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飛行機の揺れ [ひとりごと]

~「揺れるから嫌なんだぁ~」~
私の廻りにはこういう「輩」が大勢いる。
だから、「好んで飛行機に乗る」私を「変質者!」とか「変わり者!」など言う奴もいる。私はこの手の人間をなるべく「相手」にしないようにしているのだが、相手の「言動」がある一線を越えてくると、「臆病者!」と罵ることにしているし、憐れむことにする場合もある。
昔のある上司などは、「あんな鉄のかたまりが空を飛ぶのが信じられない」と言っていたので、「じゃあ、あんな鉄の塊が、水に浮かんだり、人より早く走ることが出来るのも、信じられないんですね?」と言ったことがある。
因みにこの上司なのだが、嫌々飛行機による出張(私の作為によるもの)に行く際も大騒ぎをし、あんまりうるさいものだから、アルコールを大量に飲ませ、首でも絞めてやろうか?と考えていたのだが、空に浮かぶ瞬間に「気を失ってしまった」ので、そのままにしておいたこともある。
とある「弱小芸能プロダクション」の社長業に勤しむ友人。Yなどは「高所恐怖症」&「閉所恐怖症」のダブルパンチなのだが、女優のYのお供で中国に行って以来、「病気」は治ったと聞く。

~「わざと揺らすのもお客様のため!」~
先日、某U社に勤め、B777の機長の友人Jと久しぶりに食事をする機会があったので、「あのさぁ~なんで何にもないようなところで揺らすんだ?」と尋ねたことがある。
そのJ曰く。「ああ、あれ!あれは、お客様のためだよ~。」
「お客のため?そんなサービスいらないんだけどなぁ?」
「あのさ、悪天候や空港閉鎖ならダイバードするだろ・・」
「うんうん。一度もあったことないけど・・・・」
「それにコース上に低気圧・・まあこれは、避けることが出来るからいいのだけど・・」
「へぇ~。お前無茶ばっかりやるから・・・突っ切るのかと思っていたけど・・・」
「そんなことしたら、すぐクビが飛ぶ。」
「まあ、そうだな。」
「それに着陸態勢のとき、雲に入ると揺れるだろ?」
「ああ、そう言えば、昔イスラマバードに降りる際、あまりの揺れに北京から乗り込んできた中国人の大勢吐きまくっていた記憶がある。」
「そうなると、連鎖反応もあるし・・・・、掃除も大変だからな!」
「ふんふん。」
「だから、離陸して・・巡航モード中にわざと揺らすんだ。」
「わざと?」
「そう。アルコール等、無料だからと言って、飲みすぎるな!また、喰いすぎるな!という警告。」
「警告?」
「うん。空は快晴ばかりじゃないし・・・それに万一もあるから・・・・それに備えてもらわないと・・・・」
「だったら、全部有料にすればいいじゃんか?何も、機内食の際揺らさなくても・・」
「それに、一回から数回揺らしておけば、着陸時に大揺れしても酔う人間は少ないんだ。・・・・・・」
つまり、あれは「わざと」が正しいらしい。速度を少々上げて、少しスティックを揺する。そうすれば、人間「自制心」が少々働くらしい。それに、機体が地上に駐機されている時間は、「ごく僅か」である。高価な機体を高い駐機料を払って、地上に置いておくより、空に浮かべていたほうが「お金になる」
それに、これはあくまでも「下衆の考え」なのだが、少々機体を揺らせば「搭載品」の使用も少なく出来るし、シップの中でCAに絡む連中も少なくなると言う航空会社の考えなのかもしれない。

~「宙を飛ぶ機内食!」~
「機内食なんだから、空を飛ぶの当たり前じゃん。」と思われる方もいるだろう。
でも、これはたた「空を飛んだ」のではない。「宙を飛んだ機内食」の話。
今からもう20年ほど前の話。その当時一線で活躍?する我々添乗員の中で、このような話が流れていた。「KEのパイロットは空軍上がりが多いから、血の気が多くて困るんだよな。」誤解して欲しくないのだが、「大韓航空=KE」の悪口を言うつもりはない。
某お菓子メーカー(韓国系企業。日本球界に球団もある・・・)の社員旅行と言うより、研修旅行と言ったほうが正しいのだろう。もしかしたら、この文章を読んでいる人の中には、「ああ・・あのヤローか!」と思い出してくれる方もいるだろう。
成田や地方都市からKEで出発。ソウルでは「○ッテホテル」と「○ッテワールドホテル」に各1泊の2泊3日。毎週金曜日に日本を出発し、日曜日に帰国するパターン。
私は、月~木の午前中は、内勤として○ッテ本社で打合せや韓国のVISA申請・受領・などを行うセクションのリーダーを務め、木曜日の午後に成田空港内のKEオフィスに出頭し、全員のボーディングパスを受け取る。その後、空港近くのホテルへ移動し、その仕分け(参加者のパスポートにボーディングやEDカードなどを挟み込む)
をし、そのままホテル1泊。翌日にはセンディング(送り出し業務)か添乗業務に就くのが、私の仕事であった。(休みは殆どない・・・・)
ある日のこと。「オーイ!オストド君。今週行ってくれんかぁ~!」「ハーイ。了解です。」と成田から旅立ったのだが・・・・・・。
あんまり上手くない機内食を食べ終わり、その残骸をテーブルに載せ、書類に目を通した瞬間のこと。突然機体が大きく揺れ出したのである。
折りしも、エコノミークラスのキャビンでは、トレーの回収中だったのだが、CA、そのころのスッチーが手にしていた大量の食べ残しと、食器を載せたトレーは、見事に宙を飛び、私のナナメ前方の通路とその周辺に飛び散ったのである。

~「揺れましても飛行には何の問題もございません!」~
着陸態勢に入っている際にこのアナウンスが流れてることはよくあるのだが、
巡航中にシートベルト着用のランプがつき、CAが着席したその後に「揺れ」が始まる場合がある。その場合は「これから揺らすからねぇ~」のパイロットの合図だろう。
そんなときは、間違ってもトイレに行ってはいけない。また、トイレに籠もっている最中の場合には、なるべく早く席に戻るかしなければならない。
例えば、「機内食」のサーブが中盤~終盤なら「ははん!誰か飲みすぎか?」と疑う。ある時は「ただ酒」を飲みすぎている日本人のオッサンが前に座っていたので、
「あのさ、酒飲みすぎるとさぁ・・・・万一の際の生存率低いんだって・・・・」と前に聴こえる様に妻に言う。更に「それにさぁ・・・・酒をたらふく飲んで、ちょっとした揺れで吐く奴いるじゃん。子供ならともかく、大人がそんな事したら・・・・笑いものだよね」と言う。
その後、予期したとおり「警告の揺れ」が続く。真っ青な顔をして着陸後、トイレに走る哀れなオッサンをみたのは言うまでもないことである。

~「予測できるもの。予測できないもの。」~
文明科学の進歩は素晴らしい。昔では非常用ボートには食料や飲料水など多く積まれていたらしいが、今では人工衛星などの発達により、すぐ救出される(生きていれば・・・)らしい。それにレーダーでは低気圧もばっちり写るし、先行機からの情報も入る。だから、予め「この先多少の揺れが予測されます」と言うわけなのだが、
予測できないものもあるそれが、「エアーポケット」や突然の気象変化だろう。
自殺願望のあるパイロットや「わざと揺らす」パイロットを除けば、無茶はしない。
しかし、彼等パイロットがいかに優秀で、機器が最新でも「予測できない」こともある。
まあ、搭乗したら「俎板の鯉」のごとく、じたばたせず、CAに悪態もつかず・・・おとなしく空の旅を楽しんだほうが精神状態にはいいだろう。
多少の揺れも楽しむつまり、心の余裕こそ空の飛びに必要不可欠なんだろう。


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