド2号が住む大陸へ出かける。

勿論、航空券とホテルはオストドが手配した。

ツアーで行くより、相当安くなり、ホテルのグレードはアップしたけど、

メストド1号の不満は、エコノミークラスにあるらしい。

「仕方ないでしょ?」

「まあねえ~」

オストドが絡むと、みんな旅に出たくなるらしい。

オストドに潜むとある団地の上空は、羽田空港へ着陸機やら、時には

海上自衛隊機や陸上自衛隊の輸送機が舞う。

「ねえ!」

「なんでしょ?」

「秋の航空券手配した?」

「まだ!候補は挙げているけど・・・」

「あたしの誕生日!」

「誕生日?ああ・・・復路分か・・・」

「あたし・・また行きたい!あのホテル!」

「ちょっと・・・高いけど。コスパはいいか・・・」

「でしょ!判ってるわよね?」

「らじゃ~」

来年のメストド1号の誕生日旅行も決まった。またリスボン。

それもベレンのホテルそしてお部屋もご指定。

「SQでもいいけど・・・+3日だし・・・ワンワールドは論外」

「どこかないの?」

「あった!LOTポーランド航空。」

秋のプラハ旅行の帰路をプラハ~ワルシャワ~成田。

お誕生日は、前日に・・・・「入れるじゃん!」

成田~ワルシャワ~リスボン。

お値段は予算内もいいところで、オールビジネスクラス。

ぽちっと発券しているオストドの姿がそこにはあった。
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