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「真夏の夜の夢」第15話 [高1・・・・の夏休み ちょっとえっちな話]

ままごとみたいな二人の生活2

僕は・・・・彼女の心の傷を知ってしまいました。
僕が・・ただ「遊びの対象」としか見ていなかったら・・・このお話は終ってしまいます。
それまでの・・ただ・・ヤリテーと喚いていたサカリのついた畜生以下のまま・・・成長を止めていれば
僕・・・の目は違う・・ターゲットを探し続けていたことでしょう。

僕は静かに優子を抱き起こしました。僕の鼓動は・・これ以上早くならないだろう・・というくらいに脈をうち・・・・僕自身は天に向かって聳え立っていたのです・・・
このとき・・・・多分彼女は最後まで・・受け入れてくれたかもしれません。
でも・・自分の中にある・・ほんのちっぽけな・・・心が・・僕を思いとどまらせたのです。

「ゆ・優子・・・ごめん。・・早く服を着て・・髪の毛を乾かして・・おいで。俺・・待ってるから・・・」
部屋を出て行こうとすると・・・僕の前に立ちふさがる・・・優子
「や・やだ。・・・こ・・・ここにいて・・・言う事聞くから・・・・」

ベッドに腰を下ろした僕を逃がさないように・・・していたのか解りませんが・・・・優子は目の前で髪を乾かし・・下着をつけ・・・浴衣を羽織ったのです。

「ねぇ・・・話して・・・」
「ああ・・だけど・・ここじゃ・・・俺・・また・・我慢できなくなったら」
「くすっ!・・そうねえ・・・君が・・また豹変したら・・・困るわね!」

縁側に腰を掛ける・優子。僕は・・1人庭先で・・・・・・すべてを話しました。
自分の生い立ち・・・・・誰からも歓迎されない・・・・誕生。そう・・すべてはここから始まったのでしょう。

僕は昭和39年・・・そう東京オリンピックのときこの世に誕生しました。僕の生まれた日は・・・東海道新幹線の開通・・と東京オリンピック開会式の間・・生まれたときから中途ハンパでした。
僕の本当の父親は・・・・母が僕を身ごもったときには・・・・他に女がいました。
母は・・母でそのとき・・・別の男性と・・いい仲になっていました。ですから・・・僕は生まれたときから・・・誰からも歓迎されなかった・・・子供でした。あの時・・いっそ殺してくれれば・それか・・・どこかに捨ててくれれば・・もう少し楽だったかもしれません。
本当の父は・・・・僕に戸籍だけ与え・・・去っていきました。生みの母は・・・僕を子供のいない姉夫婦に渡すと・・・その男性とどこかに行ってしまいました。
僕は生後・・まもなく・・二人の大人に捨てられたのです。

「そう・・・」
ここまで話したとき・・・一言だけ・・つぶやきました。
「まだ・・・全部話してない。」

僕の育った環境は・・・他の子供よりは恵まれていたのでしょう・・・
近所でも天使の子・・と言われていました。丁度、僕が生まれる頃・・義理の母は流産していました。
その子は義理の父の子ではなかった・・何故なら・・義理の父は子供の頃の病気で・・・・種がなかったのです。それでも・・義理の父は義母を愛していたのでしょうか?僕には真相はわかりません。
歩けるようになると・・・すぐ義母と姉弟弟子の関係になりました。義母は日本舞踊の師匠をしており、
僕は義母の師匠に踊りを習いましたので、義母とは姉弟弟子になるのです。
週2日の師匠の元でのお稽古・それから・・・自宅の舞台での稽古・・もちろん礼儀作法は人一倍うるさく・・・・お稽古のときの義母は鬼のようでした。僕の初舞台は3歳のときです・・・・藤娘を演じました。
それから・・・小学校4年生まで・・・・人一倍厳しい義母の操り人形のような生活を送りました。
今・・思えば大人の女性と一緒の更衣室での着替えは・・・その光景がなくなったのは心残りですが・・
そのような生活も・・突然ピリオドが打たれました。義母が幼馴染の男性と駆け落ちしてしまったからです。その後・・僕の性格を・・・180度狂わす事件が起きました。
僕は・・・自分が義父の本当の子だと信じて・・・10歳まで生きてきました。そんなある日のこと・・・・

「もう・・いいよ」
「いや・・全部話しておきたい。」

僕は自分の出生の秘密を・・僕を何故だか嫌っていた・・義父の末妹によりむりやり聞かされました。
その後・・僕は押入れに籠もり・・・泣いていました。・・その涙が涸れるころ・・僕は悪魔に幼心を完全に支配されてしまったのです。
僕は・・ある日・・入水自殺を図ったことがあります。友達と遊ぶこともなくなり・・・一人河原にいたときのことです。水面を眺めていたら・・・・「おいで!こっちに・・楽になるから・・・・」との声が聞こえてきました
その声に導かれるように・・・・川に足を踏み入れたのです。人は笑うかもしれませんが・・・僕は不思議な光に包まれました・・・・・そして・・・偶然通りかかった大人に助けられたのです。
その後も悪魔は僕を支配・・し続けました。
僕は・・心から笑う事の出来ない・・・・・冷たい表情の少年になってしまったのです。
更に・・悪魔は僕に天使の皮を与えました。僕はその皮を自ら被り・・悪魔の僕になったのです。

「ね・・・お願いだから・・やめて」
「いや・・すべて知ってもらいたい」

中学生になると・・・僕は天使の顔と悪魔の心を使い分けられるようになっていました。
僕は・・・誰でも良かった・・・僕に係ろうとする人すべて・・・・傷を・・それも心に負わせたくなっていました。そばに来るもの・・すべて・・たとえそれが・・・女性でも・・例外ではありません。
僕は多くの人々に・・傷を負わせることで満足する・・最低な野郎・・に成り下がっていました。
何せ・・・勉強は出来ましたので・・・誰一人・・大人は気がつかなかったのです。

高校に入学しても・・僕の生活態度は改まることはありません・・・僕が委員長に選ばれたのは理由があります。ただ・・・早く学校から出て・・・・悪さをするために・・自ら立候補をしたのです。
入学式の翌日・・・馬鹿な男が話しかけてきました。そいつがYです。
Yは僕に一緒にバンドやらないか?と誘ってきたのです。
「バンド?」
「ああ・・・」
「何を?」
「アリスのコピー」
「アリス・・知らねえよ」
「ああ・・・コレ聞いてみろよ」

そのYが寄越した1本のテープ・・その中の1曲にであったことで・・・僕の胸の霧は少し晴れたのです。

「そうなんだ・・・・」
「ああ・・・」

しばらく・・・・・沈黙という名の川が二人の間を流れてゆきます・・・・・
僕は・・・星をみつめていました。何故だか・・心の・・奥底にあったモヤモヤ・・とした霧が晴れていました。僕は・・・旅にでよう・・と思いました。彼女が寝静まったら・・・・・そっとでかけよう・・と考えていると。

「真夏の夜の夢」第16話へ続く・・・
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空飛ぶ食欲魔人

yann様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-25 13:51) 

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