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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第57話     [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
(コチラをクリックしていただければ・・・飛びますので・・)
また・・・画面左側のカテゴリーからもお入りいただけます・・・・

高1の秋編は・・・コチラ・・・からお読みください。

高1の冬編は・・・コチラ・・・からお読みください。

こっほん!

僕です!先日は大変お見苦しい点をお見せしちゃいました。何しろ未来の僕はとんでもないヤローでございます!(大きなお世話だ!馬鹿ヤロウ!)
さて・・・僕は嫌だ!と言ったんです。未来の僕に・・・そうしたら「ネタ切れなんだ!頼む!」と押し切られちゃいまして・・・出来れば、踏みこんでもらいたくない領域だったんですが・・・・
わざわざ・・・こんなに引っ張らなくてもいいかと思うんですけどね・・・大体、本編からかけ離れていますから
さて、皆様もご存じのとおり、僕は高校1年生です。ついでにエセ神主だとかエセ陰陽師色々やってますが、
本職は某私立学園高等部1年B組の委員長で、社会関係奉仕部の部長。そして悪たれ連のリーダー。
つまり・・・怒られ役であります。ひょんな事。そう・・・大岩クン。今では黒岩クンになっちゃっているそうですが、
彼が合同コンパ・・・皆様の時代では合コンと言うんだそうでございますが、そこで、ムラムラと来ちゃった大岩クンのおかげというべきなのか、そもそもの原因だというべきなのか、でも、彼に言わせると僕が、写真部の幽霊部員として、ノーカットを5枚1000円で売りつけたのがそもそもの原因とか・・・
まあ・・・そんなことがそもそもの始まり、僕たちは“停学=特別なお休み”としか取っていませんでしたので、
強制収容所・・・なんでも、保健所では引き取ってくれないとかで、学年主任こと兄さんになっちゃった先生の実家へ強制収容され、僕はそこの巫女であり学年主任の妹と結ばれたのは、ご説明もいりませんよね・・・
さて・・・ちょっとここで・・・確認しておきたい事が・・・「おーい!本当にこの後もご案内しなきゃいけないのか?」
(当たり前だろ・・・宜しく!)どうも・・・未来の僕は全てをさらけ出す決心をした様でございます。
それなら・・仕方ありません。それではこれから皆様を僕たちが一番輝いていた時代へご案内させていただきます
それでは・・・ご一緒にタ~イム・・スリップ・・・・

「狂騒曲 第5番」(6)

「ねえ・・ママ。まだ教えてもらってないんだけど・・・」

僕はお尻をさすったまま尋ねた。だって・・美希思い切り僕のお尻を抓ったのだから、・・・・

「あはは・・・そうだったわね!二人ともまだ話してないの?」

美希も紗江子も首を横に振った。二人は僕のタキシードの意味を知っていたのだろう。
楊ママは僕とミーチャンのピアノ。まあ元々ミーチャンのピアノなんだけど、その向こう側を覆い隠しておいた赤いサテンの布を取った。

「Q太郎・・こっちへいらっしゃい!悪いけど・・紗江子さん!灯りを・・・」「はい・・・」

そういいながら、紗江子は静かに、壁に手を伸ばし、そっとピアノ用とば別のスポットライトの灯りを灯し、僕に頷いて見せる。僕は楊ママのそばに近寄ると、そこには、今、僕が来ているタキシードと全く同じデザインの、何やら懐かしい匂いの感じる小さな男の子のマネキン人形よりちょっと大きめの女の子のマネキン人形が立っていた。その女の子のマネキン人形は、かわいらしい白いまるでウエディングドレス。そして、そのせなかには小さな真っ白い翼が付けられていた。

「あっ!」 

僕は小さく叫んだ。封印されていた記憶の扉が開けられたそんな思いだった。

「思い出してくれたかしら?」
「うん。これ・・・僕が来ていたタキシード」

それはミーチャンが亡くなる少し前だったかもしれない。ミーチャンはほんのひとときだけ、帰宅を許されたのだ。
今思えば、神様がミーチャンに与えた僅かな残りの時間。僕は確かに今、着ているタキシードと同じデザインのタキシードを着て、小さな教会の前でやはり、ここに飾られている白いウエディングドレスみたいなまるで天使のようなドレスを着たミーチャンと一緒に写真を撮っれ貰ったのを覚えている。

「確か・・・楊ママの家で着替えたんだよね・・・それで・・ピアノの下に隠れたんだ。」
「思い出してくれたのね・・・」

僕は普段とは違う格好にさせられ、それが不満だったのかそれとも照れていたのだろうか、今はこの紗江子の店で弾いているピアノ。そうミーチャンのピアノの下に隠れていたのだ。そして、ドレスアップしたミーチャント迎えの車に並んで座って、小さな教会に行ったのだ。
そのとき一緒に取った写真がミーチャンの最後の写真となった。その写真はミーチャンの遺影となった。
僕はタキシードそしてミーチャンはそのドレスを着たまま、楊ママの家に戻り、そして・・・・しばらくの時が過ぎ、
ミーチャンはそのまま天国へ一人で旅立っていってしまったのだ。僕や楊ママや楊パパを残して・・・
走馬灯のように僕の頭の中はグルグルトミーチャンと一緒に遊んだ頃の影像が映し出され、そして消えてゆく。
簿記の瞳からは、幾粒もの涙が溢れそして頬を流れ墜ちてゆく。

「ねえ。何か欲しいものある?」
「ううん・・・ミーチャンは?」
「わたしはねえ!空を自由に飛べる翼が欲しいの・・・」

その写真が撮られる数日前だったのだろうか、僕は白い病室のベッドに、ミーチャンと並んで座り、そんな話をしていたのだ。だから、こんなドレスを楊ママが用意した。のだろう・・・・

「ねえ・・ママおかしいよ!確かミーちゃんはこのドレスを着て旅立ったはず・・・・」
「うん。2着作って置いたの・・・これはミーガあなたと一緒に写真を撮ったときのドレス・・・・」
「えっ!何で・・・・」
「ミーがね。2着同じのを欲しいって・・・」
「そうだったの・・・・知らなかった。ママの家にあれ以来行ってなかったから・・・・」
「ずうっと・・・お部屋に飾っておいたわ・・・そしてこれからも・・・・」
「うん。それで・・・僕の今夜のタキシード・・・・」
「ええ。そうよ・・・」

そう言いながら・・・ママはバックの中から小さなフォトスタンドに収まったあの時の写真を、取り出し僕に見せてくれた。そこにはちょっとはにかんだ僕とまるで天使みたいに微笑んでいるミーちゃんが、仲良く写されていた写真だった。

「Q太郎・・いや・・お店ではレンね・・・顔を洗ってらっしゃい。そろそろ・・お客様が来る時間でしょ?」

楊ママは優しく僕に微笑みながら、大事な写真をくるんでいたハンカチで僕の頬を伝わる名もだを拭き、そしてその写真を静かにピアノの上に置いた。紗江子はその写真のそばにそっと用意していた花瓶一杯の薔薇の花束を置く、そして美希がマネキンの女の子にあの時のようにそっと一輪の薔薇の花をまるで握らせるかのようにそっと持たせたのだ。

「ほら・・早くしないと・・・出番まで休んできなさい。」

楊ママは僕を優しく抱きしめ、そして2階への階段へ僕の背中を押した。僕はそのまま2階へ駆けあがると
また顔を洗うことになった。
多分、紗江子か美希が用意しておいてくれたのだろう。神泉を入れたボトルの水を飲み干し、スペシャルナイトのための曲の構成を入れ替え出した。
いつもなら、ミスターロンリーから始まる所を、猫ふんじゃったスペシャルバージョンに置き換え、エリーゼのためにそして、小さな恋のメロディーとアンチェッド・メロディー等の構成にすることに決めた。最後の曲は翼をください。
タキシードの上着を丁寧にハンガーに掛けると、僕はベッドに横たわり、ミーチャンに話しかけた・・・

「ねえ・・ミーチャン。力を貸してね。どうしてもエリーゼのためにを弾きたいんだけど・・一音外れるんだ!」

その時。ベッドサイトの一輪刺しに刺されていた薔薇が静かに頷くように揺れた。
人が聞いたら、偶然だと笑うかもしれないが、僕にはまるで「うん」と頷くミーチャンがそこに立っている様な錯覚を覚えたのだ。

どのくらい時間が経ったのだろう。

「レン!時間よ!」 

紗江子が呼ぶ声が聴こえる。僕は一輪刺しからその薔薇を抜きとり、優しく話しかけた。

「ミーチャン・・・ミーチャンのために弾くからね・・僕が捧げるレクイエムだ・・」

僕はその薔薇の花に優しくキスするとタキシードの胸にその薔薇の花を刺し、階下へ降りてゆく。
その日のステージで、僕は最初で最後のエリーゼのためにを間違えることなくピアノで弾き終えた。
それ以来、僕はステージでエリーゼのためにを弾かないじょとに決めた。
勿論、このピアノを弾くときには、ミーチャンだけのために弾く。しかし、お客さんのためには、もうこの曲は弾く事はないだろう。


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第58話 「狂騒曲 第5番」(6)へ続く・・・・
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pandan

輝いていた時代なのですね。☆
by pandan (2009-11-14 06:55) 

空飛ぶ食欲魔人

お茶屋様
早速のそして、いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 07:38) 

空飛ぶ食欲魔人

kaoru様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 07:38) 

空飛ぶ食欲魔人

トメサン様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 07:41) 

空飛ぶ食欲魔人

livly-cu様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 07:41) 

空飛ぶ食欲魔人

miopapa様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 07:42) 

空飛ぶ食欲魔人

竜眼寺 暁様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 08:08) 

空飛ぶ食欲魔人

xml xsl様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 08:08) 

空飛ぶ食欲魔人

shin様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 09:08) 

空飛ぶ食欲魔人

pandan様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
一番輝いていた時代・・・多くのモノを得たけど・・多くのモノを失った時代でもございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 09:10) 

空飛ぶ食欲魔人

yuki999様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 09:15) 

空飛ぶ食欲魔人

ほりけん様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 13:48) 

空飛ぶ食欲魔人

多夢様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 13:50) 

空飛ぶ食欲魔人

dora様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 13:51) 

空飛ぶ食欲魔人

釣られクマ様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-14 14:20) 

空飛ぶ食欲魔人

ku-san様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!(●^o^●)
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-11-15 13:04) 

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