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僕たちに明日はあるのか?VOL1 [ぼくたちのシリーズ完結編]

-まえがきに代えて-

「僕」です。ご無沙汰をしておりました。「未来の僕」は、

「じょ・・冗談じゃない!」と拒絶しやがりましたので、

ちょくら乗っ取る事にしましたが、「未来の僕」はすっかり

おっさんになっており、幾ら自分の未来とは言え、文句のひとつや

ふたつは言いたくなります。

悪たれ連の悪ガキ共は、すっかりおっさん化しており、見る影もありません。

青〇クンは、すっかり信州の片田舎で、偉そうに説教を垂れるくせに、

相変わらず、年に数回も上京してくる始末ですが、「未来の僕」をはじめ、

大岩クンこと今は黒岩君等「しっかりと尻に敷かれている組]は、迷惑顔。

携帯電話という便利なものを持っていても、着信があっても、殆ど無視だとか

まあ、渋々(いや・・・ノリノリの間違い)で、付き合うのは、佐々木クンをはじめ、

奥様や家族からも諦められている(見捨てられたと言うほうが、正しい?)か、

自由気ままな独身者Yクンだけみたいです。

まあ、そんなおっさんでも、お金だけはある様なので、遊んでくれる子はいるみたい。

そうそう・・・「未来の僕」の記憶をついでに読み解いてみると・・・・

「僕」自身も「噓だぁ~」と叫びたくなる事も

あったみたいです。

まあ、一言で言わせてもらうと、やっぱり、バカはバカのままみたいです。

封印しておけば良かったのに、「僕」を引っ張り出してきたのですから、

責任を取ってもらわねばなりませんよね?

そこで、ナビゲーターは、「僕」がしっかりおこなわせてもらって、「未来の僕」の

記憶を掘り返してみたいと思います。

あっ・・・最後にもうひとつ。

確か、九尾の狐。すっかり飼いならされているみたいです。

でも、あの頃は、スマートだったはずですが、今では一瞬。「狸」と見間違えました。

数えてみると・・・あれ?数が増えています。一頭だったのが、今では4頭の「狸」

どうなっているのか知りませんけど、これからときどき、「未来の僕」をジャックして

お話を完結させてもらわないといけません。

まあ、それまでは、時々かどうか知りませんが、「未来の僕」の夢の中で暴れてやろうか

そう考えておりますが・・・・

まずは・・・そうだ。僕。高校卒業できたのか?その辺から調べてみたいと思います。

あっ!そういえば、「未来の僕」は、僕の予想に反して、お酒を飲んでいません。

寝る時に変な薬を飲んで、無理やり睡眠をとっているみたいです。

それでは、皆様!完結編の本編でお会いしましょう。

-翼 1 -

「用意はいいか・・・・ぶ・ちよ!」

「それだけはやめろ!ジュニア!」

「そっちもやめてくれないか?」

「やめない。お前の名前じゃん。親父さんは残念だった。」

「ああ・・お前が来るのを楽しみにしてた。」

「だろうな~オン・返しそびれてしまった。」

「ところで、ハニーとリトルベイビーは元気か?」

ジュニアは話題を変えてきた。僕もジュニアもしめっぽい話は

似合わないらしい。

「ああ・・・おかげ様でな。」

「連れてくれば良かったろ?」

「婆さんが離さない!」

「婆さん?」

「覚えてるだろ!楊ママ!横浜で中華食わせたろ?」

「ああ・・あのマダム」

「やだやだ・・アメ公は相変わらず・・か」

僕は22歳になっていた。18歳でパパになった。

横浜のママは、横浜のパパが突然の病で亡くなり、ミーチャンと

同じお墓に遺骨を納めると、店を手放した。

いや、手放したというよりは、僕のために手放してくれたと言っても

過言ではない。僕の子供は日本からちょっとだけ離れたT島で、

ママの庇護を受け順調に育っている。

「あとで・・・決着つけるか・・・あの時の・・・」

「そう願いたいところだけどな・・・今夜の便で帰らなきゃいけなくて」

「オーマイゴッド!気は確かか?」

「急な仕事のオファーがあってな・・・」

「OK!腕がなまってないか見てやる。」

「あのな~ジュニア。オレ。ライセンスないんだってば・・・」

「ノープロブレム。ライセンスは俺が持っている」

「だ・か・ら・・・俺は、ノーライセンス・・・まあいいか・・・」

僕はジュニアのお父さんの愛機だったセスナの機長席つまり、左席に座り

あの頃の様に親指を立てて合図を送った。

ただ、あの頃。コーパイ席に座っていたのは、ジュニアの親父さんで、

僕に翼の素晴らしさを教えてくれた。

「・・・・セスナN3445・・・ランウエイ22・・」

「ランウェイ22。ラジャー!」

僕はゆっくりとスロットルを開ける。

「と・こ・ろ・で・・ランウェイ22ってどこだ?」

僕はジュニアに尋ねた。

「マップいるか?」

「お前がナビゲートしろ・・バカ!」

何とか滑走路にたどり着き、管制の許可を受ける。

勿論、僕ではない。何しろ久しぶりに操縦かんを握るので、

心臓はバクバク状態。いや、こうなったら、俎板の上の鯉と

言えばいいのだろうか。

「ほれ・・・さっさといけ・・・シン!」

「ラ・・ジャ・・グレイ!」

ジュニアの親父さんは、元戦闘機乗りで、僕に「シン」と名付けた。

ジュニアことグレイは、初フライトが曇りつまり、空が灰色だったからだ。

僕はスロットルを全開にして、ただ・・・中央線だけを見つめた。

周りの景色に気を取られてい居るほど暇ではない。いや、楽しむ余裕はない。

「OK!・・・ローテションだシン。」

「ラジャ・・・」

僕がゆっくりと操縦かんを引くと、数年ぶりに座った親父さんの愛機は、僕を

空へ連れて舞い上がっていった。

「シン!フライトレベル。ツーサンウザンで、レフトヘッディングゼロ・フォー・ゼロ」

「バンクは?」

「テンいや・・・フィフィティーン」

「ラジャ」

「アンド。クライム。フォーサウザン」

高度2000フィートで左旋回。バンク角15度。方位040に向かい。

高度を4000フィートまで上げろとジュニアことグレイが僕に告げた。

「なあ?ところでどこへ行くんだ?」

「洋上で訓練やって・・・フラップは?」

「ああ・・・フラップ1。」

「フラップ1」

「フラップアップ。」

「なあ!シン?」

「あん?」

「いつまでフルにしているんだ・・・」

「いけねえ~フィフティ?」

「そうだな・・・フィフティ」

「ラジャ」

「フォーサウザン。」

「ラジャ・・・フォーサウザンアンドフィフティパーセント」

スロットルを戻し、水平飛行へと入った。

僕とジュニアを乗せたセスナはカリフォルニアの空へ溶け込んで行った。

ー翼 2へ続くー













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