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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第72話 “救出に名を借りた仕返し” [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

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“救出に名を借りた仕返し”

「しかし・・面白かった。何か胸のつかえが取れたと言うべきなのか・・・・」

グランドの門で“仕方がなく呼んだ救急車2台”を見送りながら、佐々木クンが呟いた。

「まあな!これであいつ等も終わりには違いない。さて・・後始末するか?佐々木・・・」

僕は程なく暮るであろう太陽を見ながら呟いた。

「そうだな!Yたちにばかりやらせちゃ申し訳ない!行こうぜ!部長!」
「ああ・・行こうか」

僕と佐々木クンはグランドの端から端まで、今日何回目かの全速力で駆けてゆく。
サッカー部の監督の両手両足は、全部折れていた。鬼クマだけは両手と右足だけ折らせてもらった。
まあ、あちらこちら“青大将”に噛まれ、呼吸が少々おかしくなったので、救急車を呼んだのだ。
理事長先生は、「そんな馬鹿のために呼ぶ必要はない!」と言っていたけど、僕もそう思うんだけど、大人には大人のルールがあるらしい。仕方なく救急車を呼び、鬼クマに踏み殺された“青大将”数匹をビニール袋に入れ、病院へ送ったのだ。

僕たちの救出はまずサッカー部の監督から行うことにしたのだ。救出に名を借り、穴に降りた元サッカー部の山口クンと白○クンは、穴に降りたと言うより、腰にロープを巻き付けて、僕たちが支えているので、監督の顔面めがけて、次々に飛び込んでは、監督の顔面と頭にそれぞれ蹴りをブチ込んだのだ。
Sと赤沼クンが手渡すスコップ。これをわざと(としか言い様がない)手を滑らせたフリをして、監督の頭の上に落としたり、砂をどけ様とスコップを動かす度に、スコップの柄が監督の後頭部や、少々薄くなってきている脳天に当たったのだ。

「お~い!駄目だ!ビクともしねえ~」
「そうかあ~じゃあ・・・水で浮かせるしかねえな!お前等、監督の廻り少し掘れるかぁ~」
「何とかやってみるわ・・・」

何しろ、監督も鬼クマも”蟻地獄”に落ちているのと一緒。掘っても掘っても砂は元の位置に戻ろうとする。

「お~い!何とかなりそうだから・・ロープくれ!梯子も・・」
「ああ・・・判った!」

僕と佐々木クンは綱引きに使うロープの先に、梯子を縛り付けると穴の中へ投げ入れた。勿論、仲間たちに当たる危険はない。何しろ“ちゃんと投入目標地点”を確認して投げ込んだのだ。
その頃、校長先生は次々と出てくるワナを握りしめ、合宿所で怒りを爆発させるフリをしていたのだ。

まず、集会所に転がっていた“僕たちが仕掛けた日本酒”の空き瓶を見つけ、緊急会議をするべく、ザブトンの山を崩したところで、キー先生がそこに仕掛けておいたガビガビになった無修正のエロ本を何冊か発見したのだし、教官室の押し入れから布団を取りだした“イースターラビット”こと、英語のリーダー担当のA組の担任は、
布団の隙間から今にも床一面にヒラヒラ舞い落ちる。モノクロ写真の束を発見していたのだ。
そのたびに、合宿所から、罵声ともこの世の終わりを告げる様な悲鳴が飛び交って、外で作業する僕たち社会関係奉仕部と普通科選抜チーム。そして兄さんこと学年主任と水道の蛇口に居て、僕からの合図を待っている美希の耳にはっきりと聴こえたのだ。

「やったな・・」
「シー!今は知らないフリしとけ!」
「そうだった・・・」

僕と佐々木クンは穴の淵に佇み、穴の中の様子を見ていたのだ。
打ち合わせ通りに、佐々木クンが声を掛ける。

「監督ぅ~大丈夫ですかぁ~生きてますかぁ~」
「な・・なんとかな・・・」
「少々冷たいだろうけど・・コレしかありませんので、我慢してくださいね!今から身体にロープを巻かせます。あと、浮力をts買って身体をうかせますので、ある程度自由になったら、両足を今から降ろすロープの輪っかに入れてください。そうすれば・・・引き上げられると思いますんで・・・判りましたかぁ~」
「ああ・・頼む。早く出してくれ!」
「よし・・ヤマ!白○ぅ~先にスコップを結わえ付けろ!」
「おう!」

僕はホースの先端を2本ロープに付けて降ろし、それを白○クンが受け取ると、ロープの先端にスコップを2本括りつけた。

「いいぞぉ~部長!」
「判ったぁ~引きあげるぞぉ~」

僕と佐々木クンが引っ張り上げたロープの先にぶら下げたスコップはものの見事に監督の頭に当たったらしい。

「痛ぇ~」と監督の声とほぼ同時に、「お~い!部長ぉ~タンマぁ~」との声が聴こえる。
「なんだぁ~」

その声と同時にスコップを縛ったロープを少々強引に持ち上げた後、“わざと”手が滑ったフリをしてスコップをまた、監督の頭の上に落とした。

「どうした?」
「スコップが監督に当たっちゃっているよぉ~後でいいんじゃない?」
「そうだな・・じゃあ・・・お前等ホースを監督のジャージの中へ・・そうそう・・・」

監督の胴体にはグルグル巻きにロープが巻かれ、その背中に二本のホースが山口クンの手により、
差し込まれたのだ。

「いいですか・・・監督!ロープもう一本降ろしますからその輪っかに足を入れるんですよ・・いいですね!」
「ああ・・判った!早く出せ!」
「じゃあ・・・ヤマ!白○順番に上がってこい!」

二人は行きがけの駄賃とばかりに、それぞれ砂に滑ったフリをして監督の頭を蹴飛ばし、穴の上に這い上がってきた。僕等は梯子を引っ張り上げ、スコップを回収した。

「よし!放水隊前へ・・・」

僕の掛け声と共にサッカー部に所属する普通科1年選抜4名がそれぞれ等距離になる様に穴の縁から、ホースの先端を潰しながら構えた。

「いいか・・・水圧で狙えよ!」 そう言うと僕は水道の蛇口に居る美希に合図を送った。
まずは・・4本の筒先から最大二開けた冷たい水が、穴の中の監督めがけて放水され、続いて背中に差し込んだ2本のホースが監督のジャージの中を水浸しにしてゆく。

「よし!梯子を渡せ!」
「合点承知」

穴の中央部に滑車代わりにする梯子が渡され、そこにロープが2本掛けられたのだ。

「監督ぅ~まだ・・足にロープ掛けられませんか?このままじゃ溺れちゃいますよぉ~」
「な・・なんとかやってみる!・・・・ヨシ!言われた通り足を通した!」

サッカー部の監督は水泳が上手ではない。一度、学校のプールで溺れかけた事があるのは、体育科の鈴木教官が愉快そうに僕に教えてくれていたのだ。だから、“溺れちゃう”の言葉には、めっきり弱いのだ。

「ヨシ!放水部隊はそのままドロを落とす様に・・いいぞ!みんなぁ~引っ張れぇ~」

少しずつ監督の身体は浮き出した。それに伴い破れたゴミ袋からカエルがピョンピョンと飛び出し、引きあげられてゆく監督の顔や身体の上に乗ってゆく。

「カ・・カエル苦手なんだ!なんとかしてくれぇ~」
「全く、文句が多いんですね・・・おい!カエルめがけて放水してやれ!」
「ああ・・判った!」

監督の顔をめがけて放水隊は筒先を揃えた。多分、小さなボヤくらいなら消せるのでは・と言うほどの腕前である。後で聞いた話だけど・・それぞれ・・練習に練習を重ねてきたらしいのだ。

「あっ!ヤバい!」

僕はわざと立てていた梯子を蹴り飛ばし梯子を倒した。

「マズイ!引っ張り上げろぉ~ロープが外れそうだぁ~」

佐々木クンが叫んだ!

そのとき・・不幸と言うべきか、監督に罰が下ったのか知らないけど、足の上がる速度の方が早かった。
まあ、無理もない話である。綱引きのロープは大量に水を含み、重くなっている。それに比べて、足を引っ張り上げているのは、登山用のザイルである。それを同じ人数に分かれて引っ張り上げているそこにテコの原理が働いてしまい・・ボキッ!という音と共に監督の膝が曲がるべき方向でない方に曲がった。そして・・・

「ぎゃぁぁぁぁ・・・」

監督の絶叫が響き渡り、つぃでに監督の身体を縛ってあったドープが解けて、監督は逆さ吊の刑になった。

「おい!ちょっとタンマぁ~いや・・・この際、引きあげろぉ~!」

何しろロープが解けたのである。それに穴に落ちる前に監督の腕は骨折していたのだ。
上から覗く間もなく、監督の頭は水没していた・・・それもドロドロの泥水である。中止すれば、水死しかねないし、折れてしまったものは仕方がない。そのまま上に引きあげることにしたのだ。

「上手く言ったな・・」
「馬鹿!後にしろ・・・」

何しろ、ここまでは計算通りだったのだが、監督の身体に巻き付けている綱引きのロープがほどけるとは、そこまでは僕の想定の範囲ではなかったのだ。
穴の中の水はどんどん溜まってゆく。監督の身体の半分はもう水没しているに等しかった。

「それ・・・もう一息だ・・・」

上がってきた監督の足を佐々木クンが引っ張り上げる。僕は佐々木クンが落ちない様に身体を支えた。

「か・・・監督。生きてます?」
「ゲホッツ・・・死んでたまるか・・」
「しぶといのか・・どうだか知りませんけど・・今、担架で運びますから・・・」
「おい!放水止め1いや・・一人だけ・・監督を洗ってくれ!後は担架!」
「おう!」

監督自慢の真っ白いジャジーは見る影もないほど、泥色に染まっていた。

「よし!担架で合宿所に運べ!いいな・・・サッカー部に最後のトドメを刺させることにしたのだ。
彼等は監督を持ち上げ、少し歩いたところで、一人がコケたフリをして、監督を担架毎地面に叩きつけた。

「ぎゃぁぁぁ~」

サッカー部の監督が穴から救いだされたのか、どうかは不明だけどその時、理事長先生を乗せた高級ハイヤーが門のところでクラクションを鳴らした・・・・

「おい!誰か・・門開けてこい!」

学年主任である兄さんは今にも、笑いを噴き出しそうな顔で、僕たちに指示をだした。

「大岩!青!悪いけど・・頼むわ!ついでに・・こっちへ誘導して来てくれ!」
「了解っ!」

僕は兄さんである学年主任こと僕たちの顧問の前に立った。

「学年主任先生!監督は救出しました・・もう帰っていいですかね?」
「もう一人いるだろうが・・・」
「助ける義理はありませんが・・・それに・・蛇がいるんですよ・・同じ方法は使えませんよ!」
「じゃあ・・どうする?」
「理事長先生にご判断いただきましょう!」
「そうするか!」
「とりあえず・・・水だけは入れておきますか?」
「ああ!そうしてくれ!」

僕たちは6本のホースを鬼クマの穴に入れた。サッカー部の監督の入っていた穴は既に底なし沼の様に穴の淵ギリギリまで水とドロが混ざり合っていたのだ。


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第73話 “水責めの鬼クマと理事長先生の決断”に続く・・・



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inacyan

しっかり読ませて頂きました\(^o^)/
by inacyan (2010-02-24 20:58) 

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