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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第54話   [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
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また・・・画面左側のカテゴリーからもお入りいただけます・・・・

高1の秋編は・・・コチラ・・・からお読みください。

高1の冬編は・・・コチラ・・・からお読みください。

開演前のご挨拶を申し上げますね!

美希でございます!全く・・・人の迷惑も顧みないで・・・今、楽屋で大喧嘩の真っ最中なんです。
ちょっと・・・覗いて見ますか?全く・・・いくつになっても我がままなんですね・・・

「なあ~いいだろ!もうネタねえんだからさ・・・」
「ふざけんなよ!おっさん・・それでなくてもこき使いやがって・・・都合の良い時ばかりに・・・」
「なんだとぉ~てめぇ~おまえが、まともじゃなかったから・・あとで後悔させられているんだろうが・・」
「知ったこっちゃねえよ・・この馬鹿!」
「てめぇ~表に出ろ!」
「おっさん・・・まだ懲りねえのか?やってやろうじゃんか・・」
「こらぁ~いい加減にしなさい!二人とも・・じゃなかった貴方達は・・一心同体でしょ!」
「おや・・美希?こんないい女だったっけ?」
「てめぇ~俺の女に・・・」
「だ・か・ら・・・いい加減にしなさい!皆さんご覧になってるの・・」
「えっ!・・・」
「えぇぇぇぇ~やば・・じゃあな!あと・・宜しく!」

こっほん!

僕です・・むさ苦しいところをお見せいたしました。何しろ未来の僕はとんでもないヤロウです。これが僕の未来の姿とは・・・泣きたくなるくらいですが・・・・ゥゥゥゥゥゥ
あっ!み・・美希が睨んでる。怖いんですよねえ~女性って・・・僕怖いモノなんかないんですけど、女性が怖くなってきました。別に落語の“饅頭が怖い”じゃないけど・・・おっさん・・じゃなかった・・・未来の僕が言ってました。
女性ほど変わるものはないと・・・まあ・・それはそれで未来のおっさんになった僕に全て押し付けるといたしまして、当分は好き勝手に暴れさせてもらうことにさせてもらいます。何しろあのおっさん・・じゃなかった未来の僕には、無理やり・・引っ張り出されてきたわけですから・・・仕返しをしなければ気が済みませんもの・・・
さて・・・当分は僕たちの出番だそうでございます!何しろ・・・「ネタ切れだぁ~」と言ってましたので、しばらくは皆様をぼくたちが一番輝いていた時代をご覧いただきたいと思います。おや・・・あのおっさんじゃなかった・・未来の僕が代われ!と合図を送ってきていますけど、無視して・・・それでは・・皆様!開演の時間でございます!
しばらく・・時間旅行の旅にお付き合いください。
それでは・・ご一緒に・・・タ~イムスリップ~

「狂騒曲 第5番」(3)

僕はひたすらに坂道を駆けて降りる。ときどき転びそうになるけど、転んでいては間に合わない。
息が持つのか解らないけど・・・あと・・1分。そうしなきゃ・・・僕は“遅刻”扱いにされてしまう。

[るんるん]カラン~カラ~ン[るんるん]

紗江子の店に駆けこむ僕。カウンターでは頭からちょっと角が生えかかった紗江子が微笑んでいる。

「セ・・セーフでしょ?」
「あら[揺れるハート]残念ねえ~アウト!よ[揺れるハート]
「そ・・そんなぁ~い・・一生懸命走ってきたのに・・・・」
「まあ・・いいわ!走ってきたのに免じて許してあげる![揺れるハート]
「ふう~」
「あれ?美希は?」
「美希?ノックアウトしてきた・・・」
「そう![揺れるハート]じゃあ・・電話してきたのは誰かな?うふふ[揺れるハート]
「えっ?」
「美希がね・・・電話してきたの・・・レンが遅れるかもって[揺れるハート]・・・」
「な・・なんだ・・走って損した・・・」
「練習は?」
「うん・・・終った!でもエレクトーンだからね・・・」
「じゃあ・・ちょっと練習してて頂戴!あたし・・・ちょっと出かけてくるから[揺れるハート]・・・」
「うん・・・」

紗江子は用意しておいてくれた、僕専用の神泉で作った氷をグラスに入れ、そこへやはり優子が運んで来てくれていた“神泉”を注ぎこみ、ミーチャンノピアノのそばに置いた小さなテーブルに置いて店から出かけて行った。

「ったく・・・ノックダウンしたつもりだったんだけど・・・」

僕は紗江子を見送りながら静かにピアノの前に座り、ゴクゴクと神泉を飲み干した。

「さてと・・・うあっぱりアレかな!ミーチャンが教えてくれた・・・」 独り言をポツンとつぶやき、
ピカピカに磨きあげられているピアノに座った。紗江子が調律師さんを頼んでくれたのだろうか?
音色が一味違う気がする。例え弾いている曲が“ネコ踏んじゃった 身勝手編曲”でもだ。
“ネコ踏んじゃった”をジャズ調やらバラード調に身勝手に編曲したものだけど・・・なかなかの音色に変わっている。

「やっぱり・・タッチが違うんだよな・・・」

神泉で作った氷を1個口に押し込む。次はミーチャンへのレクイエム。ミーチャンが好きだったエリーゼのためにを弾く。やはり・・・いつもミーチャンが間違えていた場所と同じ所を1音だけ外してしまう。

「あれ?さっきは・・エレクトーンで弾けたんだけどな・・何でだろう?」

何度弾き直しても、同じ所を1音外してしまう。多分、僕はピアノを弾くミーチャンの横に座り、その音が耳に残っているらしい。

「これじゃあ・・やっぱり・・音大は無理だわ!・・・あはは・・」

そこへドアを叩く音がした。僕はピアノを離れ、ドアを開けるとそこには、両手どころではない。花屋さんの店員さんも連れて紗江子が大量の花を買って来たのだ。

「な・・・一体・・・どうしたの?」
「もう・・今日!ご命日でしょ?お誕生日もだけど・・・」
「あっ!ミ・・・ミーチャンの・・・」
「そう!ほら店員さんも忙しいんだから・・・早く受け取って差し上げて・・・・」
「う・・・うん」

僕は店員さんが「抱えていた1本ずつ包まれていたミーチャンの好きだったバラの花を大量に受け取った。
多分、紗江子と美希が花屋さんに頼んで置いてくれたのだろう。僕は心の中で頭を下げずにはいられなかった。

「さ・・紗江子・・あのぉ~・・・・」
「どう?ピアノ・・音色良くなったでしょ?」
「うん・・紗江子が頼んでくれたの?」
「違うわ!楊ママよ・・・ママから依頼があったって・・・調律師さんが来てくださって・・・」
「そう・・でも・・1音外しちゃうんだよ・・いくら弾いてもね・・・」
「エリーゼのために・・ね・・・いいのよそれで・・・それでいいの[揺れるハート]

僕はピアノの前に戻り、今日だけのそれも第一部だけのために構成した曲を弾きだした。
これはお客さんには失礼なんだけど、客さんのためではなく、天国のミーチャンに届けとばかりに慌てて練習してきた曲だ。

「やっぱり・・譜面見なきゃ・・駄目だな・・・」
「そう・・・それならそうしないとね・・・今日はレン’s&ミーチャンナイトだからね!」
「えっ!」
「ミーチャンも聴きに来るわ・・・」
「だって・・ミーチャンは・・・」
「それでも来るの!楊ママの腕に抱かれてね・・・ほら、お風呂沸いているからお風呂に入って、着替えてらっしゃい。楊ママが今夜だけのためにステージ衣装用意して下さったわ!」
「えっ・えええ・・・今日だけの?」
「そう・・・厳密に言えば第一部だけのためにね・・・」

僕は2階へ駆けあがった。そこに用意されていた衣装は、黒いタキシード。シルクのドレスシャツ、そして見覚えのあるような蝶ネクタイ。だけど・・それを何処で見たのか?まだ思い出せないでいる自分がもどかしい。
僕は美希が編んでくれたセーターや洋服を脱ぎ棄てると紗江子の部屋のバスルームの浴槽に飛び込んだ。
そこにはミーチャンの好きだったバラの花ビラが一杯浮かんでいた・・・・
いつもなら、乱入してくるはずの紗江子は姿を見せなかった。僕はバラの香りにむせながらもミーチャンとの楽しかったあの頃の記憶の糸をひっぱりだそうとしていた。

「ど・・どこだったっけ・・・見覚えあるんだよな・・・・」

カラスの行水でバスルームから出るとそこには、紗江子が微笑んで立っていた。また、Uターンさせられるのだろうか?と思っていたら、今日は勘弁してくれるみたいだ。まあ・・・さっきマンションで美希に散々ゴシゴシと洗われていたので、これ以上やられたら僕の皮膚は剥がれてしまうかもしれない。

「はい・・いいわ・・・ちゃんと拭きなさい。」

いつもなら丁寧に拭きあげてくれるのだが、僕の頭にポンとバスタオルを投げかけると、紗江子はさっさと出て行ってしまった。別に拭いてくれなくても自分でそれぐらい出来るから一向に構わないけど・・・
どうやら、僕がお風呂に入っている間に美希も来たみたいだ・・ドアの外ではきゃぁきゃぁいいながら、着替えているみたいだ。

「あれ?おかしいわねえ~」
「うん・・・なかなかチャックが閉まらないわ」

ドアを開けて外へ出て見ると二人してやはり、楊ママが用意したのだろう。新しいチャイナドレスに着替えているのだが、チャックが閉まらなくて悪戦苦闘しているみたいだ。

「どうしたの?」
「そ・・・それが・・ファ・・ファスナーが・・・」 美希が答える。
「おんやぁ~!御二人さんお太りになったんじゃない?」

僕はバスタオルで頭を拭きながら何気にそう言いながら、冷蔵庫から“神泉”を入れたボトルを取りだし、振り返った途端・・・僕の両目から火花が散った。パシ~ンという音と共に、紗江子と美希の息があったコンビネーションプレイで両方の頬にビンタを喰らい、ついでにお腹に一発ずつボディーブローを喰らったのだ。

「ゴホッ!」
「あのねえ~女の子に太ったは言っちゃいけない言葉でしょ・・・」
「お・・女の子?女の子は暴力振るわないけど・・・女の子は・・・」
「そうね・・でも・・女性にも禁句よ・・・気にしているんだから・・あ~ん!」
「あのぉ~タキシードが届いたということは・・中華菓子も来なかった?大量に・・・」
「うん。全部食べちゃったけど・・・二人で・・」
「それだわ・・・お二人さんお風呂でダイエットしてくれば?まあ・・無理やりなら嵌めてあげるけど・・・」

紗江子と美希はお互い顔を見合わせていた。そして歌利して無言でコクンと頷く。

「いいわ・・無理やりでもいいからファスナーを上げて頂戴・・・」
「二人とも?」

コクンと頷く二人。

「じゃあ・・・二人共息を停めて・・・大体・・サイズを偽るから・・・」
「また・・やられたい?」 紗江子の頭に角がまた生え出した。
「・・・・・」

ブルンブルンと首を横に振る僕。どうも僕は言わなくていいことを言いすぎる性格の持ち主らしい。
なんとか二人のファスナーを上げることが出来た。

「ハイ・・お終い。でも・・・ちょっとダイエットは必要・・・あっ!」

ぼくの前に仁王立ちになる二人。二人は顔を見合わせ、コクンと頷く。そして僕に頬笑みかけた。

「じゃあ~あとで、ダイエットに協力してもらわなくちゃねえ~美希。」
「そうねえ~頑張ってもらわないと・・・」
「えっ!」

僕は絶句した。それでなくても今日だけで学校で一回戦、マンションで二回戦も戦いをしたのだ。

「えっええええええ~」
「決まり!頑張ってもらわなきゃ・・ねえ~紗江子」

どうやら・・僕は地雷を立て続けに踏んだらしかった。後は、本能の僕とあっちの神様に頼るしかないようだ。
僕は覚悟を決めてコクンと頷いた。そして楊ママが用意してくれたシルクのドレスシャツに袖を通していった。



「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第55話  ;「狂騒曲 第5番」(4)へ続く・・・


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E区の聖

外します。

狂騒曲   テレマンのオーボエ協奏曲を聴いています

シルクドレス  シルク・ド・ソレイユのサルティバンコgetしました。


なにせ聖ですのでぇ
すんまへ~ん <(_ _)>

by E区の聖 (2009-11-06 22:16) 

shige

いつもご訪問ありがとうございます^^
by shige (2009-11-07 00:15) 

空飛ぶ食欲魔人

竜眼寺 暁様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:29) 

空飛ぶ食欲魔人

xml xsl様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:32) 

空飛ぶ食欲魔人

livly-cu様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:39) 

空飛ぶ食欲魔人

disneyworld様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:41) 

空飛ぶ食欲魔人

cocomotokyo様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:42) 

空飛ぶ食欲魔人

hamu5様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:46) 

空飛ぶ食欲魔人

E区の聖様
いつもご訪問ありがとうございます!(●^o^●)
いいんですよぉ~外して下さったほうが・・・^^;
何しろ・・・聖人様ですからねえ~(*^_^*)
ご訪問いただけるだけで・・・ヽ(^。^)ノであります。
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:55) 

空飛ぶ食欲魔人

takeshi様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 07:56) 

空飛ぶ食欲魔人

トメサン様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 08:20) 

空飛ぶ食欲魔人

ku-san様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 08:35) 

空飛ぶ食欲魔人

shige様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
あとちょっとで高校生活も終わりですね!いよいよ・・夢のために羽ばたく時がやってきましたね・・・頑張っていい飛行機の整備士さんになってください。応援してますからね!勿論・・一番機には乗せてもらいに駆けつけますけど・・・でも、貨物室は勘弁してくださいね!^^;
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 08:55) 

空飛ぶ食欲魔人

kaoru様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
桃ちゃんの浴衣可愛かったです・・・(*^_^*)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 09:28) 

空飛ぶ食欲魔人

kakasisannpo様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 09:31) 

空飛ぶ食欲魔人

外食様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 12:48) 

多夢

これはちょっと過去のストーリーから全てプリントアウトして
始めからじっくりと読まないと新参者にはストーリーがつかみにくいなぁ。
by 多夢 (2009-11-07 13:27) 

空飛ぶ食欲魔人

釣られクマ様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 13:34) 

空飛ぶ食欲魔人

多夢様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
そうなんです・・・そこで・・・画面左手のカテゴリーから是非!
暇で暇でしょうがないとか・・・やる事ないなぁ~とか・・・・
時間を無駄遣いしてもいいよ・・とかの時にお待ちしております。
出来れば・・災難は忘れた頃からやってくる編あたりからお読みいただくと・・・^^;プリントアウトはされなくても・・・全編執筆終了次第、製本する予定でございますので、その時に進呈させていただきます。^^;
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-07 13:51) 

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