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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第49話                           [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

こっほん

僕です。久しぶりの登場です。何しろ未来の僕は自分で言うのも変な話ですけど、大馬鹿ヤロウです。
無理やり・・表舞台に引っ張り上げておきながら、自分はどこかへ行っちゃうんですから・・・
頭にきたので・・・グースカと寝ている未来の僕の夢の中で大暴れしてやりました。
勿論、僕の仲間達も出演陣みんなで・・・・
相当・・あわてていたのでしょう・・ガバっと飛び起き、枕元の酸素水ですか・・そんなものをゴクゴク飲んでいましたが、ソレカラベランダに出て一服して、トイレに籠って寝ていました・・・やっぱり・・馬鹿です。
何しろ、許容量ギリギリの眠るための薬を飲んでいるんですから、意識が無くなるのは、当たり前の話。
ちょっとばっかり・・・ここのところ出番が少なくなってましたので、驚かせておきました。
それでは・・・観客の皆様大変お待たせいたしました。
まもなく・・・僕たちの鬼クマ退治第49章の始まりです。
それでは、僕たちが一番輝いていた時代・・・昭和50年代へ皆様をご案内いたします。
では、ご一緒にタ~イムスリップ・・・・・

校長先生が狸と言われる理由

僕は長椅子に美希じゃなくて・・学校だから、佐山美希先生と並んで座らされた。
目の前には校長先生、そして、学年主任である僕の奥さんの兄さんが座っている。
でっぷりしたお腹。長身なんだけど・・・お腹は出ているし、顔は丸に近い。目の廻りに模様を付ければ、
狸そっくりなんだけど、もうひとつ狸と言われる理由がある。

「いやあ~キミタチには感謝しているよ。学校の名誉のために頑張ってくれていて・・・この通りだ」

軽く頭を下げる校長先生。こpれにコロっと騙されるのが多い。僕が口を開こうとした瞬間、美希じゃなくて佐山美希先生が軽く僕を制して、口を開く。

「あのぉ~校長先生。明日も試験ですし・・・」
「おっとそうじゃったの・・・さっき速報を聞いた・・今のところ全科目満点だとか・・・」
「はぁ・・・・ま・・まぐれですね・・きっと・・・山が当たっただけだと思いますが・・・・」
「いや・・社会関係奉仕部として活動する様になってキミタチは真面目な生徒になったようじゃ・・・」

ふざけるなと言いたいところだったが、腹の中で言うだけに留めておく。兄さんや美希に迷惑を掛けるわけにはいかないもの・・・・

「あのぉ~今日は何で呼ばれたのでしょうか?」
「あのなぁ~」 

兄さんが怒ったフリをしている。何せ僕にしか解らない合図を送ってきているからだ。

「まあまあ・・・確か今部長クンは、先生のご実家で神主の修行されてるんでしたな?」
「はい!結構素質はあるみたいで、叔父が色々と・・・」
「そうでしたか・・・地区の皆さんにも可愛がられている様で・・・」
「ええ・・まあ・・・」
「いずれ・・妹さんと?」
「らしい・・ですね。」
「その時は、わたしが仲人でも・・・・」
「あ・・あのぉ~校長先生・・」
「「なんじゃね?わしじゃ不服かな?」
「い・・いえ・・・あのぉ~入籍だけなんで・・・多分・・・」
「そうか・・じゃあ・・わしがキミの保証人になってやろう・・・」
「はぁ・・・・ありがとうございます。」

やっぱり・・狸は狸・・それも煮ても焼いても喰えない狸親父だ・・・・腹の中でつぶやいた途端・・・・

「実はな・・・」 (ほぉ~ら、来なさったぞ! 僕は身構えた)
「何でしょう?」
「うん・・・まだ発表の段階じゃないんだが・・・セミナーハウスを建てようかと・・・」
「そうですか・・・まさか・・・僕たちにそれを建てろとは言いませんよね・・校長先生!」
「まあ・・建設はな・・・その前に・・何処に建てるかだな・・・」
「うちの地区には、土地はありませんよ・・・・そうだなぁ~そうだ・・信州がいいんじゃないんでしょうか?」
「信州?」
「はい・・僕たちが遠征に行っている村です。青○君はそこの村の住職にいずれなるから丁度いいのでは?」
「信州のう・・・・そうだ・・先生方はどう思われますかな?」

僕は兄さんに解る合図を送った。この際、青○クンには悪いけど、卒業してまでこの学園の生徒の面倒なんかみたくない。

「そ・・そうですわね。あそこはいいところですわ。温泉もございますし・・・ねえ・・先生・・・」

美希は同意する様、兄さんこと学年主任に促してくれる。
兄さんも僕の意図を理解してくれたらしい。

「ええ・・いいところですよ。社会関係奉仕部がいい関係を築いてますし、校長先生もお疲れになった時等にいい温泉もあります。それに土地の取得にかかる費用も・・・」
「そうかね・・・じゃあ・・・部長クン1」
「はい?」
「今度また遠征に行くんじゃろ?」
「はい。クリスマスまでは、うちの地区で各家のお手伝い。その後2班体制で、1班は信州へ1班はうちの地区ですね。正月が明けたら全員信州に入りますけど・・・・」
「うんうん・・・人様のために働くなんてとてもいい事じゃ・・・そうだもう部費はなかろう・・・・」
「はい・・・出来ればぞのぉ~」
「よし考えよう!先生方・・お二人は引率じゃな?」
「そうなりますわ。私が通しで学年主任には、信州班をお願いする形ですね・・」
「そうなのかね?」
「はい・・・サッカー部の試合とかありますので・・・そう願えたらと・・・・」
「そこでじゃ・・・信州の村でセミナーハウスの建設の交渉を頼んでいいかね?」
「はい・・じゃあ・・・村の住職にお願いしてみます。」
「そうしてくれたまえ・・・・それと・・もうひとつ・・・」
「何でしょう校長先生。」
「わしゃぁ~正義仮面が活躍してダニ退治を期待しておるんだがね・・・・」
「はぁ・・・僕たちじゃありませんが・・・・」
「そうなのかね・・・まあ・・・頼んでおいてくれんか・・・正義仮面にな・・・・」

やっぱり・・校長先生は狸親父なのだ。まあ・・お互いの利害関係が一致している部分くらい協力しておくのも悪くない。ダニ退治・・つまり、鬼クマとついでにサッカー部の監督も退治していいと許可をくれているものだ。
そろそろ・・・静香に駆けつけないと大変な事になる。お昼ごはん抜きに僕の“借金”がかさんでしまう。

「あ・・あのぉ~校長先生」
「何じゃね?」
「このあと・・・ピアノのレッスンと明日の試験勉強があるんですが・・・」
「そうか・・・キミはピアノを弾けるらしいな・・・音楽の吉田先生が言っておった。我が校から音大へ行けるかもっての・・・・」
「それでしたら・・無理だと・・・クラッシックは苦手なんです。」
「そうか・・まあ・・良かろう!キミは帰っていいぞ!先生方は残って下され・・部費を増額せねば・・・」

僕はやっと解放された。ソファーから立ち上がり、校長室の出口へと向かう。

「校長先生、学年主任先生。佐山先生・・ご指導ありがとうございました。失礼いたします。」
「うむ。ボーイズビーアンビシャスじゃ・・・頑張るんじゃ・・何事も為さねば成功はしないのだから・・・」
「はい!」

深々と頭を下げてでてゆく僕。校長室を出て生徒通用門へ向かう。どうも調子が狂ってしまう。

「あの・・狸・・やっぱり煮ても焼いても喰えねえ~」

ぶつぶつ言いながら廊下を歩いてゆく。とにかく静香で僕の奢りで喰っている仲間たちの元へ向かわなければ
ならない。

「お~い!ちょっと待て!」

兄さんが小走りに走ってきた。まあ・・義理とはいえ弟だし、僕の保護者代わりを務めて貰っているので、泊まらないわけにはいかない。

「ああ・・・学年主・・」
「馬鹿野郎・・兄さんでいい・・・」
「はい・・兄さんどうしたんです?」
「どうしたもこうしたも・・・逃げたな?」
「だって・・卒業しても面倒なんか見られませんよ・・・兄さんだって帰れなくなるかもしれませんよ・・・」
「そ・・そうだが・・・信州のあの村にか?」
「そうですね・・・出来ればそれか・・近郊でもいいですよね・・・いっそ登山部でも作って・・・・」

どうも僕は口が軽いというのか口がすべってしまうらしい。ニヤッと笑った兄さん。

「じゃあ・・・作るか!お前ら登山部な・・・山登り得意だもんな・・・イノシシも捕ったし・・・」
「あれは・・猟師のおじさんの鉄砲が運よくあたっただけで・・・」
「まあ・・今度、一緒に富士山にでも登るか・・・気持ちいいぞぉ~」
「た・・多分・・死んじゃうかと・・・・」
「大丈夫だ・・お前らなら・・・よし1次の夏山シーズンに登るからな・・・全員で・・・・」
「ぜ・・全員?」
「そう・・・お前ら全員と俺とでな・・いやぁ~楽しみだ・・・あはは・・・」
「に・・兄さん・・・あ・・あの・・確かキノコ運びの時・・・・」
「ああ・・・俺、大学で登山部だったんだぞ・・・知らなかったか?」

僕はブンブンと首えお横に振るった・・・そういえば・・・兄さんの部屋に泊まったときにやけに山の写真が一杯あったのは・・これだったのか・・・・

「と・・とにかく登山部には参加しません!優子に怒られそうだし・・・」
「まあ・・あいつには解らんだろうな・・・山の魅力・・いいんだぞ・・山って・・・」
「そ・・そんなにいいんですか?」
「ああ!登った者にしか解らん!達成感と爽快感・・・・」
「そうですかぁ~あっ行かなきゃ・・・」
「バイトか?」
「ええ・・あいつら僕のツケで飲み食いしているんで・・・」
「そうか・・ほれ!」
「何です?」
「いいから・・・みんなで栄養のあるモン喰っとけ・・・・」
「いいんですか?」
「ああ・・お前らのおかげでな・・・臨時手当が出た。そのお裾分けだ・・お裾分け・・・」
「ありがとうございます!みんな喜びます!」
「ああ・・・明日も頑張れとみんなに伝えておいてくれ・・・・じゃあな・・」
「はい!」

兄さんが僕に握らせたのは、1万円札が2枚。多分・・今日の支払いはこれで足りるはずだけど・・・
立ち去る兄さんを見送り、僕は仲間たちが待つ、静香目指して走って行った・・・・

「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第50話へ続く・・・・

 はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
(コチラをクリックしていただければ・・・飛びますので・・)
また・・・画面左側のカテゴリーからもお入りいただけます・・・・

高1の秋編は・・・コチラ・・・からお読みください。

高1の冬編は・・・コチラ・・・からお読みください。

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コメント 7

livly-cu

こんばんは。
そういえば、最近読んでなかったです。
早く過去分よんで追いつきたい~(^◇^)
by livly-cu (2009-10-22 21:00) 

★まっと★

読ませていただきました。
また、ゆっくり前記事も読ませていただきます。
by ★まっと★ (2009-10-23 07:58) 

空飛ぶ食欲魔人

livly-cu様
早速のご訪問&Niceありがとうございます。
是非・・・追いついてくださいませ・・(●^o^●)
でも・・・ひとつだけ先に言っておきますけど・・・
今は“品行方正”・・いや・・そのはず・・・まさか・・・多分・・・・
因みに・・・相当掛ります・・・お時間。
後・・何年掛るんでしょうね・・・完結編まで・・・
それでは、今後共宜しくお願いいたしますです・・・(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-23 08:51) 

空飛ぶ食欲魔人

トメサン様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-23 08:54) 

空飛ぶ食欲魔人

★まっと★様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
嬉しいやら・・・はずかしいやらではございますが、お気持ちありがたく思います!完結篇まであとどれくらいかかるか解りませんが、(何しろ・・記憶の紐を引っ張りながらですので・・・)完結した暁には、強制で(笑)献本させていただきます・・・門番の植木鉢クンの座布団代わりにでもお使いくださいませ・・・・(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-23 09:30) 

空飛ぶ食欲魔人

釣られクマ様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-23 13:06) 

空飛ぶ食欲魔人

miopapa様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-23 14:34) 

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