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僕たちに明日はあるのか VOL18 [ぼくたちのシリーズ完結編]

-悪魔との取引 VOL2-

事実は小説より奇なり。

この言葉は、誰が言ったのか?僕は知らない。

いや、興味すらなかった。

偶然だったのか、それとも必然だったのか判らない。

途中まで、悪魔は僕の願いを叶えるべく、動いたはず。

そうでなければ、悪魔は僕からの「対価」を受け取れない。

「はず」なのだ。

そう言えば、この島へ渡る船の甲板から飛び込もうとしたら、

ジュニアの邪魔にあったわけだし、僕はきっと自ら死を選ぶ

そんなことすら、出来ないと考えたほうがいいのだろう。

僕はぼんやりと考えていた。

まあ、これからは、当面。「死んでいる暇」はなさそうだ。

優子のお腹の中には、「小さな命」が宿ったわけで、

「魔女の巣窟」じゃなかった。鎮守の森で、巫女’sの面々に

育てられる「我が子」の行く末だけが、ちょっと恐ろしいだけだ。

「う~ん。男だったら・・・」

「何、独り言を言っているんだ?」

「あのさ!佐々木。ヤローだったら・・・恐ろしくない?」

「何が・・・」

その瞬間、僕の目かから星が飛んだ。

「い・・・いてぇ~」

「男の子だったら・・・いらないわけ?」

優子が僕の頭を振り回したバックで殴ったわけだ。

「あ・・あのね。考えてみて!お‥俺の子だよ!」

「そうですけど・・・何か?」

「男だったら・・末恐ろしくない?」

優子は腕を組んで考え始めた。

巫女’sの面々に紗栄子に美希のリリーズも同じ様に考えている。

「あのさ!男の子ってママに似るっていうわよね。」

「だと・・・いいですけど・・・あっ!」

僕は気が付いてしまったと同時に口から出ようとした言葉を

飲み込んだ。

僕に似ようが、優子に似ようが・・・

ついでに言えば、他の巫女’sの面々のお腹が膨らむこともあるわけで、

リリーズも然りだ。

何しろ、兄さんに言われているはずの、「否認」じゃなくて「避妊」は、

気を付けていない。

まあ、それは今は良いとしても、問題は・・・「誰が産んでも恐ろしい」と

いう事に違いはない。

いずれに似ようが、どっちみちカラスの子はカラスで、ナマズの子はナマズ。

カエルの子はカエルにしかならない。

ここまで来たら、「笑って腹を括ることしかない」だろう。

「お前ら!集合」兄さんこと学年主任で、引率責任者が呼んでいる。

悪たれ連は、帰りも船で先に帰ってゆく。

巫女’sも仕事があるので帰らねばならない。紗栄子も「お店開けなきゃ」と

優子も先に帰ってゆく。優子とミサはとりあえず、横浜のままの所へ、

「緊急呼び出し」に答えねばならない。

肝心の僕は。まだ2週間ほど帰らない。そうなると、「遠征中」という事になり、

引率者と言うより、監視担当という事で、美希も残ることになった。

悪たれ連の面々は、僕とジュニアが用意した「ちょっとしたお土産」を

大事そうに抱え、船に乗り込んでゆく。

お土産の中身は、秘密だ。まあ、飲んだら大変なことになった。

吸血鬼は、生き生きとした肌つやを手に入れ、僕は赤マムシとユンケルの

「いつも」のセットで生き延びていたからだ。

-帰京VOL1に続く-






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