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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第70話 穴の中と外は大騒ぎ [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

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- 穴の中と外は大騒ぎ -

校長先生のあとに続いて行く、僕と白○とS。そこに佐々木クンが呼んできた“仲間たち”全員が、走ってきた。
これで社会関係奉仕部全員集合である。
Yがそっと僕に“青大将”が一匹だけ入っている袋を渡してきた。ヘビとカエルじゃ余りにも不公平なので、
カエルの穴に落ちた監督にも、プレゼントをするためだ。
穴の近くに行くと、ニョロニョロと穴から出てきた“青大将”も数匹。鬼クマに踏み殺されずに済み、それぞれが突然落ちてきた“異様な物体”である。鬼クマにそれぞれ仕返しをしたらしい。
蛇のいる穴に竹サオを突っ込んだ大沢クン。まあ・・これも作戦のうちである。ニョロニョロと地面を這って、その場を逃げだそうとする“青大将”たち。だが、まだ一働きして貰わねば困る。

「おお!お前等・・いい所に来た。そいつらをどこかへやれ!」

兄さんは僕たちの姿を見ると声をかけてきた。勿論、兄さんにはそう言ってもらうべく、そう頼んだのは、昨夜、湯子とチェックインしたラブホテルからだったけど・・・

「はい!」

僕たちはそれぞれ用意してあった軍手を填め、ドサクサに紛れてビニール袋の中身も投げ出し、運よく捕まえた奴が尻尾を持ってグルングルンと振りまわしながら、穴のそばへゆく。
その隙に穴に差し込んだ竹さおは、既に大沢クンが抜いていた。

「お・・お前等ぁ~」
「アレ?どうしたんです?熊田教官!・・・おや・・こっちの穴には監督が居るんですけど・・・」

僕はわざと不思議そうな顔を見せ、グルングルンと振りまわしていた“青大将”を鬼クマめがけて投げつけた。
仲間たちも監督の穴ではなく、鬼クマの顔面めがけてやはりグルグルまわしている青大将を投げ込んだ。

「学年主任先生!蛇は元の穴に戻しました!」
「ふんぎゃあ~お・・俺は・・蛇が嫌いなんだぁ~」
「そうなんですか?誰でしたっけ?マムシを捕まえて生き血と肝を飲んで、かば焼きを喰ったと仰ったのは?」

僕たちが入学して間もない頃だった。初めての体育の授業に、鈴木教官と一緒に現れ、

「俺は自衛隊に居た事もある。そこではなぁ~マムシを捕まえて食うんだ!」

そう僕たちにほざいたのだ。それに好物がカエルの唐揚げだというので、カエルまでご用意したのだけれど・・・

「さて・・どうしてこんな穴がここにあるんだろうかの?学年主任、説明してくれんか?」
「はい。校長先生。まず・・この総合グランドは、体育科の熊田教官が、自ら買って出て管理されていらっしゃいます。」
「確かに・・・」
「それから、この穴は・・専門家の地学の先生である。佐山先生にご説明いただいた方がいいかもしれません。何しろ、私の専門外ですし、校長先生が来る寸前にこの様なことが起きたわけでして・・・」
「なるほど・・部長クン!佐山先生を呼んで来てくれんか?」
「はい・・」
「それから・・新聞部と放送部の連中が何でここに居るのかね?」
「はい。取材だそうです。熊田教官と監督に呼ばれたとか・・先輩方そうでしたよね・・・」
「そうなのかね?キミタチ・・・」
「はい。生意気な一年生を一日絞った後、血反吐吐かせるので、取材に来いと命令されてきました。そうしないと、両部を廃部させると脅かされました。」
「なるほど・・・部長クン!早く佐山先生を・・・」
「忘れてました。こちらに来ていただく様にお願いして参ります。」
「ああ・・そうしてくれたまえ!残りの諸君は、蛇等が穴の外へ出んよう見張って居てくれたまえ・・・」
「はい!」

僕たちは一斉に答え、僕はお辞儀をすると、“廻れ右”で演台の上に立ってこっちを眺めている美希を呼びに走る。
残りの連中は、“蛇等”が穴から這い出そうとしたら、穴の中へ押しやればいいのだ。

「待てよ?校長・・等って言ったよな?等には人間も含まれるんだよな?・・・・」

僕は笑いを堪え、グランドに整列して様子を眺めている。今回の“戦士”諸君の横を駆け抜け、美希の元へ走る。

「ハァハァハァ・・・さ・・佐山先生・・・こ・・・こう・・・校長先生が・お呼びです。しんどー」
「解ったわ!部長ご苦労さま・・・一緒に行ける?」
「ええ・・・面白いモノが見られますよ・・・」

美希は演台から降りると、走り始めた。僕より早いかもしれない。道理で僕はいつも捕まってしまうのだ。
残る普通科の仲間たちにVサインを送る。
そのとき・・・

「ぎゃぁぁぁぁ~」と鬼クマが叫んだ。

多分、グルグル振りまわして気絶させていた“青大将”が正気に返ったらしい。正気に返ったところで、鬼クマが埋まっているわけだから、鬼クマの顔に噛みついたりしたのだろう。

「こら早く来なさい!見損なうわよ・・・」
「は~い。」

僕は面白い場面を見損なうまいと、全速力で美希と穴のフチに行った時には、既に鬼クマは気絶しており、仲間たちが竹サオを使い、仕方がなく“青大将”を除けていたのだ・・・

「お待たせいたしました・・校長先生!」
「おお・・佐山先生。この穴なのだが・・どうしてここに開いているか解るかね?」
「さあ~良く解りませんので、ちょっと調べてみますわ・・・・」

そう言いながら、蛇の居ないほうの穴を丹念に調べてゆくフリをする。美希。

「校長先生!解りましたわ・・コレ!自然に開いた穴ではほぼありません。」
「そうかね?その理由は?」
「まず・・この辺の地面は・・簡単に言いますと、台地です。それに・・・」
「それに何かね?」
「はい・・誠に言いにくいのですが、誰かが掘った形跡があります。」
「本当なのかね?まさか・・キミたちではあるまい?」

僕たちは揃って首を横に振った。

「校長先生!この子たちではありません!試験期間中はご存じの結果を上げておりますし・・・」
「おお!そうじゃった!」
「それに・・昨日から部活を再開しておりますが、昨日は横浜まで私が引率しております。」
「そうですよ・・校長先生!それにココ熊田教官しかお持ちでないカギが無ければ、立ち入ることが出来ませんし」

そう付け加えたのは兄さんこと学年主任で、担任のキー先生を始め、全クラスの担任が頷いている。

「そうだったの・・いや・・すまん!」 校長先生は軽く僕たちに頭を下げた。
「いや・・・昔のコイツ等ななら疑われても仕方ないと思いますし・・・」

図に乗った担任である。キー先生。僕いや全員の胸に“一蓮托生のくせに”と・・・・

「じゃあ・・この穴は?」
「もしかして・・・いえ・・そんなことあり得ないと思いますけど・・・」
「何かね?佐山先生!何か隠しておいでの様じゃが・・・」
「隠すなんてとんでもございません。先生方、あの件に関係しているかもしれませんので、校長先生にご報告させていただいて宜しいですわね・・・」
「仕方ありませんな・・それは・・私が・・・」 兄さんが名乗りを上げた。

思わず・・どこかの田舎くさい芝居を見ている飢餓するのは僕だけだろうか?校長先生も相当、“狸”である。
まあ、校長先生がこの場に居なければ、僕たちは噴き出し、先生方も噴き出しているに違いない。

「何かね・・・」
「はい・・実は・・・いいな!部長!報告申し上げるぞ!」
「はい。」

僕は笑いを堪えるのが大変なのだ、いっそ鬼クマの穴じゃなくて、サッカー部の監督が埋まっている穴に向かって、「王様の耳はロバの耳」と叫びたいくらいなのだけど、一応、真面目な顔をして、頷きながら答えた。

「その事ですが、部長から報告を聴き、熊田教官にも確認しました。決闘の有無について、そこで我々教師が全力で阻止するつもりでございましたが、そもそも体育科の熊田教官とサッカー部監督が、ここにいる社会関係奉仕部の面々に、今まで散々嫌がらせをしたのは、校長先生もご存じだと思いますが・・・」
「ああ・・確かに、部長クンはじめ、全員かた被害届が提出されておるな!今度の理事会に図るつもりじゃったが・・」
「はい。更に挑発行為に及んでおりまして、彼も進退をかけて、男のプライドを守るために、体育科の熊田教官から、突きつけられた決闘を受ける事になっていたたのです。」
「本当かね?部長クン!」
「はい。本日、先生方をはじめ、生徒全員帰った後に・・・」
「校長先生!実は私とんでもない事を耳にしまして、熊田教官が“血反吐吐かせるとか、“殺してやる”とか・・・」
「本当かね!佐山先生。では・・この穴は?」
「多分・・万一の際にリンチにした後、彼を埋めるつもりだったのか・・定かではありませんが・・・」
「うむ。当校の不名誉極まりない。教師たるものが、生徒に決闘じゃと・・・それにこんな穴まで・・・許せん!」
「ええ!紛れもなくリンチですわ。彼一人に大の大人が2名も・・・」
「そこで、我々は帰るフリをして、すぐ止めに入り、この生徒である部長を守ろうと話し合っておりました。」
「なるほど・・賢明なる判断をしてくださっておったのだな!先生方に感謝申し上げる!」

いいかげんい猿芝居に疲れてきた時、かすかに漂っていた異臭がさらに匂いを増す。

「何だこの臭い匂いは・・・堪らん!」
「校長先生いかがいたしましょう?警察か消防でも呼びますか?」
「いいや・・それはまずい!何かいい案がなかね・・・」

これが、“作戦C”開始のキーワードだった。準備に準備を重ねた作戦Aそして馬鹿みたいに予定通り、
穴の底へ落ちている二人。これが、作戦B。ここまではうまく言った。
後は・・・地獄への片道切符を握らせるだけなのだ・・・・

「今頃・・鶏たち寒くないかな?」ポツンと僕が呟くと、
グランドを少し寒い風が吹きはじめだした。



「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第71話 “秘密のアッコちゃん”始動へ続く・・・・


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inacyan

あと5nice!で7171nice!ですよ~(^^)
71話も楽しみにしてます!!

by inacyan (2010-02-21 13:02) 

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