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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第58話      [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
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「狂騒曲 第5番」(7)

「おばちゃ~ん!いつものちょうだい!」
「はいよぉ~おや?今日は早いし、見違えちゃった格好しているね・・・」
「うん・・・今日、試験が終わったら、ちょっとね・・・」

僕はまた日常の生活に戻っている。いや、敢えて日常生活を演じているのかもしれない。
僕は、夕べ一睡もしていない。ベつに試験勉強していたわけでもない。朝まで紗江子や美希のダイエット運動に協力していたわけでもない。昨夜はご来店いただいたお客さんたちに、1輪ずつ赤い薔薇の花を、スペシャルナイトのため・・つまりミータyンとのお別れ会にお越しいただいたお客さんたちにプレゼントをした。
彼女たち(紗江子の店は男性入店禁止・・いや、ぼったくられる事になっている)は、それぞれ・・・ミーチャンに対して、ぬいぐるみやら、お花等を持ってきてくれた。第2部・第3部と終り、閉店後、僕は楊ママの車まで、ミーチャンを抱きしめ、車に乗った楊ママに小さな骨壷が収まった木箱を渡した。
楊ママを載せた車を見送り、ぼくはもう一度、もう一度、ソノステージのために用意されたタキシードに身を包み、
ミーチャンだけのために夜明けが来るまで、話しかけたり、曲を弾けるだけ弾きまくっていたのだ。そこにまだミーチャンが居ている気がしてならなかった。

「レン!少しは寝なきゃ・・・」
「ううん。このまま・・試験を受けに行くよ!」
「そう・・・解ったわ・・・」

紗江子は僕を心配して降りてきてくれたのだろう。美希はすっかり酔っぱらって寝ちゃった・・
何しろ、2階まで担ぎあげたのは、僕がひょいと担ぎあげたんだから・・・
紗江子が特別なタキシード一式を持って行ってくれると言うので、僕は黒いジャケットに身を包み、滅多にしない
ネクタイを結んだ。嫌・・正直に言えば、美希に結んでもらい・・・それを紗江子が直してくれたのだけど・・・

「お~い!部長ぉ~」 

声をかけてきたのは、佐々木クンだった。いつもは絶対に袖を通さないはずの制服を着こんでいる。

「おお~佐々木ィ~おはよ!ど・・どうしたんだ・・制服なんか着て!」
「ああ・・これ!お前以外部員全員制服着用だってよ・・」
「はぁ?」
「今日はご招待だろ?」
「まあな・・・その前に草むしりもやってもらうけど・・・」
「だろうと思った・・・ミーチャンだっけ?」
「うん。今日・・納骨するんだ!ハタチになったからね・・・」
「そうか・・それでか・・」
「うん。」

僕は紙袋からユンケルと赤まむしのいつものセットを取り出した。佐々木クンは僕のカバンをさりげなく持ってくれる。

「悪いな!」
「いいってことよ!それよりさ・・・お前寝てないんじゃないか?」
「まあな・・一晩中・・ミーチャンのために弾きまくったからな・・ピアノ・・・」
「そうか・・」
「ああ・・・」

佐々木クンと僕は学校へ向かって歩いていた。そこへYやS・白○・青○・赤沼・大岩・佐伯とそれぞれが制服を着こんで、次々と合流してくる。正門のそばでは、山口・遠藤・岡崎が僕たちを、待っていた。
彼らも制服を着こんでいる。

「なあ・・・お前ら、頭どうかしちゃったのか?」
「あん?お前の指示じゃないの?」
「はぁ?するわけないじゃん・・・ああ・・そうか・・美希・・・佐山先生の差し金だな・・・」
「高級中華喰わせてくれるんだろ?」
「ああ・・勿体ないって言ったんだけどな・・・お前ら質より量だろ?」
「何でも・・ちゃんと制服着て来ないと連れて行かないって・・・」
「そうか・・・そんな事言ってたのか?」

僕たちは揃って生徒通用門になっている正門を抜けた。そこにはまだ腕に包帯を巻いているサッカー部の監督と鬼クマこと体育科の熊田教官が木刀片手に、僕たちの前に立ちふさがってきた。

「なんだ・・お前ら気が狂ったのか?」
「ああ・・おはようございます!熊田教官とその子分で弱小サッカー部の監督」
「何だ・・その言い草はまともな挨拶すらできねえのか?」
「ええ・・出来ませんね!一応・・おはようございますって言いました。ふつうの先生方は、おはようと返ってきますけど?」 
「ああ・・・そうだったな・・おはよう!これでいいんだな・・・」
「そうですね・・・言っておきますが僕たち気は狂ってませんので・・・」
「じゃあ・・どうしたんだ・・その格好」

確かに普段は好き勝手な格好で登校している僕たち。僕に限って言えば、制服はロッカーに投げ込んであるので、ロッカーの肥やしになっているかもしれない。

「ああ・・・こいつらですか?ちょっと不幸があったものですから、それに、今日納骨なんで・・・」
「お前は?」
「はあ・・ネクタイだけ代えますよ。一応、コレ礼服なんで・・・」

多分、物影から観ていたのであろう美希が僕たちと鬼クマそしてその子分の間に割って入る様にやってきた。

「みんな!お早う!」
「佐山先生!お早うございます!」

僕たちは鬼クマ達の前で、深々と頭を下げて声を併せた。

「おはようございます!体育科の熊田教官と確か野口監督でしたわねサッカー部の・・・」
「ああ・・佐山先生。よくこんな馬鹿共を手慣られましたな・・お見事・・」
「そうですか?いい子たちばかりですよ・・・学校の名誉のために心を入れ替え頑張っていますので・・・」
「ほほう・・・まあ・・そのようですな!足元を掬われない様にご注意ください・・」
「ええ!ご忠告ありがとうございます!それで・・この子たちが何故、ここに留め置かれているのでしょう?」
「いや・・普段とは違う格好なもので・・・」
「当然ですわ!部長・今日は納骨だったわね?」
「はい。試験が終わったら式に参列しなければいけませんので・・・」
「それじゃあ・・熊田教官宜しいかしら?この子たち引き取って・・・」
「いいでしょう・・・」
「じゃあ・・みんな試験最終日頑張るのよ!いいわね?」
「はい!」

僕たちは教室へ向かわず、いつもの試験会場となる会議室へ向かう。
厳重な監視の元、試験を受けるのだ。まあ・・・一部のつまり、鬼クマとその子分のサッカー部監督の野口のおっさんだけだが、僕たちの成績に関して、異議申し立てを行ったのもあるし、そもそも・・これでもかと押し込まれた教室で今更試験を受ける気がない。
昨日までの成績では、僕は8科目すべて100点を取っているし、赤点組だったY・S・白○でさえも、平均点をすべてはるかに超えている。僕たちの平均点は95点くらいになる計算だろう。
まあ、僕たちの年はそれまで偏差値55以上あれば楽勝だったのだが、最低点合格者で偏差値60以上とハイレベルになっている。まあ・・要領のいい奴とか、トップ高の滑り止めに入学した奴とかひしめき合っている。
その中で僕たち“社会関係奉仕部”とはなっているが、元々悪たれ連は、要領がいい奴とおっちょこちょいの奴
それに、中学時代、先公に盾付いて、試験ではトップだったけど、授業点を減点され、内申書をボロクソ書かれたのは、僕と本当は1年先輩の佐々木クンだけだ。

会議室の前まで来ると兄さん・・じゃなかった・・学校では、学年主任が待っていた。

「おう!おはよう!」
「おはようございます!」
「よし!お前ら中へ入れ!」

兄さんが開けたドアの向こうには、校長先生と理事長のクソったれ・・・つまり、鬼クマのおじだか何だか知らないけど、蹴ったクソ悪いのが僕たちの到着を待っていた。
本当は、理事長なんかに挨拶もしたくないんだけど・・・兄さんや美希、それに校長先生の立場を考えるとそうもいかない。

「整列!」 僕の掛け声に一同横に並ぶ。まあ・・他の連中も面白くはないだろう。
「理事長先生と校長先生に礼っ!」 
「理事長先生。校長先生お早うございます!」
「うむ・・お早う」 と理事長が答える
「お早う!諸君!今日も頑張りたまえ!」 と校長の狸親父が僕に合図を送る。
「彼らかね?校長・・・」
「はい!我が校の名誉を高め、なお且つ最近ではその学力向上も素晴らしく、我が校の誇りです。」
「そうかね・・・私が聴いていたのとちょっと違う気が・・・」

「そりゃそうでしょうねえ~あんたの甥だか何だか知らないけど、僕たちの天敵なんだから・・・・」

僕は、腹の中で答えた。みんなもそれぞれそう腹の中で答えたらしいのだが・・・後で聞いた話によれば・・・

「まあ・・いいだろ・・・校長・・・」
「はい?」
「彼らの試験を見学させて貰えるかね?」
「そうですね・・・部長クンいいかね?」

いいも悪いもない。別にカンニングなんざしていないし、一応・・正々堂々と試験は受けている。

「はい!」
「何・・ほんの少々見せてもらおうと思ってのことだがね・・・」
「校長先生!」

僕は手を上げ発言を求めた。理事長が見学するとしても席が用意されていないのに気が付いたからだ。

「何かね?部長クン・・」
「はい!理事長先生のお席はいかがなさいますか?」
「そうだったの・・・じゃあ・・私の椅子を運んで来てもらおうか?頼めるかね?」
「はい!そうさせていただきます。」

僕は横に立っていた佐々木クンを突き一緒に校長室へ行く事にした。勿論、学年主任である兄さんも一緒に行く。廊下を校長室へ向かいながら、僕は佐々木クンに囁いた。

「なあ~佐々木!何でクソ理事長が居るんだ?」
「さあ~解らねえ~」

そこへ兄さんが小声で教えてくれる。

「あのなぁ~お前らほどほどの点数にしとけ!って言ったろ・・・特に・・お前だ・・弟・・じゃなかった部長!」
「僕ですか?」
「ああ・・・何も全科目満点取る馬鹿が何処に居る?」
「そう言うもんですかぁ~」
「ああ・・・理事長が東大合格者がでるかもしれん!と喜んでなぁ~」
「無理っす!東大には神学部ありましたっけ?僕・・神主になるんですよ・・・」
「馬鹿!理事長は東大医学部へ入れたいらしい・・・」
「無理でしょう・・僕が医学部なんか行くわけが・・・」
「解っている。そこでだ・・今日のテストは60点くらいにしておけ!いいな・・・後はなんとかするから・・・」
「了解です・・でも・・佐山先生は満点とれと・・・」「ああ・・・その点は打ち合わせしておいた・・・佐々木もそこそこにしておけ!いいな!」
「はい!」

僕と佐々木クンは校長室から校長先生の椅子を運び出し、会議室へ持ってゆきセットした。

「みんなぁ~試験開始まで、おトイレとか済ませておきなさい!」

美希は美希で僕に合図を送ってきた。つまり、僕たちが学年トップクラスを走るのはキケンなのだろう。

「ああ・・そうだな・・・その間に問題用紙及び筆記用具を配っておく、各自鞄は後ろへ置いておくこと!」

僕たちは指示に従い、来客用ではない生徒専用のトイレへ行くフリをして、階段の下に集まる。
ちゃんと伝達しておかねばならない。何しろ、学校側に変な期待を持たれても、僕たちは自分で自分の首を絞めるわけにはいかない。

「あのな・・・黙って聞け!兄・・じゃなかった・・顧問である学年主任からの伝達だ。」
「あん?」 

いつも空気の読めない奴が居る。大体はYクンなんだけど・・青○クンだ。

「あのな・・・今日の試験60%ぐらいにしとけよ・・・Y・S・白以外は・・・」
「なんでだ?」
「あのな・・理事長のおっさん勘違いしているらしい。」

成績は大体が上位クラスに所属している。これでは拙いことになる。僕たちは300名余りいる。
その中で、間違えて50位以内に入ると大変なことになる。因みにトップは僕。ベスト50に全員入ってしまっているのだ。僕たちは意図的に50位から落ちねばならない。幸いな事に今日は文系のテスト。理系に進級する僕たちには、無縁な科目。

「いいか・・・Y・S・白○・・お前らは80%狙い。残りは60%だ・・・」
「なんで?」
「馬鹿か佐伯!Y・S・白○は、前回赤点組だったんだぞ!」
「あっそうか・・進級が危うくなるな・・・」
「そうだ!俺らは60%にすればベスト50位からは脱落出来る。強いてはクマ公に油断を与えるんだ。」
「なるほど・・・そう言う事」
「ああ!そうしてわざと・・“化けの皮”が剥がれたふりをして・・明日にはオトシマエをきっちり付ける!」
「よし!それじゃあ・・戻るぞ・・いいな!Y・S・白○お前らは死ぬ気でやれ!」

僕たちは会議室と言う試験場へ戻る。試験監督は美希。そしてサポートが学年主任である兄さん。
そして、体育科の鈴木教官が顔を揃え、そこに校長先生と理事長が加わる。

「失礼いたします!全員揃いましたので、入室許可願います」
「入室を許可します。全員指定された場所を黒板で確認して座りなさいね」

美希の少し緊張した声が返ってくる。僕の指定された場所は、理事長の座る椅子の前が指定されている。
校長先生の前の席は佐々木クン。つまり、僕たちは“言いわけ”が出来る席に座ることになる。
僕たちは確認を終え、それぞれの席に座り、用意されていた真新しい鉛筆と消しゴムを確認する。

「はい!じゃあ・・これから古文の試験を行います。制限時間は50分。用意・・・始め!」

僕たちは裏返された試験問題と答案を一斉にひっくり返し、それぞれ自分の番号と名前を書き始めていた。
番号もマークしていかなくてはいけない。静まり返った試験会場に鉛筆の音だけが響き渡る。。


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第59話  「狂騒曲 第5番」(8)へ続く・・・・
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空飛ぶ食欲魔人

お茶屋様
早速、そして、いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-25 18:12) 

空飛ぶ食欲魔人

dora様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 07:25) 

pandan

コメントにここだけの話、ありがとう御座今四tあ。

by pandan (2009-11-26 07:27) 

空飛ぶ食欲魔人

トメサン様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 07:28) 

空飛ぶ食欲魔人

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 07:43) 

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 07:53) 

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 08:35) 

空飛ぶ食欲魔人

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 08:44) 

空飛ぶ食欲魔人

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by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 08:47) 

空飛ぶ食欲魔人

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 09:00) 

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 09:02) 

空飛ぶ食欲魔人

kaoru様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 09:41) 

空飛ぶ食欲魔人

pandan様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
どういたしましてぇ~(*^。^*)

気になる方はPandan様のブログをチェックしてみてくださいね!

by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 09:43) 

空飛ぶ食欲魔人

k-ya様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 09:47) 

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いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 14:27) 

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ぼんぼちぼちぼち様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 14:32) 

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釣られクマ様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 14:44) 

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サニー様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 15:15) 

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miopapa様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-26 15:17) 

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nobuaki4091様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-27 07:39) 

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