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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第62話  [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

回顧録

空飛ぶ食欲魔人ことオストドでございます。

いつも大勢の皆様にご訪問いただき、誠にありがとうございます。
特に先日は、過去最大のアクセスをいただきました。
本当にありがとうございます。<(_ _)>

オストドこと私が、何故?昔の事を書きだしたのか?
はっきりとは覚えていません。多分、そうしなければならない理由がそこにあるのかもしれません。
ただ、ひとつ言えることは、何故、人々のためにオストドが、祈りをささげているのか?
何故、自分のために祈らないのか?その答えが徐々に明らかにされてゆくはずです。
愛をさすらう旅を終え、ふと考えさせられることがあります。
「愛とは一体何だろう?」と・・・この答えを見つけるためにも書きだしたのかもしれません。
まあ、ネタが切れたせいも多少あります。(← 信憑性は高い!)
過去の僕を引っ張りだしてきて、どう料理する気なのか?自分でも解りません。
ただ、いつの日か“記憶という海の底に静かに眠る貝”になるのか?
それとも・・その辺を吹いている小さな風になるのでしょう。
“絶望”という崖の淵にも立たされることも、司会進行役の過去の僕はまだ知りません。
それこそ“運命”という物。
最近、一日、一日が短く感じられる様になってきました。そろそろ・・折り返し地点が近づいているのでしょう。
兄さんこと学年主任が僕にくれた言葉があります。

「愛され様とすることより、愛する様になりなさい。例え、世界中を敵に廻してでも、お前ならその力があるし、愛の深さ、尊さを一番解っているはずだから・・・」

それでは、そろそろ・・・過去の僕が戻ってくるお時間の様でございます。どうぞ最後まで僕たちのドタバタ劇を、
お楽しみいただきたいと思います。

-楊ママの願い ①-

「ウッス!昨日は面白かったわ!」
「佐々木ぃ~俺は面白くなかったんだが・・・」
「まあまあ・・固い事言わずに・・ホレ!いつものやつ。これ飲んで決戦に備えておけって・・・」
「コレ!だけで済ます気じゃねえだろうな?まあ・・ありがたく貰っておくけど・・・」
「だろうなぁ~やつれてねえか?やりすぎだ!馬鹿・・・」
「大きなお世話・・・しかし、太陽が黄色く見えるわ!ほかの奴らは?」
「ああ・・先に行っている。A+B+C=Z作戦のためにな!荷物持ってやるから・・流しこめ!全部!」

僕は佐々木クンに荷物を預け、受け取った袋を覗きこむと、何やら怪しげな物体といつものユンケルと赤まむしがセットで入っています。

「なあ・・佐々木!まさかとは思うんだが、コレ!」
「ああ~それね!うちの親父が飲んでいる奴。“即効ビンビン”だってよ・・・」
「中身なんだ?」
「虎のアレ!とからしいぜ・・・漢方薬だってよ・・・」
「何粒飲むんだ?一箱が・・ええとぉ~150粒って書いてあるけど、全部か?」
「馬鹿!10粒って書いてあるだろ?」

その時点で僕もう20粒も飲み込んだ後だったんです。まあ、“昨夜”いや昨日一日で“疲れて”ますので、
ちょうどいいと思いますが・・・・
佐々木クンと僕は最寄り駅からの道をポコポコと歩いています。多分、このままのペースで行けば、“ギリギリ”に到着することになります。何しろ、“とある作戦を遂行”するにあたり、全員揃って仲良くアヒルの行進みたいな事は出来ません。

「しかし・・お前ら知っていたのなら、言えよな!心の準備があるだろうが!」
「佐山センセーに口止めされてたんだ・・・」
「ち・・畜生!み・・じゃねえや・・佐山センセーには、後で、貸しは返して貰うとしてだ・・・」
「しょーがねえじゃん!お前が楊ママだっけ?呼ばなかったのが悪い!」
「悪いって・・全部、俺の知らねえところで用意されてたんだぞ・・・」
「そうだったか?そこのところは、俺知らねえもん。」
「あのな!一回目は、バレちまって・・・見世物状態だったし・・・」
「うんうん・・らしいな!」
「2回目は、信州の村でやらされたし・・・」
「見たかったわ!お前が龍神の滝に打たれているところ・・・」
「ボケッ!見世物じゃねえよ!3回目は写真のモデルだって騙されて・・軽井沢の教会だぞ!」
「いいねえ~都合・・・4回か、昨日の入れて・・・」
「ああ・・・」
「そんで、正式に籍入れる時は?」
「多分、しない!見世物はコリゴリだわ!」

そうなんです。僕と優子は、昨日、4回目ですよ!4回目の結婚式をさせられたんですから・・・
それでは、ちょっとだけ時間を遡ってみましょうか・・・・

僕は、ミーちゃんのお骨をお墓に納めました。寂しくない様にと一緒に撮った最後の写真と僕がアレンジして直筆で書いた譜面を一緒に・・・。優子が、ミーちゃんの大好きだった、バラの花をお墓に備えている間、僕は空を見上げておりました。真っ青な空にひとつだけ、ぽつんと浮かぶ雲にミーちゃんが乗っているのでは?そう思えてならなかったのです。

「しっかり掃除しているかなぁ~ママ!やってなかったら・・残飯でいいからね!あいつらには・・・」
「Qったら!ちゃんとしてくれているわよ・・・・それより、行きましょうか?」
「行く?ああ・・・一回、家に帰るんだっけ?じゃあ・・ミーちゃんまた来るからね!」

僕は軽く手を合わせるとスタスタと出口へ向かうと、そこには、見慣れたマイクロバスが停まっておりまして、
勿論、僕の仲間たちが霊園の出口をウロウロと・・・まるで、「檻の中に閉じ込められたオオカミだわ!」と、
そこへ合流しようとした瞬間、仮にも、部長でもあり、リーダー挌である僕に牙を剥く狼’sの面々。

「ウゥゥゥゥゥ~」
「どうした?佐々木!Y!S!佐伯に・・みんな大丈夫か?悪いモン拾い喰いしたんじゃ・・・・」

多分、楊ママが合図を送ったのでしょう。僕は抵抗する間もなく、手足を縛られ、ロープでグルグル巻きに・・・

「て・・てめえ等・・気でも狂ったのか?それとも裏切りか?」

僕の叫びも虚しく、猿轡まで嵌められ、目隠しまでされたので、見当がつきませんが、どのくらい走ったのでしょう。ただ・・ひたすらに、その間くすぐり続けられていたことだけは覚えております。
この分は後ほど、きっちりと仕返しさせていただくとして、僕は一体どこへ連れて行かれるのか?
それだけが気がかりでございました。
まあ、棺桶に放り込まれたわけではないので、保健所かどこかであって、火葬場ではないことだけは確かに言えますね・・・何しろ、優子も居る訳で・・・僕だけ行き場所を知らないみたいです。

「ほらぁ~部長ぉ~着いたぞ!自分で降りれるか?」

無茶苦茶を言う佐々木クンです。何し、僕は後ろ手に縛り上げられ、両足だって縛られてます。

「ウゥゥゥゥゥゥ~」 

唸りながら首を横にブンブン振る僕。

「大人しくする?」 今度はミサです。まあ、いずれキッチリとこの借りは返すことを肝に銘じて僕は首を縦にブンブン振るしかありません。
先ずは目隠しと足だけは自由にしてもらいましたが、胴体にグルグル巻かれたロープと猿轡。ついでに縛られている手はそのまま・・・車を降りた僕の目の前にはどこかで見覚えのある景色が拡がっておりまして・・・
頭上から懐かしいような声が聴こえてきました。

「相変わらずじゃのう・・・あの時とちっとも変らん!変わったのは背が伸びたくらいじゃな・・・」
「神父様。このたびは我儘を聴いていただきましてありがとうございます。」

楊ママがなにやら企んでいるみたいです。見上げるとそこには、初老のどこかで会った記憶のある神父様が、
立っており、

「Q・・・まだ解らない?あの時の神父様よ・・・」

楊ママが僕の猿轡を外しながら僕に聴いて来たのです。

「へっ?くそぉ~ジジイ!」
「相変わらず・・・言葉遣いまでそのままじゃ・・・」

僕の頭の中はグルグル廻り始め、やっと思い当たるフシが・・・・

「もしかして・・あの時の?」
「そうじゃ・・・散々・・けっとばされた・・クソジジイじゃ・・・」
「あっ!思い出した・・・ところで、何でまた・・こんなところに?」
「楊さんに頼まれての!お主の結婚式を行うんじゃ・・・」
「何でまた・・・もう!充分なんですけど・・・」
「ほれ!式の準備が始まるまで控室で大人しく待ってなさい。みんな・・連れて行ってくれんかの?」
「はい!」

こうして僕は、囚人のごとく新郎控室に連れて行かれ、椅子に“固定”されてしまったのです。
優子の方は、直前に言い聞かされていたらしく、やはり新婦控室で、楊ママが手配した美容師さんにあれやこれやと“施されていた”そうでございます。

「じゃあ・・・楽しみにしてるからな!ぶ・ちょ・う・・・じゃなかった・・・新郎!」
「さ・・佐々木ぃ~てめぇ~」
「ほほう・・お前!自分のおかれた立場解ってる?手足も動かせねえだろうが?」
「佐々木ぃ~」
「諸君!どうやら・・うちのリーダーは解ってないみたいだぞ・・・アーユーレディ?」
「ちょ・・・ちょっとタンマ!」

そこへ“地獄に仏”とばかりに、リリーズがドアを開けて入ってきました。
その後ろから、今回の一件の首謀者である楊ママも・・・・


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第63話へ・・・続く。

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