オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第七章- [2013.親馬鹿旅]
- トランジット 1-
「ふうっ~やっと・・・中間地点」
「そうねえ~まだまだ・・・乗るのよね!」
「一服してもいいかなぁ~」
「どうぞ!」
大人しく1ユーロを支払いカートを引っ張り出す。つくづく思うのだが、コインを持っていない
人々のことを考えていないケースに良く遭遇する。
「どうせ自動販売機いや・・自動貸し出し機なんだからさぁ~札もOKにすればいいのに・・・」
ぶつぶつ言うのは、オストドである。だが、ここ最近ユーロ圏を旅しているので、
ユーロのコイン特に、1ユーロコインは旅の後半には、必ず確保している。
「ヨッコラセ!」とばかりに、ヘビータッグの付けられているスーツケースを2個と、キャリーを
カートに積み込み、肩からぶら下げている“ズタ袋”と呼んでいるコーチのショルダーバックを
最後に載せ、まずは一目散に建物の外へ向っている。
「ふうっ~生き返った・・・・」
タバコを立て続けに吸い、ニコチンの補給を完了する。
今晩一晩アテネに泊まる。それも市内ではなく空港の目の前にあるソフィテルホテルだ。
「結構・・ボリやがるんだけど・・・背に腹は代えられないしね!」
本来なら、接続が許せばミュンヘンまで飛びたかったのだが、何しろ“悪名高き”エジプト航空。
スケジュール通りに、事故もなく、荷物の紛失もなく、積み忘れもないで到着したのだから、
ここは敬意を払って、アラーの神様にでも御礼を申し上げなければいけないのかもしれない。
ほぼ1日。23時間ほど“時間の余裕”という選択を予め、計画しておいたのだ。
ホテルの敷地内にあるカート置き場にカートを捨てる。
まあ、1ユーロは、回収したりする手数料なのだろう。
寄ってくるドアボーイを制して、フロントでチェックインをする。
「スモーキングルームはあるかな?」
「お取りできますが、お部屋はご予約より狭くなりますが・・・」
「いいの!タバコが吸えればね・・・」
メストド1号のまなざしは、「この末期症状患者め!」という目をしているが、
ニコチンが切れたオストドは人格いや、トド格が変わる危険性を張らんでいるので、
「仕方がないわねえ~」と憐みの眼差しに変わる。何しろ、今回の旅はオストドにとって、
苦渋の選択の連続だったので、メストド1号にしてみると、多少同情してやってもいいか!と言う気
なのかもしれない。何しろ、成田空港を飛び立ってからは、オストドのご機嫌を覗っている気配を
感じているからだ。
「大体さぁ~」
「ストップ!納得したんでしょ?」
「会うだけだからね!どんな奴か解らないけど・・・爆発したらごめん!」
「その前にあたしがボコボコにするから大丈夫!」
「へっ?」
「あたしの方がキレるの早いかもね・・・」
「おいおい・・・まあ、奥様の目は確かだしねえ~」
「でしょ?」
出発の数週間前に遡るのだが、メストド2号が、「会って貰いたい人がいる」と言ってきたのだ。
「やだ。」と言わんばかりに、オストドは即座に首を横に振った。
メストド1号の説得にも耳を貸さず、「カナダでは自由行動にする!」と宣言したのだが、
気紛れからなのか?あきらめの境地なのか?まあ、多少複雑な境地ではあったのだが、
気に食わなければ、ボコボコにした上で、トランクにでも押しこめ、セントローレンスに沈めれば
気分が晴れるかもと、気が変わったのだ。
後から、聞いた話ではアッチじはアッチで相当緊張していたらしい。
そういえば、初めてメストド1号の家にご挨拶に行った時も、オストドもそうだったのかもしれない。
「まあ、任せるよ!アンタいや奥様の目は正しいからね!ところで・・・」
「何?」
「空港の売店に飲み物でも買いに行かないと・・・サービスのミネラルウォーターはこれだけ・・・」
オストドが、ミネラルウォーターの瓶を振って見せると、メストド1号も頷いた。
「そうねえ~足りないわよね!」
部屋の金庫に日本円を入れたサイフとパスポートとEチケット等を仕舞い、連れだって空港の
到着ロビーに向かう。オストドの見識が正しければ、知っている旅行者か、空港関係者を
相手にした売店や店が各空港には存在する。
そこで購入すれば、わざわざ“観光客価格”で売っているモノを買う必要はない。
「やっぱりね・・・あった・・・けど、今は買わない。」
「何で?」
「この後どうするか決めてないしね!市内にでも出る?大金払って・・・・」
オストドの記憶によれば、一人片道1000円ほど係ったはず。つまり、二人では2000円だし、
往復することを考えれば、空港でその分何かに有り付いた方が、得策かもしれない。
「そうねえ~どうせ・・・市内に行っても・・マックかそんなレベルなものしか食べないし・・・」
「空港探検でもする?ルフトのカウンターの場所も知りたいしね・・・何かあるかもしれない。」
オストドはどちらかと言えば、“石橋を叩く”部類だ。
まあ、“石橋を叩きすぎて壊してから、その上を渡る”のもしばしある。
そのくせ、観光とかの計画は無頓着に等しい。いや、観光すらメンドーなこともある。
今回の旅も観光の計画なんざオストドの作成した行程表には存在していない。
「よ・ろ・し・く!」と昨年暮れ間近に、トロントからモントリオールに拠点を移した娘でる
メストド2号に丸投げ状態である。強いて言えば、モントリオールオリンピックのメモリアルパークと
ノートルダム大聖堂に連れて行け!と言ったところだ。
これも、後から聞いた話によれば、メストド2号は大変困った様だが、オストドの関知すべきことでは、
ない。オストドがしなければならないのは、ツアコンとしての役目だから、乗り継ぎの誘導とか、
スケジュールの管理とか、そんな類だけに集中しておけばよい。
オストド&メストド1号がたどり着いたアテネ・エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港は、
スリーレターで表せば、ATHとなる。
今回の旅は、ここATHからMUC(ミュンヘン)に飛び、信じられないほどの乗り継ぎ時間で、
メストド2号の住む、モントリオールへ飛ぶ。
「さてと・・・・」
オストドにもメストド1号にも、ほとんど物欲はない。着るモノだって、ブランドである必要はない。
カバンやバッグの類もそうなのだが、利便性を追求する。まあ、その結果、ブランドにたどり着くのは、
許容の範囲としなければならない。
そんな2頭が覗く店と言えば、カバン屋(よく・・旅先でカバンやスーツケースが壊れることもある)
あとは、サングラスを横目でみたりするくらいだ。
何しろ、飛行機代やホテル代には、お金を掛けるけど、基本一人1万円のラインは崩さないので、
ユーロ圏等では、チープな旅をするし反面。、物価の安い所では、ラグジュアリーな旅をする。
従って、空港のお店を覗くというよりも、「何を食べる?」と店のメニューをチェックし、価格を
頭に入れて歩くのだ。
「今夜何を食う?」
「散々・・・食べてきたと思いますが?」
「晩メシ食べないと・・・暴動が起きる。胃袋の・・・・」
「はいはい・・・・」
「とりあえず・・・一服して考えるか?」
「はいはい・・・」
オストドのタバコは、赤ん坊に例えると、おしゃぶりやおっぱい。おしめにも近いかもしれない。
何しろ、完全なニコチン中毒者である。禁煙するくらいなら、命を絶ったほうがマシと言う輩だから、
暴動も起こしかねないので、適度なニコチンを供給させるのも、メストド1号の責務いや、使命とも
言える。
オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第八章-へ続く。
「ふうっ~やっと・・・中間地点」
「そうねえ~まだまだ・・・乗るのよね!」
「一服してもいいかなぁ~」
「どうぞ!」
大人しく1ユーロを支払いカートを引っ張り出す。つくづく思うのだが、コインを持っていない
人々のことを考えていないケースに良く遭遇する。
「どうせ自動販売機いや・・自動貸し出し機なんだからさぁ~札もOKにすればいいのに・・・」
ぶつぶつ言うのは、オストドである。だが、ここ最近ユーロ圏を旅しているので、
ユーロのコイン特に、1ユーロコインは旅の後半には、必ず確保している。
「ヨッコラセ!」とばかりに、ヘビータッグの付けられているスーツケースを2個と、キャリーを
カートに積み込み、肩からぶら下げている“ズタ袋”と呼んでいるコーチのショルダーバックを
最後に載せ、まずは一目散に建物の外へ向っている。
「ふうっ~生き返った・・・・」
タバコを立て続けに吸い、ニコチンの補給を完了する。
今晩一晩アテネに泊まる。それも市内ではなく空港の目の前にあるソフィテルホテルだ。
「結構・・ボリやがるんだけど・・・背に腹は代えられないしね!」
本来なら、接続が許せばミュンヘンまで飛びたかったのだが、何しろ“悪名高き”エジプト航空。
スケジュール通りに、事故もなく、荷物の紛失もなく、積み忘れもないで到着したのだから、
ここは敬意を払って、アラーの神様にでも御礼を申し上げなければいけないのかもしれない。
ほぼ1日。23時間ほど“時間の余裕”という選択を予め、計画しておいたのだ。
ホテルの敷地内にあるカート置き場にカートを捨てる。
まあ、1ユーロは、回収したりする手数料なのだろう。
寄ってくるドアボーイを制して、フロントでチェックインをする。
「スモーキングルームはあるかな?」
「お取りできますが、お部屋はご予約より狭くなりますが・・・」
「いいの!タバコが吸えればね・・・」
メストド1号のまなざしは、「この末期症状患者め!」という目をしているが、
ニコチンが切れたオストドは人格いや、トド格が変わる危険性を張らんでいるので、
「仕方がないわねえ~」と憐みの眼差しに変わる。何しろ、今回の旅はオストドにとって、
苦渋の選択の連続だったので、メストド1号にしてみると、多少同情してやってもいいか!と言う気
なのかもしれない。何しろ、成田空港を飛び立ってからは、オストドのご機嫌を覗っている気配を
感じているからだ。
「大体さぁ~」
「ストップ!納得したんでしょ?」
「会うだけだからね!どんな奴か解らないけど・・・爆発したらごめん!」
「その前にあたしがボコボコにするから大丈夫!」
「へっ?」
「あたしの方がキレるの早いかもね・・・」
「おいおい・・・まあ、奥様の目は確かだしねえ~」
「でしょ?」
出発の数週間前に遡るのだが、メストド2号が、「会って貰いたい人がいる」と言ってきたのだ。
「やだ。」と言わんばかりに、オストドは即座に首を横に振った。
メストド1号の説得にも耳を貸さず、「カナダでは自由行動にする!」と宣言したのだが、
気紛れからなのか?あきらめの境地なのか?まあ、多少複雑な境地ではあったのだが、
気に食わなければ、ボコボコにした上で、トランクにでも押しこめ、セントローレンスに沈めれば
気分が晴れるかもと、気が変わったのだ。
後から、聞いた話ではアッチじはアッチで相当緊張していたらしい。
そういえば、初めてメストド1号の家にご挨拶に行った時も、オストドもそうだったのかもしれない。
「まあ、任せるよ!アンタいや奥様の目は正しいからね!ところで・・・」
「何?」
「空港の売店に飲み物でも買いに行かないと・・・サービスのミネラルウォーターはこれだけ・・・」
オストドが、ミネラルウォーターの瓶を振って見せると、メストド1号も頷いた。
「そうねえ~足りないわよね!」
部屋の金庫に日本円を入れたサイフとパスポートとEチケット等を仕舞い、連れだって空港の
到着ロビーに向かう。オストドの見識が正しければ、知っている旅行者か、空港関係者を
相手にした売店や店が各空港には存在する。
そこで購入すれば、わざわざ“観光客価格”で売っているモノを買う必要はない。
「やっぱりね・・・あった・・・けど、今は買わない。」
「何で?」
「この後どうするか決めてないしね!市内にでも出る?大金払って・・・・」
オストドの記憶によれば、一人片道1000円ほど係ったはず。つまり、二人では2000円だし、
往復することを考えれば、空港でその分何かに有り付いた方が、得策かもしれない。
「そうねえ~どうせ・・・市内に行っても・・マックかそんなレベルなものしか食べないし・・・」
「空港探検でもする?ルフトのカウンターの場所も知りたいしね・・・何かあるかもしれない。」
オストドはどちらかと言えば、“石橋を叩く”部類だ。
まあ、“石橋を叩きすぎて壊してから、その上を渡る”のもしばしある。
そのくせ、観光とかの計画は無頓着に等しい。いや、観光すらメンドーなこともある。
今回の旅も観光の計画なんざオストドの作成した行程表には存在していない。
「よ・ろ・し・く!」と昨年暮れ間近に、トロントからモントリオールに拠点を移した娘でる
メストド2号に丸投げ状態である。強いて言えば、モントリオールオリンピックのメモリアルパークと
ノートルダム大聖堂に連れて行け!と言ったところだ。
これも、後から聞いた話によれば、メストド2号は大変困った様だが、オストドの関知すべきことでは、
ない。オストドがしなければならないのは、ツアコンとしての役目だから、乗り継ぎの誘導とか、
スケジュールの管理とか、そんな類だけに集中しておけばよい。
オストド&メストド1号がたどり着いたアテネ・エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港は、
スリーレターで表せば、ATHとなる。
今回の旅は、ここATHからMUC(ミュンヘン)に飛び、信じられないほどの乗り継ぎ時間で、
メストド2号の住む、モントリオールへ飛ぶ。
「さてと・・・・」
オストドにもメストド1号にも、ほとんど物欲はない。着るモノだって、ブランドである必要はない。
カバンやバッグの類もそうなのだが、利便性を追求する。まあ、その結果、ブランドにたどり着くのは、
許容の範囲としなければならない。
そんな2頭が覗く店と言えば、カバン屋(よく・・旅先でカバンやスーツケースが壊れることもある)
あとは、サングラスを横目でみたりするくらいだ。
何しろ、飛行機代やホテル代には、お金を掛けるけど、基本一人1万円のラインは崩さないので、
ユーロ圏等では、チープな旅をするし反面。、物価の安い所では、ラグジュアリーな旅をする。
従って、空港のお店を覗くというよりも、「何を食べる?」と店のメニューをチェックし、価格を
頭に入れて歩くのだ。
「今夜何を食う?」
「散々・・・食べてきたと思いますが?」
「晩メシ食べないと・・・暴動が起きる。胃袋の・・・・」
「はいはい・・・・」
「とりあえず・・・一服して考えるか?」
「はいはい・・・」
オストドのタバコは、赤ん坊に例えると、おしゃぶりやおっぱい。おしめにも近いかもしれない。
何しろ、完全なニコチン中毒者である。禁煙するくらいなら、命を絶ったほうがマシと言う輩だから、
暴動も起こしかねないので、適度なニコチンを供給させるのも、メストド1号の責務いや、使命とも
言える。
オストド&メストド1号「飛んで・・飛んで・・・また飛んでの旅。」 -第八章-へ続く。
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