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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第69話 “穴の中へようこそ!”② [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

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 “穴の中へようこそ!”②

“この恨み晴らさずにおくべきか!”これが、高等部普通科1年の合言葉である。
だから、普通科居年“体育スペシャル補修デー”と名付けられた。本来なら、テスト休みである。この期間に沸々と怒りと仕返し出来るこの時を全員で待っていたのだ。もしかしたら、体育の単位を落とすことになるかもしれないと忠告はしたのだけど、全員、「今、やらないでいつやるんだ!!」と言われた程である。
僕は優子の膝枕で寝ているとミミが起こしに来た。

「ねえ!止めなくていいの?」 僕の身体を揺さぶって起こす。
「な・・なにが?放っておけばいいんじゃない!」 僕は薄眼を開けた。
「だって・・・みんな砂場から砂運んでいるみたいだけど・・・」
「えっ?」

僕は優子の膝枕のまま遠く砂場の方を見ると全員が、砂場から確かに砂を救っては、“穴の中”に放りこんでいる。

「あはっ!本当だ・・・生き埋めにするだけだよ・・・掘りだすのは大変だけど・・・」
「いいの?あなた・・」
「うん!あれも作戦Bのうちさ・・・どうせ・・穴の中で・ドバーッだもん!臭いじゃん!」
「き・・汚いわねえ~」
「だけど・・青大将とカエルには可哀そうだけどね・・・あとで、水洗いしてやるか・・・」

その頃、穴の中では、どんなことが起こっているかは、容易に想像できる。
多分、蛇の穴に落ちたのは監督の方だろう。そうすれば、毒はないと思うけど、青大将を詰め込んだビニール袋は破れているはずだ。何匹かは踏み殺されているかもしれないけど、その他の仲間の蛇たちが驚いて今頃、監督に噛みついているだろう。僕としては鬼クマに蛇の穴に落ちて欲しかったのだが、予定は予定であって決定ではないのだから仕方がない。
ワァワァっと叫びながら次々に砂場の砂を救っては投げつけている様子を見ながら、僕はまた眠りの世界に落ちてゆく。

「なあ・・このまま穴塞いじゃえばいいじゃんか・・・」
「よせ!こんな奴ら殺しても、リスクが大きいだけだ・・・」

穴の縁では“作戦B”が進行している。勿論、完全に穴を塞ぎ、土をかけてローラーを曳いておけば、存在自体を消すことは出来る。だが、これは既に首から下だけ砂に埋もれ、なお且つ大量の砂を顔面や頭全体に浴びた
鬼クマとサッカー部の監督にとっては、生きた心地がしなかいだろう。
その一部始終は、放送部のビデオカメラと新聞部のカメラが撮影しているはずである。
先輩たちがわざわざお休みの日に来たのは、この有り様を取材するためだけではない。
このために、すっかり馴染みになったホステス養成学校のお姉さまをナンパして、コンパをセッティングしてあげてあるのだ。勿論、上手くいく保証は100%ない、ないばかりか、カモられるのがオチ。
ホステス養成学校のお姉さま方にしてみれば、その辺のエロジジイをカモるより、面白いと内諾をいただいているわけだけど、先輩方には言ってはいない。後は、男なんだから自分でナントカしてもらうしかない。
佐々木クンはちゃっかりと、彼のお母さんが経営してるラブホの割引券を配っていたけど、無駄になると僕は思う。
グランドに午後の授業を開始する音楽が流れ、兄さんこと学年主任を筆頭にバスの中で昼食を取り、外の騒ぎに気付かないフリをしていた・・担任たち。それに、美希がバスから下りてくる。

「あなた・・いいの?行かなくて?」
「いいの!呼びに来る事になっているからねえ~予定では・・・」

兄さんたちがグランドに向かう途中にある“釣り糸地獄”は撤去されているはずし、砂場もトンボが掛けられているハズ・・ここまでが忍者部隊に与えた役割である。

「全員・・整列しなさ~い!」

美希がマイクで喋る。勿論、僕がその場にいないことは、先刻承知している。
高等部普通科1年299名が並ぶ。そう僕だけはまだ優子の膝枕で寝ていることになっている。

「あれ~おかしいわね・・・誰か足りなくない?」
「おい!先頭に並んでいるはずのウチの委員長はどうした?」

そこで、すかさずYが手を上げる。

「なんだ!Y。発言してよろしい」 学年主任である兄さんが必死に笑いを堪えているのが目に浮かぶ。
「あそこで・・奥さんの膝枕で寝てますけど・・・」
「誰か・そうだな・・・佐々木!青○!白○!S!・・あの馬鹿を連れてこい!」
「は~い!」

4人が門をこじ開け、僕の許へ走ってくる。

「そうだ!誰か足りないと思ったら・・体育科の熊田教官と監督はどこへ・・・」
そこで、秀才ばかり集められたクラスの委員長であり、忍者部隊の大沢クンが手を上げた。

「なんだ?大沢・・・」
「はい。穴に落ちてますけど・・・教官たち・・・」
「何?」
「どうやら・・陥没でもしてたのか、何かの意図で用意されてたのか知りませんが、トイレのそばの穴に落ちてました。」
「それでどうした?」
「どうしたって・・・どう考えても助ける必要も義務もありませんし・・・」
「まあいい・・・案内しろ!」

その頃、走っているフリをしばがら、僕の所へ集合する佐々木クンと青○クンに白○クンにSクン。

「お~い!部長ぉ~」
「なんだ・・もう来やがったな・・さては、美希順番間違えたな・・・」
「何の事?美希先輩がどうかしたの?」
「な・・なんでもないよ・・・よぉ~ご苦労さん!で・・首尾は?」
「上々・・・監督がカエル地獄で鬼クマが蛇池地獄に落ちた・・・」
「あん?場所違うんじゃ・・・」
「ああ・・忍者部隊が作りなおしたんだとよ・・・・深さ4メートルにしたんだって・・・」
「それでか・・あいつららしいわ・・・」
「それに、コンパネじゃ割れないのが解ったとかで、ビニールシートにしたんだってよ・・・」
「さすが・・秀才が陣頭指揮を執る部隊だわ・・・」
「いこうぜ・・部長が締めなきゃ終んないぜ・・・」
「ああ・・作戦Bはな・・・後は、校長の到着を待って・・・作戦C開始と行こうぜ!」

僕たちが揃って門を通り抜けしばらくすると、グッドタイミングで校長を乗せた車が予定より早くやってきた。
門を広々と開け、深々とお辞儀をした。何しろ、“礼儀”だけはうるさい学校だから、それだけは嫌と言うほど身に染みている。今はすっかり味方につけたけど、まだ僕の兄さんになる前だった“学年主任”はじめ、キー先生に散々竹刀で“ケツバット”を喰らったのだ。
僕たちの前で、車が止まり、整列してお辞儀をしている僕たちに向かって窓を開けた校長先生が、話しかけてきた。

「諸君!今日も元気かね!」
「はい!校長先生!」
その姿を目撃してキー先生が走ってやってきた。

「おまえら・・さっさと集合せんか!」
「まあまあ・・田中先生!彼等はワシに挨拶をしておったのだよ・・・」
「そ・・そうですか・・本日はご苦労さまでございます。」
「何か変わったことはなかったかね?」
「はあ・・それが・・・色々ございまして・・・何でもグランドに穴が開いていて熊田教官と監督が落ちたとか」
「何?それは大変だ・・案内してくれるかね!そうだ・・キミタチの力を借りることになるかもしれん。社会関係奉仕部全員集合させてくれんか?」
「はい。佐々木・・全員呼んで来てくれ」
「ああ・・行ってまいります!」

車から降りる校長先生。勿論、ハイヤーである。ハイヤの運転手さんにバスの横に車を停めて待っていてもらうことにして、僕たちは先に立って案内するキー先生を先頭に校長先生の後ろを歩いている。
すると・・校長先生が思い出した様に僕たちにも聴こえる様に話し始める。

「どうだ!理事長もお見えになるからの・・・」

どうやら、この狸親父・・僕たちを利用して、次期理事長選挙に打って出るつもりらしい。
まあ、貸しを作っておけばちょっぴり窮屈な学園も、居心地がよくなるかもしれない。
何しろ、鬼クマこと熊田教官は正式は教師ではない。確か、講師のはず。それでも、ただ・・理事長の末妹のどう見ても出来そこないである娘を嫁さんにして、甥だと威張っているのだ。
そして、馬鹿大の後輩であり、サッカー部の監督として、自分の子分を引っ張ってきたのだと、体育科の鈴木教官が教えてくれたいたのだ。

「おい・・面白いことになりそうだな・・」
「黙ってろ・・青!」

突然、後ろを振り向いた前を歩く校長先生が、僕たちにVサインをして見せた。

「さて・・諸君!徹底的に原因究明しなければならんなぁ~!」

そう言いながら、校長先生の顔には、いつもの顔は消え失せ、どっちかと言うと悪魔の笑顔がそこにはあった。


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第70話 穴の中と外は大騒ぎに続く・・・・










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