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「真夏の夜の夢」第42話 [高1・・・・の夏休み ちょっとえっちな話]

「夢の中の夢」

僕は夢を見ていた。ただ・・・暗い・・何もない・・暗闇の中を歩いている夢だ。
時には寒さに震え・・ときには暑さにその身を灼かれ・・・・・ただ・・・歩くことしかできない・・夢。
誰かの声が聞きたい・・・誰かと話したい。・・・・誰かを抱きしめたい。そんな思いだけが交錯する世界。
はるかに見える・・・・ごくわずかな光り・・その光りだけ・・・・・追い求め・・・歩き続ける・・・・
やがて・・手が届きそうになった・・時・・・・また・その光りは遠くに見える。・・歩く・・ただ・・歩く。
だ・誰かが呼ぶような・・声が聞こえる・・・・・その方向へ歩く。ただ・・歩くだけ・・・・・・・
歩きつかれたとき・・・・・僕は・・・・・風になったのを感じた。

そのとき・・・・僕は・・自分の身体を見下ろしていた。突然・・大きい力に引っ張られるように・・・・空を駆け巡る。
優子と暮らした鎮守の森を吹き抜け・・・・・僕は・・金色に光る力に吸い寄せられていた。
その光りは・・・徐々に天に駆け上り・・・・・あと少し手を延ばせば・・・星達に手が届きそうだった。

「あ・な・た」その呼ぶ声に振り向いた途端・・僕は一陣の風に戻り・・・・・鎮守の森をまた吹き抜け・・そして・・山間の木立を駆け下りながら・・・・自分の身体に吸い込まれていった。

僕はいつの間にか眠っていたようだ。確か・・・窓にもたれて・・・寝ていたはず・・・・だったのだが・・
いつの間にかそう・・・僕らのために用意された布団に横たわっていた。
僕の身体には温かいそう・・人のぬくもりが注ぎ込まれていた。
うっすら目を開けると・彼女・・そう優子が一糸纏わぬ姿で・・・僕を温め続けていた。

「う・・・う~ん。」
僕は目覚めるときが来たようだ。

「あ・・あなた・・・・気付かれたのね。」一晩中泣いていたのかもしれない・・・・
「あ・・ああ・・・」

窓から差し込む太陽のやわらかい日差しそして・・なにより・・・人のぬくもりが温かかった。
「ひどい・・熱で・・・うなされてて・・・・ごめんなさい。・・・・すぐ・気がつかなくて・・・・」
「きみ・・・ひとばん・・・・」
「はい。・・それしか・・・あたしには・・・・」
「そう・・か・・ありがとう」
「は・はい。」
「そういや・・腹減ったな・・・・・」
「す・・すぐ・おかゆ・・を」
「いや・・・・」
「じゃあ・・べつのもの・・・」
「そう・・じゃなくて・・・・あい・・あいつらは?」
「はい。何とかお許しをいただけて・・・・・」
「そ・・そう・・・・」
「ええ・・・・すぐ・・お食事・・・・」
「いや・・いい・・それより・・・」
「もうすこし・・・・あたためて・・」
「は・・はい」

僕はまた・・眠りについた・・・・・・目が醒めたのは・・・・・日差しの暑い午後のことだった。
その間・・彼女は僕を温め続けてくれた。

彼女が僕に注ぎ込んだのは・・ただのぬくもりだけではなく・・・・愛のぬくもり・・それも無償の愛のぬくもりであった・・・・・

僕は・・・まるで・・赤ん坊のようだった・・・・彼女が優しく吹く・・レンゲで掬われたひと匙ずつのお粥をただ・・啜り込んでいた。そして僕の目には・・・・・彼女の白い手にキラキラ輝く指輪

「なあ・・・あいつ等・・今・・何やってる?」
「え~と・・・・・赤沼さんと佐伯さんは・・・・・洋子・奈々子と・・一緒にお風呂場の塀を直して・・・・」
「風呂場の塀?」
「ええ・・・・これ以上・・覗きがでないように・・・・ですって」
「そ・・そう」
「で・・・他の連中は・・・ミサは・・今お洗濯してくれてます。カオリも一緒に・・・・」
「その他の娘たちは・・仕事があるので・・・帰しました。」
「うん・・・そうだね」
「青○さんは・・・由香さんと・・・・お庭の手入れ・・・大岩さんたちは・・・・・ペンキ塗ってます」
「きみ・・・・指示したの?」
「いえ・・・ご自分たちで・・おやりに・・・・・・」
「そうか・・・・」
「俺も・・こうしちゃ・・・・いたたた」
「未だ・・無理です・・・・お休みになって・・・・」
「なあ・・・・」
「はい。」
「その・・昨日の話なんだけど・・・」
「いやです。わたし・・・別れません。」
「そう・・か・・・・じゃ・・好きなだけ・・・」
「いてもいいのですか?」
「ああ・・いて欲しい。」
「あ・・あなた・・・・」
「ああ・・・おいで・・・・・」
「は・・はい。」
「でも・・俺・・オオカミやめないよ」
「えっ」
「ガォー」

僕と優子は・・・一つになった・・・・そこには今までにない・・・大人になった気がする僕と女としての悦びをしった彼女の・聖なる・・営みだった。

僕は一晩で・・・・・大人になった気がした。多分・・他のオオカミたちもだ。

「真夏の夜の夢」第43話続く・・・・
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