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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第68話 “穴の中へようこそ!”① [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

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 “穴の中へようこそ!”①

「すみませんが・・ちょっと・・腹具合が悪くて・・・」
「それはいけませんわね・・・・ハイ!コレ飲んでくださいね・・・うふふ[揺れるハート]

救護所でそんな会話が行われ、カオリが“第4段ロケット”となる強烈な下剤を手渡した時、僕は全員に“休憩”と言う名の作戦Bを伝えることにした。

「お~い!休憩だぞォ~昼飯とトイレ済ませろって・・・・」

マイクに向かって叫ぶ!忍者部隊は速攻でトイレ裏手に消える。4個あるトイレのうち2個を潰すためだ。
一応、水洗トイレなので、水さえ出なくすればいいわけで、忍者部隊にしてみれば、本屋でエロ本を買うより、易しいことだ。その間にトイレに予め選定されている“戦士”たちが並ぶ、残りの戦士たちはそれぞれあちらこちらへ移動しながら、グランド中に釣り糸を張り巡らせる。勿論、そのすぐそばに立っている。合宿所のトイレは既に潰してあるのだ。

学年主任である兄さんもキー先生を始めとする担任の先生方は、既に、バスの中に戻って、これから起こるであろう“悲劇”なのか、“喜劇”を半分予想しつつ、仕出し屋から届いている弁当にパクついているに違いない。
僕たちもそれぞれ・・持参した昼飯の弁当を食べる奴と移動販売の弁当を買う奴それぞれが、思い思いの場所に陣取っているとあたかも見せながら、鬼クマと監督が腹を押さえながら駆けてくるのを、今か今かと待ち望んでいるのだ。
仲間たちには、教えてないけど、“起爆スイッチ”として、必殺手作り弁当。大盛り二人前スペシャルを、洋子に用意させている。これには、あたかも見た眼、“精力”が付く様に見えるけど、楊ママ特製の速攻下剤のお薬のエキスを豊富に含ませてあるのだ。あとは、洋子とカオリのお色気作戦で、地獄への片道切符を握らせ、トイレまで、直線距離500m。“障害物だらけ競争”を二人に走ってもらうだけである。

「先生方はお昼召しあがらないんですか?」
「そうですわ。何か少しでも胃に入れられませんと・・・」

洋子が切り出し、カオリが続ける。

「いやぁ・・正直言って仕出しも飽きましてなあ~」
「そうですか・・そうだ。先生方に召し上がっていただこうとお弁当作ってきたんですけど・・・」
「ほほう・・美人手作りのお弁当とはありがたい・・なあ!」
「そうですね・・・」
「他の先生方の分もあるんですけど・・・」
「ああ・・あいつらには勿体ない。夕食に私共で頂きますよ・・・」
「ええ・・そうさせていただきましょう・・・」

直接手渡されて喜ぶ馬鹿二人。こう言っては悪いけど、この二人の素性を知ったら、逃げ出したくなるだろう。
何しろ、泣く子も黙るT女のスケ番のご出身なんだから・・・この二人に手渡された食べ物は、僕だって一応、クンクン匂いを嗅ぎ、隙を見ては池の鯉に毒味させなければ、食べない。それか、他の魔女連が食べて大丈夫そうだったら、初めて自分の胃袋に収める事にしているのだ。

「じゃあ・・ちょっくら・・起爆スイッチ押してくるわ!」

僕は立ち上がり、あちらこちらからの合図を確認して、佐々木クンに告げた。

「しくじるなよ!」
「解ってるって・・・後は頼むぞ!」
「了解っ!」

僕は近くにソロソロと近づく。何しろ油断するとこっちがワナに嵌りかねない。一歩ずつ足元を確かめ歩いてゆく。
そうしなければ、僕が“釣り糸地獄”の被害者になりかねないからだ。
忍者部隊がそっと僕の手に小型のFM受信機とイヤホンを渡してくれたおかげで、隠しマイクが拾ってくれている救護所のやり取りが僕の耳に飛び込んでくる。

「ほほう!旨そうだ・・精力もつきそうだな」
「ええ・・・」
「先生方、健康茶になさいます?それとも・・・お酒の方がいいかしら・・」
「酒とはありがたい・・いやぁ~とんでもなくタチの悪い生徒が居ましてな・・懲らしめて、退学にしてやろうとおもってるんですわ・・・あはは」
「あら・・そうですの!やはり先生方は素晴らしいですわ・・・じゃあ・・お酒を・・」
「拙くないですかねえ~」
「お茶で割れば問題はないだろ・・粕漬けを喰った事にしておけば・・・」
「そうですね・・・」
「じゃあ・・・差し入れにお持ちしたお酒をお茶割りで差し上げますわ・・・」

粕漬けなら弁当に入っているはずだ・・・僕が精魂込めて酒粕に鶏の優子たちの糞を混ぜ、ありとあらゆる雑草から抽出したエキスを練り込んである。そこに半分腐らせておいた鮭の切り身を漬けこんだ代物が・・・・
更に、ハンバーグには、ミミが養殖しているミミズをすり潰したモノだし、炒めものの中には、信州の村から由香ちゃん1号に送ってもらった。致死には至らないけれど、一口食べたら強烈な腹痛伴うと言われているキノコが入っているし、九尾の狐に頼んでちょっと病気になっている犬が舐めた鶏肉で作った唐揚げは、さぞ美味なことだろう。

「えっへん[揺れるハート]

ミサがわざと咳き込み、弁当が半分以上、鬼クマと監督の胃袋に収まったことを告げてきた。
いい頃合いである。ちょとからかいながら、トイレの詰まりを告げて作戦Bの実行に移す時が来たようだ。

「熊田教官!」
「なんだ・・嘘つき野郎か・・・何の用だ?」
「旨そうなもん食ってますねえ~弁当忘れてきちゃって・・移動販売も品切れだし、買ってきていいですかねえ」
「我慢しろ!弁当持って来ない奴が悪い。」
「そんなこと言わないで・・それ!一口でいいから下さいよぉ~」
「駄目だ!あっちへ行ってろ・・・」

二人揃って弁当箱を取られまいと隠す馬鹿。

「ケチなんだから・・・そうだ!お知らせしなきゃいけない事が発生したのを言うの忘れてました・・・」
「今度は何だ?」
「はあ・・トイレが2か所壊れてまして・・・ホラ!ご覧の有り様に・・・・」

僕が指さした方のトイレはすでに長蛇の列が出来ている。それをちらっと見ただけで、また弁当にとりかかかる
鼻の下を伸ばしきった馬鹿二人。カオリがどうよ!といいたげに微笑んだ。

「後で・・見に行く!お前はそこらで水でも飲んでろ・・・・」
「は~い・・・」
「あなたぁ~お弁当持ってきたわぁ~」

そこへ・・今着いたとばかりに優子がフェンス越しに声をかける。勿論、ミミもその他T女のお歴々で、僕の仲間たちととりあえず、カップルになっているちょっと怖~いお姉さま方までスタンバイしている。

「あのぉ~弁当貰ってきていいですかね・・うちのが届けてくれまして・・・」
「勝手にしろ!傍に来るな!メシが不味くなる・・・」
「はい。では・・・失礼して・・・」

僕は3メートルほどあるフェンスを乗り越え、優子の元へいく。

「サンキュー・・・いよいよ・・面白いものが始まるぞ!」
「ねえ・・アレ!食べてるわけ?」
「ああ・・美味そうに喰ってる。ミミご苦労さんだった!」
「うん[揺れるハート]

鬼クマとサッカー部の監督。馬鹿な二人が喰っているもの・・それは、村外れの呪われた家で、そこの調理器具を使い、更にミミが作った特製の調味料で調理されている。ミミには九尾の狐が憑依して、二人が食っている弁当を拵えたのだ。勿論、そこには九尾の狐の呪いもタップリ掛けられている。
何しろ、散々九尾の狐に協力しているんだから、こっちのも協力してもらっているわけだ。

「ああ・・腹減った。みんなで一緒に食べながら見学しようか?It's a showtime もうすぐはじまるし・・・」
「うん・・そうしよ!ミミ・・用意して・・[揺れるハート]
「は~い。」

僕と優子とミミは道路わきにピクニックシートを敷き、ミサが作ったであろう美味しいお昼ご飯にありついた。
何しろ、優子が作ったのではない事だけは確かな事。だって、優子と僕はグランドのある駅の2駅先にあるラブホで“せっせと”朝まで子作りに励んでいたわけだし、ミミは“スペシャル弁当”を作っていたんだし、洋子もカオリも奈々子も酔っぱらって、ミサとミミが運転する車で帰って行ったのだ。従って、このお昼ご飯のお弁当は、ミサの手作りに間違いがない。もうひとつ確証があるのは、この卵焼きの味付けは、ミサにしかできない。
それに、僕のお弁当箱にはある意味を込められたメッセージ的な要素のオカズが忍ばせてあったのだ。

「このお礼はちゃんとするからね・・・俺!律儀だしぃ~クックック・・・」

今日中に決着を付ければ、僕は鎮守の森へ帰れるのだ。そうすれば・・・バラ色なのか、地獄絵図なのか良く解らないけど・・・僕の居場所はそこにあるのだ。
僕を真ん中に優子とミミが並んで座り、受信機から流れてくる“救護所”でのカウントダウンがリアルタイムで流れてくる。

「あ・・・ああ・・美味しかった・・ちょ・・ちょっとトイレの様子見て来なきゃ・・・」
「そ・・そうですね・・ご・・ご馳走様でした・・・」

リアルタイムに流れてくる鬼クマとサッカー部監督の声。僕は微笑みながら・・カウントダウンを始める。

「5・4・3・・・あれ?フライングだぁ~」

一斉に立ち上がり、二人とも両方の手でお腹を押さえ、昼の余興。“釣り糸地獄障害物だらけ競争”が、始まった。その距離500メートル。必死に走るサッカー部の監督と鬼クマ。

「さて・・そろそろだぞ・・・」
「えっ?」
「転ぶからさ・・見てなよ!ホラ転んだ・・・」
「何か仕掛けてあるわけ?」
「グランドに釣り糸をね・・・ありゃ・・監督・・多分、もう一本の腕も折れたな・・あれは・・・」
「いいの?」
「いいの・・いいの・・・しかし・・・馬鹿だなあ・・・やっぱり体育馬鹿だわ・・あれ!」

僕は腹を抱えて笑った。勿論、グランド中に笑いが響く。釣り糸地獄で双方3回ずつ転び、最後の100メートルで、柔道部と相撲部の二人がモタモタと二人の前を横切る。
思わず、ミミは立ち上がり、フェンスに齧りついて見ている。

「どけぇ~どかんかぁ~」

何せ、400メートルは離れた所に居る僕にも聴こえるくらいだから、相当な声で怒鳴ったはずだ。
その二人が退くと・・今度はサッカーボールとバレーボールが二人の足元に投げられ、やっぱり足を取られ転ぶ羽目になる馬鹿が二人。

「て・・・てめぇら・・・」

勿論、仕掛けたのは悠然と昼飯を食っている奴の影に隠れた忍者たちの仕業である。
逃げる忍者が口ぐちに叫ぶ・・・・

「鬼さんこちら・・手の鳴るほうへ・・・」

その声にあわせてグランドに散らばった戦士たちが大声で手を叩きながら続く・・・

「鬼さんこちら・・手の鳴る方へ・・・」

僕は固唾を飲んで、最終障害物である戦士たちの間を眺めた。今では100名以上がトイレを待つフリをして並んでいる。その列に割り込もうとすれば、僕たちがせっせと掘り、片一方にはカエル。もう片一方には、青大将を忍ばせた落とし穴に落ちるしかない。多分、あの二人は期待に答えてくれるはずだ・・・
そう考えている矢先、二人の姿が見えなくなった。

「ワァ~やったぁ~」

グランド中から歓声が上がった。僕は弁当を食べ終わり、優子の膝枕で束の間の眠りの世界に入ることにした。
後は仲間たちに任かせておけばそれでいい。生き埋めにしようが知ったこっちゃない。
校長先生が着くまでなのか?それとも誰かに起こされるまで僕は眠りにつく事に決めた。
何しろ、昨夜と今朝の疲れが尾を引いているのだから・・・


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第69話 “穴の中へようこそ!”②へ続く
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inacyan

おっ面白すぎる・・・\(^o^)/
小説家デビューも間近ですか??(^^)
それもノンフィクションで・・・
by inacyan (2010-02-19 20:29) 

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