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「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第13話     [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
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高1の冬編は・・・コチラ・・・からお読みください。

「作戦会議のための・・・合宿だよな!」 3

僕とミサ。ひとつに重なり合っていた時、どうやら・・紗江子と美希それにミミはお風呂を出たらしい。
出たらしいと言うのは、お風呂に本当に入ったのか?確かめていなかったからだ。
3人の前に表れるにしても・・・ちょっと具合が悪い。何せ・・畑を見に行ったりと言ったのだから、ブレザーにネクタイ。スラックス姿で行くわけにはいかない。

「どうしよう・・・」
「大丈夫よ・・ちょっと待ってて[揺れるハート]

ミサは慌てて下着を身につけると、押し入れから紙袋を取り出した。そこには僕の新しい作業服と作業用の長靴が入っていた。

「準備は万端にしておいて良かったぁ[揺れるハート]
「でも・・どうやって・・抜けだすかだよな?」
「そうねえ~そうだ・・・お風呂場の横のドアを出て・・・ちょっと遠回りすればいけるんじゃない?」
「ねえ・・・居間の雨戸は?」
「そういえば・・閉まっているわ。」
「じゃあ・・窓から脱出しよう・・・良かった・・ここ一階でさ・・・」
「私はどうしよう・・・・」
「作業用の長靴は?」
「えへへ・・ある!お揃いで新しいの買ってきたの[揺れるハート]・・・」
「じゃあ・・・俺が外へ出て、ミサを抱きとめるから・・・」
「うん[揺れるハート]!」

僕はミサガ用意してくれた新しい作業服に身を包み、ミサも巫女’sの作業服を着こんだところで、
ミサの部屋の襖がドンドンと鳴らされ、紗江子が襖越しに話しかけてきた。どうやら・・畑には行っていないのは先刻ご承知のよう。まるで・・・監視カメラでも据え付けられているのか?僕に発信器が取りつけられているんじゃないかと思うくらい・・・正しく、ドンピシャのタイミングとはこの事を言うのだろう。

「ほらぁ[揺れるハート]そこのお二人さん。そろそろ・・お部屋から出てらっしゃい。居るのは解っているんだから・・・ごはんよぉ~!」

僕は一瞬、硬直した。顔を冷や汗なのか、それとも・・・今まで、“ワッセワッセ”とやっていた分の汗が、噴き出してきたのか解らないけど・・・そんな僕を見て・・ミサはクスクスと笑う。

「バレちゃっているみたいね[揺れるハート]

僕の汗をタオルで優しく拭いながら、ミサはまるで知っていたように僕に囁いた。
多分・・・全員グルだったのだろうか?まあ・・・何にせよ“魔女”には勝てない僕。いくら、オオカミと言えども、この鎮守の森では、魔女に逆らって碌な目にあったためしがない。

「ミサ・・・知ってたの?」
「ううん。二人だけにしてあげるから・・とは言われたけどね。このタイミングだとは思わなかったわ。本当よ[揺れるハート]

そのとき、紗江子がまた襖を叩いた。

「二人とも・・観念して出てらっしゃい。踏みこまれたくなかったらね![揺れるハート]

こうなったら・・・ジタバタしてもしょうがない。脱ぎ散らかした洋服類はミサが後で洗濯しておいてくれるとのおとで、しぶしぶ・・・襖を開けて出てゆ僕と後ろに続くミサ。

「ミサ。タップリと欲しいもの貰えたかしら?」
「は・・はい。」

蚊が鳴くような小さな声で答えるミサ。
僕とミサは紗江子に促され、居間へ行く。美希とミミが眼を輝かせながら、僕にウィンクする。
たぶん・・・「解っているんでしょうねえ~」との合図に違いない。
僕は目で・・・「体力が持てばだけど・・・」と答えておいたんだけど・・・理解してもらえただろうか?

「さてと・・・ミサ。あたしと一緒に夕ご飯作りましょうか?」 
「は・・はい。紗江子先輩!」
「えっ・・ごはんって言ったじゃん!」
「あ・・あたしも・・・お手伝い・・・・」
「何言っているのミミ。あなただって・・・期末あるんでしょう?一緒に美希に教えてもらいなさい!」
「そうよ!二人共お勉強の支度をしなさい。」
「ま・・まだ・・俺もやるの?」
「当たり前でしょう!ベスト10入り目指して貰わないと・・・・・」
「ベ・・ベスト50じゃなかったっけ?」
「駄目!それにクマ公に喧嘩を売ったんだから、仕返しされる恐れがあるわ[揺れるハート]・・・・」
「えっ?」
「つまり・・・問題がすり替えられる恐れがあるの・・・他の先生方じゃあねえ~。それにあなたが、ベスト10入りすれば・・・文武両道の生徒を守れるでしょ?校長先生も他の先生方もね・・・」
「あっ・・・あのやろう。これじゃ・・・踏んだり蹴ったりじゃん。」
「そういう時は・・・自業自得が正しいと思うけど・・・まあ、約束もあるから予想問題からは出題されるはずだけど・・」
「違ったら・・・クマ公と一緒に駆逐してやる・・・・」
「解ったら・・お勉強の支度をして・・・そうね。集会場がいいわね。ここだと・・邪魔が入るし。いいわね・・ミミも!」
「はい。」
「あなたは?」
「はぁ~い。」

僕とミミは美希に引き摺られるように集会場へ行く。ミミはまあ・・全般的に勉強は苦手なようなんだけど、特に数学と物理は苦手なようだ。

「ねえ・・・ミミ。先生方は変わってないんでしょう?」
「ええ・・・数学と物理以外は・・・だから・・・他はなんとかなるんですけど・・・先輩方のおかげで・・」
「そうよね~昔から問題変わらないものね・・まあ・・英語で言えば、ボブがジャックになったりする程度よね?」
「ええ・・おかげで助かっているんですけど・・・数学と物理のセンコーが・・・」
「ミミ!先生でしょ・・・先生。」
「す・・すみません。美希先輩。」
「いいなあ~T女は・・・俺らもそうしてくれないかな?」
「あなたたちは・・・駄目ね。ただ・・・ひとつ言えるのは・・・ここだけだけど・・・入試問題は5年ごとに同じ問題。」
「定期テストは?」
「それはないのよ・・残念だけどね。そうだったら・・私は毎年同じ問題出してあげるんだけどね。楽だしね・・・」
「ちぇっ!」
「はい!無駄話はおしまい。さあ・・・各自お勉強始め!さぼったら・・朝までやらせるわよ・・・」

僕の作戦は見破られたようだ。ウヤムヤにしてしまえ!と思ったんだけど・・・美希の方が一枚上手。
まあ・・・僕はお釈迦様の手の上から、逃げ出すことが出来ない孫悟空のようなものかもしれない。
机・・と言っても、畳の上だから座卓に煎餅のような座布団を敷いて、延々1時間以上も本当の勉強をさせられた。

「あ~あ・・・お腹が空いた・・まだかな・・・ごはん・・・・」
「うん。お腹ペコペコ・・・・」
「こらぁ~無駄話はしない。どれだけ出来たの?見せて!」
「うん・・・」
「はい。」

僕とミミが差し出したノートをチェックする美希。まるで・・千手観音?と思えるような早さで採点してゆく。
そして・・・時折間違えた個所にアンダーラインを入れ、赤ペンでチェックをしてゆくのだ。

「まあまあ・・・かな。あなたはね。」
「良かったぁ~」
「ミミの方は・・・数学と物理が本当に駄目なようね・・・・」
「よく・・・解らないんです。どうしたら・・・」
「困ったわねぇ~1科目なら・・追試で切りぬける手もあるけど・・・2科目もじゃ・・・あたしは・・・専門外だし。あっ!数学と物理だけは・・国立に入れるのが居た!」
「えっ!どこに・・・」 僕は自分に関係ない話だと思っていたんだけど
「あ・な・た。物理と数学はお得意でしょ?」 美希は僕を指さした。
「物理はね・・・東大入試でもなんとかなるけど。数学は・・・幾何がちょっとね・・・」
「こうしましょう!毎日あなたが・・ミミに教えるの・・・物理と数学!」
「お・・俺が?嘘でしょう・・・・」 

まさか・・僕が人に物を教えるなんて・・特に勉強についてはあり得ないと思っていたのだ。美希の顔をまじまじと見ると、「男の子でしょ?」と言いたげな美希の瞳がそこにあり・・・・

「本気!毎日2時間。物理と数学をミミに教えなさい。そうすればあなたの復習にもなるわ」
「ねえ~頼んでいい?」

ミミは就職が決まった。決まったとはいえ、定期テストで赤点をとれば・・・留年になってしまう。
縋る様な眼で僕を見るミミ。ここで断ったら男じゃない。それに・・ミミは“他人”ではない。
ここにいる美希もそうだけどミミも僕の大事な人に違いない。僕はやるしかないのだ。

「いいよ・・・やってみる!明日からね。」
「ありがとう!」
「さすが・・・わたしたちの見込んだ男だわ[揺れるハート]
「どういたしまして・・・頑張らせていただきます。」

このとき・・僕の中に打算がなかったわけじゃない。ミミは現役のスケ番なんだけど・・・逝くときのあの顔とあの声は、堪らないものがある。まあ・・・“お勉強”をすればいいだけなんだから・・・
鎮守の森にクラクションが2回響いてきた。優子と奈々子が帰ってきたのだ。
僕とミミは社務所から外へ出て行くために、社務所へ行く。美希は台所で“格闘中”の紗江子とミサを手伝うためにそちらへ向かった。社務所の入り口で隠れるように待つ僕に・・・

「ねえ[揺れるハート]~」
「何?」
「私も・・二人の時はあなたって言っていい[揺れるハート]?」
「いいよ!」
「じゃあ・・・お帰りなさい。あなた[揺れるハート]
「うん。ただいま。ミミ。」

ミミに“ただいまのキス」をする。そして・・二人の唇が離れた時に・・駐車スペースに優子の車が滑り込んでくる。

「じゃあ・・迎えに行くよ?」
「うん[揺れるハート]・・・」

僕とミミは社務所を飛び出し、優子と奈々子を出迎えに月明かりに照らされている鎮守の森の一角に車を停めた優子と奈々子の元へ駆けてゆく・・・・

「お帰りぃ~優子ぉ~」 僕は優子を抱きしめ、抱えあげる。
「ただいま。そして・・お帰りなさい!あなた・・・」
「じゃあ・・行こうか?帰ってきた報告にいかなきゃ・・・」
「うん。」

僕は優子の肩を抱きしめ、優子の両親が眠るお墓への道を歩く。
そして・・恒例になった・・・墓前でのキスはちょっとばかり・・・長く続いたのだ。


「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第14話へ・・・続く・・・・  
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