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「僕たちの・・・祭り・・・」第80話  [高1の秋・・・・ちょっとエッチな話]

ラブサウンドを聞かせて・・・4

「ねえ・・・優子・・・総婦長に挨拶しなくていいの?」
「あっ・・そうだった・・・折角お越しいただいたのに・・・・」

僕はいいよ・・と言ったんだけど・・・あなたも来るの!と優子にネクタイを引っ張られ・・・これじゃ・・・飼い犬と一緒・・・・まあ・・・最近、野生オオカミというより・・・飼い犬生活も悪くないとは思っているけど。
「総婦長・・・ごあいさつが遅くなりまして・・・・」
「あら・・優子。みんな連れてきちゃった・・・・あはは。」

もう・・すっかり出来上がっているのかな・・・このおばさん。

「はあ・・・今日はありがとうございます。・・・・わざわざ・・・お越しいただいて・・・」
「いいのよ・・・昨日ゆっくり聞けなかったから・・・・しかし・・・優子・・・いい旦那さん見つけたわね」
「そうですか?・・ありがとうございます。」
「どこで・・・見つけたのかしら?」
「えっと・・・兄の・・・教え子なんです。」
「えっ・・そうなの・・・じゃあ・・・年下ね?」
「ええ・・・まあ・・・」


僕は・・後ろで・・ペコペコしてるだけ・・・・馬鹿みたい・・・です・・・・
一応・・ご挨拶が済んで・・・出番・・・でも・・・シラフじゃ・・・やだ!

「楓ママァ・・・・まだぁ~?」
「もうちょっと・・待って・・・・はい・・・・お待たせ!」
「いっただきまぁ~す」 
「こらぁ・・・乾杯がまだでしょう・・・まったく・・・・」

優子が文句を言う前に・・既にグラスの中身は・・すべて・・・口の中・・・・熱いスピリットが・・・喉を潤していきます・・・・・

「の・・飲んじゃった・・・へへへ・・・・」
「しょうがない・・・・今度は待って!・・・いい・・・・ミミ・・ようこそ鎮守の森へ!カンパァ~イ!」
「あ・・ありがとうございます・・・」
「さて・・じゃあ・・・ちょっくら・・・ミミのために・・・弾いてこようかな・・・ラブサウンズを貴女に・・・・」
「歌ぁ・・忘れちゃダメヨ!」
「美希・・・するどい・・・誤魔化そうとしたんだけど・・・駄目?」
「駄ぁ目!・・・・」

延々・・・1時間半・・・全20曲・・・・歌は5曲。アンチェインド・メロディー・ダイアナ・愛さずにはいられない・ラブミーテンダー・・・・そして・・・・アンコールにオフコースのいくつもの星の下で・・・を歌い上げ・・・・
僕の・・・・「ラブサウンズを貴女に」は無事・・・終わり・・・・・・・・

「ミミ・・どうだったぁ~?」
「うん・・・よかったぁ~ありがとう・・・・」
「どういたしまして・・・・」

そこに・・・優子が・・・・

「こらぁ・・・ミミ口説いてたでしょう?」
「うん・・・駄目みたいだけどねえ・・・・やっぱ・・・同じ年代には無理だな・・・・」
「もう・・・馬鹿やってるんじゃないの・・・・ミミ気にしなくていいからね・・・・」
「は・・はい・・・あたし・・・・うれしいんです・・・・こんなに男の子に優しくされたことないから・・・・」
「そうねえ・・・このひと・・優しいでしょう・・・でも・・・オオカミさんなんだから・・・気をつけないと・・・」
「赤ずきんちゃん!食べちゃうぞぉ~」
「優子先輩は・・・食べられちゃったんですか?」
「ミミ!」
「あはは・・・ミミ・・ちょっと違う!・・・・食べられちゃったの・・・俺!・・・・あ~ん・・・・」
「あなた!なに言ってるのよ・・・・」
「あのね・・・鎮守の森はね・・・・魔女の棲家なの・・・・だからね・・・オオカミさんも食べられちゃうんだよ」
「あなた!いいかげんに・・・・ミミ・・・うそだからね・・・・まったく・・・それより・・・そろそろお開きなんだから・・・・あなた・・・総婦長にご挨拶してくれる?」
「いいよ・・・・結構・・みんな飲んだなぁ~」
「そうね・・・・今日のメンバー酒豪ぞろいだからね・・・・・」

優子に連れられ・・・総婦長の元へ・・・・

「いつも・・・優子がお世話になりまして・・・ありがとうございます。」 ご挨拶は基本ですから・・・
「良かったわよ・・すごく良かった・・・・」
「ありがとうございます。今日はお忙しい中ありがとうございます。」
「いいのよ・・・・いつも来ていただいてるし・・ゆっくり聴いてみたかったし・・・・」
「ここでいつも弾いているの?」
「いえ・・・・普段は学生ですから・・」
「そうなの?優子・・・」
「ええ・・・普段は学校ありますから・・・・木曜日~月曜日にこっちに帰って来るんです。」
「そうなの・・・・」
「ええ・・・いつも・・・お祓いの方ご紹介いただきまして・・・お陰様で・・・なんとか神社のほうも・・・・」
「評判いいみたいねぇ~美子ちゃんも手術受けてくれる気になったし・・・・」
「月曜日でしたよね・・・・金曜日にまた・・・お見舞いに行きます・・・・」
「ええ・・そうしてあげて・・・・あのこ・・ピンクのうさぎさん大好きみたい・・・・今日もお絵かきしてたし・・・」
「そうなんですか・・・・うれしいです。・・お役に立てて・・・・」
「じゃあ・・・そろそろ・・・解散しないとね・・・あしたもお仕事なんでしょう?」
「ええ・・初宮まいりだそうですけど・・・・」
「本当に・・総婦長・・わざわざ・・・ありがとうございました・・・・」
「うん・・・また・・・病院で・・・ミニコンサートしていただけますか?」
「ええ・・・喜んで・・弾かせてもらいます。」

総婦長と優子の同僚ナースを見送り・・・僕たちが鎮守の森に戻ったのは・・・10時を廻っていた。
カオリと洋子はそのまま・・・朝までの深夜勤務に病院に向かい・・・・奈々子は勤務疲れからか・・・同僚のナースたちに飲まされすぎたのか?ダウンしたので、ミサが奈々子の車を運転して・・・・帰ってゆき・・・・僕は優子の車の助手席に滑り込み・・・・森へ帰った。

「ふうっ・・・・終った・・・・今日一日。」
「うん・・お疲れ様・・・・あのね・・・・楓から・・・コレ渡されたんだけどね・・・・・」
「ああ・・・今日のバイト代かぁ・・・・いくら?」
「2万円・・・・」
「そんなに売り上げあったのかな?」
「計算面倒だからって・・・2万円寄越した・・・」
「そう・・・じゃあ・・・商売繁盛のお札持って行ってあげよう・・・・」
「うん・・・・それからね・・・総婦長が・・・・あなたに・・・・奨学金だって・・・」
「奨学金?なにそれ・・・」
「うん・・・神社と学生両立してよくやっているからって・・・・5万円も入っているんだけど・・・・」
「そんなに受け取れないよ・・・・お返ししてくれる?」
「そう思って・・・カオリにも聞いたんだけど・・・・貰っとけばいいって・・・・」
「そう・・・じゃあ・・・それ・・・優子貰っといて・・・俺いらないもん・・・・」
「いいの?」
「うん・・・東京でのバイト代だけで充分やっていけるし・・・・・そうだ・・・・渡すの忘れてた・・・・これ!」
「えっ?」
「今月分・・・・10万円」
「参考書とか買わなくていいの?」
「うん・・・・いらない・・・・」
「じゃあ・・・貰っとくけど・・・・いる時には言ってね・・無理しないで・・・」
「大丈夫・・・・」

僕・・・そんなにお金いらないんです。アルバイト代だけで・・・充分。まだ・・・手切れ金もあるし・・・それに
東京でもここでも食費いらないし・・・着るものも充分あるし・・・寝るところもあります・・・・月に2万円もあれば・・生活できます。
美希は受け取らないし・・・優子に渡すのが一番です。ミサのお給料にもなるし・・・神社の運営費も結構馬鹿にならないんですから・・・・・


「僕たちの・・・祭り・・・」第81話へ・・・続く・・・・・






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